81 / 90
オカン公爵令嬢は潜入する。
29話 オヤジの本性(2)
しおりを挟む
金;アダルベルト・フォルトゥーナ・ミケーレ
好感度88% 親密度 62% 恋愛度 40%
(やめて!爆上がり‼︎)
「これは……中々良い数字だね……」
「は⁈オヤジ……見えてるの?」
「ああ、ごめん。見えないフリをしてるんだった。忘れてた……僕のことを愛してくれて嬉しいよ?アダルベルト王太子?」
オヤジの背後にラフレシアが咲いた⁉︎じゃなくて、ヤバい!バレた!て言うか何でわざわざ見えないフリを⁉︎
「な……なんで⁉︎」
きっと俺の顔は真っ赤だ。声だってうわずってる!
そんな俺に畳み掛けるようにオヤジが妖艶に微笑む。
「なぜ?そうだね……その方が面白そうだったからかな?」
「性格悪すぎない⁉︎オヤジってそんな人間だったの⁉︎」
オヤジと俺の会話を聞きつけて、ニヤニヤしてるオカンと、なぜか顔を手で隠しながら指の間から覗いている麗がやってきた。
「雅也さんはそういう人よ?あんたが宿題ができなくて泣きながらやってる時も、横にいたでしょう?」
「え⁉︎だって、それは俺のことを愛情深く見守ってくれていたんじゃないの?」
「違うわよ。あんたが問題が解けなくて悔しくて、真っ赤になって泣いてる顔が可愛くて見てたのよ。雅也さんの愛はあんたが思う以上に重いのよ。それよりの咲夜は雅也さんに何%惚れてるの?」
「好感度88%だよ」
「米寿ね」
「アダルベルト様×セヴェーロ様」
(やばい!3対1だ!話を逸らそう!)
焦る俺は、なりふり構わず麗の肩を掴む。
「それより!麗、この好感度ってどうやって出してるの‼︎」
「こうかんど~?ああ、これはね、『ムーンバタフライ』を作っている人からデータをもらってるんだよ?」
呑気な麗が呑気に応えるが、その言葉の意味が分からず、俺を含め三角家一同は麗をじっと見る。
「は?どういうこと?」
「だからね、この世界を作ってる人は水晶玉でデータを見てるんだけど、水晶玉って占い師みたい~、ぷすすす~って思ったから私はタブレットじゃなくてウツオ君にしたんだよ」
ここに来て麗の急展開な発言に一番動揺したのはオヤジだ。頭を押さえて天井を仰ぎみてる。
「え?じゃあ麗はこの世界が作られた世界って知ってるの?」
「作られた世界?燈子さんがゲームの世界って言ってたから、みんな知ってると思っていたよ。ラノベとかで良くある展開でしょう?チート能力者がこの世界を自分の思うようにしようとする設定。このゲームを作っている人もチート能力者で、私達と同じ転生者だよ?元は地球人の日本人‼︎」
「は……はは、そうなんだ……小説で良くあるんだ……へぇぇ」
もう限界だ。俺の許容量が弾け飛んだ。これ以上は何も言えない。オヤジに続いて俺も天井を見る。
「確かに、良くある話よね!なんだぁ、麗ちゃんは知ってたんだ~、さすがね」
そしてさすが一番ピンチに強いオカンは、動揺しつつも麗と会話してる。
「でも誰かまでは分からなかったですよ。レオパルドって人なんですね。もしかして赤茶色の髪ですか?いつもなぜか後ろ姿しか遠視できなくて……仕様かな~って」
「確か、赤茶色の髪よ?私達の誕生日パーティにも来てたわよ?」
「ああ、私緊張しすぎて覚えてないんですよ~」
「そうよね、あの時がコスのパーティーデビューだもんね」
「わぁぁ、エヴァがコスって言ってくれた~懐かしい~」
「懐かしいわね~。あの時は私も頑張って猫被ったわ~」
オカンと麗の会話は続く。あちらこちらに脈絡もなく話を飛ばしながら……。
「オヤジ……ここまで推理してた?」
「いや――予想外だ……」
女子二人組みは恐ろしい、そして話が止まらない。話が終わったら黒幕であるレオパルドの元に行こうと、俺はそっとため息をついた。
好感度88% 親密度 62% 恋愛度 40%
(やめて!爆上がり‼︎)
「これは……中々良い数字だね……」
「は⁈オヤジ……見えてるの?」
「ああ、ごめん。見えないフリをしてるんだった。忘れてた……僕のことを愛してくれて嬉しいよ?アダルベルト王太子?」
オヤジの背後にラフレシアが咲いた⁉︎じゃなくて、ヤバい!バレた!て言うか何でわざわざ見えないフリを⁉︎
「な……なんで⁉︎」
きっと俺の顔は真っ赤だ。声だってうわずってる!
