64 / 90
オカン公爵令嬢は潜入する。
12話 アダルベルトの部屋
しおりを挟む
赤;ジェラルド・ヌォヴァ
好感度80% 親密度 0% 恋愛度 0%
青;ロメオ・カランテ
好感度90% 親密度 0% 恋愛度 0%
黄;ブルーノ・メッザ
好感度100% 親密度 32% 恋愛度 0%
緑;ティベリオ・クレシェンテ
好感度60% 親密度 0% 恋愛度 0%
「うん……色々言いたいけど、とりあえず聞かせて、好感度はわかる。親密度って?」
どうやって数値化できてるのか……とか、どうすればこんな表示が出せるのか……とか、色々聞きたいけどやめておこう。なぜなら、オカンと麗の答えは絶対にそういう仕様だから……で終わるはずだ。
そもそもオヤジはなぜこの状況を受け入れているのだろう。俺と同じで、常識人なはずなのに。今だって、俺の部屋にあるやたら豪華なリクライニングチェアに座り、ひとり優雅に紅茶を飲んでいる。
「親密度は咲夜くんと対象者の身体の触れ合い度?みたいな?」
「ふれあい……」
そういう意味ではブルーノには抱き抱えられたから、高くても仕方ないかも知れない。
「じゃあ、恋愛度は?みんな0%だけど」
「あんたと相手の相思相愛度よ。これを見ると一方的に相手が思ってるってわけね」
それは仕方がない事だ。男同士という大前提もあるけれど、それ以前の問題として俺には麗がいるわけだから。
「とりあえず……俺は好感度を上げれば良いんだよな。でもこれ、かなり高いんじゃないの?」
「全部100%にするのがあんたの仕事よ」
「……100%」
と言うことは……いきなり100%になってるブルーノは良いということだ。良かった。あの勢いでこられたらたまらない。そもそも他国の留学している王太子をいきなりベッドに連れ込もうとするってどうなんだろう。流石に外交問題になるんじゃないだろうか。
「そう言えば、父上は大事にしたくないって言ってたんだよね?その気持ちは……まぁ分からなくはないけど、俺は国ではどういう扱いになってるんの?」
「矛盾があったらいけないからルーナ国に外交に来てることになってるわ」
「そう……心配かけちゃったかな……特に母上は……」
「拐われた直後は気絶しちゃったけど、その後に会いに行った時には冷静になってたよ。迎えに行くって言った時も落ち着いてたし、ただ、すっごく頑張ってって言われた、あんなお妃様初めてだからびっくりしちゃった」
「へぇ……」
なんだか母上らしくない。いつも俺のことを過剰に心配してくれるのに。
「燈子さんと麗ちゃんは旅行中って事になってるよ」
オヤジがにっこり笑って会話に入ってくる。なんだろう……気のせいかも知れないけど、オヤジが作為的な気がする。
「そう言うオヤジは?国は大丈夫なのかよ」
「僕は大丈夫だよ。僕が不在くらいで傾くような国政はやっていないよ」
「ソウデスカ……」
ムカつく。また、紅茶を優雅に飲んでるのもムカつく。オカンと麗は俺のベッドに座って、ウツオ君を見ながらあーだこーだと話している。
なんだか呑気だ。俺の魔力は封じられていて、目の色も青のままだけど、みんながいればなんとかなる気がする。
「じゃあ、まずは誰から攻略すれば良いんだ?90%だからロメオ?」
「そうね、ロメオはあんたをずっとストーカーしてるから、良いかもね。今だってあんたの部屋を覗こうとしてるしね」
「はぁ⁉︎」
「ほらここ……」
オカンが指差したウツオ君には、俺の部屋の前に抜き足差し足で近づいてくるロメオが映ってる。
「こわっ!」
「うわ~、これはヤバいですね~。アダルベルトさま、大ピーンチ!」
「なんで麗は嬉しそうなの?」
「てへぺろ~」
古いよ麗……でもかわいいよ。
オカンと目配せし合って、立ち上がる。オヤジは……あ、さすがだ。さっと立ってクローゼットに隠れた。
両手をぐっと握って、頑張れ!と言葉を出さずに応援してくれる麗の頭を撫でて、とびらへ近づいていく。
ガチャっと扉を開けると、耳を扉に当てようとするロメオと目が合った。
ベタすぎない?
好感度80% 親密度 0% 恋愛度 0%
青;ロメオ・カランテ
好感度90% 親密度 0% 恋愛度 0%
黄;ブルーノ・メッザ
好感度100% 親密度 32% 恋愛度 0%
緑;ティベリオ・クレシェンテ
好感度60% 親密度 0% 恋愛度 0%
「うん……色々言いたいけど、とりあえず聞かせて、好感度はわかる。親密度って?」
どうやって数値化できてるのか……とか、どうすればこんな表示が出せるのか……とか、色々聞きたいけどやめておこう。なぜなら、オカンと麗の答えは絶対にそういう仕様だから……で終わるはずだ。
そもそもオヤジはなぜこの状況を受け入れているのだろう。俺と同じで、常識人なはずなのに。今だって、俺の部屋にあるやたら豪華なリクライニングチェアに座り、ひとり優雅に紅茶を飲んでいる。
「親密度は咲夜くんと対象者の身体の触れ合い度?みたいな?」
「ふれあい……」
そういう意味ではブルーノには抱き抱えられたから、高くても仕方ないかも知れない。
「じゃあ、恋愛度は?みんな0%だけど」
「あんたと相手の相思相愛度よ。これを見ると一方的に相手が思ってるってわけね」
それは仕方がない事だ。男同士という大前提もあるけれど、それ以前の問題として俺には麗がいるわけだから。
「とりあえず……俺は好感度を上げれば良いんだよな。でもこれ、かなり高いんじゃないの?」
「全部100%にするのがあんたの仕事よ」
「……100%」
と言うことは……いきなり100%になってるブルーノは良いということだ。良かった。あの勢いでこられたらたまらない。そもそも他国の留学している王太子をいきなりベッドに連れ込もうとするってどうなんだろう。流石に外交問題になるんじゃないだろうか。
「そう言えば、父上は大事にしたくないって言ってたんだよね?その気持ちは……まぁ分からなくはないけど、俺は国ではどういう扱いになってるんの?」
「矛盾があったらいけないからルーナ国に外交に来てることになってるわ」
「そう……心配かけちゃったかな……特に母上は……」
「拐われた直後は気絶しちゃったけど、その後に会いに行った時には冷静になってたよ。迎えに行くって言った時も落ち着いてたし、ただ、すっごく頑張ってって言われた、あんなお妃様初めてだからびっくりしちゃった」
「へぇ……」
なんだか母上らしくない。いつも俺のことを過剰に心配してくれるのに。
「燈子さんと麗ちゃんは旅行中って事になってるよ」
オヤジがにっこり笑って会話に入ってくる。なんだろう……気のせいかも知れないけど、オヤジが作為的な気がする。
「そう言うオヤジは?国は大丈夫なのかよ」
「僕は大丈夫だよ。僕が不在くらいで傾くような国政はやっていないよ」
「ソウデスカ……」
ムカつく。また、紅茶を優雅に飲んでるのもムカつく。オカンと麗は俺のベッドに座って、ウツオ君を見ながらあーだこーだと話している。
なんだか呑気だ。俺の魔力は封じられていて、目の色も青のままだけど、みんながいればなんとかなる気がする。
「じゃあ、まずは誰から攻略すれば良いんだ?90%だからロメオ?」
「そうね、ロメオはあんたをずっとストーカーしてるから、良いかもね。今だってあんたの部屋を覗こうとしてるしね」
「はぁ⁉︎」
「ほらここ……」
オカンが指差したウツオ君には、俺の部屋の前に抜き足差し足で近づいてくるロメオが映ってる。
「こわっ!」
「うわ~、これはヤバいですね~。アダルベルトさま、大ピーンチ!」
「なんで麗は嬉しそうなの?」
「てへぺろ~」
古いよ麗……でもかわいいよ。
オカンと目配せし合って、立ち上がる。オヤジは……あ、さすがだ。さっと立ってクローゼットに隠れた。
両手をぐっと握って、頑張れ!と言葉を出さずに応援してくれる麗の頭を撫でて、とびらへ近づいていく。
ガチャっと扉を開けると、耳を扉に当てようとするロメオと目が合った。
ベタすぎない?
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる