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オカン公爵令嬢は潜入する。
29話 オヤジの本性(2)
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金;アダルベルト・フォルトゥーナ・ミケーレ
好感度88% 親密度 62% 恋愛度 40%
(やめて!爆上がり‼︎)
「これは……中々良い数字だね……」
「は⁈オヤジ……見えてるの?」
「ああ、ごめん。見えないフリをしてるんだった。忘れてた……僕のことを愛してくれて嬉しいよ?アダルベルト王太子?」
オヤジの背後にラフレシアが咲いた⁉︎じゃなくて、ヤバい!バレた!て言うか何でわざわざ見えないフリを⁉︎
「な……なんで⁉︎」
きっと俺の顔は真っ赤だ。声だってうわずってる!
そんな俺に畳み掛けるようにオヤジが妖艶に微笑む。
「なぜ?そうだね……その方が面白そうだったからかな?」
「性格悪すぎない⁉︎オヤジってそんな人間だったの⁉︎」
オヤジと俺の会話を聞きつけて、ニヤニヤしてるオカンと、なぜか顔を手で隠しながら指の間から覗いている麗がやってきた。
「雅也さんはそういう人よ?あんたが宿題ができなくて泣きながらやってる時も、横にいたでしょう?」
「え⁉︎だって、それは俺のことを愛情深く見守ってくれていたんじゃないの?」
「違うわよ。あんたが問題が解けなくて悔しくて、真っ赤になって泣いてる顔が可愛くて見てたのよ。雅也さんの愛はあんたが思う以上に重いのよ。それよりの咲夜は雅也さんに何%惚れてるの?」
「好感度88%だよ」
「米寿ね」
「アダルベルト様×セヴェーロ様」
(やばい!3対1だ!話を逸らそう!)
焦る俺は、なりふり構わず麗の肩を掴む。
「それより!麗、この好感度ってどうやって出してるの‼︎」
「こうかんど~?ああ、これはね、『ムーンバタフライ』を作っている人からデータをもらってるんだよ?」
呑気な麗が呑気に応えるが、その言葉の意味が分からず、俺を含め三角家一同は麗をじっと見る。
「は?どういうこと?」
「だからね、この世界を作ってる人は水晶玉でデータを見てるんだけど、水晶玉って占い師みたい~、ぷすすす~って思ったから私はタブレットじゃなくてウツオ君にしたんだよ」
ここに来て麗の急展開な発言に一番動揺したのはオヤジだ。頭を押さえて天井を仰ぎみてる。
「え?じゃあ麗はこの世界が作られた世界って知ってるの?」
「作られた世界?燈子さんがゲームの世界って言ってたから、みんな知ってると思っていたよ。ラノベとかで良くある展開でしょう?チート能力者がこの世界を自分の思うようにしようとする設定。このゲームを作っている人もチート能力者で、私達と同じ転生者だよ?元は地球人の日本人‼︎」
「は……はは、そうなんだ……小説で良くあるんだ……へぇぇ」
もう限界だ。俺の許容量が弾け飛んだ。これ以上は何も言えない。オヤジに続いて俺も天井を見る。
「確かに、良くある話よね!なんだぁ、麗ちゃんは知ってたんだ~、さすがね」
そしてさすが一番ピンチに強いオカンは、動揺しつつも麗と会話してる。
「でも誰かまでは分からなかったですよ。レオパルドって人なんですね。もしかして赤茶色の髪ですか?いつもなぜか後ろ姿しか遠視できなくて……仕様かな~って」
「確か、赤茶色の髪よ?私達の誕生日パーティにも来てたわよ?」
「ああ、私緊張しすぎて覚えてないんですよ~」
「そうよね、あの時がコスのパーティーデビューだもんね」
「わぁぁ、エヴァがコスって言ってくれた~懐かしい~」
「懐かしいわね~。あの時は私も頑張って猫被ったわ~」
オカンと麗の会話は続く。あちらこちらに脈絡もなく話を飛ばしながら……。
「オヤジ……ここまで推理してた?」
「いや――予想外だ……」
女子二人組みは恐ろしい、そして話が止まらない。話が終わったら黒幕であるレオパルドの元に行こうと、俺はそっとため息をついた。
好感度88% 親密度 62% 恋愛度 40%
(やめて!爆上がり‼︎)
「これは……中々良い数字だね……」
「は⁈オヤジ……見えてるの?」
「ああ、ごめん。見えないフリをしてるんだった。忘れてた……僕のことを愛してくれて嬉しいよ?アダルベルト王太子?」
オヤジの背後にラフレシアが咲いた⁉︎じゃなくて、ヤバい!バレた!て言うか何でわざわざ見えないフリを⁉︎
「な……なんで⁉︎」
きっと俺の顔は真っ赤だ。声だってうわずってる!
