51 / 62
第44話 聖女ジェシカ
しおりを挟む
目を開けたら森の中だった。ペラペラのドレスに剣もない。スピカ様は万民を愛す慈悲深い神だと思っていたが、随分とSっ気がおありの様だ。
「見覚えがある森だな。ここはヴルカン領の東にある森じゃないのか?」
1人でぶつぶつ言いながら森を進む。見上げた木々の隙間から見覚えのある岩山が見える。ここを左手に進むと小さな滝がある川があったはずだ。
まとわりつくスカートを捌きながら早足で進む。こんな森の中でこの姿。男に会ったら娼婦に間違えられそうだ。もちろん、そんな男は捻り潰してやるが・・・。
滝の音が聞こえ足を早める。進む先に人の気配を感じる。1人の様だ。服を貸してもらうか、悪者だったら奪うとしよう。
邪魔な蔦をちぎり、川にいる人を見る。驚いた顔をしている。水浴びをしているのか衣類は岸だ。膝まで靡く光を反射する金の髪。細い手足の体の小さい女性。
「あ、あなたは誰⁉︎」
真っ赤になって女性が叫ぶ。
その声と同時に背後に気配を感じ、慌てて魔法を発動する。様子見の炎の魔法は弾かれた。川の方に飛び、体制を整える。癖で剣を抜こうとするがない事を思い出し、舌打ちする。
「娼婦とは思えない身のこなし。そして練度の高い魔法だな。女、お前は何者だ?」
「お婆様?」
「誰が、ババアだ‼︎私はまだ35歳だ!」
叫んだ女性を改めて見る。黒髪赤目の恵まれた体躯。あり得ない位のサイズの大剣。祖母のノワールが若い姿で目の前にいた!
「待って!ノワール!その子から聖属性の力を感じるわ」
「この娼婦から?間違いじゃないですか?」
「私は娼婦ではないぞ⁉︎」
「この淫らな格好にでかい胸。娼婦じゃなきゃなんだと言うんだ」
「失礼だぞ!お婆様‼︎私は貴女と瓜二つだと言われてるんだ!私が娼婦なら、貴女も娼婦だ‼︎」
「また、ババアって言ったな!」
「待って、待って2人とも」
水浴びをしていた女性が慌てて2人の間に入った。正面から顔を見る。随分とかわいらしい顔をしている。新緑の様な黄緑の色のぱっちりした瞳。桜坊の様なふっくらとした口唇。
「どうでも良いが、服を着ろ」
「・・・あ!」
真っ赤になって座りこむ姿すらかわいらしい。
「ジェシカ様!」
お婆様が女性を慌てて隠す。仕方ないので、服を取りに行き、ジェシカと呼ばれた女性に渡す。
「これは聖女の服だな?聖女ジェシカ。アジタートの前の聖女か?」
お婆様が服を受け取りジェシカに渡す。ジェシカは受け取り、微笑んだ。
「ええ、そうよ。貴女からスピカ様の力を感じるわ。スピカ様に導かれて来たのかしら?」
「そうらしいな。願いを言ったらここに放り出された。私から見ると二人は過去の人物だ」
「と言うことは、私の事をお婆様と言ったが、もしかしてお前は私の孫なのか?マーロンとの間の子の⁉︎」
「三男のイリオスの子だ。名はシェリル」
「イリオスか!あの泣き虫からこんな美人が産まれるとは‼︎シェリルとはかわいらしい名前だな!」
「貴女がアジタートの次の聖女なのね。これでアジタートの肩の荷が下りるわ。女神スピカ様に感謝を・・・」
手早く服を着たジェシカが祈りを捧げると、空中に光の粒子がチカチカ飛び、空気が変わる。
「これは?」
「祝福よ。アジタートには教えたんだけど、教わってないかしら?」
「祝福・・・。所で私は聖女ではないぞ?だからアジタートに教えを受けてない。アジタートの次の聖女はウンディーネ公爵家のアーマンディ様。男の聖女だ」
ジェシカが目を見開く。驚いている様だ。
「男性が聖女と認められたの?でもアーマンディは女性の名前よね?」
