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氷樹の森の大賢者
幕間-見習い魔女と鍛冶師の弟子
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物心ついた頃、私は物語を聞くのが好きでした。
ベッドに入ってから寝るまでの間に両親が話してくれた物語。
人それぞれ違う話だったのでしょうが、私にとってのそれは『アーネンエルベの冒険譚』とよばれるものでした。
それは神代の冒険譚、私達とは比べ物にならない力を持つに至った人々の幾つもの旅のお話。
魔物を相手に傲岸不遜、山を砕き海を裂き、大地を吹き飛ばすその異形たちに一歩も引くことなく、あろうことか打ち取ってすらみせる冒険者。
私にとっての代名詞、それはそのアーネンエルベに集った人たちでした。
千終貫突ザルトリーチエ、炎上する群青エミリア・キャスティエ、四元の理バイルンエルアといった、神代の人々の物語。
そんな中でも私がことさら好きだったのが、魔剣の賢者スノウ・フロステシアと戦槌の鍛冶師エレオラ・バーミリオンの二人の、それもまだまだ駆け出しだった頃のお話。
まだ見習い魔女だった頃のスノウは剣をうまく扱えるわけでもなく、かと言って魔法に長けていたわけでもありません、同じ頃、エレオラも鍛冶師としては未熟であり、武器を作るのに何度も失敗し、練習のための材料集めにも難儀する有様。
まだ円卓の仲間たちも居なかったため二人だけで旅をすることも多かったそうです。
という、ノフィカの語りを聞きながら、私はエレオラと長く一緒に冒険をするきっかけとなった出来事を思い返していた。
「何なのこのスキルツリー、劣化魔道士と劣化剣士じゃん……」
「大器晩成型にも限度があるって話題になってたねぇ」
「クラスレベル50が遠いよ~」
「まぁ気長に頑張りたまえ、支援スキルが手に入ったらパーティのアテもあるさ」
そう言いながらエレオラは溶鉱炉に鉱石を入れては鉄を生産する行為を繰り返す。
そうして数を揃えてようやく武器一本を制作する準備が整うのだ。
これで何度目になるかわからない挑戦だが、私と似た半端なステータス振りをしている彼女にとって製造は得意とするところではない。
それでも生み出される有用な武器というのは今後を左右する大事な要素なわけで挑戦を繰り返すわけだが。
準備が整ったのかエレオラは手に持った鍛冶ハンマーを振り上げて、そして破壊的な音を響かせた。
材料が砕け散り、鉄材の破片があたりに散らばる。
集めれば鉄に戻せるが明らかに量が目減りするうえに、再度小型溶鉱炉という消耗品アイテムの出費を迫られるという泣きっ面に蜂要素。
運営はたぶん救済として入れたんだろうけどね。
泣き顔エモーションを連打する彼女に頭を撫でるエモーションを連打してやる。
「……狩りでもいくかい?」
「あたしゃもう鉱山通いは飽きたんじゃよ」
「じゃあレア狙い?」
「いうて私達二人じゃなあ、やっぱり鉱山か……」
「私が火属性スキルでも取ってれば良かったんだけどねぇ」
サポート能力のまだない読解者と製造戦闘ステータスバランス振りの鍛造師では効率も殲滅速度もたかがしれている、それどころか狩場の状況によっては殲滅速度が魔物の沸く速度に追いつかずデスペナルティ、なんてこともありうる。
序盤の習得スキルのこともあり、お互い最初の育成には本当に向いていない職なのだ。
挙句の果てに、鉱山のモンスターの大半に比較的有効な火属性魔法を取っていればもう少し楽だったかもしれないが、あいにく私の属性選択は水と風ときた。
足手まとい感が甚だしい。
「もっと効率いい職にでも変えるかねぇ」
「……読解者辞めるの?」
「できれば続けたいけど、アイテムとか裝備とか整ってからのほうがいいかなぁ、って」
「効率を考えるなら正しいんだろうけど……」
何か違うふうに感じている、というのはお互いにあるのだろう。
エレオラだって、最初に始めるならもっと稼げる職があるのだから。
結局のところお互いにそれをするでもなく、かと言って狩りに行くわけでもなくその日は一日雑談をして過ごした。
