164 / 273
間の章
レヴィ:愛知らぬ子龍
しおりを挟む
僕にとってあの人は特別で、唯一でも、あの人にとって僕は特別であっても、唯一ではない。あの人の愛は誰にでも注がれて、僕はその中の1人でしかない。それがたまらなく悔しくて、悲しくて、切ない。
目の前には凄惨な光景が広がっている。大量の死体と崩壊した街並み。我ながらよくやったものだ。フィリア様のお願いであったけれども、なぜか気が乗らない『仕事』だった。そう、『仕事』だったのだ。今まで自分が人を殺し、街を壊すことを仕事だと思うことはなかった。その行為は遊びであり快楽であり、特に意味はなかった。しかし、いつからだろうか。それらに退屈さを覚えたのは。この前ジンと戦ってからだろうか。それとも生物学的に父親であった男を殺してからだろうか。それとももっと前、本当の母親を殺した時からだろうか。
最近、人を殺すことに想像以上に疲れる自分がいる。子を守ろうとする親を殺すたびに不快な感情を微かに抱く。それがなぜなのか、僕にはわからない。きっとわかってはいけない感情なのだろうと思う。だって僕は自分で壊したのだから。
ふと、後ろで気配がする。そちらに目を向けると、黒焦げになった母親らしき物に必死に呼びかけている少女がいる。歳の頃は12,3だろうか。煤で汚れていなければ綺麗な金髪だっただろう。身につけている物から、それなりに裕福な家庭で育ったのかもしれない。彼女の行動を見て一層不快感がます。殺そうかと思い近づいて、手を挙げて、戻す。どうせ自分が何もしなくても、死ぬか、奴隷にでも落ちるだろう。それならば今わざわざ僕が手を下す必要はない。
どことなく気怠い体を無視して、龍へと変化し、空へと舞い上がる。上空から見ると意外と生き残っている人間がいる。だがこの『仕事』はもう終わりだ。弱い人間を喰う気も起きない。喰べるなら命懸けの戦いができるような相手がいい。そうすれば、生きていることを実感できるから。
何かが欲しい。だけどそれが何なのか分からない。この行き場のない感情は父さんを殺してからどんどん膨れ上がっている。こんなことなら、殺さなければよかったと思うけど、でもやっぱり殺してよかったとも思う。なぜこんなことを思うのか。この感情はフィリア様への裏切りのように感じる。でも考えるのをやめられない。気がつけば思い浮かべているのは父と、そして母の顔だ。それが堪らなく嫌だった。
~~~~~~~~~
【何を考えている?】
頭の中で、ノヴァが話しかけてくる。最近こいつの声は僕をますますイラつかせる。フィリア様とノヴァの間にある絆とも言える何か。僕はそれが欲しくて堪らない。なぜこいつにあって、僕には無いのか。フィリア様はいつ僕を認めてくれるのだろうか。それが知りたい。それが怖い。いつまでたっても、あの方は僕を『唯一』として受け入れてくれないのではと思うと、足元がぐらついているかのような錯覚に陥る。
【なぜ生きている人間を見逃したのだ?】
「うるさいな。僕の勝手だろう」
【しかし、フィリア様の願いはあの街の完膚なきまでの破壊であっただろう。お前の行為はあの御方の願いに即していない】
まただ。この行為はノヴァに下されたものであって、僕にでは無い。いつも彼女の言葉はこいつを通して僕に伝えられる。僕はあの御方と直接繋がっていないのだ。ノヴァがフィリア様の名前を出すたびに、まるで何かを取り上げられたような不快な気持ちが吹き上がってくる。
「うるさいって言ってるだろ! それはお前が受けた願いであって僕には関係ない!」
だから僕は声に出して叫び、耳を塞ごうとする。でもそんなことをしても、ノヴァの声は消えない。当然だ。あいつは僕の体の中にいるのだから。内から聞こえてくる声をどうやって消せばいい?
