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第10章 永遠の愛をキスで誓う
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クエミリア王女が転生者と分かってから数日後の昼下がり、俺はこの世界のことを薫に教えて貰うために騎士団の資料室…もとい、図書室で話を聞いていた。
「…と言うわけで、このゲームの攻略対象者達…つまり、アルグレッド王子やイグナシオとヒロインちゃんがハッピーエンドになれば、特に私達に危害は無いと思うのよ、隣国のクエミリア王女にも、レオンハルトにもね?」
「危害って言うか…もう既に俺は結構な目にあったんだぞ…」
ある程度起こりうる事が分かるなら、今後の被害が減るかも知れないと薫の情報を確認していく…それに伴い俺に起きたことも説明していく事になった…
「結構な目?…どうしたの??」
「…どうしたもこうしたも……エヴァンデールには噛み付かれたし…イグナシオとの事は不可抗力だったけど………色々あったんだよ……」
屋敷での事はイグナシオも不可抗力だったようだし、俺も途中で気絶したお陰で良く覚えてない……乙女ゲームとしては中々に良いイベントかも知れないが…俺にとっては中々に複雑……というか、どうすれば良いやら分からない…
「…イグナシオ………前半で起きるイベントならゴーストハウスかお風呂イベント…??」
「…2択なら恐らくゴーストハウスだな、と言うか…アレやっぱりイベントだったのか」
「イグナシオのゴーストハウスのイベントはすっごく尊いんだよ!スチルのイグナシオの表情とか…もう!そりゃぁもう!!……でも、確か相手はヒロインちゃんのハズだよ??この世界にヒロインちゃん居ないの??」
…居るよ、居ますともヒロイン……アルグレッドに冷たい目で見られ、イグナシオに無視され続け…後半はエヴァンデールと良く一緒に居たものの…何時の間にか居なくなったヒロインが……
「…居るはずだ、最近は見てないけどな……随分とアルグレッドやイグナシオにアタックしてたんだけど…学園に居た頃は2人とも何時も一緒に居たから……それに…あんまり褒められた性格じゃ無い…ような気がするしな」
あの手のタイプの女子は男にモテる……まぁ、確かに見た目は可愛いし…悪くは無いと思う……が…俺もイグナシオもアルグレッドも…どことなくあのヒロインちゃんの内面に勘付いたのか…全く相手にしなかったな…
「……ふぅん、ヒロインの子可愛いから好きだったのに…ちょっと残念…」
「…そこは俺も同感だ」
「…でも、そうなると益々変だね…ヒロインがいるのに、お兄ちゃんにイベントが起きるのはおかしいんじゃ無い??…」
「だよなぁ……」
ゲームと似ているとは言えこの世界が現実なのは確かだ…騎士団で魔物と戦う時に感じる恐怖や痛みがそれを物語っている……でも、薫もヒロインも…そんなことをしているとは思えない……ゲーム感覚でアルグレッド達が思い通りになると勘違いしている可能性も…もしかしたら有るかも知れない…
「…でもさ!それってオリジナルのヒロインよりお兄ちゃんの方が乙女…じゃなかった…ヒロインにふさわしいって事なんじゃ無い??」
「あのなぁ~…そんな冗談言ってる場合じゃ………っ!そう言えば…!!」
「??どうしたの?お兄ちゃん」
「なぁ!エヴァンデールのルートで噛み付かれるイベントとか有ったか!?」
「噛み??…ぇ、急にどうしたの…」
「コレだよコレ!お前なら何か分かるんじゃねぇのか??」
ガタンッと思わず立ち上がると、制服の襟を緩めて首元の跡を見せる
「……コレどうしちゃったのお兄ちゃん…!!」
「噛まれたんだよ…エヴァンデールに……」
「……お兄ちゃん………大変だよ………」
「…何が大変なんだ……」
「……っ今すぐ攻略対象者の誰かとくっつかなきゃダメだよ!!」
「……………なんで!!?」
思わず大きな声を出してしまい、慌てて口を手で塞ぐ…
何かを知ってるのは良かったけど…ちゃんと説明しろよ薫…!!
