157 / 273
第6章:ギルド編
理由
しおりを挟む
モガルが不敵に笑いながらハンゾーのそばに近寄ってくる。その間にも何十もの法術が敵に襲いかかっていた。
「随分早いお着きだな」
呼吸を落ち着けながら言ったハンゾーの言葉にモガルがニヤリと笑う。
「何、ただお前らの話を聞いていつでも出られるように準備をしていただけだ」
出発前、ハンゾー達は保険としていくつかの決め事をモガルとしていた。イレギュラーがあり、もし魔人を倒せる可能性がある場合は合図を出すということにしていたのだ。クロウが派手に宙へと放った二発の炎弾がそれである。初めは難色を示していたモガルも、それならばということで、基本的には明日動く予定ではあったが賛同してくれた。それでモガルは冒険者達を相手が気づくギリギリのラインを見分けて待機していた。そして合図を確認した時点で全速力で駆けてきたのだ。ハンゾーはモガルに状況を掻い摘んで説明する。
「それにしても、なんで2体いるんだ?」
「わからん。どうやら分裂したらしい」
「はあ?なんでわざわざ融合体の特性を自分から捨てるんだよ?」
「さあな。しかし、今がチャンスだということに変わりはないだろう」
「まあな。そんじゃあ、お前らは少し休んで傷を癒してもらってくれ」
「ああ、任せた」
モガルにその場を任せて、ハンゾーはすぐに冒険者達の後方で治療を受けているはずのジンの元へと急ぐ。そこにはすでにクロウも来ており、ミコトとその手伝いをしている他の冒険者の治癒法術士を不安そうな目で眺めていた。
「姫様、ジン様のご容態は?」
「応急処置は済ませてあるわ。今やってるのは神経の治療」
ミコトによるとジンの背中の怪我はギリギリ切断には至らなかったものの神経がかなり傷ついているとのことだ。このまま何もしなければ歩けなくなる可能性もある。
「でももうすぐ終わるわ」
「大丈夫なのですか?」
「あたしを誰だと思っているの?」
堂々とした言葉にハンゾーは頭を下げる。
「失言でしたな。申し訳ありません」
「あいつらはどうなっている?」
顔を痛みで歪めながらジンがハンゾーに尋ねる。
「ジン様!お目覚めになられたのですか!わしのことがわかりますか!?」
「耳元で騒ぐなハンゾー。今の状況は?」
「今はモガル達が戦っております。それよりもジン様はご自身のことを」
大量に出血をしていたためか、ジンは未だに青白く、今にも意識を失いそうな顔をしている。
「終わった!ジン様、体の調子はどう?足の感覚とか、手の感覚とかちゃんとある?動かしたり、握ったりできる?試してみて」
ミコトの言葉にジンが頷き、体を動かしてみる。手を握ったり開いたり、足をその場で動かしてみたりする。
「大丈夫そうだ。っとと」
しかし立ち上がろうとした瞬間にふらりとバランスを崩し倒れそうになった。
「ジン様!」
クロウが慌ててジンに手を伸ばし支えた。
「済まない。ただの立ちくらみだ」
「あんまり心配させんでください」
「悪い悪い。それよりも何か食うものないか?血が足りねえ」
その言葉を聞いてミコトがおもむろに近くに落ちていた彼女のバッグをゴソゴソと探り始めた。
「それなら……えっと、あ、あった。はい、これ飲んで」
彼女が差し出したのは赤黒い色の小さな丸薬だった。
「これは?」
訝しげにそれを受け取ったジンは、その見た目の不気味さから思わずミコトに尋ねる。
「増血剤+精力剤+栄養剤+毒消し+麻痺消し他諸々の効能を持ったお得なお薬だよ。あたしたちの国では万能薬って言われてるやつ」
「姫様、それは!?」
「ジン様飲んではダ…」
「へぇ、じゃあありがたく頂くとするよ」
ハンゾーとクロウが何やら慌てた様子であったが、ジンはそれを無視して口の中に丸薬を放り込み、一息で飲み込んだ。
「「あああああ!」」
「な、なんだよ?」
彼らの声に思わずジンが驚いたよこで、ミコトが彼に告げた。
「あ、ただ副作用で数分間めっちゃ体痛くなるから気をつけてね」
「「それを先に言ってください!!」」
「ぎゃあああああああああ!!」
2人の声を聞きつつ、ジンは突如体の内から湧き出てきた激しい痛みに、叫びながらその場で倒れた。
~~~~~~~~~~~~~
「てめえら、相手に攻撃の隙を与えるな!法術で遠距離から攻撃し続けて相手の体力を削るんだ!魔人とはいえ、相手も生き物だ。無限に体力があるわけじゃねえ!」
モガルの指揮のもと、多くの法術がアイザック達に襲い掛かる。しかし、その攻撃はアイラが張ったバリアーによって全て防がれていた。
「ちっ、鬱陶しいな」
アイザックはそんなアイラの後ろで苛立ちを募らせていた。理性を取り戻した彼が真っ先に行いたかったのは、ジンを殺して喰らうことである。魔人になりたての彼にとって、自分の存在意義を証明するためには目的が必要であった。もちろんアイラも彼にとって大切な、守るべき存在である。だからこそ、自分が弱体化することを理解しつつも体から分離したのだ。あの地獄の中でわずかな時間であっても彼に救いをもたらしてくれた彼女に、アイザックはただもう一度会いたかった。会って話がしたかった。
魔人は人間を喰らう化け物である。だがそれでも彼らはかつて人間だったのだ。
もはや自分が人間でないことをアイザックは理解している。いかに人間の容姿をしていたとしても、その中身は全く別物である。目の前で自分たちを攻撃してくる存在が単なる餌にしか見えない。そのことに気づき、自嘲する。こんなことならば、意識など取り戻さなければよかった。プライドの高い彼にとって、自分が化け物であるということを認めるのは耐えられなかった。しかしそれはもはや変えようのない事実である。なればこそ、かつての自分という存在を消したいと願った。
ジンを殺したいという気持ちはただの逆恨みである。それと同時にアイザックにとって、その行いはかつての自分との決別を意味していた。かつての彼のことを知っている存在を殺す。そうすることで初めて彼は今の自分を受け入れることができるのだ。
「大丈夫だよ。私が手伝うから」
アイザックが苛立っていることを察したのか、右手を前に突き出してバリアーを張ったまま、アイラが振り返ってそっとアイザックの右頬に触れる。その暖かさに心が激しく揺さぶられた。そして彼はその手をそっと包んだ。
「ありがとう」
今までこんな素直に感謝を示したことなどない。だがアイラの前でだけはアイザックは自分をさらけ出すことができた。アイラもきっと自分と同じ感情を抱いているはずだ。魔物になっても優しい心を残していた彼女はアイザック以上に自分自身に嫌悪感を抱いているかもしれない。それでも、そんな彼女がアイザックのことを慮って、自分の心すらも殺そうとしている。それを理解しているからこそ、アイザックにとってアイラが最も尊く、大切なものであった。例え2人に分裂したことで、相手に負けることになったとしても、彼にとってはアイラと再び、会い、話すことに比べれば瑣末な問題であった。もちろん負ける気などさらさら無いが。
過去との決別のために、今目と鼻の先にいるジンを早く殺して喰いたかった。アイラは優しいために人を殺せない。それは魔物になっていた時も同じだった。もし殺せたら、ジンの背中を切りつけるのではなく、もっと致命的な攻撃を繰り出していただろう。つまりジンが生きているのは確実である。
「それじゃあ、一緒に戦おう」
「うん!」
無邪気な笑顔を浮かべるアイラに優しく微笑み返してから、前方にいる無数の肉塊を眺める。そして彼は彼女と手を繋ぎながら、水法術『大水流』を放った。周囲の瓦礫が地面から湧き上がってきた大量の水に飲み込まれ、冒険者たちの方へと激しい川の流れのように襲い掛かる。多くの悲鳴とともに、一瞬にして数十人の冒険者が命を落とした。
「随分早いお着きだな」
呼吸を落ち着けながら言ったハンゾーの言葉にモガルがニヤリと笑う。
「何、ただお前らの話を聞いていつでも出られるように準備をしていただけだ」
出発前、ハンゾー達は保険としていくつかの決め事をモガルとしていた。イレギュラーがあり、もし魔人を倒せる可能性がある場合は合図を出すということにしていたのだ。クロウが派手に宙へと放った二発の炎弾がそれである。初めは難色を示していたモガルも、それならばということで、基本的には明日動く予定ではあったが賛同してくれた。それでモガルは冒険者達を相手が気づくギリギリのラインを見分けて待機していた。そして合図を確認した時点で全速力で駆けてきたのだ。ハンゾーはモガルに状況を掻い摘んで説明する。
「それにしても、なんで2体いるんだ?」