そんな俺に畳み掛けるようにオヤジが妖艶に微笑む。
「なぜ?そうだね……その方が面白そうだったからかな?」
「性格悪すぎない⁉︎オヤジってそんな人間だったの⁉︎」
オヤジと俺の会話を聞きつけて、ニヤニヤしてるオカンと、なぜか顔を手で隠しながら指の間から覗いている麗がやってきた。
「雅也さんはそういう人よ?あんたが宿題ができなくて泣きながらやってる時も、横にいたでしょう?」
「え⁉︎だって、それは俺のことを愛情深く見守ってくれていたんじゃないの?」
「違うわよ。あんたが問題が解けなくて悔しくて、真っ赤になって泣いてる顔が可愛くて見てたのよ。雅也さんの愛はあんたが思う以上に重いのよ。それよりの咲夜は雅也さんに何%惚れてるの?」
「好感度88%だよ」
「米寿ね」
「アダルベルト様×セヴェーロ様」
(やばい!3対1だ!話を逸らそう!)
焦る俺は、なりふり構わず麗の肩を掴む。
「それより!麗、この好感度ってどうやって出してるの‼︎」
「こうかんど~?ああ、これはね、『ムーンバタフライ』を作っている人からデータをもらってるんだよ?」
呑気な麗が呑気に応えるが、その言葉の意味が分からず、俺を含め三角家一同は麗をじっと見る。
「は?どういうこと?」
「だからね、この世界を作ってる人は水晶玉でデータを見てるんだけど、水晶玉って占い師みたい~、ぷすすす~って思ったから私はタブレットじゃなくてウツオ君にしたんだよ」
ここに来て麗の急展開な発言に一番動揺したのはオヤジだ。頭を押さえて天井を仰ぎみてる。
「え?じゃあ麗はこの世界が作られた世界って知ってるの?」
「作られた世界?燈子さんがゲームの世界って言ってたから、みんな知ってると思っていたよ。ラノベとかで良くある展開でしょう?チート能力者がこの世界を自分の思うようにしようとする設定。このゲームを作っている人もチート能力者で、私達と同じ転生者だよ?元は地球人の日本人‼︎」
「は……はは、そうなんだ……小説で良くあるんだ……へぇぇ」
もう限界だ。俺の許容量が弾け飛んだ。これ以上は何も言えない。オヤジに続いて俺も天井を見る。
「確かに、良くある話よね!なんだぁ、麗ちゃんは知ってたんだ~、さすがね」
そしてさすが一番ピンチに強いオカンは、動揺しつつも麗と会話してる。
「でも誰かまでは分からなかったですよ。レオパルドって人なんですね。もしかして赤茶色の髪ですか?いつもなぜか後ろ姿しか遠視できなくて……仕様かな~って」
「確か、赤茶色の髪よ?私達の誕生日パーティにも来てたわよ?」
「ああ、私緊張しすぎて覚えてないんですよ~」
「そうよね、あの時がコスのパーティーデビューだもんね」
「わぁぁ、エヴァがコスって言ってくれた~懐かしい~」
「懐かしいわね~。あの時は私も頑張って猫被ったわ~」
オカンと麗の会話は続く。あちらこちらに脈絡もなく話を飛ばしながら……。
「オヤジ……ここまで推理してた?」
「いや――予想外だ……」
女子二人組みは恐ろしい、そして話が止まらない。話が終わったら黒幕であるレオパルドの元に行こうと、俺はそっとため息をついた。
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