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第十話 銀の彊弓
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私は冴さんの記憶を見た。時間軸は、冴さんの手首に触れて時の記憶を発動したこの瞬間から十日前。場所は月鏡を臨む丘に建つ大病院である。
顔の左半分を覆う長い前髪の麗人――冴さんの療養する病室に、二百年来の友人が見舞いに訪れていた。お決まりの丈長の白服に身を包み、つんと澄ました御影だ。冴さんは愉しげに指二本を唇に近づけ、にやっと笑って出迎える。
「煙草無ぇ?」
「開口一番それか。ここは喫煙禁止だ」
「口がさみしいんだよ」
「止せ、骨の治癒が遅れるぞ」
「ヴッ……いんや箔が付くってやつさ。かっけえだろ」
顔を引きつらせつつ強がる冴さん。御影は溜め息をついてベッド脇の椅子に座り、白い包帯で固定された旧友の左足をちらりと確認する。
「君が骨をやるとは珍しい」
「うるっせ蹴るぞ!」
「野蛮、いや素直に大人しくしてる辺りは常識人か……」
相変わらず――というか、私の前にいるときよりも何割増しか堅めの口調だ。その低く抑揚の無い声を耳にするなり、冴さんは自分の乱れ放題な白髪をくしゃりと梳かして口を尖らせる。
「なァんで骨折っただけで入院なんだ。オレぁ吐きそうなぐらい忙しいってのに……」
「捜査の半途でも今は安静にすべきだと思うが」
「首尾聞く?」
「情報漏洩だろう」
「おめーだから良いんだよ。それにだいぶ煮詰まってきたからさ、おたくにゃ是非とも協力を打診してェんだ」
「例の銀彊会関連の捜査か」
冴さんは返事代わりにぺろっと唇を舐めると、月鏡を取り巻く現状を思う。迷宮入り寸前の氷漬け事件に、例年に無い渇水、突然の豪雨、大規模な氷閉。神がかりな自然現象は銀彊会の狂信者への制裁さながらに発生してきた。愚かな行いが水神さまの逆鱗に触れたのだ、と月鏡に住む誰もが思っている。
「チカちゃんは気象にも水神さんのカンナギにも詳しいだろ」
「……人並み以上には」
「専門家からのご意見も聞きてェわけよ」
「君の頼みなら構わないよ」
「んじゃ、先に情報共有だな」
病室は窓が開け放たれ、白いカーテンが風に揺れている。部屋全体の色素の薄さが演出する非現実感に飲まれるのを嫌いながら、冴さんは怠けた身体をほぐすように首を鳴らし、やがて銀髪の旧友へニヒルな笑みを寄越した。
「因縁の御方が来てるぜ」
「……そうか」
「なんと銀彊会の建物に入るのを目撃されてる」
御影がこちらを見た。切れ長の蒼眼の奥に鈍い光が宿る。冴さんはその鋭い沈黙の雰囲気を躱すように、長髪を色っぽく耳に掛ける。
「そいつが『水神気取り』だ」
水神気取り。つまり、水神さまを騙って銀彊会に出入りし、組織の暴走に加担した不届き者。ユーリの聴取にも出てきた単語だ。
ちなみに私は神々廻さんの時の記憶で裏を取れてる。身分を隠して平然と組織上層部の会合に出るその人物の姿は、間違いなく私も視た。
「そんでもって氷閉食らって生き残った構成員に吐かせたんだが、大規模集会をやるっつー話が出た」
「日時は?」
「ちょうど二週間後の夜。『石英館』貸し切るってさ」
「湖の南西に建つ築二十年の講演ホールだな」
「おうよ。これほどのチャンスは無ぇし、ぜひとも潜入したいね」
冴さんは再び舌なめずりして、心の内で水神気取りへ照準を合わせる。会場の間取りも頭に入れたのだから一斉摘発が最大目標! と思いきや、がっくり頭を抱えて「でもなァ……」と泣き言を溢し始めた。
「余計にあり得ねえよ、氷で滑って骨折るとか。あーオレの足!」
「あの宗教集団に忍び込むには、いささか松葉杖は目立つだろうな」
「それな! 氷閉もほっとけねーってのに、水の泡だぜ……」
しかし。歓談する冴さんの黄金の眼は、試すように諦めるように、いつの間にか爛々と御影へ向けられていた。
