自由に、そして幸せに。

あめ

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そうしてお喋りしたりしながら、まったりと休憩していた。10分程経ち僕の体力も大分回復してきたので、そろそろ移動しようか~などと話していた。
すると後ろからガサガサッっと何かが動く音がした。
僕たちは不意に聞こえたその音に驚き、固まった。

「………い、いまの、なに?……ユウ?」
「ち、ちがう。俺じゃない………なんか…後ろから、聞こえた……」
「だ、だよねー……ど、どうしよっか…
振り返って、確認、す、する…?風で揺れた音じゃ、なかった、よ…。あれ、あれ絶対…!何か動いた音だよ…!」

僕は何かが出した音だと分かっていたけれど、ユウが出した音かどうかを確認せずにはいられなかった為小声で聞いた。
するとユウは小さく僅かに震えた声で、違うと否定した。
分かったていたけど、僅かな可能性を否定され、僕の声も震える。

僕たちはたどたどしい口調になりながら、どうするかをコソコソと話し合った。

「な、なに絶対にいる、よなー……
と、取り敢えずゆっくり、ゆっくり音を立てないよう気をつけて、体勢を変えよう。」
さっきまでまったりと休憩していた為、僕たちの体勢は完全にくつろいだままである。その状態で身体が緊張し、完全に固まっている。
なので見つかると、この体勢ではすぐには逃げられない。

その為、緊張し固まる体をゆっくりと動かしいつでも逃げられるようにしなければならない。
僕はしゃがんだ体勢で地面に手をついた。

「もういつでも立って走れるよ。
……どうする?せーので振り返って確認する?
それとも、もう確認はせずに全力ダッシュ?」
「…一応確認しよう。……俺が、振り返って確認する。
3.2.1で振り返るから、ミカはいつでも走れるようにしておけ」
「OK……」

僕はユウに言われて、声がかかると直ぐに走れるようにしゃがんだ体勢から、クラウチングスタートのような体勢に変えた。

「いくぞ…3..2..1((バッッ))…!!走れっっ!!」

ユウは勢いよく振り返り、そしてなにを見たのか分からないが“走れ!”と小声で叫び走り出した。
僕もユウに言われて反射的に走った。
ユウとタイミングはほぼ同時だった。

「はぁはぁ…ユウ!何がいたの?!」

僕は何がいたのか見ていない。ユウがこれ程焦った表情をしているのだ、気になる。今は我慢するべきかもしれないが好奇心に負け、コソコソと控えめの声で走りながらきいた。

「いいから、黙って走れ!気づかれるだろっ!離れたらちゃんと言うから!!……はぁはぁ」
相当やばいものを見たのか、またも小声で叫ぶように言った。 

なので僕は後で教えてくれるならまぁいいか、と思い諦めた。
走って全力で逃げることだけに集中することにした。


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