そんな俺に畳み掛けるようにオヤジが妖艶に微笑む。
「なぜ?そうだね……その方が面白そうだったからかな?」
「性格悪すぎない⁉︎オヤジってそんな人間だったの⁉︎」
オヤジと俺の会話を聞きつけて、ニヤニヤしてるオカンと、なぜか顔を手で隠しながら指の間から覗いている麗がやってきた。
「雅也さんはそういう人よ?あんたが宿題ができなくて泣きながらやってる時も、横にいたでしょう?」
「え⁉︎だって、それは俺のことを愛情深く見守ってくれていたんじゃないの?」
「違うわよ。あんたが問題が解けなくて悔しくて、真っ赤になって泣いてる顔が可愛くて見てたのよ。雅也さんの愛はあんたが思う以上に重いのよ。それよりの咲夜は雅也さんに何%惚れてるの?」
「好感度88%だよ」
「米寿ね」
「アダルベルト様×セヴェーロ様」
(やばい!3対1だ!話を逸らそう!)
焦る俺は、なりふり構わず麗の肩を掴む。
「それより!麗、この好感度ってどうやって出してるの‼︎」
「こうかんど~?ああ、これはね、『ムーンバタフライ』を作っている人からデータをもらってるんだよ?」
呑気な麗が呑気に応えるが、その言葉の意味が分からず、俺を含め三角家一同は麗をじっと見る。
「は?どういうこと?」
「だからね、この世界を作ってる人は水晶玉でデータを見てるんだけど、水晶玉って占い師みたい~、ぷすすす~って思ったから私はタブレットじゃなくてウツオ君にしたんだよ」
ここに来て麗の急展開な発言に一番動揺したのはオヤジだ。頭を押さえて天井を仰ぎみてる。
「え?じゃあ麗はこの世界が作られた世界って知ってるの?」
「作られた世界?燈子さんがゲームの世界って言ってたから、みんな知ってると思っていたよ。ラノベとかで良くある展開でしょう?チート能力者がこの世界を自分の思うようにしようとする設定。このゲームを作っている人もチート能力者で、私達と同じ転生者だよ?元は地球人の日本人‼︎」
「は……はは、そうなんだ……小説で良くあるんだ……へぇぇ」
もう限界だ。俺の許容量が弾け飛んだ。これ以上は何も言えない。オヤジに続いて俺も天井を見る。
「確かに、良くある話よね!なんだぁ、麗ちゃんは知ってたんだ~、さすがね」
そしてさすが一番ピンチに強いオカンは、動揺しつつも麗と会話してる。
「でも誰かまでは分からなかったですよ。レオパルドって人なんですね。もしかして赤茶色の髪ですか?いつもなぜか後ろ姿しか遠視できなくて……仕様かな~って」
「確か、赤茶色の髪よ?私達の誕生日パーティにも来てたわよ?」
「ああ、私緊張しすぎて覚えてないんですよ~」
「そうよね、あの時がコスのパーティーデビューだもんね」
「わぁぁ、エヴァがコスって言ってくれた~懐かしい~」
「懐かしいわね~。あの時は私も頑張って猫被ったわ~」
オカンと麗の会話は続く。あちらこちらに脈絡もなく話を飛ばしながら……。
「オヤジ……ここまで推理してた?」
「いや――予想外だ……」
女子二人組みは恐ろしい、そして話が止まらない。話が終わったら黒幕であるレオパルドの元に行こうと、俺はそっとため息をついた。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
【完結】ガラクタゴミしか召喚出来ないへっぽこ聖女、ゴミを糧にする大精霊達とのんびりスローライフを送る〜追放した王族なんて知らんぷりです!〜
櫛田こころ
ファンタジー
お前なんか、ガラクタ当然だ。
はじめの頃は……依頼者の望み通りのものを召喚出来た、召喚魔法を得意とする聖女・ミラジェーンは……ついに王族から追放を命じられた。
役立たずの聖女の代わりなど、いくらでもいると。
ミラジェーンの召喚魔法では、いつからか依頼の品どころか本当にガラクタもだが『ゴミ』しか召喚出来なくなってしまった。
なので、大人しく城から立ち去る時に……一匹の精霊と出会った。餌を与えようにも、相変わらずゴミしか召喚出来ずに泣いてしまうと……その精霊は、なんとゴミを『食べて』しまった。
美味しい美味しいと絶賛してくれた精霊は……ただの精霊ではなく、精霊王に次ぐ強力な大精霊だとわかり。ミラジェーンを精霊の里に来て欲しいと頼んできたのだ。
追放された聖女の召喚魔法は、実は精霊達には美味しい美味しいご飯だとわかり、のんびり楽しく過ごしていくスローライフストーリーを目指します!!
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる