8 / 21
Smallest Q.1 王都・ラスティケーキ
007_フロッシーショコラ&???
しおりを挟む
「煙? いや、これは……」
「まあ、よくいる魔菓子に見えるね」
「なっ……」
「煙」は、二人が言葉を交わす間にも、モクモクと吹き出ては広がり続ける。
「何で、ここに綿飴が出るんだよっ!」
怒鳴りながら、アレンはバターナイフを煙に向かって投げた。鋭いナイフは綿飴をすっぱりと切り裂いて向かいの壁に深く突き刺さる。しかし、切られた断面からはまた、腕を伸ばすようにモクモクと綿飴が伸びる。
「ちょっと。投げるだけムダ」
「分かってるっつの! ……何だよ、こいつ。ラスティケーキってチョコ系の魔菓子しか出ないんじゃなかったのかよ! こいつチョコじゃねーだろ」
「……考えられる事は一つあるけどね」
ライズは、先に膨らみのついた短い棒のようなものを取り出すと、その膨らみの部分に魔法で小さな火をつけて、フロッシーキャンディの方へ投げつけた。
「何だよ、それ……」
「燃料と火」
ライズの手から離れるや否や、棒の先から、鮮やかな花火が噴き出した。花火は次第に勢いを増し、巨大化しながら、綿飴の中に飛び込んでいく。壁に刺さって、そのまま燃え続ける。フロッシーキャンディは逃れようとモクモクと動くが、逃げのびる前に、作られた端から、どんどんと花火の熱が綿飴を溶かしていく。
「ケーキ用花火って奴。綿飴ならわざわざ物理で対抗する事はない。溶かしちゃえばいいでしょ?」
「うわっ、魔法持ちのやり方って凶暴だな……って、ん? なんかカラメルだけじゃなくてチョコの匂いもするな?」
チョコケーキの壁も炙られているのは事実だが、それにしても強い焦げチョコの臭いが広がっていた。
「……やれやれ。想像が当たったかな」
ライズは背負っていた銃を構えた。
「昔、学者センセーに聞いた事があるよ。理論上は、綿飴の飴の中にチョコを含ませてチョコの綿飴を作る事も可能だ、ってね」
「チョコの綿飴……?!」
「つまりフロッシーキャンディの変異種だ、これは。ただ炙っただけで終わるとは、思わない方が良いかもね?」
その言葉と同時に、花火が燃え尽きる。
地面に溶けて流れていた飴が、ズル、と動いた。
「おいおいマジかよ……」
「チョコレートを含む魔菓子は魔法を使ってくる可能性が高い。気をつけなよ」
飴の水溜まりが一気に蒸発したようにも見えた。再生したフロッシーキャンディ……いや、フロッシーショコラとでも呼ぶべき魔菓子は、空間全体に霧のように広がり、アレンやライズ達に迫ってきたのだ。
「火神よ加護を!」
咄嗟にライズが火魔法を唱え、アレンとライズの周囲を薄い火のベールが覆う。二人に近づいてきていたフロッシーは溶け、それ以上近づけなくなったが、代わりに二人は炎に包まれることになった。
「うっ……お前、炎って……」
「しょうがないでしょ。それとも口の中にフロッシー入ってきても良かったわけ?」
言いながらライズは、例の花火をまた取り出す。
「あれだけの量なら火力上げて焦げるまで炙るのも無駄が多そう。下手に風起こさないで燃やすと粉塵爆発とか起こるし、ま、今は倒さなくていいからね。逃げ切りを狙うなら、持続時間の長い花火で溶かして足止めするのが消耗も少ないしベストだと思うけど……」
「マジで言ってんのか、それ?」
やや焦った様子のライズを前に、アレンは意外にも落ち着いていた。
「あれくらいなら俺が倒してくるぞ。だから、この炎どけてくれ」
「はっ……? 魔法使えないのに何言ってんの? それとも実は秘蔵っ子の魔法でも持ってるわけ?」
「んなわけないだろ。魔法が使えるからってお前ら魔法に甘え過ぎなんだよ。まあ火はあった方が楽だろうけど、俺が今までフロッシーキャンディ相手に毎回逃げてたと思ってんのか?」
