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第7章 お前らの相手は俺じゃない!
訪ねて来た王子は顔見知り?
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翌日、俺はグレイとその他3人の騎士団員に付き添って貰い、西の森に出現した魔物討伐へ向かっていた。
「……何で騎士団長のグレイが付き添いで来るんだよ…」
「ん?何でって、レオは危なっかしいからな」
「いや答えになってねぇよ!仕事は!?」
「部下に任せて来た、今日は俺の署名が必要な書類はねぇから、帰ってゆっくり見るさ」
……グレイ…ホントに騎士団長つとまってるのかな…
「…あーでも、午後に他国の王子が訓練を見に来るとか言ってたな」
「…裏で仕事してた方が良いんじゃねぇの?グレイ…」
「ほぉ、どーいう意味だこら」
「別に?」
天気の良い森でゆったりと馬に揺られながら和んでいると、嫌な事も忘れて居られる…
「…っ……」
「どうした?レオ」
「いや…ちょっと首が…」
包帯の巻かれた自分の首を撫でると、ほんの少しだけエヴァンデールを思い出す…
「…レオ…?」
「!…あぁ、悪い大丈夫だ」
魔物の出没被害が出ているエリアで馬を降りると、魔力探査用の魔道具を使って魔物を探し始める。
「ん、反応があったぞ…ここから2キロ先だ」
グレイがそう言って魔道具をしまうと、グレイを先頭にして、俺→騎士団員の順で歩き始めた。
「グレイ、2人置いて来て良いのか?」
「あぁ、馬が魔物に食われたら夕方までに本部へ帰れなくなるからな…本来は魔除けのお香を焚くんだが、今回はそれ程時間がかかるとも思えねぇし…経費削減ってヤツだ」
「…へぇ、騎士団もやっぱそう言うの有るんだな」
「当然、こちとら国民様の金で暮らしてるんだ、無駄遣いなんてしてる場合じゃねぇんだよ」
…グレイは、なんだかんだ言って騎士団の事をちゃんと考えてるんだな……
普段は兎も角、こういう所は尊敬できるな。
夕方頃、俺達は無事に魔物討伐を終えると騎士団本部へと戻った。
「…俺の出番全然無かった……」
「悪かったって、ゴメンな?」
「……俺の任務だったのに…」
完全にご機嫌斜めな状態をグレイに慰められながら騎士団長室へ報告書を書くために入る。
「……??グレイ、誰か居るぞ」
部屋へ入ると、明らかに此方の国とは違うきらびやかな衣装に褐色の肌…黒髪に緑の瞳と言う整った容姿の男の人が立っていて…見たところ年齢は30歳ほどだ。
「!もうおいでになっていたのですか、アークライト・ルイス 3世様」
「…あぁ、悪いな…時間よりも早かったようじゃ」
…その場に立っているだけでも雰囲気が違うのに、話すと更に高貴な家柄の人物だと実感する。
(…凄く綺麗な男の人だな)
「……」
グレイの後ろからその貴族?を眺めていた俺だが、ふと自分も見つめられていることに気が付き首をかしげてしまう。
「………」
それを見てか、その貴族は軽く微笑むと俺の方へと歩いて来る。
(…?なんだろ…)
何を言われるでも無く腕を引かれた俺は、されるがままに前へ出た…何か文句でも言われるのかと考えていると、不意に口元を重ねられた感触がした。
「……っ!!!??!」
あまりのことに驚き、相手をはね除けようと身体を押すもビクともしない。
(他国の貴族?相手に身体強化魔法は使えねぇし、コイツ貴族のクセに馬鹿力過ぎるだろ!!)
心の中で文句を叫びつつ抵抗すると、ようやく満足したのか貴族はゆっくりと口を離した。
「…っは……久し振りじゃな、レオンハルト」
「………いや、誰だよ!!?」
人にキスした挙げ句、訳の分からないことを言い放った貴族につい言葉遣いも忘れてツッコんでしまった……
微笑み続ける貴族…横で石のように固まったグレイ…
でも確かに……言われてみれば何処かで会ったような……?
「……何で騎士団長のグレイが付き添いで来るんだよ…」
「ん?何でって、レオは危なっかしいからな」
「いや答えになってねぇよ!仕事は!?」
「部下に任せて来た、今日は俺の署名が必要な書類はねぇから、帰ってゆっくり見るさ」
……グレイ…ホントに騎士団長つとまってるのかな…
「…あーでも、午後に他国の王子が訓練を見に来るとか言ってたな」
「…裏で仕事してた方が良いんじゃねぇの?グレイ…」
「ほぉ、どーいう意味だこら」
「別に?」
天気の良い森でゆったりと馬に揺られながら和んでいると、嫌な事も忘れて居られる…
「…っ……」
「どうした?レオ」
「いや…ちょっと首が…」
包帯の巻かれた自分の首を撫でると、ほんの少しだけエヴァンデールを思い出す…
「…レオ…?」
「!…あぁ、悪い大丈夫だ」
魔物の出没被害が出ているエリアで馬を降りると、魔力探査用の魔道具を使って魔物を探し始める。
「ん、反応があったぞ…ここから2キロ先だ」
グレイがそう言って魔道具をしまうと、グレイを先頭にして、俺→騎士団員の順で歩き始めた。
「グレイ、2人置いて来て良いのか?」
「あぁ、馬が魔物に食われたら夕方までに本部へ帰れなくなるからな…本来は魔除けのお香を焚くんだが、今回はそれ程時間がかかるとも思えねぇし…経費削減ってヤツだ」
「…へぇ、騎士団もやっぱそう言うの有るんだな」
「当然、こちとら国民様の金で暮らしてるんだ、無駄遣いなんてしてる場合じゃねぇんだよ」
…グレイは、なんだかんだ言って騎士団の事をちゃんと考えてるんだな……
普段は兎も角、こういう所は尊敬できるな。
夕方頃、俺達は無事に魔物討伐を終えると騎士団本部へと戻った。
「…俺の出番全然無かった……」
「悪かったって、ゴメンな?」
「……俺の任務だったのに…」
完全にご機嫌斜めな状態をグレイに慰められながら騎士団長室へ報告書を書くために入る。
「……??グレイ、誰か居るぞ」
部屋へ入ると、明らかに此方の国とは違うきらびやかな衣装に褐色の肌…黒髪に緑の瞳と言う整った容姿の男の人が立っていて…見たところ年齢は30歳ほどだ。
「!もうおいでになっていたのですか、アークライト・ルイス 3世様」
「…あぁ、悪いな…時間よりも早かったようじゃ」
…その場に立っているだけでも雰囲気が違うのに、話すと更に高貴な家柄の人物だと実感する。
(…凄く綺麗な男の人だな)
「……」
グレイの後ろからその貴族?を眺めていた俺だが、ふと自分も見つめられていることに気が付き首をかしげてしまう。
「………」
それを見てか、その貴族は軽く微笑むと俺の方へと歩いて来る。
(…?なんだろ…)
何を言われるでも無く腕を引かれた俺は、されるがままに前へ出た…何か文句でも言われるのかと考えていると、不意に口元を重ねられた感触がした。
「……っ!!!??!」
あまりのことに驚き、相手をはね除けようと身体を押すもビクともしない。
(他国の貴族?相手に身体強化魔法は使えねぇし、コイツ貴族のクセに馬鹿力過ぎるだろ!!)
心の中で文句を叫びつつ抵抗すると、ようやく満足したのか貴族はゆっくりと口を離した。
「…っは……久し振りじゃな、レオンハルト」
「………いや、誰だよ!!?」
人にキスした挙げ句、訳の分からないことを言い放った貴族につい言葉遣いも忘れてツッコんでしまった……
微笑み続ける貴族…横で石のように固まったグレイ…
でも確かに……言われてみれば何処かで会ったような……?
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