「わからん。どうやら分裂したらしい」
「はあ?なんでわざわざ融合体の特性を自分から捨てるんだよ?」
「さあな。しかし、今がチャンスだということに変わりはないだろう」
「まあな。そんじゃあ、お前らは少し休んで傷を癒してもらってくれ」
「ああ、任せた」
モガルにその場を任せて、ハンゾーはすぐに冒険者達の後方で治療を受けているはずのジンの元へと急ぐ。そこにはすでにクロウも来ており、ミコトとその手伝いをしている他の冒険者の治癒法術士を不安そうな目で眺めていた。
「姫様、ジン様のご容態は?」
「応急処置は済ませてあるわ。今やってるのは神経の治療」
ミコトによるとジンの背中の怪我はギリギリ切断には至らなかったものの神経がかなり傷ついているとのことだ。このまま何もしなければ歩けなくなる可能性もある。
「でももうすぐ終わるわ」
「大丈夫なのですか?」
「あたしを誰だと思っているの?」
堂々とした言葉にハンゾーは頭を下げる。
「失言でしたな。申し訳ありません」
「あいつらはどうなっている?」
顔を痛みで歪めながらジンがハンゾーに尋ねる。
「ジン様!お目覚めになられたのですか!わしのことがわかりますか!?」
「耳元で騒ぐなハンゾー。今の状況は?」
「今はモガル達が戦っております。それよりもジン様はご自身のことを」
大量に出血をしていたためか、ジンは未だに青白く、今にも意識を失いそうな顔をしている。
「終わった!ジン様、体の調子はどう?足の感覚とか、手の感覚とかちゃんとある?動かしたり、握ったりできる?試してみて」
ミコトの言葉にジンが頷き、体を動かしてみる。手を握ったり開いたり、足をその場で動かしてみたりする。
「大丈夫そうだ。っとと」
しかし立ち上がろうとした瞬間にふらりとバランスを崩し倒れそうになった。
「ジン様!」
クロウが慌ててジンに手を伸ばし支えた。
「済まない。ただの立ちくらみだ」
「あんまり心配させんでください」
「悪い悪い。それよりも何か食うものないか?血が足りねえ」
その言葉を聞いてミコトがおもむろに近くに落ちていた彼女のバッグをゴソゴソと探り始めた。
「それなら……えっと、あ、あった。はい、これ飲んで」
彼女が差し出したのは赤黒い色の小さな丸薬だった。
「これは?」
訝しげにそれを受け取ったジンは、その見た目の不気味さから思わずミコトに尋ねる。
「増血剤+精力剤+栄養剤+毒消し+麻痺消し他諸々の効能を持ったお得なお薬だよ。あたしたちの国では万能薬って言われてるやつ」
「姫様、それは!?」
「ジン様飲んではダ…」
「へぇ、じゃあありがたく頂くとするよ」
ハンゾーとクロウが何やら慌てた様子であったが、ジンはそれを無視して口の中に丸薬を放り込み、一息で飲み込んだ。
「「あああああ!」」
「な、なんだよ?」
彼らの声に思わずジンが驚いたよこで、ミコトが彼に告げた。
「あ、ただ副作用で数分間めっちゃ体痛くなるから気をつけてね」
「「それを先に言ってください!!」」
「ぎゃあああああああああ!!」
2人の声を聞きつつ、ジンは突如体の内から湧き出てきた激しい痛みに、叫びながらその場で倒れた。
~~~~~~~~~~~~~
「てめえら、相手に攻撃の隙を与えるな!法術で遠距離から攻撃し続けて相手の体力を削るんだ!魔人とはいえ、相手も生き物だ。無限に体力があるわけじゃねえ!」
モガルの指揮のもと、多くの法術がアイザック達に襲い掛かる。しかし、その攻撃はアイラが張ったバリアーによって全て防がれていた。
「ちっ、鬱陶しいな」
アイザックはそんなアイラの後ろで苛立ちを募らせていた。理性を取り戻した彼が真っ先に行いたかったのは、ジンを殺して喰らうことである。魔人になりたての彼にとって、自分の存在意義を証明するためには目的が必要であった。もちろんアイラも彼にとって大切な、守るべき存在である。だからこそ、自分が弱体化することを理解しつつも体から分離したのだ。あの地獄の中でわずかな時間であっても彼に救いをもたらしてくれた彼女に、アイザックはただもう一度会いたかった。会って話がしたかった。
魔人は人間を喰らう化け物である。だがそれでも彼らはかつて人間だったのだ。
もはや自分が人間でないことをアイザックは理解している。いかに人間の容姿をしていたとしても、その中身は全く別物である。目の前で自分たちを攻撃してくる存在が単なる餌にしか見えない。そのことに気づき、自嘲する。こんなことならば、意識など取り戻さなければよかった。プライドの高い彼にとって、自分が化け物であるということを認めるのは耐えられなかった。しかしそれはもはや変えようのない事実である。なればこそ、かつての自分という存在を消したいと願った。
ジンを殺したいという気持ちはただの逆恨みである。それと同時にアイザックにとって、その行いはかつての自分との決別を意味していた。かつての彼のことを知っている存在を殺す。そうすることで初めて彼は今の自分を受け入れることができるのだ。
「大丈夫だよ。私が手伝うから」
アイザックが苛立っていることを察したのか、右手を前に突き出してバリアーを張ったまま、アイラが振り返ってそっとアイザックの右頬に触れる。その暖かさに心が激しく揺さぶられた。そして彼はその手をそっと包んだ。
「ありがとう」
今までこんな素直に感謝を示したことなどない。だがアイラの前でだけはアイザックは自分をさらけ出すことができた。アイラもきっと自分と同じ感情を抱いているはずだ。魔物になっても優しい心を残していた彼女はアイザック以上に自分自身に嫌悪感を抱いているかもしれない。それでも、そんな彼女がアイザックのことを慮って、自分の心すらも殺そうとしている。それを理解しているからこそ、アイザックにとってアイラが最も尊く、大切なものであった。例え2人に分裂したことで、相手に負けることになったとしても、彼にとってはアイラと再び、会い、話すことに比べれば瑣末な問題であった。もちろん負ける気などさらさら無いが。
過去との決別のために、今目と鼻の先にいるジンを早く殺して喰いたかった。アイラは優しいために人を殺せない。それは魔物になっていた時も同じだった。もし殺せたら、ジンの背中を切りつけるのではなく、もっと致命的な攻撃を繰り出していただろう。つまりジンが生きているのは確実である。
「それじゃあ、一緒に戦おう」
「うん!」
無邪気な笑顔を浮かべるアイラに優しく微笑み返してから、前方にいる無数の肉塊を眺める。そして彼は彼女と手を繋ぎながら、水法術『大水流』を放った。周囲の瓦礫が地面から湧き上がってきた大量の水に飲み込まれ、冒険者たちの方へと激しい川の流れのように襲い掛かる。多くの悲鳴とともに、一瞬にして数十人の冒険者が命を落とした。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
新国家サナリア王国は、超大国ガルナズン帝国の使者からの宣告により、国家存亡の危機に陥る。
アーリア大陸を二分している超大国との戦いは、全滅覚悟の死の戦争である。
だからこそ、サナリア王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るために、サナリア王が判断した人物。
それが第一王子である【フュン・メイダルフィア】だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことが出来ないだろうと、彼は帝国の人質となってしまったのだ。
しかし、この人質がきっかけとなり、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
帝国皇子のお婿さんになりました
クリム
BL
帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。
そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。
「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」
「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」
「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」
「うん、クーちゃん」
「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」
これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
悪役令嬢は軍略家――何としてでも私を殺そうとする乙女ゲームの世界に宣戦布告す
ひとしずくの鯨
ファンタジー
書いてはいますが、9月には間に合いそうにありません。といって、ファンタジー大賞を取れる作品でもないので、翌年9月まで持ち越すことも無いと想います。とりあえず、出来次第、投稿したいと想っています。
続編決定@次回のファンタジー大賞辺り=9月。何だ、随分、先じゃねえか、などと言わないように。書き手にとっては、そんなに先ではないのです。加えて、執筆中の他編との絡みもあるのです。それほど期待せずにお待ちいただければと想います。ここを逃すと更に翌年9月になってしまいます。そうなったら、それはそれで、悪しからずです。「待っててね。みんな」by百花・・・・・・だそうです。
40の誕生日を親友に祝ってもらった独身の私。想わず深酒してしまい、親友は私を万年床に寝かしつけると、家族の下に帰る。
目覚めた私は、豪華なベッドの上。そこは暇つぶしにしていた乙女ゲームの世界。私は悪役令嬢エリザベト・フォン・ハインツ。
夢の中だろうと想い込むも、とりあえずたらふく食い、ほろ酔い加減に呑む。 満足。満足。
夢の中だってギロチンなんて御免こうむる。断罪イベントが始まる前に、夢よ覚めよと願うが・・・・・・。
そして、本来、助けになるはずのエリザベトの記憶が何故か全く無い。
それでも、少しお調子乗りの主人公が、うろ覚えの孫子の一句を導きに、協力者(デレデレ父上や最強護衛のお二人(でもBL)など)と力をあわせ奮闘するお話。
バトルファンにおすすめ、最強護衛の「お2人、大立ち回り編」もあります。
R15はちょいエロとバトルがあるためです(ただし読み飛ばし可能な構成にしております)。
(ショートショート『食いしんぼ悪役令嬢のかくれんぼ』を投稿しました。あわせてお楽しみいただければと想います。)
婚約破棄と追放をされたので能力使って自立したいと思います
かるぼな
ファンタジー
突然、王太子に婚約破棄と追放を言い渡されたリーネ・アルソフィ。
現代日本人の『神木れいな』の記憶を持つリーネはレイナと名前を変えて生きていく事に。
一人旅に出るが周りの人間に助けられ甘やかされていく。
【拒絶と吸収】の能力で取捨選択して良いとこ取り。
癒し系統の才能が徐々に開花してとんでもない事に。
レイナの目標は自立する事なのだが……。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
超空想~異世界召喚されたのでハッピーエンドを目指します~
有楽 森
ファンタジー
人生最良の日になるはずだった俺は、運命の無慈悲な采配により異世界へと落ちてしまった。
地球に戻りたいのに戻れない。狼モドキな人間と地球人が助けてくれたけど勇者なんて呼ばれて……てか他にも勇者候補がいるなら俺いらないじゃん。
やっとデートまでこぎつけたのに、三年間の努力が水の泡。それにこんな化け物が出てくるとか聞いてないし。
あれ?でも……俺、ここを知ってる?え?へ?どうして俺の記憶通りになったんだ?未来予知?まさかそんなはずはない。でもじゃあ何で俺はこれから起きる事を知ってるんだ?
努力の優等生である中学3年の主人公が何故か異世界に行ってしまい、何故か勇者と呼ばれてしまう。何故か言葉を理解できるし、何故かこれから良くないことが起こるって知っている。
事件に巻き込まれながらも地球に返る為、異世界でできた友人たちの為に、頑張って怪物に立ち向かう。これは中学男子学生が愛のために頑張る恋愛冒険ファンタジーです。
第一章【冬に咲く花】は完結してます。
他のサイトに掲載しているのを、少し書き直して転載してます。若干GL・BL要素がありますが、GL・BLではありません。前半は恋愛色薄めで、ヒロインがヒロインらしくなるのは後半からです。主人公の覚醒?はゆっくり目で、徐々にといった具合です。
*印の箇所は、やや表現がきわどくなっています。ご注意ください。
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる