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第6章 魔道実技試験
生徒でもなく教員じゃない人
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結局昨日は手がかりを見つける事は出来ず、俺の課題はいっこうに前へ進む気配が無い……が…イグナシオは課題が難しいらしく随分と忙しそうだ。
朝早くから図書館へ入った俺は、一通り本を調べ終えてしまい、他に本や情報がある場所は何処だろうと思い返す。
(……そうだ、騎士団本部なら魔物の分布図が有るな………騎士団なら魔法学園には無い情報も………)
…この時…俺の頭にとある人物が思い浮かんだ……
(居るじゃんか!生徒でも教員でも無くて場数を踏んだ強い人!!)
俺の向かう先は言わずもがな……グレイ騎士団長の所だ。
騎士団本部の表門へ行くと、何もしていないのに門番の騎士団員さん達がすんなりと通してくれた…何でもグレイ騎士団長が俺が来たときに通してやってくれと話してくれていたらしい…
俺は前に行ったことの有る騎士団長の部屋へと向かった。コンコンとドアをノックすると、暫くしてから入って良いぞ、と声が帰ってくる。
「失礼します!グレイ騎士団長!」
「おー…レオンハルトか、今日はどうした?」
机に肩肘をつきながら書類を眺めていたグレイ騎士団長は、俺を見ると書類を置いて俺をヒョイッと抱き上げた……
こ、子供扱いはやめろよなっ!
「…実は……試験のことで相談が有りまして…」
「おう、何でも言ってみろ」
グレイ騎士団長はそのまま俺を運び、騎士団長の椅子に腰掛け直すと…俺を膝の上へ座らせた。
ふぉぉ…グレイ騎士団長の膝の上!?
「…どうした?何か用があるんだろ?」
…はっ!…そうだった…
「実は魔法実技試験での課題で…竜の心を取りに行かなければならなくて……伝承にある竜の里が何処か調べようとしているんです……」
「…成る程、騎士団の魔物分布図を見に来たのか…見せるのは構わないが、場所を見つけたとして…1人で行く気か?」
…確かに、初めの頃は1人で行くという選択肢も考えていたが…今の俺にはダメ元で当たってみたい人が居るのだ……
「……グレイ騎士団長…お忙しいのを重々承知で…グレイ団長の一ヶ月を俺に下さい!!」
俺はキリッと顔を整え声を張ると、グレイ騎士団長に向かってそう言った…………騎士団長の膝の上で………
少しの沈黙の後、グレイ騎士団長は笑顔を浮かべて俺を見る。
「おう!レオンハルトの頼みだ…俺が一緒に行ってやるよ」
あ…あにきぃい!!
「有り難う御座います!!」
「礼なんて要らねぇよ」
ニカッと笑うグレイ騎士団長は、まさしく兄貴の中の兄貴だ……
「そうと決まれば行動有るのみ、付いてこいレオンハルト…騎士団のとっておきを見せてやるよ」
そう言ってグレイ騎士団長が机の裏を手探りで弄ると、カチッと言う音の後にゴゴゴ…と何処かが開く音がした………
よく見ると騎士団長の机の後ろにかけてあった大きな騎士団のエンブレムが下がり、地下への階段が現れていた!
こっ……これは、まさか!!?
「行くぞレオンハルト、足下気を付けろ?」
ひ……秘密基地だ―――!!!
俺のテンションは一瞬で頂点へと達した。
朝早くから図書館へ入った俺は、一通り本を調べ終えてしまい、他に本や情報がある場所は何処だろうと思い返す。
(……そうだ、騎士団本部なら魔物の分布図が有るな………騎士団なら魔法学園には無い情報も………)
…この時…俺の頭にとある人物が思い浮かんだ……
(居るじゃんか!生徒でも教員でも無くて場数を踏んだ強い人!!)
俺の向かう先は言わずもがな……グレイ騎士団長の所だ。
騎士団本部の表門へ行くと、何もしていないのに門番の騎士団員さん達がすんなりと通してくれた…何でもグレイ騎士団長が俺が来たときに通してやってくれと話してくれていたらしい…
俺は前に行ったことの有る騎士団長の部屋へと向かった。コンコンとドアをノックすると、暫くしてから入って良いぞ、と声が帰ってくる。
「失礼します!グレイ騎士団長!」
「おー…レオンハルトか、今日はどうした?」
机に肩肘をつきながら書類を眺めていたグレイ騎士団長は、俺を見ると書類を置いて俺をヒョイッと抱き上げた……
こ、子供扱いはやめろよなっ!
「…実は……試験のことで相談が有りまして…」
「おう、何でも言ってみろ」
グレイ騎士団長はそのまま俺を運び、騎士団長の椅子に腰掛け直すと…俺を膝の上へ座らせた。
ふぉぉ…グレイ騎士団長の膝の上!?
「…どうした?何か用があるんだろ?」
…はっ!…そうだった…
「実は魔法実技試験での課題で…竜の心を取りに行かなければならなくて……伝承にある竜の里が何処か調べようとしているんです……」
「…成る程、騎士団の魔物分布図を見に来たのか…見せるのは構わないが、場所を見つけたとして…1人で行く気か?」
…確かに、初めの頃は1人で行くという選択肢も考えていたが…今の俺にはダメ元で当たってみたい人が居るのだ……
「……グレイ騎士団長…お忙しいのを重々承知で…グレイ団長の一ヶ月を俺に下さい!!」
俺はキリッと顔を整え声を張ると、グレイ騎士団長に向かってそう言った…………騎士団長の膝の上で………
少しの沈黙の後、グレイ騎士団長は笑顔を浮かべて俺を見る。
「おう!レオンハルトの頼みだ…俺が一緒に行ってやるよ」
あ…あにきぃい!!
「有り難う御座います!!」
「礼なんて要らねぇよ」
ニカッと笑うグレイ騎士団長は、まさしく兄貴の中の兄貴だ……
「そうと決まれば行動有るのみ、付いてこいレオンハルト…騎士団のとっておきを見せてやるよ」
そう言ってグレイ騎士団長が机の裏を手探りで弄ると、カチッと言う音の後にゴゴゴ…と何処かが開く音がした………
よく見ると騎士団長の机の後ろにかけてあった大きな騎士団のエンブレムが下がり、地下への階段が現れていた!
こっ……これは、まさか!!?
「行くぞレオンハルト、足下気を付けろ?」
ひ……秘密基地だ―――!!!
俺のテンションは一瞬で頂点へと達した。
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