お前らの相手は俺じゃない!

くろさき

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第9章 腐っても妹

隣国のおてんば娘

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   ~隣国~

「ルイスおじさま!!どうして私はクラステル学園へ行っては駄目なの!?納得いかないわ!!」
「あのなぁカオルよ…お主はこの国の姫なのじゃぞ?そのお前が何故隣国の学園へ行く必要が有るのじゃ…」
「……そんなこと言って…本当は私が何かやらかすか気が気でないから出してくれないのでしょ!?」
「っ自覚が有るのならちっとばかし自重せい!」
「イヤよ!!!」
「……はぁ…」
「おじさま!お願い私どうしても学園へ行きたいの!!アルグレッド王子やイグナシオやエヴァンデール先生にお会いしたいの!!」
「お主…我が儘も大概に……?待て、何故お主そんなに名を詳しく知っておる…」
「秘密です!そんなことより!もうらちがあかないからイヤでもついて行くわ!!」
「……はぁ…もう……好きにすると良い…」
「!有り難う!ルイスおじさま!!」


   ~王国騎士団本部~

「…レオ~?この案件の書類どこやった?」
「?あぁ…それならさっきイグナシオが…」
「……私は騎士団長に取ってくれと頼まれたので、机に置いておきましたよ…」
「え?…あ、ホントだ悪い」
「しっかりしろよグレイ…」
「仕方ねぇだろ??このところ書類の量が尋常じゃねぇんだから…俺はこー言うの苦手なんだよ」

グレイはそう言ってため息をついた、朝から魔物の出没が多く…部下を派遣しながら依頼書や指示書や報告書を片付けているグレイは見るからにお疲れだ…

「…グレイ、お茶でも飲むか??」
「ん、煎れてくれるのか?」
「おう、イグナシオが」
「……そこは…レオが煎れるんじゃねぇのか?…」
「?なんで??」
「…いや、いい……」
「???」

書類の山を書き分けながら頭を抱えるグレイを横目に、ふと窓の外に目を向けると…今日は綺麗な快晴だった。

(…この書類が終わったら、ひなたぼっこしながら昼寝するのも良いな……)

そんなことを考えながらボーッとしていると、馬車が此方へ向かってくるのが見える。

「?…なぁグレイ…今日って誰か来る予定有るのか??」
「客?いや、聞いてないぞ」
「どなたかお見えになったのですか?レオンハルト様」
「…ん~…入り口近くに馬をつけてるから良くは見えねぇけど…結構立派な馬車だぞ?」
「??…なんだろな…取り敢えず、一旦書類を片付けるか」
「…その方が良さそうですね」

俺とイグナシオで書類の山を片付け…団長室を整えると、間もなくして部屋の扉がノックされた…

   コンコン…
「グレイ殿儂じゃ、ルイスじゃ」
「…?ルイス様…??どうぞ、お入り下さい」

簡単なやり取りの後、ルイスが部屋へと入ってくる…が、その後ろには…隣国の王族にしては飾り気が無いというか……なんともシンプルなドレスを着た女性を連れていた。

「急にすまんの、グレイ殿もお忙しいであろうに…」
「いえお気になさらず、ところで…本日はいったいどのようなご用件で…?何か急を要する事でしょうか??」
「………実はの…此奴が…ーー」

ルイスがグレイに返事をしようとした途端、後ろから随分とハイテンションな声が響いた…

「初めましてグレイ様!!お目にかかれて光栄ですわ!!!」

……なんか…こんなテンション前にも………あ、そうだ…この淑女らしくない感じ………ヒロインちゃんと似てる気が……
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