お互いに少しだけ増えた愚痴はどこに行くわけでもなく、なんとなく気まずくなってゲームからログアウトするまで続いた。
「狩りに行きます」
「……お、おう」
「鉱石のノルマは合金なので多いです」
「どのぐらい?」
「普段の三倍」
翌日、会って開口一番にエレオラが口にしたのは昨日とは逆の一言だった。
なんというか、見えるわけじゃないんだけどもチャット越しに目が座ってるような印象がある。
私としてはその日の目的が漠然とした経験値稼ぎから、目標数のあるアイテム集めに変わった事で少しだけモチベーションが上がったけど。
にしても三倍って多いな。
武器によって使う鉱石類の数はやっぱり変わるんだけども、多いとなると結構上級にチャレンジするつもりなのだろう、一発逆転狙いか。
「目的地はいつもどおり、武装鉱山でいいのよね?」
「うん、レアドロップがあんまり狙えないけどそこは仕方ないね」
バウロ武装鉱山。
ゲームの設定上ではウィルヘルム王国の所有する山に数多くのコボルト族が住み着いて勝手に作り上げ採掘を行っている鉱山のことだ。
この鉱山のあるマップに入るには王国の許可が必要になる、かなり序盤の世界設定が見えるクエストとなっている。
現地から多少離れればアクティブなモンスターも居ないため、鉱山前に移動した段階で最後の確認をする。
「採掘ポイントはいつもの場所を狙うの?」
「いや、合金狙いだから一つ奥」
「一つ奥って、軽く言うわねぇ……」
「流石に最下級の鉄で狙うにはもったいなさすぎてね……というわけで回復薬も奮発しました」
彼女が用意した回復薬、それは普段の単価あたりの回復量の多い数が持てない代物ではなく、数を持てて回復量もある代わりにお高いやつだった。
言ってくれれば私も自腹で用意してきたんだが……。
「……散財?」
「まぁ、たまにはこういうのもいいんじゃないかなって思ってさ。リーシアにとっては結構辛い狩場だしね、目標は合金60個分よ」
「結構高いノルマですな」
合金60個というと鉄鉱石300個ぐらいだっけ?
他にも結構材料が必要だったと思うけど。
「それからこれ使って」
「へ? うわ、移動速度増加の簡易魔法紙? 道中振り払うと」
「回復剤も無駄にできないし、何より道中絡まれると消耗が激しいからね。作戦は採掘ポイントの奥まで引っ込んでそばに来たコボルト以外は無視で長期滞在」
「なるほどねぇ……前衛はいつもどおりエレオラ?」
「それなんだけど、殴りに外に出ると他の奴まで釣っちゃうことがあるからリーシアが魔法で釣って、近寄ってきたところを一緒にボコります。なので回復剤はケチらないでね」
「……なるほど、大体把握したわ。それじゃあ、準備はいい?」
「おうともさ!」
簡易魔法紙を使ってバフをかけた私たちは同時に走りだした。
「長期滞在狙いだと案外粘れるわね。案外これでお金稼ぐほうが私たちには早いんじゃない?」
「一応言っとくけど、そんなに利益でてないわよ。回復薬結構したんだから……」
「そっかー」
ダンジョンでの滞在時間は結局二時間ほど、なんとか材料を集めた私たちはその後適当にコボルトを狩って、最後に狩られてデスペナルティと一緒に帰還した。
エレオラは集めた鉱石を突っ込んで次々と精錬を行っていく。
結局のところ彼女が何を作ろうとしているのか、今になっても教えてくれない。
だから私には待つぐらいしかできないわけで……。
まあ、いい武器を作ろうとしてることぐらいはわかるんだけど。
いい武器が出来りゃだいぶ楽になるし、場所によっては武器があるだけで募集しているパーティもあるから、頑張るのはわかるんだけどね。
ああ、そういえば彼女がそういう武器を作れたらもう私と組む理由も無いんだよね。
たまたま同じ日にゲームを初めて出会って、お互いにパーティを組むアテがないから一緒に冒険してただけで……。
そう考えると少し寂しいものがあるなぁ……。
「ねえ」
ぼーっとそんなことを考えていたら不意に声をかけられた。
ただ呼ばれていただけなのに何故か慌ててしまう。
「何?」
「……私が武器を作るときにさ、折れればいいのにって考えたこと……ある?」
「ねーよ」
即答する。
流石にそれはない、というかエレオラは私のことをどんな嫌なやつだと思っているんだい?
「どうして?」
「どうしてってそりゃ……私そんな嫌なやつじゃないつもりだし、武器できたら嬉しいでしょ?」
「……あんたが馬鹿なのはよくわかったよ」
あー、はい、割とよく言われます。
「ほら、武器ができたら私パーティのアテができちゃうし、一緒にいる時間減ることになるじゃん?」
まあ、そうかもね。
普通はそりゃあ、効率のいい方に行くだろう。
私だってもう少しレベルが上って"能力値増強式"の魔法を覚えたらパーティのほうが増えることにはなるだろう。
ある程度育成が落ち着くまでは。
エレオラに誘われたらホイホイついてくだろうけどね、一緒にいると楽しいから。
そこまで私の気力が持てばだけど。
「そりゃあそうだけど、私はほら、レベル上げてスキル取れば運任せな製造しなくてもパーティの道が約束されてますし」
「そうだね……でもまだしばらくそのレベルになるには時間がかかる。私は運に成功すれば明日にでもって可能性はある。それで今日みたいな無茶な鉱石集めに、なんで付き合ったの?」
「行こうって誘われたから……かな。あとは、楽しそうだったし」
呆れたようなため息のエモーション。
少し時間を置いて、彼女がぶつけてきたそれが本音であると気がつくまでに、私は少しの時間を要したのだ。
「私はさ、武器製作が失敗すればいいのにって考えたこと、ある」
「おい鍛造師」
「言いたいことはわかるわよ、なんでそんなこと考えるんだって事でしょう?」
「そりゃそうだ、武器が欲しくて材料集めて挑戦してるのになんでそんなことを考えるのかさっぱりわからないよ」
無論彼女なりの理由があるからなんだろうけども。
私はレベルが上がると確定でスキルを習得できてそれによりパーティのアテができる。
エレオラは武器が作れさえすればその武器で戦いやすい狩場ならパーティのアテができる。
どう考えても私が簡単なのに、どうして自分の武器を折れればいいのになんて考えたんだ。
「私の武器が完成したらさ、リーシアはどうする?」
「どうするって、どの程度変わるのか見てみたいから一緒にまた鉱山?」
「鉱山向けの武器じゃなかったら?」
「そもそも私のスキルが鉱山向けじゃないからむしろ好都合?」
再びのため息エモーション、それでようやく、彼女の気にしていたことが予想できてしまった。
狩場だとか、裝備だとかに差がついて、段々と疎遠になってしまうことを恐れた、というところだろうか。
オンラインゲームじゃそんなの当たり前のことなんだろうけど。
なんてことはない、それは"また彼女が誘ってくれること"か"私の誘いを彼女が断らない事"が大前提なのだ。
それはきっと、あんまり効率が良くない選択肢だ。
「結局のところ、私は言い訳が欲しかったんだよ。口実っていったほうがいいかな、狩りに誘う口実、一緒にいる口実、そういったものがさ。そんなだから今まで製造が一回も成功してないんじゃないかなっておもってさ」
たかがゲームの確率にそんな精神論はない、と断言するほど私はゲーム歴が短くもないから答えに困る。
ゲームにおける都市伝説、物欲センサー。
欲しいと思ったものほど出なくなると言われるそれは何時の時代にも語られる有名なものだ。
証明することもできずネタとして語られる一種のオカルト。
それでも、そういった一種の引力のような不思議な力はあるのではないかと思う。
あるいは、面白半分に信じられているからこそ力を持ってしまった類かもしれない。
「昨日さ、先に始めてた友達から製造アイテムもらったのよ。自分じゃ売るぐらいしか使い道がないからって。売って資金にでもするといいって言われたけど、流石に売りづらくてさ」
「ふむん?」
「だから別の友だちに彫金加工を頼んで、それが今手元にあるのよ」
「なるほど、それを使うから材料も気合いれたわけね。成功するといいねぇ」
成功確率はスキル的にもレベル的にもかなり低いんだろうけど、完成さえすれば多少上の狩場でも通用する代物になるだろう。
彼女が勢い良くハンマーを振り上げ、そして振り下ろす。
昨日と違ったのはそのエフェクト。
色とりどりの花火が上がり、カラフルに装飾されたCongratulation!!の文字が浮かぶ。
レベルアップと並んで気合の入ったエフェクトを出せるのはクラフター職の楽しみだろう。
さりげに職毎、製作アイテム毎にエフェクトが違うらしい。
ただ一つだけ気になることがあった。
そのエフェクトが見間違いでなければ、完成したものは剣だったのだ。
鍛冶師は一応剣を使えるが、攻撃力的に見れば斧や槌といった鈍器系のほうが優越する、習熟スキルもあるためなおさらだ。
そのため最初に作るものもそれが良いという話なのだが……。
「私はさ、このクラフト成功の時のエフェクトが自分で見たくて鍛造師で始めたの」
「言ってたね、初エフェクトおめでとう」
「リーシアはさ……なんで読解者で始めたの?」
そういえば、まだ一ヶ月だというのに育てづらさに気を取られてそのことを忘れていた気がする。
一度話したことだったというのに、まだ一ヶ月だというのに……。
「私は、このゲーム始める前に動画サイトですごい強くてかっこいい人の動画を見て、それに憧れて……それから、職業クエストでこの世界の成り立ちとか、設定について一番詳細に知れるから、かな」
「ならさあ、他の職に変えるなんて選択肢なくない?」
そう言って彼女が渡してきた剣は、見た目は肉厚で無骨な黒い刃の長剣だった。
銘は"スペル・キャスト"、詠唱済みの魔法を一つセットしておいて任意タイミングで発動することができる、特性持ち裝備だった。
魔法を使えない鍛造師にはまるで意味のない特性……それはつまり。
「私はなかなか素直に慣れない質だから、今回だけ」
そう前置きして、彼女は言ったのだ。
「私は、貴方とこのまま冒険したい。"今の"貴方と……ダメかな?」
つまりこれは、彼女なりに私を引き止めている、ということなのだろう。
彼女の前で弱音を吐いてしまった故にこんな気を使わせてしまったのか。
だとしたらそれはとても申し訳ない話のような気がする。
なんて言葉を返せばいいだろうか。
答えなんて決まってるけれど。
「一緒にいたいと言ってもらえるのは光栄ね」
スペル・キャストを受け取り水属性の魔法、"氷結針"をキャストする。
魔法の詠唱にはレベル相応の詠唱時間が必要だが、この武器を使えば戦闘直後に剣で攻撃しながら即座に魔法を発動できる。
それは殲滅速度に対する大きなアドバンテージになるだろう。
「それじゃあ、鉱山に試し斬りに行きましょうか」
「鉱山に? リーシアの得意な場所のほうがよくない?」
「何言ってるの、貴方の武器を用立てないとでしょう?」
「別に今日でなくても」
私にだけ製造品を持たせてそんなことを言うかねこいつは。
私の返事だというのにまったく。
「何言ってるの、次も成功させなさい。属性は火か水か風ね」
「土は候補に入れないの?」
「鉱山に行くなら火、私と相性合わせるなら水か風でしょう?」
「……うん?」
「属性を合わせれば一緒に入れるパーティだってあるでしょう。武器を作る都合上、最初が火なら鉱山にこもりやすくなるしね。……エレオラが言ったんだから、野良なんてさせないからね?」
その日のうちに材料を集めての二度目の挑戦は見事に成功した。
それが私達の、長い物語のきっかけとなる出来事だったのだ。
エレオラ・バーミリオンとスノウ・フロステシアのほんとうの意味での冒険はこの時から始まり、やがて二人は単輪の円卓"アーネンエルベ"の仲間たちと共に千変万化の大迷宮へど挑むことになるのです。
幾度と無く続く挑戦はやがて彼女たちの名声を高めていくのですが、それはまた別のお話。
「というのが、私の知っている"アーネンエルベ"のお話です」
「あー……うん、そうなんだ」
顔にこそ出さないように必死だが、内心で冷や汗だらっだらである。
私の思い返す出来事とは裏腹に、ノフィカの語る物語はそこかしこに美化の入ったもはや原型を留めぬものだったからだ。
というか、エレオラと恋仲にされてるとは思わんかった。
確かにゲーム内ではかなり一緒にいたしそういうふうに茶化されたこともあるけど、相方止まりですからね、本当に!
私の内心とは裏腹にノフィカはうっとりと憧れるような目をして虚空を見つめている。
帰ってきて、ノフィカさん。
「この時から二人はほぼいつも一緒に、時に新たな仲間と共に幾つもの迷宮と未開の地を乗り越えていくんです……素敵ですよね」
まあ、新しいパッチがあるたびに二人で出向いては騒いでたなぁ……。
「懐かしいわねぇ」
小さくつぶやいた私の言葉は、彼女の耳に届いてしまったらしい。
少しだけ表情を曇らせた。
「リーシア様、もしかしてお寂しいのでしょうか?」
「……まぁ、仕方のない事だからね、懐かしいぐらいかな」
死んじゃったのも突然だったしなー。
考えれ見れば彼女にちゃんとしたお別れも言わずに消えてしまったんだよね私は。
……せめて元気にしていると良いんだけど。
「リーシア様にも、スノウ様にとってのエレオラ様のような、かけがえのない相手がいらっしゃったんですか?」
……当人です、とは流石に言えないなぁ。
何よりスノウじゃなくてサブキャラのほうだったリーシアで名乗ってるし。
「そうね、居たわ。最高の相棒が、ね」
「……正直、うらやましいです」
「んー、ゼフィアは違うの?」
「え? ……そういうふうに考えたことは、ないですね」
彼女の返答に小さく苦笑する。
なら、今はそれで良いのかもしれないね。
私から見るとあなた達もそうなりそうなんだけどね?
しばらくして次の話にはいり、やがて話つかれたノフィカをベッドに寝かせつつ、平和で静かで、少しだけ寂しい夜は過ぎてゆくのだった。
ベッドに入ってから寝るまでの間に両親が話してくれた物語。
人それぞれ違う話だったのでしょうが、私にとってのそれは『アーネンエルベの冒険譚』とよばれるものでした。
それは神代の冒険譚、私達とは比べ物にならない力を持つに至った人々の幾つもの旅のお話。
魔物を相手に傲岸不遜、山を砕き海を裂き、大地を吹き飛ばすその異形たちに一歩も引くことなく、あろうことか打ち取ってすらみせる冒険者。
私にとっての代名詞、それはそのアーネンエルベに集った人たちでした。
千終貫突ザルトリーチエ、炎上する群青エミリア・キャスティエ、四元の理バイルンエルアといった、神代の人々の物語。
そんな中でも私がことさら好きだったのが、魔剣の賢者スノウ・フロステシアと戦槌の鍛冶師エレオラ・バーミリオンの二人の、それもまだまだ駆け出しだった頃のお話。
まだ見習い魔女だった頃のスノウは剣をうまく扱えるわけでもなく、かと言って魔法に長けていたわけでもありません、同じ頃、エレオラも鍛冶師としては未熟であり、武器を作るのに何度も失敗し、練習のための材料集めにも難儀する有様。
まだ円卓の仲間たちも居なかったため二人だけで旅をすることも多かったそうです。
という、ノフィカの語りを聞きながら、私はエレオラと長く一緒に冒険をするきっかけとなった出来事を思い返していた。
「何なのこのスキルツリー、劣化魔道士と劣化剣士じゃん……」
「大器晩成型にも限度があるって話題になってたねぇ」
「クラスレベル50が遠いよ~」
「まぁ気長に頑張りたまえ、支援スキルが手に入ったらパーティのアテもあるさ」
そう言いながらエレオラは溶鉱炉に鉱石を入れては鉄を生産する行為を繰り返す。
そうして数を揃えてようやく武器一本を制作する準備が整うのだ。
これで何度目になるかわからない挑戦だが、私と似た半端なステータス振りをしている彼女にとって製造は得意とするところではない。
それでも生み出される有用な武器というのは今後を左右する大事な要素なわけで挑戦を繰り返すわけだが。
準備が整ったのかエレオラは手に持った鍛冶ハンマーを振り上げて、そして破壊的な音を響かせた。
材料が砕け散り、鉄材の破片があたりに散らばる。
集めれば鉄に戻せるが明らかに量が目減りするうえに、再度小型溶鉱炉という消耗品アイテムの出費を迫られるという泣きっ面に蜂要素。
運営はたぶん救済として入れたんだろうけどね。
泣き顔エモーションを連打する彼女に頭を撫でるエモーションを連打してやる。
「……狩りでもいくかい?」
「あたしゃもう鉱山通いは飽きたんじゃよ」
「じゃあレア狙い?」
「いうて私達二人じゃなあ、やっぱり鉱山か……」
「私が火属性スキルでも取ってれば良かったんだけどねぇ」
サポート能力のまだない読解者と製造戦闘ステータスバランス振りの鍛造師では効率も殲滅速度もたかがしれている、それどころか狩場の状況によっては殲滅速度が魔物の沸く速度に追いつかずデスペナルティ、なんてこともありうる。
序盤の習得スキルのこともあり、お互い最初の育成には本当に向いていない職なのだ。
挙句の果てに、鉱山のモンスターの大半に比較的有効な火属性魔法を取っていればもう少し楽だったかもしれないが、あいにく私の属性選択は水と風ときた。
足手まとい感が甚だしい。
「もっと効率いい職にでも変えるかねぇ」
「……読解者辞めるの?」
「できれば続けたいけど、アイテムとか裝備とか整ってからのほうがいいかなぁ、って」
「効率を考えるなら正しいんだろうけど……」
何か違うふうに感じている、というのはお互いにあるのだろう。
エレオラだって、最初に始めるならもっと稼げる職があるのだから。
結局のところお互いにそれをするでもなく、かと言って狩りに行くわけでもなくその日は一日雑談をして過ごした。
お互いに少しだけ増えた愚痴はどこに行くわけでもなく、なんとなく気まずくなってゲームからログアウトするまで続いた。
「狩りに行きます」
