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第26話 ウンディーネ公爵本邸
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「14分58秒であそこまでか」
と呟いたのはシェリル。その言葉に赤くなるのはアーマンディ。
二人は飛竜のギネに乗って次の目的地、ウンディーネ公爵本邸に向かっている。天気は今日も良く晴れている。
「シェリルのバカ!昨日は無いと思ってたのに!」
「私は悪くないですよ。全てアーマンディ様が悪いんです」
「どうして⁉︎僕は襲われたんだよ」
「仕向けてるのはアーマンディ様です。あまり暴れるとギネから落ちますよ」
「仕向けてなんかないもん」
「無自覚は怖いですね。昨日、モデストメリー様に言われました。『苦労するだろうけど、頑張って』と。確かにあなた相手だと、私も色々と大変です」
「そんな事思ってたの⁉︎シェリルなんて嫌い!」
「その嫌いは好きの方の嫌いですね」
余裕の微笑みを見せるシェリルを、ずるいとアーマンディは思う。
歳の差は1つなのに、経験値の差は極端にある。子供の頃から大人達に混じり、戦ってきたシェリル。身内に囲まれて、愛されただけのアーマンディ。シェリルは色々な人に出会い、色々な経験を積んで来た。それに比べて自分はどうだろう。何も知らない赤子の様だ。シェリルがどうしたら喜ぶかも知らない。
「シェリルは欲しいものがある?」
「アーマンディ様ですね」
「いつもその答えでしょ!他にはないの?」
「ではアーマンディ様は何が欲しいのですか?」
「僕?僕は・・・」
言い淀んだのには訳がある。アーマンディはシェリルが喜ぶものが欲しいと思ったから。それでは堂々巡りだと、さすがに自覚した。
「僕はないなぁ」
「そこは私の名前を言って欲しかったですね」
「シェリルは今は接触禁止でしょ!」
「アーマンディ様が望めば、問題ない事になってます」
「望まないよ」
「それは残念」
望まない訳ではないけど、それを言いたくない矜持もある。自分から結婚まで清い関係と言い出したのだから、そこまでは守りたいと思ってる。ただ、清い関係と言うのが何のかもう分からない。
「見えて来ましたね。ウンディーネ公爵本邸が。綺麗な邸宅ですね」
「上から見るのは初めてだよ」
ギネが高度を落とす。あそこには頼りになる兄がいる。そう思うと、久しぶりに見る家が輝いて見えた。
◇◇◇
ウンディーネ公爵本邸は18歳まで育った家だ。だからいつもの様に護領水晶玉に力を補充する。長年練習がてら補充し続けただけあって、あと何年も持ちそうだ。
兄のカエンとシェリルはなぜか手合わせに行った。シェリルから手合わせを申し出ていた。シェリル曰く、兄は強いらしい。
中庭を抜け、演習場に出向くとそこには天を突き刺す勢いで伸びた氷の柱が何本もあった。
「兄様の魔法だ」
氷の柱を触ると、その先に立っている兄のカエンと、倒れるシェリルが見えた。カエンがシェリルに手を差し伸べ、起こしている。自分にそれができるかと思うと、心が痛んだ。
「まさか私の炎の魔法を氷で包まれるとは思わなかった。カエン様はやはり強いな」
「シェリル嬢は魔法の練度が足りないですね。あと、剣が全体的に大ぶりです。力任せな所があるので、魔物を倒すのには適してますが、人と戦うには少し弱い」
「私は15歳から人にも魔物にも負けた事はなかった。貴方が強いのだ。アーマンディ様に出会わなければ、私は貴方に求婚していたかもな」
「シェリル嬢の様な美しい女性に求婚されるのは光栄でしょうね」
二人の会話に苛立ち、その場を後にするアーマンディ。
アーマンディの姿を見つけたカエンは、その姿をシェリルから隠すように、大袈裟に氷を壊す。破片は美しく音を立ててシェリルの目を奪う。
「アーマンディを泣かせたら、この様に貴女を壊しますよ。シェリル嬢」
「カエン様は思ったより怖い顔をするんだな。気をつけよう。貴方には勝てないからな。今は!」
「この事はルーベンス君にも伝えて下さいね。まぁ、あちらは婚約まで漕ぎ着けたので、あなた達より進んでますが」
「あいつらいつの間に!そう言うカエン様は結婚は?」
「良い相手が見つからなくて。私はお淑やかな女性が好きなので」