「…と言うわけで、このゲームの攻略対象者達…つまり、アルグレッド王子やイグナシオとヒロインちゃんがハッピーエンドになれば、特に私達に危害は無いと思うのよ、隣国のクエミリア王女にも、レオンハルトにもね?」
「危害って言うか…もう既に俺は結構な目にあったんだぞ…」
ある程度起こりうる事が分かるなら、今後の被害が減るかも知れないと薫の情報を確認していく…それに伴い俺に起きたことも説明していく事になった…
「結構な目?…どうしたの??」
「…どうしたもこうしたも……エヴァンデールには噛み付かれたし…イグナシオとの事は不可抗力だったけど………色々あったんだよ……」
屋敷での事はイグナシオも不可抗力だったようだし、俺も途中で気絶したお陰で良く覚えてない……乙女ゲームとしては中々に良いイベントかも知れないが…俺にとっては中々に複雑……というか、どうすれば良いやら分からない…
「…イグナシオ………前半で起きるイベントならゴーストハウスかお風呂イベント…??」
「…2択なら恐らくゴーストハウスだな、と言うか…アレやっぱりイベントだったのか」
「イグナシオのゴーストハウスのイベントはすっごく尊いんだよ!スチルのイグナシオの表情とか…もう!そりゃぁもう!!……でも、確か相手はヒロインちゃんのハズだよ??この世界にヒロインちゃん居ないの??」
…居るよ、居ますともヒロイン……アルグレッドに冷たい目で見られ、イグナシオに無視され続け…後半はエヴァンデールと良く一緒に居たものの…何時の間にか居なくなったヒロインが……
「…居るはずだ、最近は見てないけどな……随分とアルグレッドやイグナシオにアタックしてたんだけど…学園に居た頃は2人とも何時も一緒に居たから……それに…あんまり褒められた性格じゃ無い…ような気がするしな」
あの手のタイプの女子は男にモテる……まぁ、確かに見た目は可愛いし…悪くは無いと思う……が…俺もイグナシオもアルグレッドも…どことなくあのヒロインちゃんの内面に勘付いたのか…全く相手にしなかったな…
「……ふぅん、ヒロインの子可愛いから好きだったのに…ちょっと残念…」
「…そこは俺も同感だ」
「…でも、そうなると益々変だね…ヒロインがいるのに、お兄ちゃんにイベントが起きるのはおかしいんじゃ無い??…」
「だよなぁ……」
ゲームと似ているとは言えこの世界が現実なのは確かだ…騎士団で魔物と戦う時に感じる恐怖や痛みがそれを物語っている……でも、薫もヒロインも…そんなことをしているとは思えない……ゲーム感覚でアルグレッド達が思い通りになると勘違いしている可能性も…もしかしたら有るかも知れない…
「…でもさ!それってオリジナルのヒロインよりお兄ちゃんの方が乙女…じゃなかった…ヒロインにふさわしいって事なんじゃ無い??」
「あのなぁ~…そんな冗談言ってる場合じゃ………っ!そう言えば…!!」
「??どうしたの?お兄ちゃん」
「なぁ!エヴァンデールのルートで噛み付かれるイベントとか有ったか!?」
「噛み??…ぇ、急にどうしたの…」
「コレだよコレ!お前なら何か分かるんじゃねぇのか??」
ガタンッと思わず立ち上がると、制服の襟を緩めて首元の跡を見せる
「……コレどうしちゃったのお兄ちゃん…!!」
「噛まれたんだよ…エヴァンデールに……」
「……お兄ちゃん………大変だよ………」
「…何が大変なんだ……」
「……っ今すぐ攻略対象者の誰かとくっつかなきゃダメだよ!!」
「……………なんで!!?」
思わず大きな声を出してしまい、慌てて口を手で塞ぐ…
何かを知ってるのは良かったけど…ちゃんと説明しろよ薫…!!
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