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第4章 クラステル魔法学園入学

王子はどうやらお暇なようで

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軽いレクリエーションを終えて、俺達生徒は直ぐに解散した。

「レオ、この後何か予定は?」

席を立とうとしたらアルグレッド殿下が声をかけてきた…

「この後は…騎士団の本部へ行こうと思ってます」

俺は先程の事も有り、王子にはきちんとした態度を取ることにした…俺が伯爵家で相手は王族だからと言うのは当然だが何よりも…
エヴァンデール先生に『君達は仲良しですね』と言われたのが1番の理由だ……

「騎士団…じゃあ兄さんの所に行くんだね、僕も着いていって構わないかな?」
「はい、構いません」

にこやかに他人行儀に、と心に言い聞かせながら王子へ返答を返す。

「……何だか冷たいねレオ…さっきはあんなに相手をしてくれていたのに」

声色からも分かる程にションボリしているらしく、王子はそっぽを向く俺の背後からねぇねぇとちょっかいを出してきている。
…ヤンデレじゃなきゃちょっとくらい遊んだって良いけど……でもお前はヤンデレスイッチ入ってからが怖いからムリ!

「アルグレッド殿下…くすぐったいのでちょっかい出すの止めてください」
「なら僕に構ってよレオ」

…殿下面倒くせぇな…あーもう!周りの女子達の怨みがこもってる視線が怖ぇよ!

「止めて下さいアルグレッド王子…悪ふざけするのでしたら連れて行きませんよ…」
「…それは嫌だね……仕方ない、ゆっくり親睦を深めようか」

…だが断る!!!……と…言ってしまえればどれだけスカッと出来るんだろうな…

「…勝手にして下さい……」






騎士団に向かう途中、アルグレッド王子は俺の周りをチョロチョロしていたのだが…俺がイグナシオの腕を掴んで盾にしたため、騎士団に着く頃には諦めてくれたようだった。
…ATフィー○ド全開状態でも容赦なく近付いて来るのは何とかして欲しいな…

騎士団本部に着くと、門番らしき厳つい男達がにこやかに俺達を通してくれた。

…コンコン……「グレイ騎士団長、レオンハルトです…入っても宜しいですか?」

緊張しながらドアをノックする、声が裏返らないように気を付けながら中に居るであろう騎士団長に声をかける。

「おう、入って良いぞ」

暫くして優しげな声が帰って来た、久し振りのグレイ騎士団だ…心臓がバクバクする…

「し、失礼します!」

…ガチャッ……

「…よぉ、待ってたぞレオンハルト」

(ふぉお…いつ見てもカッケェ…俺もこんな騎士になりたい!騎士団に入りたい!!)

「ん?なんだ、珍しいな…お前がここに来るなんて……俺に会いに来たのか?」
「お久しぶりです兄さん、中々会いに来られず済みません……でもお元気そうで何よりです」

…俺は王子のこと苦手だけど…やっぱりグレイ騎士団長からしたら可愛い弟なんだな………

「今からレオンハルトと施設を回って少し訓練を覗きに行くつもりなんだが…アル、お前も来るか?」
「はい!ご一緒させて頂きます、兄さん」

……何だか、王子に冷たくしてるのが馬鹿みたいだ…バットエンドは確かに怖いけど、王子はそれを知らねぇし…一方的に嫌ってて可哀相だな…………

「…レオ………僕も一緒に行っても良いかな…?」

恐る恐るアルグレッド王子が聞いてくる、王子は本当にいい人だ……バッドエンドだってヒロインを好きで有るが故だろうし………

「…そうだな……一緒に行くか」

俺はこれまでの行動を考えて悪いことをしたなと思う………
俺は、王子の手を取ってからごめん……と謝る。

「…いや、気にしないでね?その代わり……僕とこれからお友達になってくれると嬉しいな」
「おう…これから宜しくな」

俺は王子の手を握って宜しくと微笑み返した。

「何だ、お前ら喧嘩してたのか?」
「いえ大丈夫です、それより兄さん!早く回らないと夕方になってしまいますよ?」
「あぁ…そうだったな、よし行くぞ」

俺とアルグレッド王子は手を繋ぎながらグレイ騎士団長の後を着いていった…
後ろからくるイグナシオが、またションボリしているように見えたので俺は二人と手を繋ぎながら歩くことになった。

…気のせいかも知んねぇけどさ…二人とも………近くね?…
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