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Smallest Q.1 王都・ラスティケーキ
015_*怪人オペラ②
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「っち、偽物かよっ」
「残念。もう少しゆっくり様子を見たかったのだけれど、そろそろ限界かな」
腕輪から迷宮離脱用の魔法陣が展開されるまで、あと指折り数えて十。
(本体は、何処だ?)
肩透かしを食らったアレンは、とっさに周囲を見渡す。もちろん姿など見えるはずがない。先ほどまでライズが魔法で周囲を索敵していたし、アレン達の前に幻影で現れるほどに姿を現さない相手が見渡した程度で見える場所に隠れているわけがない。
(音は?)
あと八。耳を澄ませても周囲から怪しい物音はしない。
(屑ケーキめ、俺はこんなホログラム如きにビビらされて帰還しなくちゃなんねえのか?)
あと六。アレンはライズを振り返った。
ライズはアレンを見返して、小さく首を振る。表情は見えない。
そうかよ、と、アレンは小さく毒づいた。どこか心の中で、この傲岸不遜なパーティメンバーは、「このまま逃げるのは癪だね」とでも言ってくれるんじゃないか、と思っていたのだ。今、魔法陣の展開はライズの権限だ。アレンが嫌でも、四、五ほど数える間には強制的に転移魔法陣がアレンを連れ戻してしまうだろう。
(……嫌だ)
あと三。アレンは駆け出した。男のホログラムがいる方向でもライズの側でもなく、横ざまに一直線に。
「ちょっ……待て、スカスカ綿あめ脳のチョコ頭蓋骨!!」
「黙ってろ鶏サブレー!」
ライズがとんでもない悪口を言ってきたが止まらない。魔法陣の有効範囲がどれくらいか分からないが、流石に無限の範囲を拾えるわけではないだろう。
二、一。ぎりぎりまで全力で走ったアレンは、運を天に任せるつもりで、魔法陣の発動を待った。
「……へ?」
しかし、魔法陣は発動しなかった。タイミングを計り損ねていたのかと数秒待つも、あたりはしんとしたままだ。
「待てって言ったろホーリードーナツ! 何をとち狂ったわけ? 魔法陣の発動が阻害されたから無闇に動くなってさっき言ったよね?!」
「うぇっ?!」
アレンは完全にフリーズした。
言ったよね、と怒鳴ったが別に、ライズは口で言ったわけではない。先ほどライズが首を振ったのは、(もうすぐ離脱できるんだから大人しくしてろ)ではなく、(何故か腕輪が使えない)というメッセージだったのだ。ライズはアレンが戦いたくてうずうずしているのに気づいていなかった。だから単純に、問題が起きていると伝えたつもりだった。アレンが勘違いしたためにできた、微妙な距離にため息をつきつつ、ライズは男のホログラムを睨みつける。
「どうやって……」
「おっと、怖い顔をしないでくれよ"スイーティ"。せっかくの邂逅、ここで終わるのはつまらないだろう?」
男はにこやかな笑顔でライズを見た。
「……」
「まだ君たちに聞きたい事はあるし、僕のデザートタイムに無粋な余所者が押しかけてきても困るからね」
「何が目的だ!」
……と、離れたところから走って戻りつつアレンが叫ぶ。
「言ったじゃないか、私はただ、君たちを食後のデザートに誘っているだけだよ。招待状を身に宿した観客たち、舞台までの道は分かるかい?」
女なら美形に誘われて嬉しさが勝るかも知れないが、アレンとライズはかなり引きつった顔になっていた。劇場の演者として見るなら見事な演技も、会話中ずっとやられていれば食傷ものだ。
「で、ずっと気になってたんだけど、何でデザートなんだ?」
「ん?」
「あ?」
アレンの疑問に男は首を傾げる。アレンは当然の指摘をしたつもりなので、自分も頭に疑問符を浮かべることになった。助けを求めるようにライズの方を見やるが、ライズも困った顔をする。
「僕も『食後のデザート』なんて場所には心当たり無いけど」
「俺もないし、そもそもクラレット国内にそんな地形無いよな?」
「んんん? 君たちは何の話をしているのかな?」
「何って、デザートの話だよ」
「デザートの話だね」
「おかしいな、私もデザートの話をして……ああ」
しばらくして、男は急に手を叩き笑い出した。
「……ああ、そうか! "砂漠"と勘違いしていたのか! ふふ、いや、そうだった、人間から食後の甘味の文化が無くなって久しいのを忘れていたよ。以前オーディエンスを招いたのは100年近く前になるから、言葉自体が消えていても無理もなし、か。なるほど、これは退屈潰しにあいつに聞かせてやりたいね。はははははははっ!」
「……こいつ何笑ってんだ?」