「おかしい」
「僕がか」
「……なんか隠し事してんな? 目線の置き場がビミョーに違う」
御影は答えない。一見沈着している。しかし冴さんは知っていた。これが切羽詰まった時の――今更焦りを覚え出したとかではなく、長らく頭の片隅を蝕む懸念がある時の態度であることを。
「おいチカ。一人でしょい過ぎだ」
「そうか?」
「おめーはずっとそうだろうが。仏頂面の裏でいろんな思考巡らせてんの知ってるぜ」
「……表情の変化はあると思うが」
「いんや雀の涙だ。熱出しても動揺しても平気な顔してやがる。たまにゃ肩の荷下ろさねえと、ぶっ飛ぶぞ!」
冴さんの怒鳴りを皮切りに、二人は沈黙する。しばらく経って、黒手袋が御影自身の顔に近づいたと思うと、静謐な紺青の瞳がふっと伏せられた。
「この頃、記憶が飛んでる」
「…………ハア?」
「ただの疲れとは違う。無意識に体を支配されてる感覚がある」
冴さんの胸はざわついた。「マジかよ」と話を冗談めかそうとする声が掠れた。踏み出しかけた足をさっと引くような、危機察知にも似たためらいの感情。
「だが心配は無用だ。直感だが、この症状は近い内に良くなると思う」
「……はあ~~根拠無ェなァ」
「病とは気分に左右されやすいものだそうだ。僕はひとりじゃない。だから簡単にはぶっ飛ばないよ」
御影はふっ、と表情を綻ばせた。
お前、そんなふうに笑えたんだな。ぽつりと沸いた感情を誤魔化すかのように、冴さんの口はくるくる回り出す。
「ま、潜入は本職に任せとけ。おめーにゃ危険だ」
「それはこちらの台詞だ。あの子が危険に曝されている以上、僕も無視はできない」
「オレぁな、お前が何しでかしてようが――」
御影の顔に書かれた渾身の疑問符を目にする。
「――――いや、なんでもねぇ」
息をぐっと飲み込み、冴さんは窓の外へと視線を移した。
御影が帰った病室で、冴さんは勘が当たらないのを神に祈りながら呟いた。オレは本当に甘ぇな、なんて。そして、動けないのに余計なことを捲し立てる自分を呪っていた。
「……無駄にはしません。冴さん、私があなたの記憶で道を切り拓きます」
私は冴さんの記憶を見た。時間軸は、冴さんの手首に触れて時の記憶を発動したこの瞬間から十日前。場所は月鏡を臨む丘に建つ大病院である。
顔の左半分を覆う長い前髪の麗人――冴さんの療養する病室に、二百年来の友人が見舞いに訪れていた。お決まりの丈長の白服に身を包み、つんと澄ました御影だ。冴さんは愉しげに指二本を唇に近づけ、にやっと笑って出迎える。
「煙草無ぇ?」
「開口一番それか。ここは喫煙禁止だ」
「口がさみしいんだよ」
「止せ、骨の治癒が遅れるぞ」
「ヴッ……いんや箔が付くってやつさ。かっけえだろ」
顔を引きつらせつつ強がる冴さん。御影は溜め息をついてベッド脇の椅子に座り、白い包帯で固定された旧友の左足をちらりと確認する。
「君が骨をやるとは珍しい」
「うるっせ蹴るぞ!」
「野蛮、いや素直に大人しくしてる辺りは常識人か……」
相変わらず――というか、私の前にいるときよりも何割増しか堅めの口調だ。その低く抑揚の無い声を耳にするなり、冴さんは自分の乱れ放題な白髪をくしゃりと梳かして口を尖らせる。
「なァんで骨折っただけで入院なんだ。オレぁ吐きそうなぐらい忙しいってのに……」
「捜査の半途でも今は安静にすべきだと思うが」
「首尾聞く?」
「情報漏洩だろう」
「おめーだから良いんだよ。それにだいぶ煮詰まってきたからさ、おたくにゃ是非とも協力を打診してェんだ」
「例の銀彊会関連の捜査か」
冴さんは返事代わりにぺろっと唇を舐めると、月鏡を取り巻く現状を思う。迷宮入り寸前の氷漬け事件に、例年に無い渇水、突然の豪雨、大規模な氷閉。神がかりな自然現象は銀彊会の狂信者への制裁さながらに発生してきた。愚かな行いが水神さまの逆鱗に触れたのだ、と月鏡に住む誰もが思っている。
「チカちゃんは気象にも水神さんのカンナギにも詳しいだろ」
