お前らの相手は俺じゃない!

くろさき

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第2章 3歳になった俺は…

魔法入門…?

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俺がこの世界に転生してから結構経った、初めは文字が読めなかったり食事がなんとも言えない味だったりと苦労も多かったが、今ではすっかり慣れて最近はもっぱら屋敷の図書館に篭もっている。
文字の読み書きも、子供の頭と言うこともあるのか思っていたよりもすんなり覚えることが出来た、そのため今では多少難しい本であっても読むことが出来る。
まぁ、中身は大学生だしな…前世で特に勉学をサボっていたわけでも無かったし…。

しかし、この世界の知識や物事を自分で考えるにつれておかしな事に気が付いた。

どうやら俺は、前世の知識を"覚えている"らしい……
前世にはスマホがあったとか、家族の事を覚えてるとかそう言うことじゃ無い。
例えば、食材を見ればクッキーの作り方が頭の中に浮かんだり、思い出そうとすればバイクの鮮明な設計図まで頭の中に出て来る。
初めはこの能力を使わずにずっと隠そうかとも思っていたが……この能力のお陰で今の食事から救われると考えるとヨダレ……じゃなくて!希望が溢れてくる。





「…地理や計算は大分覚えたし、魔法に取りかかってみるか」

一通り本を読んだ俺は【魔法入門・初級】と言う本を手に取った。
パラパラと本をめくると自分の魔力の流れを感じる方法が書いてある、その横には炎・水・風・土とそれとは別に光と闇のようなマークが書いてある。

「魔法の属性かなんかか?…凄ぇRPGっぽいな……探せばこの世界の何処かにエクスカリバーとか有りそう…」

前世ではゲームを良くやっていた、中でもゼ○ダとファ○ナルファンタジーシリーズは特に気に入っていて、その他にも少年ジャ○プは俺のバイブルだ。
この世界で7つの球を集める冒険はムリそうでも、海賊王ならもしかしたら……

「何たって魔法があるし、悪魔の実が無くてもありったけの夢は掻き集められそうだな…」

大学生にもなってこんなことで胸躍らせるのもどうかと思うが、今の俺は純真無垢な3歳児だ…今は思う存分これからの夢多き未来に期待しよう。

「……さてと、んじゃいっちょ…魔力を感じる所からやってみるか…!」

腕まくりをして気合いを入れると、本の1ページ目をめくる……

「えーっと………魔法入門・魔力とは己の中にある世界である、これを感じ己の眼で心理を見つめよ。」


……なんじゃこりゃ…
言葉が回りくどい上に分かり辛い…無駄に動き続ける点P並にイラッと来る…。

「つまり、魔力は俺の中にあるんだろ?世界……?……感じる……」

俺の中の世界を感じるってなんだ、これはアレか??君はコスモを感じた事があるか?てきなヤツか??

「己の眼で心理を見るってなんだよ…ハガレンじゃ有るまいし……セブンセンシズにでも目覚めろってか??」

余りにあやふやで解りそうで解らない…頭の後ろをかきながら眉間にシワが寄る。


「………よしっ…魔法は今度にしよう……」
どうやら、俺に魔法はむいてない。
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