所詮、僕はこの本当の姿すら知らない男の宿主でしかない。僕の価値は僕そのものではなく、ノヴァという四魔の付属品であるということだけだ。それならばなぜフィリア様は僕の感情を残したのか? それが分からない。それが知りたい。本当の父さんと母さんにもう一度会いたい。会って僕を肯定して欲しい。彼らは僕を『僕』として受け入れていた。彼らにとって僕はノヴァの付属品ではなかったのだ。
漸く、あの時涙がこぼれた理由がわかった気がする。僕は自分の手で『僕』本来の価値を絶ったのだ。今、僕を『僕』として受け入れてくれるのは皮肉なことだけど、ジンしかいない。今ならわかる。あいつを初めて見た時に父さんを不快に思ったのも、きっと父さんが弱かったからじゃない。僕という子供がいるのに、ジンに向けるその優しさが不快だったのだ。
なぜ僕はこうしてただ殺戮を繰り返しているんだろう。ジンに会いたい。会って『僕』を認めて欲しい。ジンはフィリア様への供物であって、僕は彼を育てる存在でしかない。だけど、それでも、僕は『僕』であるという存在証明が欲しい。たとえ彼と殺し合いになったとしても。
今僕の目の前で殺している人間共にとって、おそらく僕は厄災でしかなく、地震や火山の噴火、洪水や津波と同じ、理不尽なものという認識でしかない。彼らは僕が『僕』であるという価値の証明にはならない。
ノヴァが羨ましい。フィリア様のお言葉を受け取れるほどに信頼されているから。
ジンが羨ましい。彼のために立ち上がってくれる人がいるから。
あの少女が羨ましい。死んだ母親のために泣けるのだから。
僕には何もない。存在する価値も、生きていく意味も、そして、愛してくれる人も。
僕の意識はノヴァと徐々に融合している。つまり、僕はいつか『僕』ではなくなるのだ。それが堪らなく怖い。その時に果たして『僕』が残っているのか分からなくて、吐き気がするほど怖い。
【レヴィよ。お前に与えられた使命がなんなのか、今一度思い出すが良い】
ノヴァの言葉が信じられない。そんな思いを持ってはいけないのに。だって彼の言葉はフィリア様の言葉に等しいから。こんな思い、不敬でしかない。でも仕方ないじゃないか。生まれた時から僕は彼と一緒にいた。それなのに愛されるのは彼であって、僕じゃない。不公平で不快だ。何もかもが不愉快だ。
「いつか、いつかお前を喰らってやる」
その言葉に驚いたのだろう。ノヴァは一瞬息を止めて、僕の頭の中で笑い出した。
【面白い。やってみるがいい】
その言葉に込められた嘲笑の念が、さらに僕をイラつかせた。
「絶対に喰らってやるぞ!」
もう一度言葉にする。これは僕が僕であるための誓いだ。だけどノヴァはそんな僕の想いを嘲笑い続けた。
目の前には凄惨な光景が広がっている。大量の死体と崩壊した街並み。我ながらよくやったものだ。フィリア様のお願いであったけれども、なぜか気が乗らない『仕事』だった。そう、『仕事』だったのだ。今まで自分が人を殺し、街を壊すことを仕事だと思うことはなかった。その行為は遊びであり快楽であり、特に意味はなかった。しかし、いつからだろうか。それらに退屈さを覚えたのは。この前ジンと戦ってからだろうか。それとも生物学的に父親であった男を殺してからだろうか。それとももっと前、本当の母親を殺した時からだろうか。
最近、人を殺すことに想像以上に疲れる自分がいる。子を守ろうとする親を殺すたびに不快な感情を微かに抱く。それがなぜなのか、僕にはわからない。きっとわかってはいけない感情なのだろうと思う。だって僕は自分で壊したのだから。
ふと、後ろで気配がする。そちらに目を向けると、黒焦げになった母親らしき物に必死に呼びかけている少女がいる。歳の頃は12,3だろうか。煤で汚れていなければ綺麗な金髪だっただろう。身につけている物から、それなりに裕福な家庭で育ったのかもしれない。彼女の行動を見て一層不快感がます。殺そうかと思い近づいて、手を挙げて、戻す。どうせ自分が何もしなくても、死ぬか、奴隷にでも落ちるだろう。それならば今わざわざ僕が手を下す必要はない。
どことなく気怠い体を無視して、龍へと変化し、空へと舞い上がる。上空から見ると意外と生き残っている人間がいる。だがこの『仕事』はもう終わりだ。弱い人間を喰う気も起きない。喰べるなら命懸けの戦いができるような相手がいい。そうすれば、生きていることを実感できるから。
何かが欲しい。だけどそれが何なのか分からない。この行き場のない感情は父さんを殺してからどんどん膨れ上がっている。こんなことなら、殺さなければよかったと思うけど、でもやっぱり殺してよかったとも思う。なぜこんなことを思うのか。この感情はフィリア様への裏切りのように感じる。でも考えるのをやめられない。気がつけば思い浮かべているのは父と、そして母の顔だ。それが堪らなく嫌だった。
~~~~~~~~~
【何を考えている?】
頭の中で、ノヴァが話しかけてくる。最近こいつの声は僕をますますイラつかせる。フィリア様とノヴァの間にある絆とも言える何か。僕はそれが欲しくて堪らない。なぜこいつにあって、僕には無いのか。フィリア様はいつ僕を認めてくれるのだろうか。それが知りたい。それが怖い。いつまでたっても、あの方は僕を『唯一』として受け入れてくれないのではと思うと、足元がぐらついているかのような錯覚に陥る。
【なぜ生きている人間を見逃したのだ?】
「うるさいな。僕の勝手だろう」
【しかし、フィリア様の願いはあの街の完膚なきまでの破壊であっただろう。お前の行為はあの御方の願いに即していない】
まただ。この行為はノヴァに下されたものであって、僕にでは無い。いつも彼女の言葉はこいつを通して僕に伝えられる。僕はあの御方と直接繋がっていないのだ。ノヴァがフィリア様の名前を出すたびに、まるで何かを取り上げられたような不快な気持ちが吹き上がってくる。
「うるさいって言ってるだろ! それはお前が受けた願いであって僕には関係ない!」
だから僕は声に出して叫び、耳を塞ごうとする。でもそんなことをしても、ノヴァの声は消えない。当然だ。あいつは僕の体の中にいるのだから。内から聞こえてくる声をどうやって消せばいい?
所詮、僕はこの本当の姿すら知らない男の宿主でしかない。僕の価値は僕そのものではなく、ノヴァという四魔の付属品であるということだけだ。それならばなぜフィリア様は僕の感情を残したのか? それが分からない。それが知りたい。本当の父さんと母さんにもう一度会いたい。会って僕を肯定して欲しい。彼らは僕を『僕』として受け入れていた。彼らにとって僕はノヴァの付属品ではなかったのだ。
漸く、あの時涙がこぼれた理由がわかった気がする。僕は自分の手で『僕』本来の価値を絶ったのだ。今、僕を『僕』として受け入れてくれるのは皮肉なことだけど、ジンしかいない。今ならわかる。あいつを初めて見た時に父さんを不快に思ったのも、きっと父さんが弱かったからじゃない。僕という子供がいるのに、ジンに向けるその優しさが不快だったのだ。
なぜ僕はこうしてただ殺戮を繰り返しているんだろう。ジンに会いたい。会って『僕』を認めて欲しい。ジンはフィリア様への供物であって、僕は彼を育てる存在でしかない。だけど、それでも、僕は『僕』であるという存在証明が欲しい。たとえ彼と殺し合いになったとしても。
今僕の目の前で殺している人間共にとって、おそらく僕は厄災でしかなく、地震や火山の噴火、洪水や津波と同じ、理不尽なものという認識でしかない。彼らは僕が『僕』であるという価値の証明にはならない。
ノヴァが羨ましい。フィリア様のお言葉を受け取れるほどに信頼されているから。
ジンが羨ましい。彼のために立ち上がってくれる人がいるから。
あの少女が羨ましい。死んだ母親のために泣けるのだから。
僕には何もない。存在する価値も、生きていく意味も、そして、愛してくれる人も。
僕の意識はノヴァと徐々に融合している。つまり、僕はいつか『僕』ではなくなるのだ。それが堪らなく怖い。その時に果たして『僕』が残っているのか分からなくて、吐き気がするほど怖い。
【レヴィよ。お前に与えられた使命がなんなのか、今一度思い出すが良い】
ノヴァの言葉が信じられない。そんな思いを持ってはいけないのに。だって彼の言葉はフィリア様の言葉に等しいから。こんな思い、不敬でしかない。でも仕方ないじゃないか。生まれた時から僕は彼と一緒にいた。それなのに愛されるのは彼であって、僕じゃない。不公平で不快だ。何もかもが不愉快だ。
「いつか、いつかお前を喰らってやる」
その言葉に驚いたのだろう。ノヴァは一瞬息を止めて、僕の頭の中で笑い出した。
【面白い。やってみるがいい】
その言葉に込められた嘲笑の念が、さらに僕をイラつかせた。
「絶対に喰らってやるぞ!」
もう一度言葉にする。これは僕が僕であるための誓いだ。だけどノヴァはそんな僕の想いを嘲笑い続けた。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者が街にやってきた
覧都
ファンタジー
大地震とともに空間に亀裂が入り、そこから勇者が現れた。
こいつら、事もあろうに人間をスライムといいながら経験値稼ぎとほざき殺しだした。
事もあろうに、こいつらには、こっちの兵器はほとんど通用しない。
だがおれは、偶然手に入れた異世界の魔法で、こいつらに逆襲する。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる