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最終章 貴方へ誓う…
助けに来たのは
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「っ…止めろ!」
「………」
先程と違い、明らかに視線が冷ややかになったエヴァンデールは…もはや俺の言葉にピクリとも反応を示さなくなった…
一見優男の様だが、自力はエヴァンデールの方が上らしく…抵抗し続けはするものの、ジワジワと押さえ込まれ始めていた。
「…っく…そ…」
「…早く諦めた方が楽ですよ、その方が辛く有りませんから」
貼り付けたような笑顔で微笑むと、今まで以上の力で俺を押さえ込み始める…
「……痛…っ…!」
(このままじゃホントにヤバい、何か逃げる方法を…ーー)
バタァンッ!!
「お兄ちゃん!処女は無事!!?」
突然大きな音を立てて暗い部屋のドアが開かれると、聞き覚えの有る声が頭に響いた。
「薫!!?な、おま…何でここに!?」
「……おかしいですね…こんなに早く突き止められるはずは無いと思っていたのですが…?」
「…正直言ってかなり頑張ったわよ…なんせ、前世の記憶とゲームのスチルだけが手がかりだったから…」
「…前世ですか……なるほど、どうやら簡単に情報元は教えて頂けないようですね」
………いや…教えて頂けないって言うか……薫の言ってることは全部本当のことなんだけどな…
「…しかし、王女様お一人で私と戦えるのですか?…乗り込む度胸と行動力は評価しますが、無謀な挑戦は身を滅ぼしますよ…」
「お生憎様!!一人じゃ無いわ??」
ガシャーンッ!!
「無事か!レオンハルト!!」
「ぅわっ!?窓が…ってグレイ!?」
「レオンハルト様!ご無事ですか!?」
「イグナシオ!?…って…お前その怪我で来たのか!!?」
「レオンハルト様の一大事…のんびり休んでなど居られません」
「イグナシオ……」
「俺1人で充分だって言ったんだけどな、足手まといが増えると困るし」
「まさか…むしろ王国騎士団長様に、わざわざおいで頂かなくとも良かったのですよ??レオンハルト様は執事である私がお助けしますから」
「可愛くねぇな~…病み上がりのクセに」
来てくれたのか……って…あれ?薫が…助けに来るのは1番好感度が高い奴だけって言ってなかったか??
「さぁ!!お兄ちゃんを離して!!」
「…まさか騎士団長までいらっしゃるとは…流石に分が悪いですね……いやはやお見事…」
そう言うと、拍子抜けするぐらいアッサリと俺から離れる…
「…レオンハルト様、お怪我は?…」
「あぁ、大丈夫だ」
イグナシオが俺の側へ駆け寄り無事を確認すると、グレイがエヴァンデールに剣を構えて向き合った。
「…さて……このまま大人しく捕まってくれると助かるが…」
「流石に、それは出来ませんね」
「……んじゃ、ここからどうする気だ??」
「…そうですねぇ…」
ピンチだと言う割りには微笑みは消えず余裕がうかがえ、何だか嫌な予感がする…
「……なぁ、グレイ…少しエヴァンデールと話させてくれないか…」
「止めとけ、お前を襲おうとした奴だぞ?」
…それ、お前も人のこと言えねぇだろ…つか、お前の場合襲ったから、むしろお前の方がタチ悪いじゃねぇか…
「良いから…5分で良い…ーーー」
ザシュッ…!
