暖をとる。

山の端さっど

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-82℃ マトリョーシカケースのM

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「ねー、スターラーってどんなのだろーねー。ゴツいのがいいなー、剥ぎがいがあるやつ! 女の子ってつまんないんだもん、さすがに男でしょ? うんそうだよねー。ね?」

 SはS、スピーチイズシルバー。雄弁にも銀賞貰える価値はあるわけです。聞く方は沈黙してただ頷いてれば金なので、まあ。こっちにいるうちには美少女ちゃん殺されないはずなんで、まあまあ。時間稼ぎと言えなくもないんでまあまあまあ。
 もうすぐかの有名なS、大量殺人鬼スターラーが襲来予定だってのになんで悠長なんですかね。そもそもなんで来るんですかね。とか考え始めると脳の容量が無駄になるんで疑問は全部ダストにシュート。時間稼ぎしてるだけじゃダメだった時の事考えましょ。
 そして考えておいたのがこちらになります。

 とりあえず自力でこの雄弁奔放美女殺人鬼の制圧は無理。今や何も持ってないさそり座の乙女なんで。
 他力本願も望めませんよね。だって殺人鬼ですし。清廉な女子2人を助けに来てくれるわけじゃないでしょうし。
 まあ、救いとチャンスもそこです。どっちの殺人鬼もか弱い女子2人を人質扱いしないだろうって事でしょう。話し合い……殺し合い? が始まったらその隙に、そこら辺に落ちてるガラスの破片まで這ってって縄切って逃げますかー。

 となれば問題は、美少女ちゃんがどこに居るかって事で。多分階下なんですけど……。

「あ! ねえねえ聞こえた? 聞こえちゃったねーわあ! 凄くなーい? えーっ、どーしよどーしよ」

 え、何か聞こえました?

「銃かー。好みじゃないんだよね。お兄ちゃんは得意なんだけどなー。体と心が入れ替わるって話あるじゃん? あれってずるいよねー、他人の体にみんな簡単に適合しちゃってさあ」

 あの、パードンのPが始まりましたよ。あくまで黙っときますけど。

「穴が空いてるとこに入るのはいいじゃん、でもさー、記憶も分かんないし最初は体の使い方も分かんないしさ。ゼロから初めてお話みたいに楽だったら苦労しないよねえ。今はだいぶいいけどさー。そっかー銃なあ。ナイフでおとなしくなるかなあ」

 大きなナイフと布と、鉄板がついた器具? なんて持って、なんかこっちを見てます?
 わー、フォアボウディング~。不吉な予感のF~。

「お、お戯れを」
「大丈夫ー、慣れてるから~」

 ええ、こちらもちょっとばかし人の体チョキるのは慣れてるんで、報いって気はしなくもないんですけあああああああぁあああああぁああああああ゛っ!
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