217 / 273
第8章:王国決戦編
動き出した悪意
しおりを挟む
目を覚ますと薄暗い部屋の中で、服を脱がされて、背もたれ付きの椅子に座っていた。小さな蝋燭の火だけが灯りだった。
「ここは……」
「目が覚めたようだね」
蝋燭を持っていた男が話しかけてくる。裸である事に気がついて、一瞬少女らしい悲鳴をあげて体を隠そうとするが、その前に自分の手足が拘束されている事に気がつき、一気に冷静さを取り戻した。強く羞恥心を覚えながらも、それを隠しながら相手を睨みつける。
「へぇ、この状況でそんな目をする事ができるなんてね。さすがはシオン君だね」
「やっぱりあなたか、ガバル先生!」
目の前にいる禿頭の男に向かってシオンは怒鳴る。それを聞いてガバルは思わず笑い出した。
「はははははは! 君にそう言われるとやっぱり違和感があるね。どれ、答え合わせと行こうか」
そう言うとガバルの顔が突如変化し、その下から40代半ばぐらいの男の顔が現れた。
「お、お前は一体?」
「そうか、思い出せないかね。まあ、君はあの時まだほんの子供だったからね。でも僕はあの日の事を今でも思い出せるよね。って、この喋り方はもうしなくてもいいか」
「あの日?」
「ああ、そうだ。お前はかつてナギ君から魂を分けてもらった。そうだな?」
「なぜそれを!?」
「まあ、落ち着け。なあ、疑問に思わないか? 『生命置換』は禁術指定だ。普通の人間は存在さえも知らない。それなのに、なぜお前達がそれを行えたのか」
「それは……」
確かに『生命置換』は国によって秘された術だ。シオンも自分に施されていなければ、知ることすらなかっただろう。そんな術をスラムの孤児だったナギが知っている訳が無い。そして自分の周囲で光法術を使えた人間は使徒のウィリアムしか知らないが、彼が術者とは到底思えない。
「答えは簡単だ。私がお前の愚かな父親に依頼されて、お前達の魂を繋げる施術をしたのだよ」
そこで、男は芝居臭く頭を下げた。
「我が名はディマン。ディマン・リーラー。フィリアの使徒にして、ラグナに仕える者だ」
「ディマン……『リーラー』?」
『リーラー』という名に引っ掛かりを覚え、すぐに人工魔人について調べている時に見つけた資料の中にあった『イヴェル・リーラー』という名前に思い至った。
「そう。お前も知っているようだな。私は『イヴェル・リーラー』の血と、彼の意志を継ぐ者だ。それにしてもその様子だとラグナについては知っているようだな。そうか、あの少年から聞いたのだな?」
「……僕をどうするつもりだ」
ディマンの言葉を無視して、シオンは尋ねる。
「何もしない、と言ってあげたい所だが、これからお前を使って、今度こそ完全なる魔人を作ろうと思っているんだ。当然協力してくれるよな?」
「そんな事!」
「いいや。お前は私の言う事を聞くしかないよ。お腹の子のためにもな」
ニヤリと悍ましくディマンは笑う。
「……なぜそれを?」
「ははは、研究者が研究素体を調べない訳ないだろう?」
「くっ!」
シオンは悔しさに唇を噛み締める。
「何、心配することはない。私だって妊婦が魔人になった時、その子供が一体どうなるのか気になっているんだ。無駄に殺すようなことはしないさ。ただ、お前に与えられた選択肢はたった二つ。抵抗して自らの手で子供を殺すか、素直に従って魔人になるか、まあ魔物になるかも知れないが、とりあえずその2択しかないよ」
笑いながらも、ディマンの瞳には狂気が宿っていた。その顔を見て、シオンは全てを理解した。彼が言っていること全てが真実である事を。しばし逡巡し、彼女は決断した。
「……好きにしろ」
従うふりをして、機会を窺い、逃げ出そうと考えたのだ。
「はははははは! 協力感謝するよ! なに、心配することはないさ! 上手くいけば、お前は使徒と魔人、全てを超える力を手にする事が出来るのだからな!」
ディマンは嬉しそうに笑う。それを見てシオンは血が流れるほど唇を噛み締め、手を強く握りしめる。
「そうだ。聞き忘れていた事があった。その子はジン・アカツキの子で間違い無いのだな?」
「……ああ、それがなんだ?」
「お前はジン・アカツキを愛しているのか?」
「……だったらなんだ?」
「その想いは、本当にお前自身のものなのか?」
「え?」
シオンはその質問に目を丸くする。目の前の男が何を言っているのか理解出来なかった。そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、ディマンはまた狂気に染まった笑顔を浮かべる。
「まずはその検証から実験を開始するとしようか、ね?」
そうして、彼女に対する実験が始まった。
~~~~~~~~~
オリジンに戻ったジンはその足でシオンの家に向かった。彼女の様子が少し変だった事が気になり、自然と足早になっていた。だが、彼が家にいくと、門の前には彼女の代わりに、彼女の父親であるグルードが待ち構えていた。グルードはジンに気がつくと、鬼のような表情で、走り寄ってきた。
「ジン・アカツキ! お前の、お前のせいでシオンが!」
「は?」
その言葉の意味を理解する前にグルードはジンに掴みかかると、そのまま彼の右頬を思いっきり殴りつけた。大した威力ではないが、思わずジンはよろけて尻餅をついた。
「お前が……お前が!」
さらに殴りかかろうとしてきたグルードの両手を受け止めて、ジンは真剣な表情を浮かべた。
「シオンがどうしたんですか?」
ジンの質問を聞いて、グルードが顔をクシャクシャにして膝から崩れ落ちた。
「シオンが……あの子が三日前から消えてしまったんだ。それにこの紙があの子のベッドの上に……」
グルードは弱々しく上着のポケットに入れていた、クシャクシャになった紙を取り出した。ジンはそこに書かれている文字に目を通した。
『さあ、今度は私の番だ。ジン・アカツキよ。お前が私から彼女を奪い、私を絶望させたように、お前も存分に絶望を味わってくれ』
「これ……は?」
「ああ、シオン、私の可愛いシオン!」
グルードが外聞も関係なく地に突っ伏して泣く横で、ジンは魂が抜かれたかのように、その場に立ち尽くした。
~~~~~~~~
「へぇ、これがオリジンねぇ。外とは違って、随分活気があるな」
大通りには人がごった返していた。
「まあ、なんせ使徒達のお膝元だからねー」
ヘルトの言葉にアリーネが答える。
「それで、これからどうするんだ?」
エリミスがヘルトに尋ねる。
「あー、とりあえず族長様に会えばいいんじゃね?」
「あの、この国は王国だから族長じゃなくて、王様……」
セルトがおずおずと言うと、ヘルトは振り返り、彼女の顔を殴った。
「いちいちうるせぇんだよ。カスが!」
瞳に涙を溜めながら倒れたセルトがヘルトを見上げると、その顔に興奮したのか、ヘルトは彼女を蹴り飛ばし、横顔を踏みつける。周囲の人々が、その行為を見てヒソヒソと囁きだした。
「なんて酷い事を……」
「あんな可愛らしい子に酷い仕打ちをするなんて……」
「誰かあの子を助けてあげなよ……」
そんな声が聞こえてくるが、誰もヘルト達に近寄ろうとしない。冒険者の風体をしている彼らに余計なちょっかいをかけて、自分たちにも被害が出る事を恐れているのだ。
彼らを横目に、ヘルトの、セルトに対する暴力は続いていく。
「そのくらいにしたらどうだ?」
突然、男がヘルトに声をかけてきた。
「なんだ、テメェは?」
蹴り続けていた足を止めて、ヘルトは不快そうに尋ねる。
「お前に素晴らしい提案を持ってきたんだよ。勇者ヘルトよ」
自分の事を知っている事を理解し、ヘルトは目を鋭くさせる。
「何者だ、テメェは?」
「私はディマン、ディマン・リーラーだ。お前に頼みたい事があってこうして会いにきたんだ。少し話をしたいんだが、いいか?」
「へぇ、俺の事を知っていてそんな事を言うとはねぇ。おもしれぇ。いいぜぇ、どこへでも連れて行けよ」
「ね、ねぇ、そんなに簡単に決めていいの? なんかすっごい怪しいよ?」
ウェネーがディマンに警戒した様子を見せる。
「そうだ。怪しい」
すかさずエリミスもウェネーに同意する。
「もっと慎重になった方が……」
「うるせぇ! 女が出しゃばんじゃねぇ!」