「アジタートに命じられ女装させられていた。だが男でも聖女になれると周囲に声を上げて、そしてやっと認められて来た。これからは男でも聖女として立てる様に世の中を変えようと頑張っている。アジタートは気に入らない様だがな」
「アジタートも悪い子ではないのよ。ただ、魔力が弱いから、スピカ様のお声が聞こえなかっただけ・・・」
「それでは聖女として役に立たんだろう」
「アジタートが聖女として表にいてくれるから、私は自由に外に出て、こうしてヴルカン公爵領の魔物退治のお手伝いができてるの。だから悪いことばかりでもないのよ」
穏やかに微笑むジェシカに嘘はなさそうだ。この微笑みはアーマンディ様を思い出す。アジタートと対面する前に戻れれば良いのだが・・。
「貴女は聖女ではないと言うけど、スピカ様のお力を感じるわ。スピカ様のお力を借りて、使える者が聖女よ。だから貴女も間違いなく聖女だわ」
「聖属性を使うと疲れるんだ。あまり得意じゃない」
「シェリル、お前は火の魔法を使ってたじゃないか。それで聖属性も使えるのか。私の孫は器用だな」
「あら?私も一番得意のなのは風属性よ。では私も器用ね」
嬉しそうに笑うジェシカはかわいらしい。純粋な笑顔がアーマンディ様を思い出させる。
「シェリル?貴女が女神スピカ様に願った事はなに?」
「私が願ったのは強くなりたいだ」
「さすが私の孫だ」と言った祖母が私の背中を強く叩く。痛い。なぜこの服はこんなペラペラなのか。
「お婆様、貴女の服を貸してくれ。この服は動きにくい!」
「聖女だろ?この服が正装だろう」
「普段の私は騎士服だ。アーマンディ様がどうしてもと言うから、この服を着てるんだ」
「随分と忠実だな?騎士でもやってるのか?」
「騎士兼婚約者だ。早々に結婚もする予定だ」
「さすが、私の孫だ!」
「痛い!背中を叩くな!どうして、聖女の服はペラペラなんだ!」
「シェリル?強くなる一歩を踏み出しましょう」
「ジェシカ様?どう言うことですか?」
「聖属性を使いこなす第一歩よ。聖属性を身体に纏わせるイメージを作って見て」
「纏う?」
「こうよ」
ジェシカがくるっと回ると、身体の周囲に光の粒が生じそのまま輝き続ける。
「治癒と防御も兼ねているわ。浄化能力もあるのよ。これで瘴気の沼にも突っ込んで行けるわ」
「瘴気の沼に突っ込む⁉︎正気ですか!」
「ジェシカ様は入って行かれるぞ?そちらの方が浄化しやすいそうだ」
ジェシカはニッコリ笑い、シェリルの手を取った。繋がれた手は温かく感じる。
「考えないで感じて?貴女の聖属性の力にスピカ様の力を乗せるイメージよ。貴女の聖属性の力は少なくて良いの。スピカ様から大いなる力をお借りできるのだから」
「乗せる?借りる?」
「そう、貴女の側にスピカ様のお力があるわ。優しい柔らかいお力よ。それを見つけて感じて・・」
シェリルは目を閉じる。
(スピカ様のお力?どこにあると言うのか)
感知能力を上げるが見つけられない。それではダメかと思いスピカ様の力を思い出す。私に話しかけて来た時の力。ここに私を運ぶ時に感じた力。アーマンディが浄化する時に集める力。優しく包み込む様な柔らかい光・・・。
「できた!」
目を開き、自分の周囲を見回す。光の粒が周囲を巡る。ジェシカの金色の光と違い少し赤い淡い光。
「ノワール、シェリルをその剣で切ってみて。シェリルは動いてはダメよ」
ジェシカの言葉にノワールは剣を上段に構える。
「はぁ⁉︎お婆様、その殺気‼︎本気で私を殺す気ですか⁉︎」
「シェリル、そのままそれを維持しておけよ。大丈夫。ジェシカ様の言う事を信じろ」
シェリルは動こうとするがジェシカに両手を押さえられ動けない。この小さく細い身体のどこにこんな力があるのか!
ノワールの剣が振り下ろされ、シェリルは運を天に任せて、そのまま力を維持する。
凄まじい勢いで振り下ろされた剣は止められた。光の粒が止めた剣の周囲を取り囲む様に光っている。
「すごいな。こんな使い方があったとは」
「アジタートには拒否されて教えられなかったの。貴女に教えられて良かったわ。アーマンディにも伝えてね」
「他にもありそうだな?」
「ええ、これから瘴気の沼に行くわ。それまで私が色々教えるわ。きっとその為に貴女は私の元へ来たのよ」
「ぜひ、よろしくお願いします」
シェリルはジェシカと祖母と歩み始める。
アーマンディの為に強くなる事を決心して。
「見覚えがある森だな。ここはヴルカン領の東にある森じゃないのか?」
1人でぶつぶつ言いながら森を進む。見上げた木々の隙間から見覚えのある岩山が見える。ここを左手に進むと小さな滝がある川があったはずだ。
まとわりつくスカートを捌きながら早足で進む。こんな森の中でこの姿。男に会ったら娼婦に間違えられそうだ。もちろん、そんな男は捻り潰してやるが・・・。
滝の音が聞こえ足を早める。進む先に人の気配を感じる。1人の様だ。服を貸してもらうか、悪者だったら奪うとしよう。
邪魔な蔦をちぎり、川にいる人を見る。驚いた顔をしている。水浴びをしているのか衣類は岸だ。膝まで靡く光を反射する金の髪。細い手足の体の小さい女性。
「あ、あなたは誰⁉︎」
真っ赤になって女性が叫ぶ。
その声と同時に背後に気配を感じ、慌てて魔法を発動する。様子見の炎の魔法は弾かれた。川の方に飛び、体制を整える。癖で剣を抜こうとするがない事を思い出し、舌打ちする。
「娼婦とは思えない身のこなし。そして練度の高い魔法だな。女、お前は何者だ?」
「お婆様?」
「誰が、ババアだ‼︎私はまだ35歳だ!」
叫んだ女性を改めて見る。黒髪赤目の恵まれた体躯。あり得ない位のサイズの大剣。祖母のノワールが若い姿で目の前にいた!
「待って!ノワール!その子から聖属性の力を感じるわ」
「この娼婦から?間違いじゃないですか?」
「私は娼婦ではないぞ⁉︎」
「この淫らな格好にでかい胸。娼婦じゃなきゃなんだと言うんだ」
「失礼だぞ!お婆様‼︎私は貴女と瓜二つだと言われてるんだ!私が娼婦なら、貴女も娼婦だ‼︎」
「また、ババアって言ったな!」
「待って、待って2人とも」
水浴びをしていた女性が慌てて2人の間に入った。正面から顔を見る。随分とかわいらしい顔をしている。新緑の様な黄緑の色のぱっちりした瞳。桜坊の様なふっくらとした口唇。
「どうでも良いが、服を着ろ」
「・・・あ!」
真っ赤になって座りこむ姿すらかわいらしい。
「ジェシカ様!」
お婆様が女性を慌てて隠す。仕方ないので、服を取りに行き、ジェシカと呼ばれた女性に渡す。
「これは聖女の服だな?聖女ジェシカ。アジタートの前の聖女か?」
お婆様が服を受け取りジェシカに渡す。ジェシカは受け取り、微笑んだ。
「ええ、そうよ。貴女からスピカ様の力を感じるわ。スピカ様に導かれて来たのかしら?」
「そうらしいな。願いを言ったらここに放り出された。私から見ると二人は過去の人物だ」
「と言うことは、私の事をお婆様と言ったが、もしかしてお前は私の孫なのか?マーロンとの間の子の⁉︎」
「三男のイリオスの子だ。名はシェリル」
「イリオスか!あの泣き虫からこんな美人が産まれるとは‼︎シェリルとはかわいらしい名前だな!」
「貴女がアジタートの次の聖女なのね。これでアジタートの肩の荷が下りるわ。女神スピカ様に感謝を・・・」
手早く服を着たジェシカが祈りを捧げると、空中に光の粒子がチカチカ飛び、空気が変わる。
「これは?」
「祝福よ。アジタートには教えたんだけど、教わってないかしら?」
「祝福・・・。所で私は聖女ではないぞ?だからアジタートに教えを受けてない。アジタートの次の聖女はウンディーネ公爵家のアーマンディ様。男の聖女だ」
ジェシカが目を見開く。驚いている様だ。
「男性が聖女と認められたの?でもアーマンディは女性の名前よね?」
「アジタートに命じられ女装させられていた。だが男でも聖女になれると周囲に声を上げて、そしてやっと認められて来た。これからは男でも聖女として立てる様に世の中を変えようと頑張っている。アジタートは気に入らない様だがな」