「……お、おう」
「鉱石のノルマは合金なので多いです」
「どのぐらい?」
「普段の三倍」
翌日、会って開口一番にエレオラが口にしたのは昨日とは逆の一言だった。
なんというか、見えるわけじゃないんだけどもチャット越しに目が座ってるような印象がある。
私としてはその日の目的が漠然とした経験値稼ぎから、目標数のあるアイテム集めに変わった事で少しだけモチベーションが上がったけど。
にしても三倍って多いな。
武器によって使う鉱石類の数はやっぱり変わるんだけども、多いとなると結構上級にチャレンジするつもりなのだろう、一発逆転狙いか。
「目的地はいつもどおり、武装鉱山でいいのよね?」
「うん、レアドロップがあんまり狙えないけどそこは仕方ないね」
バウロ武装鉱山。
ゲームの設定上ではウィルヘルム王国の所有する山に数多くのコボルト族が住み着いて勝手に作り上げ採掘を行っている鉱山のことだ。
この鉱山のあるマップに入るには王国の許可が必要になる、かなり序盤の世界設定が見えるクエストとなっている。
現地から多少離れればアクティブなモンスターも居ないため、鉱山前に移動した段階で最後の確認をする。
「採掘ポイントはいつもの場所を狙うの?」
「いや、合金狙いだから一つ奥」
「一つ奥って、軽く言うわねぇ……」
「流石に最下級の鉄で狙うにはもったいなさすぎてね……というわけで回復薬も奮発しました」
彼女が用意した回復薬、それは普段の単価あたりの回復量の多い数が持てない代物ではなく、数を持てて回復量もある代わりにお高いやつだった。
言ってくれれば私も自腹で用意してきたんだが……。
「……散財?」
「まぁ、たまにはこういうのもいいんじゃないかなって思ってさ。リーシアにとっては結構辛い狩場だしね、目標は合金60個分よ」
「結構高いノルマですな」
合金60個というと鉄鉱石300個ぐらいだっけ?
他にも結構材料が必要だったと思うけど。
「それからこれ使って」
「へ? うわ、移動速度増加の簡易魔法紙? 道中振り払うと」
「回復剤も無駄にできないし、何より道中絡まれると消耗が激しいからね。作戦は採掘ポイントの奥まで引っ込んでそばに来たコボルト以外は無視で長期滞在」
「なるほどねぇ……前衛はいつもどおりエレオラ?」
「それなんだけど、殴りに外に出ると他の奴まで釣っちゃうことがあるからリーシアが魔法で釣って、近寄ってきたところを一緒にボコります。なので回復剤はケチらないでね」
「……なるほど、大体把握したわ。それじゃあ、準備はいい?」
「おうともさ!」
簡易魔法紙を使ってバフをかけた私たちは同時に走りだした。
「長期滞在狙いだと案外粘れるわね。案外これでお金稼ぐほうが私たちには早いんじゃない?」
「一応言っとくけど、そんなに利益でてないわよ。回復薬結構したんだから……」
「そっかー」
ダンジョンでの滞在時間は結局二時間ほど、なんとか材料を集めた私たちはその後適当にコボルトを狩って、最後に狩られてデスペナルティと一緒に帰還した。
エレオラは集めた鉱石を突っ込んで次々と精錬を行っていく。
結局のところ彼女が何を作ろうとしているのか、今になっても教えてくれない。
だから私には待つぐらいしかできないわけで……。
まあ、いい武器を作ろうとしてることぐらいはわかるんだけど。
いい武器が出来りゃだいぶ楽になるし、場所によっては武器があるだけで募集しているパーティもあるから、頑張るのはわかるんだけどね。
ああ、そういえば彼女がそういう武器を作れたらもう私と組む理由も無いんだよね。
たまたま同じ日にゲームを初めて出会って、お互いにパーティを組むアテがないから一緒に冒険してただけで……。
そう考えると少し寂しいものがあるなぁ……。
「ねえ」
ぼーっとそんなことを考えていたら不意に声をかけられた。
ただ呼ばれていただけなのに何故か慌ててしまう。
「何?」
「……私が武器を作るときにさ、折れればいいのにって考えたこと……ある?」
「ねーよ」
即答する。
流石にそれはない、というかエレオラは私のことをどんな嫌なやつだと思っているんだい?