「……人並み以上には」
「専門家からのご意見も聞きてェわけよ」
「君の頼みなら構わないよ」
「んじゃ、先に情報共有だな」
病室は窓が開け放たれ、白いカーテンが風に揺れている。部屋全体の色素の薄さが演出する非現実感に飲まれるのを嫌いながら、冴さんは怠けた身体をほぐすように首を鳴らし、やがて銀髪の旧友へニヒルな笑みを寄越した。
「因縁の御方が来てるぜ」
「……そうか」
「なんと銀彊会の建物に入るのを目撃されてる」
御影がこちらを見た。切れ長の蒼眼の奥に鈍い光が宿る。冴さんはその鋭い沈黙の雰囲気を躱すように、長髪を色っぽく耳に掛ける。
「そいつが『水神気取り』だ」
水神気取り。つまり、水神さまを騙って銀彊会に出入りし、組織の暴走に加担した不届き者。ユーリの聴取にも出てきた単語だ。
ちなみに私は神々廻さんの時の記憶で裏を取れてる。身分を隠して平然と組織上層部の会合に出るその人物の姿は、間違いなく私も視た。
「そんでもって氷閉食らって生き残った構成員に吐かせたんだが、大規模集会をやるっつー話が出た」
「日時は?」
「ちょうど二週間後の夜。『石英館』貸し切るってさ」
「湖の南西に建つ築二十年の講演ホールだな」
「おうよ。これほどのチャンスは無ぇし、ぜひとも潜入したいね」
冴さんは再び舌なめずりして、心の内で水神気取りへ照準を合わせる。会場の間取りも頭に入れたのだから一斉摘発が最大目標! と思いきや、がっくり頭を抱えて「でもなァ……」と泣き言を溢し始めた。
「余計にあり得ねえよ、氷で滑って骨折るとか。あーオレの足!」
「あの宗教集団に忍び込むには、いささか松葉杖は目立つだろうな」
「それな! 氷閉もほっとけねーってのに、水の泡だぜ……」
しかし。歓談する冴さんの黄金の眼は、試すように諦めるように、いつの間にか爛々と御影へ向けられていた。
「おかしい」
「僕がか」
「……なんか隠し事してんな? 目線の置き場がビミョーに違う」
御影は答えない。一見沈着している。しかし冴さんは知っていた。これが切羽詰まった時の――今更焦りを覚え出したとかではなく、長らく頭の片隅を蝕む懸念がある時の態度であることを。
「おいチカ。一人でしょい過ぎだ」
「そうか?」
「おめーはずっとそうだろうが。仏頂面の裏でいろんな思考巡らせてんの知ってるぜ」
「……表情の変化はあると思うが」
「いんや雀の涙だ。熱出しても動揺しても平気な顔してやがる。たまにゃ肩の荷下ろさねえと、ぶっ飛ぶぞ!」
冴さんの怒鳴りを皮切りに、二人は沈黙する。しばらく経って、黒手袋が御影自身の顔に近づいたと思うと、静謐な紺青の瞳がふっと伏せられた。
「この頃、記憶が飛んでる」
「…………ハア?」
「ただの疲れとは違う。無意識に体を支配されてる感覚がある」
冴さんの胸はざわついた。「マジかよ」と話を冗談めかそうとする声が掠れた。踏み出しかけた足をさっと引くような、危機察知にも似たためらいの感情。
「だが心配は無用だ。直感だが、この症状は近い内に良くなると思う」
「……はあ~~根拠無ェなァ」
「病とは気分に左右されやすいものだそうだ。僕はひとりじゃない。だから簡単にはぶっ飛ばないよ」
御影はふっ、と表情を綻ばせた。
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「それはこちらの台詞だ。あの子が危険に曝されている以上、僕も無視はできない」
「オレぁな、お前が何しでかしてようが――」
御影の顔に書かれた渾身の疑問符を目にする。
「――――いや、なんでもねぇ」
息をぐっと飲み込み、冴さんは窓の外へと視線を移した。
御影が帰った病室で、冴さんは勘が当たらないのを神に祈りながら呟いた。オレは本当に甘ぇな、なんて。そして、動けないのに余計なことを捲し立てる自分を呪っていた。
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