「……さあ……」
もはやどん引きした2人を差し置いて、男は笑い続ける。(今なら流石に不意をつけるんじゃないか)と思ってしまうほどの哄笑っぷりだった。全てが演技臭いため、本気でツボに入っているのかは分からないが……。
(注:男が発していた「デザート」とは、食後に魔菓子を食す魔菓人の食習慣の事だと思われる。魔菓人は魔菓子を共食いするようだ)
「……アレン、今のうちに確認しておきたいんだけど」
「何だよ?」
今をチャンスと捉えたライズは、アレンに小声で話しかける。
「君、これからどうする?」
「は?」
「君がこいつを倒す気なのは分かってる。でも僕らはまだ、こいつの菓子としての種類も分かっていないし、攻撃手段も何も知らない。その段階で挑むのは下策だって事は分かるよね?」
「それでも……」
「それを悪いって言ってるわけじゃない。作戦を練ろうって言ってんの。君、初見の魔菓子にまで全部、無策で挑んできたわけじゃないでしょ?」
「そりゃ、ギルドで大体の情報は手に入るし、全く知らない敵なんてそうそう……」
「なら今のうちに覚えろ。魔菓人ってのは、ただ力だけで倒せるような相手じゃない。せめて本体の居場所を見つけないと、魔法でもどうにもならない」
「そう、そうなんだよな!」
「そんな事を気にしていたのかい、オーディエンス?」
「っ! だからお前近づいてくんなよ!」
また2人の近くにホログラムが映し出される。アレンはとっさに投げナイフを構えつつ後ずさるが、ライズは何を思ったのか、ホログラムに近づいた。
「火神よ 火雷の 加護を」
「おや?」
ライズが腕を突き出して唱えると、ホログラムの上に赤い魔法陣が現れる。
「……ホログラムに魔法は効かないんじゃないかな?」
肩をすくめる男をライズは無視する。突き出した腕を振り下ろすと、魔法陣からホログラムに向かって雷のような火花が降り注いで……当然、突き抜ける。実体のないホログラムを傷つけることはできない。
しかし火花はそこで止まらなかった。地面まで落ちると、木の根のように細かく枝分かれしながら地面を素早く這って一瞬のうちに広がる。ほとんどは広がってすぐに消えたが、いくつかの火花は吸い寄せられるように一点に集まり、炎を灯した。
「な、何だよこれ」
「火を起こす直前の雷は火魔法の領域なんだよ。全部同じに見える地面でも、雷は通りやすいルートを通って流れていくから隠し扉なんかを見つけるのに役立つ。こううまくいくのは稀だけど、ホログラムを辿って探したから見つけるのが楽だった」
「そんな事できるのか!」
「……行くよ」
炎の示した地面に強く炎を吹きかけると、チョコ生地の地面は溶け、下へ続く階段が姿を現した。二人は顔を見合わせて、共に下へと降りていく。
「合格だ。招待しよう、劇場に」
背後でそう呟いたホログラムが消えた。
階下に待っていたのは、全てが艶のあるチョコレートで鏡面のようにコーティングされた「劇場」だった。随所に金箔があしらわれ、クラレット国で一番の歌劇場に勝るとも劣らぬ広さと華麗さだ。段々になった観客席は舞台から見るとしっとりとしたアーモンドの生地、ガナッシュ、コーヒーのバタークリームが細やかに層をなすケーキの断面のように見える。オレンジ・リキュールの上品な香りが軽やかに酔わすようにあたりに広がっていた。
「これは……」
一人の男が、舞台の袖から現れる。ホログラムで見ていたままの姿だが、その雰囲気に、これが本物なのだとアレン達は確信する。
「ようこそ、一夜限りの劇場、ラスティケーキ・オペラ座へ。今宵は私がもてなさせていただくよ」
そこで思い出したように男は気取った礼をした。
「これは失敬、随分と名乗り遅れてしまったね。私は生来の名を捨てて久しいが、"パティシエ"には、親しみをもってこう呼ばれているーール ファントム ドゥ オペラ、"オペラ座の怪人"ーーとね」
*****
魔菓子レポート
No.014 鶏サブレー(Cock Sable)
鶏型・ビスケット系
Lv5 Cal:300 Bx:0
サックリとしたバター香るビスケット生地でできた鶏型のサブレ。胴と翼部分が別のビスケットでできているが、それにしてもビスケット3枚分の厚みなのでとにかく薄い。その薄さと、体が脆いため攻撃を受けるとすぐ逃げるところから「腰抜け」というイメージがついてしまっている。あまり羽ばたかず、素早く突っ込んで攻撃してくる。脆いとはいえ人肌よりは固いのでついばみには注意。
「残念。もう少しゆっくり様子を見たかったのだけれど、そろそろ限界かな」
腕輪から迷宮離脱用の魔法陣が展開されるまで、あと指折り数えて十。
(本体は、何処だ?)