「その喧嘩は買わないでおこう。今は。次の時は買おう。なぜなら勝つから」
カエンはシェリルの肩を叩き、その場を去る。
シェリルは氷が煌めく様を見続けた。
「アーマンディ!」
呼ばれて振り返ると兄が走ってきた。昔から、落ち込んでいると兄がこうやって走って来てくれた。
「兄様はシェリルの事が好きなの?」
「やっぱりさっきの会話を聞いてたんだな。俺はお淑やかな女性が良いって昔から言ってるだろう。忘れたのか?」
肩に置かれた兄の手を払う。そしたら次に頬をつねられた。
「兄様!痛い!」
「少しは痛い思いをしろ!お前はやるべき事をやっていない。このままじゃシェリル嬢がかわいそうだ」
「やるべきことって?」
「ルーベンス君は正式な婚約申込状を我が家に送ったぞ?父が受理して、大聖堂に届け出た。これでルーベンス君とメイリーンは正式な婚約者だ。お前は何をしているんだ?確かに世間的には、お前が男か女か騒がれているが、そんな事は関係ないだろ?ヴルカン公爵家でもお前が男だと認知されているんだから、構わずお前はやるべき事をやれ」
「だって兄様、良いのかな?シルヴェストル公爵家もアジタート様も僕が女の方が都合が良いんじゃないの?」
「お前は昔から言ってただろう。綺麗だから男で女でも関係ないって。世間も守ってくれるならどっちでも良いって言ってくれてる人もいる。人はそれぞれ意見があるんだ。一々気にするな。それよりも好きになった人を幸せにするべきじゃないのか?」
「うん、ありがとう兄様」
アーマンディは兄の胸に顔を埋める。カエンは優しくその頭を撫でた。
「兄様、僕聞きたい事がいっぱいあるんだけど」
「俺が教えれるものなら教えるけど、なんか嫌な予感がするな」
「女の人ってどうやったら良いのかな?」
「それは、たぶん、営みの件か?お前は俺と同じ教育を受けたよな⁉︎」
「関係ないって思ったから覚えてない‼︎」
「俺が教えるのか⁉︎」
「兄様しか頼れない。父様には今更聞けないもん。お願い、兄様!!」
「・・・とりあえず分かった。俺の部屋に行こう」
「ついでに婚約申込状の書き方も教えて!」
「・・・分かった」
自分の結婚が遅れる理由は、この無頓着な弟と破天荒な妹のせいだと自覚しているカエンは、二人が片付く事に安堵した。
と呟いたのはシェリル。その言葉に赤くなるのはアーマンディ。
二人は飛竜のギネに乗って次の目的地、ウンディーネ公爵本邸に向かっている。天気は今日も良く晴れている。
「シェリルのバカ!昨日は無いと思ってたのに!」
「私は悪くないですよ。全てアーマンディ様が悪いんです」
「どうして⁉︎僕は襲われたんだよ」
「仕向けてるのはアーマンディ様です。あまり暴れるとギネから落ちますよ」
「仕向けてなんかないもん」
「無自覚は怖いですね。昨日、モデストメリー様に言われました。『苦労するだろうけど、頑張って』と。確かにあなた相手だと、私も色々と大変です」
「そんな事思ってたの⁉︎シェリルなんて嫌い!」
「その嫌いは好きの方の嫌いですね」
余裕の微笑みを見せるシェリルを、ずるいとアーマンディは思う。
歳の差は1つなのに、経験値の差は極端にある。子供の頃から大人達に混じり、戦ってきたシェリル。身内に囲まれて、愛されただけのアーマンディ。シェリルは色々な人に出会い、色々な経験を積んで来た。それに比べて自分はどうだろう。何も知らない赤子の様だ。シェリルがどうしたら喜ぶかも知らない。
「シェリルは欲しいものがある?」
「アーマンディ様ですね」
「いつもその答えでしょ!他にはないの?」
「ではアーマンディ様は何が欲しいのですか?」
「僕?僕は・・・」
言い淀んだのには訳がある。アーマンディはシェリルが喜ぶものが欲しいと思ったから。それでは堂々巡りだと、さすがに自覚した。
「僕はないなぁ」
「そこは私の名前を言って欲しかったですね」
「シェリルは今は接触禁止でしょ!」
「アーマンディ様が望めば、問題ない事になってます」
「望まないよ」
「それは残念」
望まない訳ではないけど、それを言いたくない矜持もある。自分から結婚まで清い関係と言い出したのだから、そこまでは守りたいと思ってる。ただ、清い関係と言うのが何のかもう分からない。
「見えて来ましたね。ウンディーネ公爵本邸が。綺麗な邸宅ですね」
「上から見るのは初めてだよ」
ギネが高度を落とす。あそこには頼りになる兄がいる。そう思うと、久しぶりに見る家が輝いて見えた。
◇◇◇
ウンディーネ公爵本邸は18歳まで育った家だ。だからいつもの様に護領水晶玉に力を補充する。長年練習がてら補充し続けただけあって、あと何年も持ちそうだ。
兄のカエンとシェリルはなぜか手合わせに行った。シェリルから手合わせを申し出ていた。シェリル曰く、兄は強いらしい。
中庭を抜け、演習場に出向くとそこには天を突き刺す勢いで伸びた氷の柱が何本もあった。
「兄様の魔法だ」
氷の柱を触ると、その先に立っている兄のカエンと、倒れるシェリルが見えた。カエンがシェリルに手を差し伸べ、起こしている。自分にそれができるかと思うと、心が痛んだ。
「まさか私の炎の魔法を氷で包まれるとは思わなかった。カエン様はやはり強いな」
「シェリル嬢は魔法の練度が足りないですね。あと、剣が全体的に大ぶりです。力任せな所があるので、魔物を倒すのには適してますが、人と戦うには少し弱い」
「私は15歳から人にも魔物にも負けた事はなかった。貴方が強いのだ。アーマンディ様に出会わなければ、私は貴方に求婚していたかもな」
「シェリル嬢の様な美しい女性に求婚されるのは光栄でしょうね」
二人の会話に苛立ち、その場を後にするアーマンディ。
アーマンディの姿を見つけたカエンは、その姿をシェリルから隠すように、大袈裟に氷を壊す。破片は美しく音を立ててシェリルの目を奪う。
「アーマンディを泣かせたら、この様に貴女を壊しますよ。シェリル嬢」
「カエン様は思ったより怖い顔をするんだな。気をつけよう。貴方には勝てないからな。今は!」
「この事はルーベンス君にも伝えて下さいね。まぁ、あちらは婚約まで漕ぎ着けたので、あなた達より進んでますが」
「あいつらいつの間に!そう言うカエン様は結婚は?」
「良い相手が見つからなくて。私はお淑やかな女性が好きなので」
「その喧嘩は買わないでおこう。今は。次の時は買おう。なぜなら勝つから」
カエンはシェリルの肩を叩き、その場を去る。
シェリルは氷が煌めく様を見続けた。
「アーマンディ!」
呼ばれて振り返ると兄が走ってきた。昔から、落ち込んでいると兄がこうやって走って来てくれた。
「兄様はシェリルの事が好きなの?」
「やっぱりさっきの会話を聞いてたんだな。俺はお淑やかな女性が良いって昔から言ってるだろう。忘れたのか?」
肩に置かれた兄の手を払う。そしたら次に頬をつねられた。
「兄様!痛い!」
「少しは痛い思いをしろ!お前はやるべき事をやっていない。このままじゃシェリル嬢がかわいそうだ」
「やるべきことって?」
「ルーベンス君は正式な婚約申込状を我が家に送ったぞ?父が受理して、大聖堂に届け出た。これでルーベンス君とメイリーンは正式な婚約者だ。お前は何をしているんだ?確かに世間的には、お前が男か女か騒がれているが、そんな事は関係ないだろ?ヴルカン公爵家でもお前が男だと認知されているんだから、構わずお前はやるべき事をやれ」
「だって兄様、良いのかな?シルヴェストル公爵家もアジタート様も僕が女の方が都合が良いんじゃないの?」
「お前は昔から言ってただろう。綺麗だから男で女でも関係ないって。世間も守ってくれるならどっちでも良いって言ってくれてる人もいる。人はそれぞれ意見があるんだ。一々気にするな。それよりも好きになった人を幸せにするべきじゃないのか?」
「うん、ありがとう兄様」
アーマンディは兄の胸に顔を埋める。カエンは優しくその頭を撫でた。
「兄様、僕聞きたい事がいっぱいあるんだけど」
「俺が教えれるものなら教えるけど、なんか嫌な予感がするな」
「女の人ってどうやったら良いのかな?」
「それは、たぶん、営みの件か?お前は俺と同じ教育を受けたよな⁉︎」
「関係ないって思ったから覚えてない‼︎」
「俺が教えるのか⁉︎」
「兄様しか頼れない。父様には今更聞けないもん。お願い、兄様!!」
「・・・とりあえず分かった。俺の部屋に行こう」
「ついでに婚約申込状の書き方も教えて!」
「・・・分かった」
自分の結婚が遅れる理由は、この無頓着な弟と破天荒な妹のせいだと自覚しているカエンは、二人が片付く事に安堵した。
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