「っか…は……」
俺がグレイの前へ出ようとした途端…エヴァンデールが背にしていた壁が崩れ…弓矢のように細い何かが、エヴァンデールの身体を背後から貫いた…
「…あー…ぁ…エヴァンデール様はもっと根性あると思ったのにな…残念…」
「!!貴方が……何で最後のイベントに出て来るのよ!?」
「…魔族か……」
一瞬で場の空気が張り詰める…
皆の視線を一身に受けるその魔族は…その手で貫いたエヴァンデールをドサリと床へ投げ捨てると、悪寒がするほどにこやかに笑った…
「やっほー?皆大好き、クロトワさんだよ~」
「………」
先程と違い、明らかに視線が冷ややかになったエヴァンデールは…もはや俺の言葉にピクリとも反応を示さなくなった…
一見優男の様だが、自力はエヴァンデールの方が上らしく…抵抗し続けはするものの、ジワジワと押さえ込まれ始めていた。
「…っく…そ…」
「…早く諦めた方が楽ですよ、その方が辛く有りませんから」
貼り付けたような笑顔で微笑むと、今まで以上の力で俺を押さえ込み始める…
「……痛…っ…!」
(このままじゃホントにヤバい、何か逃げる方法を…ーー)
バタァンッ!!
「お兄ちゃん!処女は無事!!?」
突然大きな音を立てて暗い部屋のドアが開かれると、聞き覚えの有る声が頭に響いた。
「薫!!?な、おま…何でここに!?」
「……おかしいですね…こんなに早く突き止められるはずは無いと思っていたのですが…?」
「…正直言ってかなり頑張ったわよ…なんせ、前世の記憶とゲームのスチルだけが手がかりだったから…」
「…前世ですか……なるほど、どうやら簡単に情報元は教えて頂けないようですね」
………いや…教えて頂けないって言うか……薫の言ってることは全部本当のことなんだけどな…
「…しかし、王女様お一人で私と戦えるのですか?…乗り込む度胸と行動力は評価しますが、無謀な挑戦は身を滅ぼしますよ…」
「お生憎様!!一人じゃ無いわ??」
ガシャーンッ!!
「無事か!レオンハルト!!」
「ぅわっ!?窓が…ってグレイ!?」
「レオンハルト様!ご無事ですか!?」
「イグナシオ!?…って…お前その怪我で来たのか!!?」
「レオンハルト様の一大事…のんびり休んでなど居られません」
「イグナシオ……」
「俺1人で充分だって言ったんだけどな、足手まといが増えると困るし」
「まさか…むしろ王国騎士団長様に、わざわざおいで頂かなくとも良かったのですよ??レオンハルト様は執事である私がお助けしますから」
「可愛くねぇな~…病み上がりのクセに」
来てくれたのか……って…あれ?薫が…助けに来るのは1番好感度が高い奴だけって言ってなかったか??
「さぁ!!お兄ちゃんを離して!!」
「…まさか騎士団長までいらっしゃるとは…流石に分が悪いですね……いやはやお見事…」
そう言うと、拍子抜けするぐらいアッサリと俺から離れる…
「…レオンハルト様、お怪我は?…」
「あぁ、大丈夫だ」
イグナシオが俺の側へ駆け寄り無事を確認すると、グレイがエヴァンデールに剣を構えて向き合った。
「…さて……このまま大人しく捕まってくれると助かるが…」
「流石に、それは出来ませんね」
「……んじゃ、ここからどうする気だ??」
「…そうですねぇ…」
ピンチだと言う割りには微笑みは消えず余裕がうかがえ、何だか嫌な予感がする…
「……なぁ、グレイ…少しエヴァンデールと話させてくれないか…」
「止めとけ、お前を襲おうとした奴だぞ?」
…それ、お前も人のこと言えねぇだろ…つか、お前の場合襲ったから、むしろお前の方がタチ悪いじゃねぇか…
「良いから…5分で良い…ーーー」
ザシュッ…!
「っか…は……」
俺がグレイの前へ出ようとした途端…エヴァンデールが背にしていた壁が崩れ…弓矢のように細い何かが、エヴァンデールの身体を背後から貫いた…
「…あー…ぁ…エヴァンデール様はもっと根性あると思ったのにな…残念…」
「!!貴方が……何で最後のイベントに出て来るのよ!?」
「…魔族か……」
一瞬で場の空気が張り詰める…
皆の視線を一身に受けるその魔族は…その手で貫いたエヴァンデールをドサリと床へ投げ捨てると、悪寒がするほどにこやかに笑った…
「やっほー?皆大好き、クロトワさんだよ~」
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