「……作戦はあるわけ?」
「当たり前だろ。俺に任せとけ」
「……言っとくけど、こんな序盤でリタイアとか勘弁だから」
「フロッシーみたいな冗談だな、それ」
アレンはナプキンで口元を覆うと、ライズが開けた炎のベールの隙間から飛び出す。その手には……鞘に入ったままのデザートナイフ大剣、シルエットミラーが握られていた。
「おらっ!」
アレンはその剣を、ただ振る。振り回す。近くにフロッシーが迫っていようが、何も気にせず、ただ、剣を……クルクルと回しながら、振る。
「フロッシーキャンディってのは別に霧じゃねーんだよな、なんか細い飴が糸になったもんなんだろ? なら、こうやって絡め取る事も出来るよなあ?!」
肌に張り付かれるよりも速く、口や鼻に入り込まれるよりも速く、空気中に漂う飴を絡め取る。狭い洞窟のようなダンジョン内を、隅まで逃さずフロッシーを捕まえていく。そして、丸くふんわりとフロッシーが集まったところで、剣を地面に叩きつける。転がして、剣の鞘に飴として固めてしまう。
「ほい、終わり」
「嘘でしょ……」
「俺の剣の鞘はかなりフロッシーキャンディでコーティングされてるぞ」
「はっ、何その危険物?! 溶けたらまた襲ってくる魔法持ちがいるの今見たばかりでしょ?! 後でその鞘洗わせるから! ああもう、鞘の近くで火は使えないって訳……」
「お前そんな大声も出すんだな」
「君のせいだよ……はあ。マジで君がミロワール倒したとかあり得る気がしてきた。マッピングするから退いて」
「おう?」
アレンはライズの反応が分からず首を傾げた。
*
暗闇の中、雨だというのに、山火事が広がっていた。めらめらと砂糖の燃える臭いが広がる中、炎の光を背負うように、濃い青の重たいローブをまとった人影が二つ、走っている。はるか背後で新しくいくつもの爆発が起こり、光が広がる。それらは次第に、二人へと近づいてきていた。
「ダメ……だね、この、ままじゃ」
前の一人が立ち止まると、後ろをついてきていたもう一人も止まる。フードで隠した顔は見えないが、白っぽい長い髪がサラサラと隙間から流れていた。
「行って」
「でも……」
「早く! ここは、私が絶対に食い止める、から……分かるよね?」
「……分かっ、た」
一人が、もう一人へとナイフを渡す。渡された長髪のローブは、
「リベル……どうか無事で。……叔父様……」
震える声で呟くと、小さな刀を自分の首元に近づける。
長い髪が、バッサリと切り落とされる。それをもう一人へと渡して、短髪となった人影はフードを深く被り直し、一人、駆けていった。
「……貴女こそ、どうか無事で」
残された人影は、うっすらと微笑む。
*****
魔菓子レポート
No.010 フロッシーショコラ(FlossyChocolate)
綿飴系・不定形
Lv300 Cal:2000 Bx:1000
綿のようなショコラ、つまりチョコを含んだ綿飴。綿飴系(FlossyCandy,CottonCandy)は学者が分類を投げ出すほど種類が多いが、チョコを綿飴自身が含んでいるのは稀な例。研究材料として高値で売れるだろう。しかし綿飴を倒す常套手段とされる、炎によるカラメル化では当然構造を溶かしてしまう。ではどうするかといえば、凍らせたり捕獲するのだが、荷物の嵩が増える事やリスクを考えれば、学者からの依頼以外でわざわざ持ち帰る冒険者は少ないだろう。ちなみに空気中を漂い絡みついたり呼吸を阻害してきたりとLv300らしく普通に厄介。溶けても再生するフロッシーも存在するらしいのでそのあたりにフロッシー系学者の未来がありそうだ。
Drop:チョコ飴
「まあ、よくいる魔菓子に見えるね」
「なっ……」
「煙」は、二人が言葉を交わす間にも、モクモクと吹き出ては広がり続ける。
「何で、ここに綿飴が出るんだよっ!」
怒鳴りながら、アレンはバターナイフを煙に向かって投げた。鋭いナイフは綿飴をすっぱりと切り裂いて向かいの壁に深く突き刺さる。しかし、切られた断面からはまた、腕を伸ばすようにモクモクと綿飴が伸びる。
「ちょっと。投げるだけムダ」
「分かってるっつの! ……何だよ、こいつ。ラスティケーキってチョコ系の魔菓子しか出ないんじゃなかったのかよ! こいつチョコじゃねーだろ」
「……考えられる事は一つあるけどね」
ライズは、先に膨らみのついた短い棒のようなものを取り出すと、その膨らみの部分に魔法で小さな火をつけて、フロッシーキャンディの方へ投げつけた。
「何だよ、それ……」
「燃料と火」
ライズの手から離れるや否や、棒の先から、鮮やかな花火が噴き出した。花火は次第に勢いを増し、巨大化しながら、綿飴の中に飛び込んでいく。壁に刺さって、そのまま燃え続ける。フロッシーキャンディは逃れようとモクモクと動くが、逃げのびる前に、作られた端から、どんどんと花火の熱が綿飴を溶かしていく。
「ケーキ用花火って奴。綿飴ならわざわざ物理で対抗する事はない。溶かしちゃえばいいでしょ?」
「うわっ、魔法持ちのやり方って凶暴だな……って、ん? なんかカラメルだけじゃなくてチョコの匂いもするな?」
チョコケーキの壁も炙られているのは事実だが、それにしても強い焦げチョコの臭いが広がっていた。
「……やれやれ。想像が当たったかな」
ライズは背負っていた銃を構えた。
「昔、学者センセーに聞いた事があるよ。理論上は、綿飴の飴の中にチョコを含ませてチョコの綿飴を作る事も可能だ、ってね」
「チョコの綿飴……?!」
「つまりフロッシーキャンディの変異種だ、これは。ただ炙っただけで終わるとは、思わない方が良いかもね?」
その言葉と同時に、花火が燃え尽きる。
地面に溶けて流れていた飴が、ズル、と動いた。
「おいおいマジかよ……」
「チョコレートを含む魔菓子は魔法を使ってくる可能性が高い。気をつけなよ」
飴の水溜まりが一気に蒸発したようにも見えた。再生したフロッシーキャンディ……いや、フロッシーショコラとでも呼ぶべき魔菓子は、空間全体に霧のように広がり、アレンやライズ達に迫ってきたのだ。
「火神よ加護を!」
咄嗟にライズが火魔法を唱え、アレンとライズの周囲を薄い火のベールが覆う。二人に近づいてきていたフロッシーは溶け、それ以上近づけなくなったが、代わりに二人は炎に包まれることになった。
「うっ……お前、炎って……」
「しょうがないでしょ。それとも口の中にフロッシー入ってきても良かったわけ?」
言いながらライズは、例の花火をまた取り出す。
「あれだけの量なら火力上げて焦げるまで炙るのも無駄が多そう。下手に風起こさないで燃やすと粉塵爆発とか起こるし、ま、今は倒さなくていいからね。逃げ切りを狙うなら、持続時間の長い花火で溶かして足止めするのが消耗も少ないしベストだと思うけど……」
「マジで言ってんのか、それ?」
やや焦った様子のライズを前に、アレンは意外にも落ち着いていた。
「あれくらいなら俺が倒してくるぞ。だから、この炎どけてくれ」
「はっ……? 魔法使えないのに何言ってんの? それとも実は秘蔵っ子の魔法でも持ってるわけ?」
「んなわけないだろ。魔法が使えるからってお前ら魔法に甘え過ぎなんだよ。まあ火はあった方が楽だろうけど、俺が今までフロッシーキャンディ相手に毎回逃げてたと思ってんのか?」
「……作戦はあるわけ?」
「当たり前だろ。俺に任せとけ」
「……言っとくけど、こんな序盤でリタイアとか勘弁だから」
「フロッシーみたいな冗談だな、それ」
アレンはナプキンで口元を覆うと、ライズが開けた炎のベールの隙間から飛び出す。その手には……鞘に入ったままのデザートナイフ大剣、シルエットミラーが握られていた。
「おらっ!」
