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オカン公爵令嬢は潜入する。
12話 アダルベルトの部屋
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赤;ジェラルド・ヌォヴァ
好感度80% 親密度 0% 恋愛度 0%
青;ロメオ・カランテ
好感度90% 親密度 0% 恋愛度 0%
黄;ブルーノ・メッザ
好感度100% 親密度 32% 恋愛度 0%
緑;ティベリオ・クレシェンテ
好感度60% 親密度 0% 恋愛度 0%
「うん……色々言いたいけど、とりあえず聞かせて、好感度はわかる。親密度って?」
どうやって数値化できてるのか……とか、どうすればこんな表示が出せるのか……とか、色々聞きたいけどやめておこう。なぜなら、オカンと麗の答えは絶対にそういう仕様だから……で終わるはずだ。
そもそもオヤジはなぜこの状況を受け入れているのだろう。俺と同じで、常識人なはずなのに。今だって、俺の部屋にあるやたら豪華なリクライニングチェアに座り、ひとり優雅に紅茶を飲んでいる。
「親密度は咲夜くんと対象者の身体の触れ合い度?みたいな?」
「ふれあい……」
そういう意味ではブルーノには抱き抱えられたから、高くても仕方ないかも知れない。
「じゃあ、恋愛度は?みんな0%だけど」
「あんたと相手の相思相愛度よ。これを見ると一方的に相手が思ってるってわけね」
それは仕方がない事だ。男同士という大前提もあるけれど、それ以前の問題として俺には麗がいるわけだから。
「とりあえず……俺は好感度を上げれば良いんだよな。でもこれ、かなり高いんじゃないの?」
「全部100%にするのがあんたの仕事よ」
「……100%」
と言うことは……いきなり100%になってるブルーノは良いということだ。良かった。あの勢いでこられたらたまらない。そもそも他国の留学している王太子をいきなりベッドに連れ込もうとするってどうなんだろう。流石に外交問題になるんじゃないだろうか。
「そう言えば、父上は大事にしたくないって言ってたんだよね?その気持ちは……まぁ分からなくはないけど、俺は国ではどういう扱いになってるんの?」
「矛盾があったらいけないからルーナ国に外交に来てることになってるわ」
「そう……心配かけちゃったかな……特に母上は……」
「拐われた直後は気絶しちゃったけど、その後に会いに行った時には冷静になってたよ。迎えに行くって言った時も落ち着いてたし、ただ、すっごく頑張ってって言われた、あんなお妃様初めてだからびっくりしちゃった」
「へぇ……」
なんだか母上らしくない。いつも俺のことを過剰に心配してくれるのに。
「燈子さんと麗ちゃんは旅行中って事になってるよ」
オヤジがにっこり笑って会話に入ってくる。なんだろう……気のせいかも知れないけど、オヤジが作為的な気がする。
「そう言うオヤジは?国は大丈夫なのかよ」
「僕は大丈夫だよ。僕が不在くらいで傾くような国政はやっていないよ」
「ソウデスカ……」
ムカつく。また、紅茶を優雅に飲んでるのもムカつく。オカンと麗は俺のベッドに座って、ウツオ君を見ながらあーだこーだと話している。
なんだか呑気だ。俺の魔力は封じられていて、目の色も青のままだけど、みんながいればなんとかなる気がする。
「じゃあ、まずは誰から攻略すれば良いんだ?90%だからロメオ?」
「そうね、ロメオはあんたをずっとストーカーしてるから、良いかもね。今だってあんたの部屋を覗こうとしてるしね」
「はぁ⁉︎」
「ほらここ……」
オカンが指差したウツオ君には、俺の部屋の前に抜き足差し足で近づいてくるロメオが映ってる。
「こわっ!」
「うわ~、これはヤバいですね~。アダルベルトさま、大ピーンチ!」
「なんで麗は嬉しそうなの?」
「てへぺろ~」
古いよ麗……でもかわいいよ。
オカンと目配せし合って、立ち上がる。オヤジは……あ、さすがだ。さっと立ってクローゼットに隠れた。
両手をぐっと握って、頑張れ!と言葉を出さずに応援してくれる麗の頭を撫でて、とびらへ近づいていく。
ガチャっと扉を開けると、耳を扉に当てようとするロメオと目が合った。
ベタすぎない?
好感度80% 親密度 0% 恋愛度 0%
青;ロメオ・カランテ
好感度90% 親密度 0% 恋愛度 0%
黄;ブルーノ・メッザ
好感度100% 親密度 32% 恋愛度 0%
緑;ティベリオ・クレシェンテ
好感度60% 親密度 0% 恋愛度 0%
「うん……色々言いたいけど、とりあえず聞かせて、好感度はわかる。親密度って?」
どうやって数値化できてるのか……とか、どうすればこんな表示が出せるのか……とか、色々聞きたいけどやめておこう。なぜなら、オカンと麗の答えは絶対にそういう仕様だから……で終わるはずだ。
そもそもオヤジはなぜこの状況を受け入れているのだろう。俺と同じで、常識人なはずなのに。今だって、俺の部屋にあるやたら豪華なリクライニングチェアに座り、ひとり優雅に紅茶を飲んでいる。
「親密度は咲夜くんと対象者の身体の触れ合い度?みたいな?」
「ふれあい……」
そういう意味ではブルーノには抱き抱えられたから、高くても仕方ないかも知れない。
「じゃあ、恋愛度は?みんな0%だけど」
「あんたと相手の相思相愛度よ。これを見ると一方的に相手が思ってるってわけね」
それは仕方がない事だ。男同士という大前提もあるけれど、それ以前の問題として俺には麗がいるわけだから。
「とりあえず……俺は好感度を上げれば良いんだよな。でもこれ、かなり高いんじゃないの?」
「全部100%にするのがあんたの仕事よ」
「……100%」
と言うことは……いきなり100%になってるブルーノは良いということだ。良かった。あの勢いでこられたらたまらない。そもそも他国の留学している王太子をいきなりベッドに連れ込もうとするってどうなんだろう。流石に外交問題になるんじゃないだろうか。
「そう言えば、父上は大事にしたくないって言ってたんだよね?その気持ちは……まぁ分からなくはないけど、俺は国ではどういう扱いになってるんの?」
「矛盾があったらいけないからルーナ国に外交に来てることになってるわ」
「そう……心配かけちゃったかな……特に母上は……」
「拐われた直後は気絶しちゃったけど、その後に会いに行った時には冷静になってたよ。迎えに行くって言った時も落ち着いてたし、ただ、すっごく頑張ってって言われた、あんなお妃様初めてだからびっくりしちゃった」
「へぇ……」
なんだか母上らしくない。いつも俺のことを過剰に心配してくれるのに。
「燈子さんと麗ちゃんは旅行中って事になってるよ」
オヤジがにっこり笑って会話に入ってくる。なんだろう……気のせいかも知れないけど、オヤジが作為的な気がする。
「そう言うオヤジは?国は大丈夫なのかよ」
「僕は大丈夫だよ。僕が不在くらいで傾くような国政はやっていないよ」
「ソウデスカ……」
ムカつく。また、紅茶を優雅に飲んでるのもムカつく。オカンと麗は俺のベッドに座って、ウツオ君を見ながらあーだこーだと話している。
なんだか呑気だ。俺の魔力は封じられていて、目の色も青のままだけど、みんながいればなんとかなる気がする。
「じゃあ、まずは誰から攻略すれば良いんだ?90%だからロメオ?」
「そうね、ロメオはあんたをずっとストーカーしてるから、良いかもね。今だってあんたの部屋を覗こうとしてるしね」
「はぁ⁉︎」
「ほらここ……」
オカンが指差したウツオ君には、俺の部屋の前に抜き足差し足で近づいてくるロメオが映ってる。
「こわっ!」
「うわ~、これはヤバいですね~。アダルベルトさま、大ピーンチ!」
「なんで麗は嬉しそうなの?」
「てへぺろ~」
古いよ麗……でもかわいいよ。
オカンと目配せし合って、立ち上がる。オヤジは……あ、さすがだ。さっと立ってクローゼットに隠れた。
両手をぐっと握って、頑張れ!と言葉を出さずに応援してくれる麗の頭を撫でて、とびらへ近づいていく。
ガチャっと扉を開けると、耳を扉に当てようとするロメオと目が合った。
ベタすぎない?
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