暖をとる。

山の端さっど

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「FYI」

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 ワタクシ、今回は少しばかりスリリングでした。少しだけ。
 あの怖い「死神」さんから解放された後すぐに、バイクが謎の不調を起こしたんです。

 ですからワタクシ、どこまで続くかも分からない雪道を先へは進めませんでした。いっそ進んでやろうかとも思ったのですが、まさか雪山に徒歩登山する準備なんてしていなかったものですから、根負けしました。通信状態が良くなる場所まで徒歩で引き返したんです。
 帰路では凍傷ひとつすら負いませんでしたよ、ええ。張り込みに備えて最低限の準備だけはしてありましたもの。

 本当に嫌らしい「幸運」でしょう?

 だから通報したのも温まれる場所にたどり着いたのも、何が起きたのか知ったのも、全てが終わってしまった後だったんです。
 この度、ちょっとした縁でワタクシが預かることになった子の口癖になぞらえると、クワイタスのQ、といったところでしょうか?

 もしかして何かのトリックか奇跡が働いていて、この報告書が必要になるんじゃないか。不意にお二人が元気なお姿で目の前に現れるんじゃないか。
 そんな事を思ってしまうくらい、あっけない話じゃないですか、プレコシティ、探偵さん。



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