「どうして?」
「どうしてってそりゃ……私そんな嫌なやつじゃないつもりだし、武器できたら嬉しいでしょ?」
「……あんたが馬鹿なのはよくわかったよ」
あー、はい、割とよく言われます。
「ほら、武器ができたら私パーティのアテができちゃうし、一緒にいる時間減ることになるじゃん?」
まあ、そうかもね。
普通はそりゃあ、効率のいい方に行くだろう。
私だってもう少しレベルが上って"能力値増強式"の魔法を覚えたらパーティのほうが増えることにはなるだろう。
ある程度育成が落ち着くまでは。
エレオラに誘われたらホイホイついてくだろうけどね、一緒にいると楽しいから。
そこまで私の気力が持てばだけど。
「そりゃあそうだけど、私はほら、レベル上げてスキル取れば運任せな製造しなくてもパーティの道が約束されてますし」
「そうだね……でもまだしばらくそのレベルになるには時間がかかる。私は運に成功すれば明日にでもって可能性はある。それで今日みたいな無茶な鉱石集めに、なんで付き合ったの?」
「行こうって誘われたから……かな。あとは、楽しそうだったし」
呆れたようなため息のエモーション。
少し時間を置いて、彼女がぶつけてきたそれが本音であると気がつくまでに、私は少しの時間を要したのだ。
「私はさ、武器製作が失敗すればいいのにって考えたこと、ある」
「おい鍛造師」
「言いたいことはわかるわよ、なんでそんなこと考えるんだって事でしょう?」
「そりゃそうだ、武器が欲しくて材料集めて挑戦してるのになんでそんなことを考えるのかさっぱりわからないよ」
無論彼女なりの理由があるからなんだろうけども。
私はレベルが上がると確定でスキルを習得できてそれによりパーティのアテができる。
エレオラは武器が作れさえすればその武器で戦いやすい狩場ならパーティのアテができる。
どう考えても私が簡単なのに、どうして自分の武器を折れればいいのになんて考えたんだ。
「私の武器が完成したらさ、リーシアはどうする?」
「どうするって、どの程度変わるのか見てみたいから一緒にまた鉱山?」
「鉱山向けの武器じゃなかったら?」
「そもそも私のスキルが鉱山向けじゃないからむしろ好都合?」
再びのため息エモーション、それでようやく、彼女の気にしていたことが予想できてしまった。
狩場だとか、裝備だとかに差がついて、段々と疎遠になってしまうことを恐れた、というところだろうか。
オンラインゲームじゃそんなの当たり前のことなんだろうけど。
なんてことはない、それは"また彼女が誘ってくれること"か"私の誘いを彼女が断らない事"が大前提なのだ。
それはきっと、あんまり効率が良くない選択肢だ。
「結局のところ、私は言い訳が欲しかったんだよ。口実っていったほうがいいかな、狩りに誘う口実、一緒にいる口実、そういったものがさ。そんなだから今まで製造が一回も成功してないんじゃないかなっておもってさ」
たかがゲームの確率にそんな精神論はない、と断言するほど私はゲーム歴が短くもないから答えに困る。
ゲームにおける都市伝説、物欲センサー。
欲しいと思ったものほど出なくなると言われるそれは何時の時代にも語られる有名なものだ。
証明することもできずネタとして語られる一種のオカルト。
それでも、そういった一種の引力のような不思議な力はあるのではないかと思う。
あるいは、面白半分に信じられているからこそ力を持ってしまった類かもしれない。
「昨日さ、先に始めてた友達から製造アイテムもらったのよ。自分じゃ売るぐらいしか使い道がないからって。売って資金にでもするといいって言われたけど、流石に売りづらくてさ」
「ふむん?」
「だから別の友だちに彫金加工を頼んで、それが今手元にあるのよ」
「なるほど、それを使うから材料も気合いれたわけね。成功するといいねぇ」
成功確率はスキル的にもレベル的にもかなり低いんだろうけど、完成さえすれば多少上の狩場でも通用する代物になるだろう。
彼女が勢い良くハンマーを振り上げ、そして振り下ろす。
昨日と違ったのはそのエフェクト。
色とりどりの花火が上がり、カラフルに装飾されたCongratulation!!の文字が浮かぶ。
レベルアップと並んで気合の入ったエフェクトを出せるのはクラフター職の楽しみだろう。
さりげに職毎、製作アイテム毎にエフェクトが違うらしい。
ただ一つだけ気になることがあった。
そのエフェクトが見間違いでなければ、完成したものは剣だったのだ。
鍛冶師は一応剣を使えるが、攻撃力的に見れば斧や槌といった鈍器系のほうが優越する、習熟スキルもあるためなおさらだ。
そのため最初に作るものもそれが良いという話なのだが……。
「私はさ、このクラフト成功の時のエフェクトが自分で見たくて鍛造師で始めたの」
「言ってたね、初エフェクトおめでとう」
「リーシアはさ……なんで読解者で始めたの?」
