暖をとる。

山の端さっど

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-86℃ 美味くない音

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 頭ちょー激痛ー! 無理な入れ替わりしたからバグってるかもなー。でもまあしばらくは無いっぽいからいっか。

「入れ替わる少し前に何となーく分かるようになってきたんだよねー。でねー、そーゆー時ってお兄ちゃん、ご飯我慢して譲ってくれるの! 好きなもの食べろよーって! 優しいでしょー? だから大好き!」

 基本お兄ちゃんタイムのが長いからさー。せっかくの自由時間にお腹いっぱいで何も食べられないのって結構ストレスなんだよね。

「だからー、こーゆー時はお兄ちゃん思いなとこ見せたいんだよねー。ねー? お兄ちゃんって何の肉料理好きかな? 焼き具合はー? 部位はどーしよーね。腕? 脚?」

 返事ないんだけど? あ、二人とも寝てもらったんだったー。お、ちっちゃいけど腕とか脚の肉しっかりしてる。鍛えてるなー。いい彼氏じゃーん。

「食べた事は無かったからさー、楽しみだな。頑張ってお兄ちゃん好みの味にしないと」

 お兄ちゃんの人生初めての彼氏、大事にしないと!

 お。
 二階に誰か来た。やっとスターラー来た! 足音重いしそーでしょ!
 じゃ後でねーっと!

「今降りるよー」



 屋根裏からすとん!



 おあー、いっぱいいる! でも多分、スターラーはぐったりしたのでもひょろいのでもなくて……

「とっ!」

 わばっ、すーぐ首掻っ切ってくるじゃんー! リーチえぐっ! 早っ! 鋭っ! 間違いなくコイツだよーもー! え、てか。

「てかやばー! 今、今さー! 切ってすぐ『殺し損なった』って顔した! えー、面白い! なんで気づくのー」

 やっば、笑いが止っまんなーい! たーのしい!!!

「肉切った感触でけっこう誤魔化せるんだけどなー。医者っぽくはないしー、猟師とか肉屋とかぁ? でも人の感触に慣れてるっぽいよねー」

 あ、「マフラー」落ちそう。てか落ちた。

「腕……?!」
「あはっ」

 ほんとは大人がいいんだけど、腕のところちょっと叩いて首に巻いとくといい感じの感触になるんだよね。外側にはマフラー巻いとけばバレないしー、落ち着くんだよねー、あは、あははっ!

「やー、こーゆーのだーい好きー! ねーやっぱ大きくてゴツくて骨がふっとくて、削ぎがいのある肉しててさー!」

 っと! ぜんぜんナイフ当たんないなあー! デカい癖にお兄ちゃんの彼ピより動き良くなーい? そこの動かない女とか刺しちゃう? あ、ナイフキャッチされた。他の奴かばって余裕ですー、ってー? 聞いてなーいー!

「この腕……は……」

 んー? 今誰か何か言ったー?
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