肩透かしを食らったアレンは、とっさに周囲を見渡す。もちろん姿など見えるはずがない。先ほどまでライズが魔法で周囲を索敵していたし、アレン達の前に幻影で現れるほどに姿を現さない相手が見渡した程度で見える場所に隠れているわけがない。
(音は?)
あと八。耳を澄ませても周囲から怪しい物音はしない。
(屑ケーキめ、俺はこんなホログラム如きにビビらされて帰還しなくちゃなんねえのか?)
あと六。アレンはライズを振り返った。
ライズはアレンを見返して、小さく首を振る。表情は見えない。
そうかよ、と、アレンは小さく毒づいた。どこか心の中で、この傲岸不遜なパーティメンバーは、「このまま逃げるのは癪だね」とでも言ってくれるんじゃないか、と思っていたのだ。今、魔法陣の展開はライズの権限だ。アレンが嫌でも、四、五ほど数える間には強制的に転移魔法陣がアレンを連れ戻してしまうだろう。
(……嫌だ)
あと三。アレンは駆け出した。男のホログラムがいる方向でもライズの側でもなく、横ざまに一直線に。
「ちょっ……待て、スカスカ綿あめ脳のチョコ頭蓋骨!!」
「黙ってろ鶏サブレー!」
ライズがとんでもない悪口を言ってきたが止まらない。魔法陣の有効範囲がどれくらいか分からないが、流石に無限の範囲を拾えるわけではないだろう。
二、一。ぎりぎりまで全力で走ったアレンは、運を天に任せるつもりで、魔法陣の発動を待った。
「……へ?」
しかし、魔法陣は発動しなかった。タイミングを計り損ねていたのかと数秒待つも、あたりはしんとしたままだ。
「待てって言ったろホーリードーナツ! 何をとち狂ったわけ? 魔法陣の発動が阻害されたから無闇に動くなってさっき言ったよね?!」
「うぇっ?!」
アレンは完全にフリーズした。
言ったよね、と怒鳴ったが別に、ライズは口で言ったわけではない。先ほどライズが首を振ったのは、(もうすぐ離脱できるんだから大人しくしてろ)ではなく、(何故か腕輪が使えない)というメッセージだったのだ。ライズはアレンが戦いたくてうずうずしているのに気づいていなかった。だから単純に、問題が起きていると伝えたつもりだった。アレンが勘違いしたためにできた、微妙な距離にため息をつきつつ、ライズは男のホログラムを睨みつける。
「どうやって……」
「おっと、怖い顔をしないでくれよ"スイーティ"。せっかくの邂逅、ここで終わるのはつまらないだろう?」
男はにこやかな笑顔でライズを見た。
「……」
「まだ君たちに聞きたい事はあるし、僕のデザートタイムに無粋な余所者が押しかけてきても困るからね」
「何が目的だ!」
……と、離れたところから走って戻りつつアレンが叫ぶ。
「言ったじゃないか、私はただ、君たちを食後のデザートに誘っているだけだよ。招待状を身に宿した観客たち、舞台までの道は分かるかい?」
女なら美形に誘われて嬉しさが勝るかも知れないが、アレンとライズはかなり引きつった顔になっていた。劇場の演者として見るなら見事な演技も、会話中ずっとやられていれば食傷ものだ。
「で、ずっと気になってたんだけど、何でデザートなんだ?」
「ん?」
「あ?」
アレンの疑問に男は首を傾げる。アレンは当然の指摘をしたつもりなので、自分も頭に疑問符を浮かべることになった。助けを求めるようにライズの方を見やるが、ライズも困った顔をする。
「僕も『食後のデザート』なんて場所には心当たり無いけど」
「俺もないし、そもそもクラレット国内にそんな地形無いよな?」
「んんん? 君たちは何の話をしているのかな?」
「何って、デザートの話だよ」
「デザートの話だね」
「おかしいな、私もデザートの話をして……ああ」
しばらくして、男は急に手を叩き笑い出した。
「……ああ、そうか! "砂漠"と勘違いしていたのか! ふふ、いや、そうだった、人間から食後の甘味の文化が無くなって久しいのを忘れていたよ。以前オーディエンスを招いたのは100年近く前になるから、言葉自体が消えていても無理もなし、か。なるほど、これは退屈潰しにあいつに聞かせてやりたいね。はははははははっ!」
「……こいつ何笑ってんだ?」
「……さあ……」
もはやどん引きした2人を差し置いて、男は笑い続ける。(今なら流石に不意をつけるんじゃないか)と思ってしまうほどの哄笑っぷりだった。全てが演技臭いため、本気でツボに入っているのかは分からないが……。
(注:男が発していた「デザート」とは、食後に魔菓子を食す魔菓人の食習慣の事だと思われる。魔菓人は魔菓子を共食いするようだ)
「……アレン、今のうちに確認しておきたいんだけど」
「何だよ?」
今をチャンスと捉えたライズは、アレンに小声で話しかける。
「君、これからどうする?」
「は?」
「君がこいつを倒す気なのは分かってる。でも僕らはまだ、こいつの菓子としての種類も分かっていないし、攻撃手段も何も知らない。その段階で挑むのは下策だって事は分かるよね?」
「それでも……」
「それを悪いって言ってるわけじゃない。作戦を練ろうって言ってんの。君、初見の魔菓子にまで全部、無策で挑んできたわけじゃないでしょ?」
「そりゃ、ギルドで大体の情報は手に入るし、全く知らない敵なんてそうそう……」
「なら今のうちに覚えろ。魔菓人ってのは、ただ力だけで倒せるような相手じゃない。せめて本体の居場所を見つけないと、魔法でもどうにもならない」
「そう、そうなんだよな!」
「そんな事を気にしていたのかい、オーディエンス?」
「っ! だからお前近づいてくんなよ!」
また2人の近くにホログラムが映し出される。アレンはとっさに投げナイフを構えつつ後ずさるが、ライズは何を思ったのか、ホログラムに近づいた。
「火神よ 火雷の 加護を」
「おや?」
ライズが腕を突き出して唱えると、ホログラムの上に赤い魔法陣が現れる。
「……ホログラムに魔法は効かないんじゃないかな?」
肩をすくめる男をライズは無視する。突き出した腕を振り下ろすと、魔法陣からホログラムに向かって雷のような火花が降り注いで……当然、突き抜ける。実体のないホログラムを傷つけることはできない。
しかし火花はそこで止まらなかった。地面まで落ちると、木の根のように細かく枝分かれしながら地面を素早く這って一瞬のうちに広がる。ほとんどは広がってすぐに消えたが、いくつかの火花は吸い寄せられるように一点に集まり、炎を灯した。
「な、何だよこれ」
「火を起こす直前の雷は火魔法の領域なんだよ。全部同じに見える地面でも、雷は通りやすいルートを通って流れていくから隠し扉なんかを見つけるのに役立つ。こううまくいくのは稀だけど、ホログラムを辿って探したから見つけるのが楽だった」
「そんな事できるのか!」
「……行くよ」
炎の示した地面に強く炎を吹きかけると、チョコ生地の地面は溶け、下へ続く階段が姿を現した。二人は顔を見合わせて、共に下へと降りていく。
「合格だ。招待しよう、劇場に」
背後でそう呟いたホログラムが消えた。
階下に待っていたのは、全てが艶のあるチョコレートで鏡面のようにコーティングされた「劇場」だった。随所に金箔があしらわれ、クラレット国で一番の歌劇場に勝るとも劣らぬ広さと華麗さだ。段々になった観客席は舞台から見るとしっとりとしたアーモンドの生地、ガナッシュ、コーヒーのバタークリームが細やかに層をなすケーキの断面のように見える。オレンジ・リキュールの上品な香りが軽やかに酔わすようにあたりに広がっていた。
「これは……」
一人の男が、舞台の袖から現れる。ホログラムで見ていたままの姿だが、その雰囲気に、これが本物なのだとアレン達は確信する。
「ようこそ、一夜限りの劇場、ラスティケーキ・オペラ座へ。今宵は私がもてなさせていただくよ」
そこで思い出したように男は気取った礼をした。
「これは失敬、随分と名乗り遅れてしまったね。私は生来の名を捨てて久しいが、"パティシエ"には、親しみをもってこう呼ばれているーール ファントム ドゥ オペラ、"オペラ座の怪人"ーーとね」
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鶏型・ビスケット系
Lv5 Cal:300 Bx:0
サックリとしたバター香るビスケット生地でできた鶏型のサブレ。胴と翼部分が別のビスケットでできているが、それにしてもビスケット3枚分の厚みなのでとにかく薄い。その薄さと、体が脆いため攻撃を受けるとすぐ逃げるところから「腰抜け」というイメージがついてしまっている。あまり羽ばたかず、素早く突っ込んで攻撃してくる。脆いとはいえ人肌よりは固いのでついばみには注意。
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