アレンはその剣を、ただ振る。振り回す。近くにフロッシーが迫っていようが、何も気にせず、ただ、剣を……クルクルと回しながら、振る。
「フロッシーキャンディってのは別に霧じゃねーんだよな、なんか細い飴が糸になったもんなんだろ? なら、こうやって絡め取る事も出来るよなあ?!」
肌に張り付かれるよりも速く、口や鼻に入り込まれるよりも速く、空気中に漂う飴を絡め取る。狭い洞窟のようなダンジョン内を、隅まで逃さずフロッシーを捕まえていく。そして、丸くふんわりとフロッシーが集まったところで、剣を地面に叩きつける。転がして、剣の鞘に飴として固めてしまう。
「ほい、終わり」
「嘘でしょ……」
「俺の剣の鞘はかなりフロッシーキャンディでコーティングされてるぞ」
「はっ、何その危険物?! 溶けたらまた襲ってくる魔法持ちがいるの今見たばかりでしょ?! 後でその鞘洗わせるから! ああもう、鞘の近くで火は使えないって訳……」
「お前そんな大声も出すんだな」
「君のせいだよ……はあ。マジで君がミロワール倒したとかあり得る気がしてきた。マッピングするから退いて」
「おう?」
アレンはライズの反応が分からず首を傾げた。
*
暗闇の中、雨だというのに、山火事が広がっていた。めらめらと砂糖の燃える臭いが広がる中、炎の光を背負うように、濃い青の重たいローブをまとった人影が二つ、走っている。はるか背後で新しくいくつもの爆発が起こり、光が広がる。それらは次第に、二人へと近づいてきていた。
「ダメ……だね、この、ままじゃ」
前の一人が立ち止まると、後ろをついてきていたもう一人も止まる。フードで隠した顔は見えないが、白っぽい長い髪がサラサラと隙間から流れていた。
「行って」
「でも……」
「早く! ここは、私が絶対に食い止める、から……分かるよね?」
「……分かっ、た」
一人が、もう一人へとナイフを渡す。渡された長髪のローブは、
「リベル……どうか無事で。……叔父様……」
震える声で呟くと、小さな刀を自分の首元に近づける。
長い髪が、バッサリと切り落とされる。それをもう一人へと渡して、短髪となった人影はフードを深く被り直し、一人、駆けていった。
「……貴女こそ、どうか無事で」
残された人影は、うっすらと微笑む。
*****
魔菓子レポート
No.010 フロッシーショコラ(FlossyChocolate)
綿飴系・不定形
Lv300 Cal:2000 Bx:1000
綿のようなショコラ、つまりチョコを含んだ綿飴。綿飴系(FlossyCandy,CottonCandy)は学者が分類を投げ出すほど種類が多いが、チョコを綿飴自身が含んでいるのは稀な例。研究材料として高値で売れるだろう。しかし綿飴を倒す常套手段とされる、炎によるカラメル化では当然構造を溶かしてしまう。ではどうするかといえば、凍らせたり捕獲するのだが、荷物の嵩が増える事やリスクを考えれば、学者からの依頼以外でわざわざ持ち帰る冒険者は少ないだろう。ちなみに空気中を漂い絡みついたり呼吸を阻害してきたりとLv300らしく普通に厄介。溶けても再生するフロッシーも存在するらしいのでそのあたりにフロッシー系学者の未来がありそうだ。
Drop:チョコ飴
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
乙女の痕跡
mui
恋愛
学校と地域を繋ぐ地域コミュニケーション委員会に入った女の子3人が織りなす学園物語。
恋をしたり、友情を育んだり、仲間との絆を感じたり、失恋を味わったり、コンプレックスを克服したり、青臭い学園での成長をつらつらと書き綴ります。
不定期更新です。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる