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オカン公爵令嬢は潜入する。
25話 上か下か
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「あ……もう終わった」
麗の言葉でウツオ君と言う名のタブレットを見ると、いつの間にかオヤジがティベリを攻略していた。
緑;ティベリオ・クレシェンテ
好感度100% 親密度 0% 恋愛度 0%
早すぎない?オヤジの全力投球は恐ろしい。そして次々攻略するオヤジを見て、満足気な顔を見せるオカンはもっと恐ろしい。
「じゃあ、あとはブルーノだけ?」
いきなりベッドに連れ込もうとする変態にオヤジはどう対応するのだろう……。
「終わってるわよ?ほら」
オカンが見せるウツオ君には、
黄;ブルーノ・メッザ
好感度100% 親密度 0% 恋愛度 0%
「あ……そう。なんか簡単なゲームだね」
オヤジとブルーノはまだ会っていないのに。でも俺の時もそうだったからそんなものかも知れない。
「当たり前でしょう?本来なら彼らが留学生である王子を攻略するゲームだもの。だから逆からだとあっさり落ちるのよ」
「あ――!シークレットキャラが出てきた!」
麗の声を聞き、俺とオカンは画面を凝視する。
ここで必要なことは、どうやったら出てくるんだろう……とか考えない事だ。作られた世界とか関係なく麗の魔法は意味不明なのだから。
「ん?」
「あれれ?」
「どう言う事?」
オカン、麗、俺の順で言葉を出し、そして互いに顔を見合わせた。
黒;ウーゴ・メッザ
好感度80% 親密度 0% 恋愛度 0%
金;アダルベルト・フォルトゥーナ・ミケーレ
好感度##% 親密度 ##% 恋愛度 ##%
「俺?」
「みたいね、しかもデータがバグってるわ。どうやらこの世界を作った人間が介入してきたようね。きっと本当のシークレットキャラはウーゴ・メッザ、脳筋の双子の弟だったのよ!」
「オカンの予想いではレオポルド・ヌオヴァじゃなかったけ?」
「よくよく考えるとレオパルドはもう学園には通ってないからね!シークレットキャラにはなり得ないのよ!」
「……ソウデスカ」
オカンに一時でも感心した俺が馬鹿だった。やっぱり考えなしの暴走機関車だ!
「でも雅也さんが咲夜君を誘惑するんですか?親子なのに?」
「今世では血は繋がってないもの……でも、どうなの?アダルベルト×セヴェーロ」
「……悪くないですね」
「むしろアリよね?」
「何言ってんの?人間は掛け算できないよ?」
「一般人は黙ってなさい!」
オカンにピシャリと言われて、俺はウツオ君をじっくり見る。オカンと麗は今度は上だ下だと騒いでいる。放っておこう。なんだか寒気がする。
(それにしてもバグ?俺の目には数字が見えるのに?)
金;アダルベルト・フォルトゥーナ・ミケーレ
好感度70% 親密度 60% 恋愛度 40%
すごく高い。オヤジだからだろうか。それともオヤジの魅力にいつもやられているからだろうか。分からないけど、好感度が100%になったら、俺はどうなってしまうのだろう。
「燈子さん、次のウーゴはどこにいるんだい?」
タブレットから父の声が聞こえる。
「教室よ。ナビするわ」
「ありがとう……それと咲夜はいる?」
「いるよ。なにオヤジ?」
「こっちに来てくれる?」
オヤジの言葉を聞いて、オカンと麗が俺を見て変な顔をする。
なんだろう、この変に期待に満ちた目は……。
「行ってくるね?」
「「いってらっしゃい!」」
満面の笑顔で返されてしまった。やっぱりどっちが上か下から言っている。
上か下……年齢で言えば今は同い年だけど、前世も含めるとオヤジの方が上だ。だから経験値だってあちらの方が上だ。俺が勝てるのは魔力の量くらいだけど、戦えば勝利の神がついているオヤジに負けてしまう。
「……俺の方が下じゃない?」
ふたりに告げると……麗が沸騰したヤカンのように真っ赤になって吹き出した。
「あんた……意味……分かってるわけないわね。行きなさい……雅也さんが待ってるわ」
オカンの半眼を受け、俺は首を傾げながらオヤジの元に向かう。まったくふたりの言葉は分からない。
麗の言葉でウツオ君と言う名のタブレットを見ると、いつの間にかオヤジがティベリを攻略していた。
緑;ティベリオ・クレシェンテ
好感度100% 親密度 0% 恋愛度 0%
早すぎない?オヤジの全力投球は恐ろしい。そして次々攻略するオヤジを見て、満足気な顔を見せるオカンはもっと恐ろしい。
「じゃあ、あとはブルーノだけ?」
いきなりベッドに連れ込もうとする変態にオヤジはどう対応するのだろう……。
「終わってるわよ?ほら」
オカンが見せるウツオ君には、
黄;ブルーノ・メッザ
好感度100% 親密度 0% 恋愛度 0%
「あ……そう。なんか簡単なゲームだね」
オヤジとブルーノはまだ会っていないのに。でも俺の時もそうだったからそんなものかも知れない。
「当たり前でしょう?本来なら彼らが留学生である王子を攻略するゲームだもの。だから逆からだとあっさり落ちるのよ」
「あ――!シークレットキャラが出てきた!」
麗の声を聞き、俺とオカンは画面を凝視する。
ここで必要なことは、どうやったら出てくるんだろう……とか考えない事だ。作られた世界とか関係なく麗の魔法は意味不明なのだから。
「ん?」
「あれれ?」
「どう言う事?」
オカン、麗、俺の順で言葉を出し、そして互いに顔を見合わせた。
黒;ウーゴ・メッザ
好感度80% 親密度 0% 恋愛度 0%
金;アダルベルト・フォルトゥーナ・ミケーレ
好感度##% 親密度 ##% 恋愛度 ##%
「俺?」
「みたいね、しかもデータがバグってるわ。どうやらこの世界を作った人間が介入してきたようね。きっと本当のシークレットキャラはウーゴ・メッザ、脳筋の双子の弟だったのよ!」
「オカンの予想いではレオポルド・ヌオヴァじゃなかったけ?」
「よくよく考えるとレオパルドはもう学園には通ってないからね!シークレットキャラにはなり得ないのよ!」
「……ソウデスカ」
オカンに一時でも感心した俺が馬鹿だった。やっぱり考えなしの暴走機関車だ!
「でも雅也さんが咲夜君を誘惑するんですか?親子なのに?」
「今世では血は繋がってないもの……でも、どうなの?アダルベルト×セヴェーロ」
「……悪くないですね」
「むしろアリよね?」
「何言ってんの?人間は掛け算できないよ?」
「一般人は黙ってなさい!」
オカンにピシャリと言われて、俺はウツオ君をじっくり見る。オカンと麗は今度は上だ下だと騒いでいる。放っておこう。なんだか寒気がする。
(それにしてもバグ?俺の目には数字が見えるのに?)
金;アダルベルト・フォルトゥーナ・ミケーレ
好感度70% 親密度 60% 恋愛度 40%
すごく高い。オヤジだからだろうか。それともオヤジの魅力にいつもやられているからだろうか。分からないけど、好感度が100%になったら、俺はどうなってしまうのだろう。
「燈子さん、次のウーゴはどこにいるんだい?」
タブレットから父の声が聞こえる。
「教室よ。ナビするわ」
「ありがとう……それと咲夜はいる?」
「いるよ。なにオヤジ?」
「こっちに来てくれる?」
オヤジの言葉を聞いて、オカンと麗が俺を見て変な顔をする。
なんだろう、この変に期待に満ちた目は……。
「行ってくるね?」
「「いってらっしゃい!」」
満面の笑顔で返されてしまった。やっぱりどっちが上か下から言っている。
上か下……年齢で言えば今は同い年だけど、前世も含めるとオヤジの方が上だ。だから経験値だってあちらの方が上だ。俺が勝てるのは魔力の量くらいだけど、戦えば勝利の神がついているオヤジに負けてしまう。
「……俺の方が下じゃない?」
ふたりに告げると……麗が沸騰したヤカンのように真っ赤になって吹き出した。
「あんた……意味……分かってるわけないわね。行きなさい……雅也さんが待ってるわ」
オカンの半眼を受け、俺は首を傾げながらオヤジの元に向かう。まったくふたりの言葉は分からない。
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