お前らの相手は俺じゃない!

くろさき

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第9章 腐っても妹

転生先のダークマターは…

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「…異世界……ですか…」
「はいっ!」
「…まぁ、信じられんのも無理は無い、しかし…カオルが異世界から来たのは本当じゃ…というか…そうとしか考えられん…」
「…何故です?」

グレイが今だ信じていない様子で問いかける、まぁ…普通そんな反応だろうな…俺だって自分がそうじゃなかったらグレイと同じ反応を示しただろうし…

「先ず第一に、明らかにこの世界の知識では無いものを知って居る」
「…はぁ…成る程…」
「第二に、子供の頃から文字を書き魔法を使い計算までやってのけた…」
「…ハイスペックだな…」

…まぁ、1度人生生きてりゃ出来るだろうけど……俺みたいに隠して普通に暮らしたりはしなかったんだな…

「第三に、おかしな魔法を使うのだ……」
「……おかしな魔法…ですか??」
「それが何で異世界を信じる根拠になるんだ??」
「…ヒールでは無いが、回復魔法ではあるらしいのだ……」
「……なんて魔法なんだ??」

ヒール系の回復魔法はこの世界の主な治療魔法だ、新しい系統の呪文の発見というだけで…充分に凄い事……だと思う…多分な……

「……アオイ…」
「…おかしな魔法だなんて……酷いわ叔父様!はれっきとした回復魔法なのに!!」
「っ…!…」

思いも寄らなかった魔法の名前に思わず笑いがこみ上げてくるが、何とか堪えることが出来た……
まさか、異世界でド◯クエの呪文を聞くことになるとは…

「………」
「…!確かに、不思議な魔法だな」

ふと、クエミリア王女の視線を感じて話を元に戻す。

「…ほいみ……初めて聞く魔法だ……イグナシオ、お前はどうだ??」
「私も初めて聞きました…」
「…とまぁ、こんな感じで…産まれた頃から凄すぎたのじゃよ……ゆえに儂は、此奴が異世界から来た転生者でも…最早驚くまい」

……なんか、疲れてるなルイス…色々大変な事が多かったんだろう…

「だがな…その分我が国の発展にも大いに影響を与えてくれている事も事実…カオルは良い王妃になるぞ」
「そう言えば…なる祭りを作ってから、随分と経済効果が上がったとか?この国でも噂になっておりますよ」
「こっ…!?」

コミケ!?今コミケって言ったか!?作ったのか!?異世界にその祭りを!!?

「えぇ、コミケはもう我が国を代表する祭りですわ!!個人出展は勿論!商人達の展示ブースも多く有りますの!!ジャンルはBLからGLからNLまで幅広く!来年は週刊誌や雑誌を作ろうとも思っていますの!!まだまだ発展は止まりませんわ!」
「…??な、何やら分かりませんが、楽しそうですね」
「私も1度、その祭りに行ってみたいものです」

…止めとけって……大変なんだぞコミケ行くの………

「……レオンハルト様…後ほど少しお話しできませんか?…」
「……俺ですか…?」

グレイとイグナシオはについて、ルイスに色々聞いていて此方には見向きもしていない…ヒソヒソと声をかけられた俺は少し動揺したものの、なるべく行きたくは無い……

「……レオンハルト様…転生者ですよね…??」
「…!?」
「クラステル学園の庭園で、お待ちしておりますわ…」

フワリと微笑んだクエミリア王女…いや、かおると名乗る転生者は…驚いた俺の反応に満足したのか、庭園で待つと言い残し…先程までのおてんばぶりが嘘のように…静かに部屋を後にした…

「……面倒ごとの予感しかしない…」



これは…何事も起こらないよう、神様に祈っておいた方が良さそうだ………

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