アリーネの言葉に辟易して、セルトの顔を踏みつけながら、ヘルトが怒鳴る。
「相談は終わったか? なら、場所を変えるぞ。ここは些か目立ちすぎる」
野次馬がどんどん増えつつある事にヘルトは気がついた。
「ちっ、めんどくせぇが仕方ねぇ。さっさとどこへでも連れて行きな」
もう一度強くセルトを踏みつけると、漸く彼女の頭から足を退けた。
「それでは行こうか」
そうしてディマンは先頭を歩き始める。ウェネー達が意識を失ったセルトを引きずる様子を眺めていたヘルトは、彼がほくそ笑んでいる事には気が付かなかった。
「ここは……」
「目が覚めたようだね」
蝋燭を持っていた男が話しかけてくる。裸である事に気がついて、一瞬少女らしい悲鳴をあげて体を隠そうとするが、その前に自分の手足が拘束されている事に気がつき、一気に冷静さを取り戻した。強く羞恥心を覚えながらも、それを隠しながら相手を睨みつける。
「へぇ、この状況でそんな目をする事ができるなんてね。さすがはシオン君だね」
「やっぱりあなたか、ガバル先生!」
目の前にいる禿頭の男に向かってシオンは怒鳴る。それを聞いてガバルは思わず笑い出した。
「はははははは! 君にそう言われるとやっぱり違和感があるね。どれ、答え合わせと行こうか」
そう言うとガバルの顔が突如変化し、その下から40代半ばぐらいの男の顔が現れた。
「お、お前は一体?」
「そうか、思い出せないかね。まあ、君はあの時まだほんの子供だったからね。でも僕はあの日の事を今でも思い出せるよね。って、この喋り方はもうしなくてもいいか」
「あの日?」
「ああ、そうだ。お前はかつてナギ君から魂を分けてもらった。そうだな?」
「なぜそれを!?」
「まあ、落ち着け。なあ、疑問に思わないか? 『生命置換』は禁術指定だ。普通の人間は存在さえも知らない。それなのに、なぜお前達がそれを行えたのか」
「それは……」
確かに『生命置換』は国によって秘された術だ。シオンも自分に施されていなければ、知ることすらなかっただろう。そんな術をスラムの孤児だったナギが知っている訳が無い。そして自分の周囲で光法術を使えた人間は使徒のウィリアムしか知らないが、彼が術者とは到底思えない。
「答えは簡単だ。私がお前の愚かな父親に依頼されて、お前達の魂を繋げる施術をしたのだよ」
そこで、男は芝居臭く頭を下げた。
「我が名はディマン。ディマン・リーラー。フィリアの使徒にして、ラグナに仕える者だ」
「ディマン……『リーラー』?」
『リーラー』という名に引っ掛かりを覚え、すぐに人工魔人について調べている時に見つけた資料の中にあった『イヴェル・リーラー』という名前に思い至った。
「そう。お前も知っているようだな。私は『イヴェル・リーラー』の血と、彼の意志を継ぐ者だ。それにしてもその様子だとラグナについては知っているようだな。そうか、あの少年から聞いたのだな?」
「……僕をどうするつもりだ」
ディマンの言葉を無視して、シオンは尋ねる。
「何もしない、と言ってあげたい所だが、これからお前を使って、今度こそ完全なる魔人を作ろうと思っているんだ。当然協力してくれるよな?」
「そんな事!」
「いいや。お前は私の言う事を聞くしかないよ。お腹の子のためにもな」
ニヤリと悍ましくディマンは笑う。
「……なぜそれを?」
「ははは、研究者が研究素体を調べない訳ないだろう?」
「くっ!」
シオンは悔しさに唇を噛み締める。
「何、心配することはない。私だって妊婦が魔人になった時、その子供が一体どうなるのか気になっているんだ。無駄に殺すようなことはしないさ。ただ、お前に与えられた選択肢はたった二つ。抵抗して自らの手で子供を殺すか、素直に従って魔人になるか、まあ魔物になるかも知れないが、とりあえずその2択しかないよ」
笑いながらも、ディマンの瞳には狂気が宿っていた。その顔を見て、シオンは全てを理解した。彼が言っていること全てが真実である事を。しばし逡巡し、彼女は決断した。
「……好きにしろ」
従うふりをして、機会を窺い、逃げ出そうと考えたのだ。
「はははははは! 協力感謝するよ! なに、心配することはないさ! 上手くいけば、お前は使徒と魔人、全てを超える力を手にする事が出来るのだからな!」
ディマンは嬉しそうに笑う。それを見てシオンは血が流れるほど唇を噛み締め、手を強く握りしめる。
「そうだ。聞き忘れていた事があった。その子はジン・アカツキの子で間違い無いのだな?」
「……ああ、それがなんだ?」
「お前はジン・アカツキを愛しているのか?」
「……だったらなんだ?」
「その想いは、本当にお前自身のものなのか?」
「え?」
シオンはその質問に目を丸くする。目の前の男が何を言っているのか理解出来なかった。そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、ディマンはまた狂気に染まった笑顔を浮かべる。
「まずはその検証から実験を開始するとしようか、ね?」
そうして、彼女に対する実験が始まった。
~~~~~~~~~
オリジンに戻ったジンはその足でシオンの家に向かった。彼女の様子が少し変だった事が気になり、自然と足早になっていた。だが、彼が家にいくと、門の前には彼女の代わりに、彼女の父親であるグルードが待ち構えていた。グルードはジンに気がつくと、鬼のような表情で、走り寄ってきた。
「ジン・アカツキ! お前の、お前のせいでシオンが!」
「は?」
その言葉の意味を理解する前にグルードはジンに掴みかかると、そのまま彼の右頬を思いっきり殴りつけた。大した威力ではないが、思わずジンはよろけて尻餅をついた。
「お前が……お前が!」
さらに殴りかかろうとしてきたグルードの両手を受け止めて、ジンは真剣な表情を浮かべた。
「シオンがどうしたんですか?」
ジンの質問を聞いて、グルードが顔をクシャクシャにして膝から崩れ落ちた。
「シオンが……あの子が三日前から消えてしまったんだ。それにこの紙があの子のベッドの上に……」
グルードは弱々しく上着のポケットに入れていた、クシャクシャになった紙を取り出した。ジンはそこに書かれている文字に目を通した。
『さあ、今度は私の番だ。ジン・アカツキよ。お前が私から彼女を奪い、私を絶望させたように、お前も存分に絶望を味わってくれ』
「これ……は?」
「ああ、シオン、私の可愛いシオン!」
グルードが外聞も関係なく地に突っ伏して泣く横で、ジンは魂が抜かれたかのように、その場に立ち尽くした。
~~~~~~~~
「へぇ、これがオリジンねぇ。外とは違って、随分活気があるな」
大通りには人がごった返していた。
「まあ、なんせ使徒達のお膝元だからねー」
ヘルトの言葉にアリーネが答える。
「それで、これからどうするんだ?」
エリミスがヘルトに尋ねる。
「あー、とりあえず族長様に会えばいいんじゃね?」
「あの、この国は王国だから族長じゃなくて、王様……」
セルトがおずおずと言うと、ヘルトは振り返り、彼女の顔を殴った。
「いちいちうるせぇんだよ。カスが!」
瞳に涙を溜めながら倒れたセルトがヘルトを見上げると、その顔に興奮したのか、ヘルトは彼女を蹴り飛ばし、横顔を踏みつける。周囲の人々が、その行為を見てヒソヒソと囁きだした。
「なんて酷い事を……」
「あんな可愛らしい子に酷い仕打ちをするなんて……」
「誰かあの子を助けてあげなよ……」
そんな声が聞こえてくるが、誰もヘルト達に近寄ろうとしない。冒険者の風体をしている彼らに余計なちょっかいをかけて、自分たちにも被害が出る事を恐れているのだ。
彼らを横目に、ヘルトの、セルトに対する暴力は続いていく。
「そのくらいにしたらどうだ?」
突然、男がヘルトに声をかけてきた。
「なんだ、テメェは?」
蹴り続けていた足を止めて、ヘルトは不快そうに尋ねる。
「お前に素晴らしい提案を持ってきたんだよ。勇者ヘルトよ」
自分の事を知っている事を理解し、ヘルトは目を鋭くさせる。
「何者だ、テメェは?」
「私はディマン、ディマン・リーラーだ。お前に頼みたい事があってこうして会いにきたんだ。少し話をしたいんだが、いいか?」
「へぇ、俺の事を知っていてそんな事を言うとはねぇ。おもしれぇ。いいぜぇ、どこへでも連れて行けよ」
「ね、ねぇ、そんなに簡単に決めていいの? なんかすっごい怪しいよ?」
ウェネーがディマンに警戒した様子を見せる。
「そうだ。怪しい」
すかさずエリミスもウェネーに同意する。
「もっと慎重になった方が……」
「うるせぇ! 女が出しゃばんじゃねぇ!」
アリーネの言葉に辟易して、セルトの顔を踏みつけながら、ヘルトが怒鳴る。
「相談は終わったか? なら、場所を変えるぞ。ここは些か目立ちすぎる」
野次馬がどんどん増えつつある事にヘルトは気がついた。
「ちっ、めんどくせぇが仕方ねぇ。さっさとどこへでも連れて行きな」
もう一度強くセルトを踏みつけると、漸く彼女の頭から足を退けた。
「それでは行こうか」
そうしてディマンは先頭を歩き始める。ウェネー達が意識を失ったセルトを引きずる様子を眺めていたヘルトは、彼がほくそ笑んでいる事には気が付かなかった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。
転生はデフォです。
でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。
リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。
しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。
この話は第一部ということでそこまでは完結しています。
第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。
そして…
リウ君のかっこいい活躍を見てください。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~
すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》
猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。
不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。
何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。
ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。
人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。
そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。
男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。
そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。
(
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
王都交通整理隊第19班~王城前の激混み大通りは、平民ばかりの“落ちこぼれ”第19班に任せろ!~
柳生潤兵衛
ファンタジー
ボウイング王国の王都エ―バスには、都内を守護する騎士の他に多くの衛視隊がいる。
騎士を含む彼らは、貴族平民問わず魔力の保有者の中から選抜され、その能力によって各隊に配属されていた。
王都交通整理隊は、都内の大通りの馬車や荷台の往来を担っているが、衛視の中では最下層の職種とされている。
その中でも最も立場が弱いのが、平民班長のマーティンが率いる第19班。班員も全員平民で個性もそれぞれ。
大きな待遇差もある。
ある日、そんな王都交通整理隊第19班に、国王主催の夜会の交通整理という大きな仕事が舞い込む。
食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる