暖をとる。

山の端さっど

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-22℃ アプローチのA

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「つ、か、い、す、て、アットマークの@エーにグメルドットコム、と」

 ワンのO、セキュリティ万全の特殊なサイトに使い捨てのメアドで登録すること。

「画面、真っ黒だね」
「うん。ここからどこかに……リンクがあるって聞いたんだけどどこ?」
「情報源って聞いちゃダメなんだよね?」
「うん」

 ツーのT、赤子泣いても情報漏らすな。

「……私のためにここまでしてくれて、ありがと」
「別にベストフレンドの頼みだからじゃないっすよ~BFちゃん。私も奴にはムカついてんの! ……あ、リンクみっけ」
「えっと、この先、チャットで連絡取るんだよね……」

 スリーのT、ツーと文字被っちゃったけどこれが一番大事なポイント。

「初めまして『プレコシティ』さん、お願いします、私は『チノフィリア』です、っと」

 絶対に敬語で話し、尊敬を示し続けること。「プレコシティ」はとても気まぐれで、特に、偉ぶる人の話は絶対聞いてくれないらしいですんで。

『ようこそ。君の話を聞かせてもらおうか』

 すぐに返事が来ましたねー自動返信ですかね有り難っ。

「えっとコピペ、私の愛犬がストーカーに殺されて引越しもしなくちゃいけなくなりました、ストーカーに報復したいので特定をお願いしたいんです! と、送信」
『ストーカーについて知っている情報を全部話せ』
「返事早っ」

 ここで、なぜ隣にいる友達じゃなく私が文章打ってるのかについて一応エクスプレインのE。この特殊な裏情報屋、情報代がめちゃくちゃ高くてですね。二人で出すけどできるなら安く済ませたいでしょ。それで相談時間を短く済ませるために私のタイピング能力の活かしどころって訳ですよ。まあ、どうやらP氏の方が速いっぽいですが。なるほど早熟、プレコシティのP。と思う間にも私は情報をありったけ吐きP氏の質問に答えていきましたよ。



『なるほど。情報は十分だ。もう要らない。報酬を違えなければお前が「チノフィリア」の代わりにタイピングしていることも不問にしよう』
「えっ……」

 そう、赤子泣いても、のT。本当は一人だけで相談しなくちゃいけなかったんですよねーこれ。でもQ、どこでバレたんでしょ。

『予想外の質問に対し反応が遅れていただろう』

 確かに友達に聞いてから答えてたから少しくらい遅かったかもしれませんけどね、よく気づきますね!

「……この人に頼んで良かったみたいだね」

 ホッとしたような友達の顔が見たくて頑張ってたんで、まあ私は満足です。
 
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