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第一部 第六章 暴走
2.シニスター~不吉~
しおりを挟む 聞くつもりは、なかったんだけど・・・嫌でも聞こえてきた。
話題は学院のことみたい。もしかしたら何か面白い事が聞けるかも?
こちらは、幼女とガタイのいい男との組み合わせだから、学院には関係ないと思って、油断していると思う。一応周りの様子は伺っていたようだから。私は向かい側なので、彼女の達の様子はよくわかる。アルバードは後ろ向きだから、顔は見られてない。
「シエ・・「しっ!」」
アルバードが私の名前を言いそうになったので、被せて人差し指を口に立てた。さすがにアルバードも察したようで、黙っている。
「そういえば、知ってる?まだ公にはされていないみたいなんだけど、ミランダ様が、ライル王子の婚約者に内定されているって話し。」
「えーそうなの?」
「え?だけど、アルカディアの王女様じゃなかったかしら?」
「なんでも、婚約破棄したらしいですわよ。」
「「えぇ~~うそ~~一国の王女様でしょ!」」
驚きすぎて、二人が被ってる。
それに、違うわよ!婚約破棄じゃなくて、婚約解消なんだから。
「でも、なんだか、いつの間にか見なくなったわよね?確かご病気だとか聞いたけど・・・」
「あー私もそう聞いたわ。でもいいんじゃないかしら?」
「え?どういうこと?」
「失礼ですけど、アルカディアのシエラ王女って魔力無しなんでしょ?我がバランドールで魔力が無い国母なんてありえないですわ~」
そう言う彼女の顔は蔑むそれだった。
「確かにそうですわね~そういう意味ではミランダ様なら安泰ですわね!公爵家だし、魔力も魔法も凄い方ですから!」
まぁ・・・言われてるだろうなーと思っていたことなので、そんなにショックではなかったかな。でも目の当たりしていい気分では勿論ないわよ!
って、あぁ!!
アルバードがめっちゃ怒ってる!
うん、すっごい怒りのオーラが出てるわ
「・・・・・」
黙ってはいるけど、かなり腹が立ってるみたい。
「ダメよ、ダメ!アルバード!」
私は小声で、今にも飛び出しそうなアルバードを止めてた。まぁでも怒ってくれる気持ちは嬉しいのよ!
「ですけど・・・」
明るい茶髪の令嬢が神妙な顔つきで言葉を続けた。
「それはこちらの価値観じゃありません?」
「え?どういうことなの?」
「シエラ王女の魔力がないことは仕方のないことかと。言い方を変えれば、シエラ王女はバランドールではなく、他所の国だったらそんなこと言われなくて済んだ話しではありませんか?」
「まぁ、仰るとおりですけど・・・」
「私もお話はしたことないけど、見ていた感じでは魔力がなくても一生懸命魔法学は勉強されていたわよ。それに・・私も魔力は貴族の中では少ないから、そんな風に言われると正直悲しい気持ちになりますわ。」
「え・・と、そんなつもりでは・・・」
「そ、そうよ、貴方は全くない訳ではないですし!」
あらら、私の悪口を言ったいた女子生徒は慌てて取り繕ってはいるけど、気まずい雰囲気になっちゃったわね。
・・・・・でも、バランドールでもこういう事を言ってくれる子がいるんだ。
「まぁお気遣いは感謝いたしますわ。ですけど変ですよね?」
「何がですの?」
「ミランダ様のこと。婚約が内定したという割には、最近気のせいかお元気がないように見受けたのよね。」
「あぁ、私もそう思いましたわ。」
「あら・・・じゃガセ情報なのかしら?」
明るい茶髪の令嬢はもしかしたら、友達になれていたかもしれない、とシエラは思っていた。
あとは、令嬢たちは取り留めのない会話になっていたので、これ以上は聞き耳を立てていても収穫は得られないと、二人は判断した。
「アルバード、お店出ましょか?」
「あぁ。」
私はお店を出るときに、擦れ違いざまに私を援護してくれた明るい茶髪の令嬢に微笑んだ。
何のことかはわからないだろうけど、小さな女の子に微笑みかけれて、悪い気はしなかったようだ。私美少女だからね!(どやぁ)
アルバードは小さな声で、
「本当に良かったのか?」
「うん。だってあの場で急に文句付けたらおかしいでしょ!(笑)」
「ま、まぁそうなんだけど。」
「アルバードが怒ってくれただけで、嬉しいわ。」
「いや、普通に怒るだろ!」
ふふ、アルバードってむくれてる。けどほんとなんだかんだ優しい。
そして、私達はスイーツ店『パルンミール』を後にした。
話題は学院のことみたい。もしかしたら何か面白い事が聞けるかも?
