World End

nao

文字の大きさ
上 下
210 / 273
第8章:王国決戦編

勇者

しおりを挟む
「へ、ヘルト様、そろそろ次の街にご出発なされてはいかがでしょうか」

 金色の瞳を持つ青髪の美少女、セルトが俺に話しかけてきた。怖がりながらも、3人の女達とベッドで乳繰り合っている最中にいつもいつも邪魔をしてくる。妹とはいえ、うざい事この上ねぇ。

「いちいちそういうこと言ってくんじゃねえよ。萎えるじゃねぇか」

 目の前では俺の、つまり勇者一行の魔術師を務めているウェネーが嬌声を上げながら腰を動かしている。それを羨ましそうに眺めていた剣士のエリミスと治癒師のアリーネにもかまってやると、嬉しそうな声で2人も喘ぐ。そんな俺たちを眺める荷物持ちのセルトの瞳には怯えの感情しか宿っていない。まだ勇者に選ばれる前、初めて犯した時はもっと感情豊かで随分と楽しませてもらったが、今ではその瞳に写る俺は単なる化け物か。

 そんなセルトを犯す度にゾクゾクとした仄暗い喜びが心の奥から湧いてくる。

「で、でも……」

「うるせえな。また殴られてぇのか?」

 その言葉で、瞳の奥から一層恐怖が現れる。それを見て、俺は思わず笑みを溢す。

「どけ」

 腹の上で腰を振っていたウェネーがブツブツと文句を言うが、俺はそれを無視してベッドから降りると、セルトに近寄る。

「ひっ!」

 小さく叫ぶ馬鹿な妹の口を右手で鷲掴み、持ち上げる。苦しいのか俺の手を必死に外そうとするが何の意味もねぇ。

「歯ぁ食いしばれよ」

 俺は空いている左手を握りしめる。それに気づいて、こいつの目から光が失われていく。そんなセルトを見て思わず舌舐めずりをしながら、死なない程度に俺は腹を殴る。

「ぐぇっ」

 綺麗な顔が歪み、くぐもった汚え声が喉奥から漏れてくる。それを聞く度に、一層興奮する。セルトの悲痛な声は他の女達とヤるよりも何倍も俺を昂らせてくれる。だから何度も何度も腹を殴る。手に吐瀉物が掛かろうと、それが顔まで飛んでこようと、こいつが糞尿垂れ流そうと、血を吹き出そうと、何度も何度も俺はセルトを殴り続け、いつものように、達したところで手を離した。

 俺達の情事を見ていた後ろの3人がクスクスと笑っているのが聞こえてくる。セルトは自分で出した汚らしいゲロと小便と大便の混ぜ合わせたものの中に倒れ込み、体をピクピクと震わせている。その彼女の頭を踏みつけて、存分に味わわせてやる。

「おい、アリーネ。治しておけ」

 ついでに催してきたのでセルトに小便をかける。その惨めな様を見て俺はまた興奮する。

「えー、ばっちいから触りたくなーい」

 酷く嫌そうな顔を浮かべるも、アリーネは俺の指示に従い、すぐに治療を始める。それを横目に、俺は服を着る。

「えー、もう終わり?」

「もっと遊ぼうよー」

 甘えた声を出してくるウェネーとエリミスに目を向けず、その代わりに部屋の床に無造作に放り投げていた神剣マタルデオスとやらに手を伸ばす。この剣を引き抜いたのが全ての始まりだった。1週間前の剣を抜いた日、俺は初めてセルトを凌辱し、絶望している彼女を無理矢理連れ出して、俺の部族が属しているメザル共和国の首都であるガレリに向かい、そのまま勇者となった。それから3人の仲間を得て今に至るというわけだ。

 人を救うなんて全く興味ねぇ俺が、まさか勇者に選ばれるとは思ってもみなかったが、女とヤれたり、美味い飯が食えたり、豪華な宿に泊まれたりと、いろんな恩恵があるから勇者も悪くはねぇ。

「セルトの言う通り、この街に長いしすぎると周りがうぜえからな。そろそろ出発するぞ」

「でもまだこの子の治療1時間くらいかかるよ?」

「その間に飯でも食ってくるよ」

「ちょっと待って、アタシも行く!」

「私も!」

「えー、ずるーい!」

 俺の言葉にウェネーとエリミスが慌てて服を着始める。アリーネは不満そうに頬を膨らめるがセルトの治療を続けている。

「じゃあ、戻ってくるまでに終わらせておけよ」

 不平を言うアリーネにそう言うと、俺はマタルデオスを腰に装備してウェネーとエリミスを引き連れて部屋を出た。

~~~~~~~~~

『今回の勇者は随分と勇者っぽくないね。どう見てもあれは悪寄りでしょ?』

『ええ、でもジン君っていう、いつもの勇者の役割をしてくれる子が既にいるのなら、新しい勇者は変わった子にした方が面白いでしょう? いつもみたいに生真面目な子を選んだら、ジン君が活躍する前に四魔と戦っちゃうかもしれないじゃない』

『んー。まあそうだけどさ』

 勇者というにはあまりにも人格が崩壊している青年をフィリアは楽しそうに見つめていた。秘められた力は途轍もないほど巨大で、そんな男がさらに神剣すらも手に入れている。これで勇者の装備や遺物全てを手に入れた暁には、一体どれほどの存在になるのか、想像もつかない。

『勇者のつもりが魔王になりました、なんてことも十分にあり得そうだね』

『そうね。でもそうなったらそうなったで面白そうね』

 そんな無責任な発言に思わずラグナは笑ってしまった。

~~~~~~~~~

「ねえねえ。これからどこ行くつもりなの?」

 ウェネーの質問に俺は顎の無精髭を触りながら思案する。

「んー。確か勇者は強くなるために装備を集めなきゃいけないんだよな」

「うん。どこの国かは知ってる?」

「さあ?」

「もう、議会のおじさん達が色々説明してたでしょ」

 議事堂に集められた時の事を思い出す。うざってぇ族長以外にも色んな偉そうな奴らが集まって、俺を物珍しそうに眺めていやがった。

「ああ、そういやなんか言ってたな」

 だが俺はだるい話の間ずっと寝ていたのでほとんど聞いていない。代わりに聞いていたのはセルトのはずだ。

「セルトが知っているはずだから、あいつに聞くとするか」

 先程の事を思い出して、また舌舐めずりをする。俺があいつに抱く感情はある種の恋に近い。自分でも歪だとは思うが、いつからかあいつに劣情を抱き、犯したいと願うようになっていた。夢が叶って本当によかった。

 惜しむらくはあいつの婚約者の前でヤれなかった事か。その前にセルトの目の前で殺しちまったのだけは失敗だった。まあ、あいつにあの野郎が手を出そうとしていた時点で我慢できなくなっちまったから仕方ねぇ。神剣の最初の犠牲者が妹の婚約者だとか笑えるぜ。泣き叫ぶセルトをあの男の死体の前でヤッた時の興奮はいまだに忘れられねぇがな。

「さてと、戻るか」

「うん!」「ええ」

 ウェネーとエリミスが揃って頷く。こいつらは旅に出る時に紹介されたこの国で有能な冒険者達だ。議会のジジイどもが言ってた通り、確かに有能だ。性格も俺と似ていてどこか破綻している所があり、嫌いじゃない。

 部屋に戻ると置いていかれて不貞腐れたアリーネと、治療を受けたが気絶したまま汚物の中で顔を埋めているセルトの姿があった。それを見て興奮した俺は食後の運動をすることに決めた。

「お前ら外出てろ」

「えー」「そんなー」「私も一緒がいいー」

 3人がブツブツと文句を言うが俺は無視する。そんな俺を見て理解したのか、3人は仕方無く出て行った。そうして部屋の中には俺とセルトだけが残された。セルトの出した汚物の異臭はするが、愛する妹だ。それすらも受け入れる事が出来る。まず俺は服を脱ぐと、セルトを殴り、起こす。

「う……ん」

「目ぇ覚めたか」

「え……ひっ!」

 今から何をされるのかを理解したセルトが恐怖に顔を歪める。そんな妹を見て、俺は舌舐めずりをすると、髪を掴んで強引にベッドに引っ張っていった。後から聞いたら、それからしばらくの間、セルトの泣き叫ぶ声が宿屋中に響いたそうだ。

~~~~~~~~

「それじゃあセルト、一番近い国はどこだ?」

「は、はい。ここからだとキール神聖王国が一番近いそうです」

「ならそこに行くか」

 俺たちは当然のように金を支払わずに宿を出る。セルトはそれに気がついて慌てるが、結局俺に従ってついてくる。

「ちょっ、ちょっとお客さん! 宿賃をまだ貰っていません!」

 慌てた宿屋の主人が出てくる。

「あ? 宿賃?」

「あんた、あんだけ飲み食いして、うちの一番上等な部屋に泊まったっていうのに逃げるつもりじゃないよな」

 主人は筋骨隆々で、何で宿屋をやっているのか分からない見た目をしていた。そんな男がバキバキと指を鳴らしながら凄んできたのだ。中々に迫力がある。

「宿なんてどこにあるんだよ?」

「何を言って……」

 そんな主人の目の前で、俺は巨大な炎弾を一つ放つ。瞬く間に宿屋は燃えていき、中から次々と悲鳴が聞こえてくる。

「な!? カ、カリア! テル!」

 主人は火傷も気にせず宿屋に戻っていった。多分嫁とガキを助けに行ったんだろう。俺はそんな主人を鼻で笑い、もう一発炎弾を宿屋の入り口に向けて放つと、セルトと3人を引き連れて、キール神聖王国の首都オリジンに向かって歩き出した。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

処理中です...