そういえば、まだ一ヶ月だというのに育てづらさに気を取られてそのことを忘れていた気がする。
一度話したことだったというのに、まだ一ヶ月だというのに……。
「私は、このゲーム始める前に動画サイトですごい強くてかっこいい人の動画を見て、それに憧れて……それから、職業クエストでこの世界の成り立ちとか、設定について一番詳細に知れるから、かな」
「ならさあ、他の職に変えるなんて選択肢なくない?」
そう言って彼女が渡してきた剣は、見た目は肉厚で無骨な黒い刃の長剣だった。
銘は"スペル・キャスト"、詠唱済みの魔法を一つセットしておいて任意タイミングで発動することができる、特性持ち裝備だった。
魔法を使えない鍛造師にはまるで意味のない特性……それはつまり。
「私はなかなか素直に慣れない質だから、今回だけ」
そう前置きして、彼女は言ったのだ。
「私は、貴方とこのまま冒険したい。"今の"貴方と……ダメかな?」
つまりこれは、彼女なりに私を引き止めている、ということなのだろう。
彼女の前で弱音を吐いてしまった故にこんな気を使わせてしまったのか。
だとしたらそれはとても申し訳ない話のような気がする。
なんて言葉を返せばいいだろうか。
答えなんて決まってるけれど。
「一緒にいたいと言ってもらえるのは光栄ね」
スペル・キャストを受け取り水属性の魔法、"氷結針"をキャストする。
魔法の詠唱にはレベル相応の詠唱時間が必要だが、この武器を使えば戦闘直後に剣で攻撃しながら即座に魔法を発動できる。
それは殲滅速度に対する大きなアドバンテージになるだろう。
「それじゃあ、鉱山に試し斬りに行きましょうか」
「鉱山に? リーシアの得意な場所のほうがよくない?」
「何言ってるの、貴方の武器を用立てないとでしょう?」
「別に今日でなくても」
私にだけ製造品を持たせてそんなことを言うかねこいつは。
私の返事だというのにまったく。
「何言ってるの、次も成功させなさい。属性は火か水か風ね」
「土は候補に入れないの?」
「鉱山に行くなら火、私と相性合わせるなら水か風でしょう?」
「……うん?」
「属性を合わせれば一緒に入れるパーティだってあるでしょう。武器を作る都合上、最初が火なら鉱山にこもりやすくなるしね。……エレオラが言ったんだから、野良なんてさせないからね?」
その日のうちに材料を集めての二度目の挑戦は見事に成功した。
それが私達の、長い物語のきっかけとなる出来事だったのだ。
エレオラ・バーミリオンとスノウ・フロステシアのほんとうの意味での冒険はこの時から始まり、やがて二人は単輪の円卓"アーネンエルベ"の仲間たちと共に千変万化の大迷宮へど挑むことになるのです。
幾度と無く続く挑戦はやがて彼女たちの名声を高めていくのですが、それはまた別のお話。
「というのが、私の知っている"アーネンエルベ"のお話です」
「あー……うん、そうなんだ」
顔にこそ出さないように必死だが、内心で冷や汗だらっだらである。
私の思い返す出来事とは裏腹に、ノフィカの語る物語はそこかしこに美化の入ったもはや原型を留めぬものだったからだ。
というか、エレオラと恋仲にされてるとは思わんかった。
確かにゲーム内ではかなり一緒にいたしそういうふうに茶化されたこともあるけど、相方止まりですからね、本当に!
私の内心とは裏腹にノフィカはうっとりと憧れるような目をして虚空を見つめている。
帰ってきて、ノフィカさん。
「この時から二人はほぼいつも一緒に、時に新たな仲間と共に幾つもの迷宮と未開の地を乗り越えていくんです……素敵ですよね」
まあ、新しいパッチがあるたびに二人で出向いては騒いでたなぁ……。
「懐かしいわねぇ」
小さくつぶやいた私の言葉は、彼女の耳に届いてしまったらしい。
少しだけ表情を曇らせた。
「リーシア様、もしかしてお寂しいのでしょうか?」
「……まぁ、仕方のない事だからね、懐かしいぐらいかな」
死んじゃったのも突然だったしなー。
考えれ見れば彼女にちゃんとしたお別れも言わずに消えてしまったんだよね私は。
……せめて元気にしていると良いんだけど。
「リーシア様にも、スノウ様にとってのエレオラ様のような、かけがえのない相手がいらっしゃったんですか?」
……当人です、とは流石に言えないなぁ。
何よりスノウじゃなくてサブキャラのほうだったリーシアで名乗ってるし。
「そうね、居たわ。最高の相棒が、ね」
「……正直、うらやましいです」
「んー、ゼフィアは違うの?」
「え? ……そういうふうに考えたことは、ないですね」
彼女の返答に小さく苦笑する。
なら、今はそれで良いのかもしれないね。
私から見るとあなた達もそうなりそうなんだけどね?
しばらくして次の話にはいり、やがて話つかれたノフィカをベッドに寝かせつつ、平和で静かで、少しだけ寂しい夜は過ぎてゆくのだった。
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