こちらは、幼女とガタイのいい男との組み合わせだから、学院には関係ないと思って、油断していると思う。一応周りの様子は伺っていたようだから。私は向かい側なので、彼女の達の様子はよくわかる。アルバードは後ろ向きだから、顔は見られてない。
「シエ・・「しっ!」」
アルバードが私の名前を言いそうになったので、被せて人差し指を口に立てた。さすがにアルバードも察したようで、黙っている。
「そういえば、知ってる?まだ公にはされていないみたいなんだけど、ミランダ様が、ライル王子の婚約者に内定されているって話し。」
「えーそうなの?」
「え?だけど、アルカディアの王女様じゃなかったかしら?」
「なんでも、婚約破棄したらしいですわよ。」
「「えぇ~~うそ~~一国の王女様でしょ!」」
驚きすぎて、二人が被ってる。
それに、違うわよ!婚約破棄じゃなくて、婚約解消なんだから。
「でも、なんだか、いつの間にか見なくなったわよね?確かご病気だとか聞いたけど・・・」
「あー私もそう聞いたわ。でもいいんじゃないかしら?」
「え?どういうこと?」
「失礼ですけど、アルカディアのシエラ王女って魔力無しなんでしょ?我がバランドールで魔力が無い国母なんてありえないですわ~」
そう言う彼女の顔は蔑むそれだった。
「確かにそうですわね~そういう意味ではミランダ様なら安泰ですわね!公爵家だし、魔力も魔法も凄い方ですから!」
まぁ・・・言われてるだろうなーと思っていたことなので、そんなにショックではなかったかな。でも目の当たりしていい気分では勿論ないわよ!
って、あぁ!!
アルバードがめっちゃ怒ってる!
うん、すっごい怒りのオーラが出てるわ
「・・・・・」
黙ってはいるけど、かなり腹が立ってるみたい。
「ダメよ、ダメ!アルバード!」
私は小声で、今にも飛び出しそうなアルバードを止めてた。まぁでも怒ってくれる気持ちは嬉しいのよ!
「ですけど・・・」
明るい茶髪の令嬢が神妙な顔つきで言葉を続けた。
「それはこちらの価値観じゃありません?」
「え?どういうことなの?」
「シエラ王女の魔力がないことは仕方のないことかと。言い方を変えれば、シエラ王女はバランドールではなく、他所の国だったらそんなこと言われなくて済んだ話しではありませんか?」
「まぁ、仰るとおりですけど・・・」
「私もお話はしたことないけど、見ていた感じでは魔力がなくても一生懸命魔法学は勉強されていたわよ。それに・・私も魔力は貴族の中では少ないから、そんな風に言われると正直悲しい気持ちになりますわ。」
「え・・と、そんなつもりでは・・・」
「そ、そうよ、貴方は全くない訳ではないですし!」
あらら、私の悪口を言ったいた女子生徒は慌てて取り繕ってはいるけど、気まずい雰囲気になっちゃったわね。
・・・・・でも、バランドールでもこういう事を言ってくれる子がいるんだ。
「まぁお気遣いは感謝いたしますわ。ですけど変ですよね?」
「何がですの?」
「ミランダ様のこと。婚約が内定したという割には、最近気のせいかお元気がないように見受けたのよね。」
「あぁ、私もそう思いましたわ。」
「あら・・・じゃガセ情報なのかしら?」
明るい茶髪の令嬢はもしかしたら、友達になれていたかもしれない、とシエラは思っていた。
あとは、令嬢たちは取り留めのない会話になっていたので、これ以上は聞き耳を立てていても収穫は得られないと、二人は判断した。
「アルバード、お店出ましょか?」
「あぁ。」
私はお店を出るときに、擦れ違いざまに私を援護してくれた明るい茶髪の令嬢に微笑んだ。
何のことかはわからないだろうけど、小さな女の子に微笑みかけれて、悪い気はしなかったようだ。私美少女だからね!(どやぁ)
アルバードは小さな声で、
「本当に良かったのか?」
「うん。だってあの場で急に文句付けたらおかしいでしょ!(笑)」
「ま、まぁそうなんだけど。」
「アルバードが怒ってくれただけで、嬉しいわ。」
「いや、普通に怒るだろ!」
ふふ、アルバードってむくれてる。けどほんとなんだかんだ優しい。
そして、私達はスイーツ店『パルンミール』を後にした。
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