「アジタートも悪い子ではないのよ。ただ、魔力が弱いから、スピカ様のお声が聞こえなかっただけ・・・」
「それでは聖女として役に立たんだろう」
「アジタートが聖女として表にいてくれるから、私は自由に外に出て、こうしてヴルカン公爵領の魔物退治のお手伝いができてるの。だから悪いことばかりでもないのよ」
穏やかに微笑むジェシカに嘘はなさそうだ。この微笑みはアーマンディ様を思い出す。アジタートと対面する前に戻れれば良いのだが・・。
「貴女は聖女ではないと言うけど、スピカ様のお力を感じるわ。スピカ様のお力を借りて、使える者が聖女よ。だから貴女も間違いなく聖女だわ」
「聖属性を使うと疲れるんだ。あまり得意じゃない」
「シェリル、お前は火の魔法を使ってたじゃないか。それで聖属性も使えるのか。私の孫は器用だな」
「あら?私も一番得意のなのは風属性よ。では私も器用ね」
嬉しそうに笑うジェシカはかわいらしい。純粋な笑顔がアーマンディ様を思い出させる。
「シェリル?貴女が女神スピカ様に願った事はなに?」
「私が願ったのは強くなりたいだ」
「さすが私の孫だ」と言った祖母が私の背中を強く叩く。痛い。なぜこの服はこんなペラペラなのか。
「お婆様、貴女の服を貸してくれ。この服は動きにくい!」
「聖女だろ?この服が正装だろう」
「普段の私は騎士服だ。アーマンディ様がどうしてもと言うから、この服を着てるんだ」
「随分と忠実だな?騎士でもやってるのか?」
「騎士兼婚約者だ。早々に結婚もする予定だ」
「さすが、私の孫だ!」
「痛い!背中を叩くな!どうして、聖女の服はペラペラなんだ!」
「シェリル?強くなる一歩を踏み出しましょう」
「ジェシカ様?どう言うことですか?」
「聖属性を使いこなす第一歩よ。聖属性を身体に纏わせるイメージを作って見て」
「纏う?」
「こうよ」
ジェシカがくるっと回ると、身体の周囲に光の粒が生じそのまま輝き続ける。
「治癒と防御も兼ねているわ。浄化能力もあるのよ。これで瘴気の沼にも突っ込んで行けるわ」
「瘴気の沼に突っ込む⁉︎正気ですか!」
「ジェシカ様は入って行かれるぞ?そちらの方が浄化しやすいそうだ」
ジェシカはニッコリ笑い、シェリルの手を取った。繋がれた手は温かく感じる。
「考えないで感じて?貴女の聖属性の力にスピカ様の力を乗せるイメージよ。貴女の聖属性の力は少なくて良いの。スピカ様から大いなる力をお借りできるのだから」
「乗せる?借りる?」
「そう、貴女の側にスピカ様のお力があるわ。優しい柔らかいお力よ。それを見つけて感じて・・」
シェリルは目を閉じる。
(スピカ様のお力?どこにあると言うのか)
感知能力を上げるが見つけられない。それではダメかと思いスピカ様の力を思い出す。私に話しかけて来た時の力。ここに私を運ぶ時に感じた力。アーマンディが浄化する時に集める力。優しく包み込む様な柔らかい光・・・。
「できた!」
目を開き、自分の周囲を見回す。光の粒が周囲を巡る。ジェシカの金色の光と違い少し赤い淡い光。
「ノワール、シェリルをその剣で切ってみて。シェリルは動いてはダメよ」
ジェシカの言葉にノワールは剣を上段に構える。
「はぁ⁉︎お婆様、その殺気‼︎本気で私を殺す気ですか⁉︎」
「シェリル、そのままそれを維持しておけよ。大丈夫。ジェシカ様の言う事を信じろ」
シェリルは動こうとするがジェシカに両手を押さえられ動けない。この小さく細い身体のどこにこんな力があるのか!
ノワールの剣が振り下ろされ、シェリルは運を天に任せて、そのまま力を維持する。
凄まじい勢いで振り下ろされた剣は止められた。光の粒が止めた剣の周囲を取り囲む様に光っている。
「すごいな。こんな使い方があったとは」
「アジタートには拒否されて教えられなかったの。貴女に教えられて良かったわ。アーマンディにも伝えてね」
「他にもありそうだな?」
「ええ、これから瘴気の沼に行くわ。それまで私が色々教えるわ。きっとその為に貴女は私の元へ来たのよ」
「ぜひ、よろしくお願いします」
シェリルはジェシカと祖母と歩み始める。
アーマンディの為に強くなる事を決心して。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる