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第6章:ギルド編
実験
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ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん。何度も雫が自分の頭に垂れてくる。手足が拘束されているため、それを避けようとその場から動くことすらできない。
もう何も考えられない。考えたくない。そう思ってもこの水滴が意識を覚醒させる。あれから一体何日が経ったのだろうか。薄暗い部屋の中では、今が朝なのか夜なのか、それすら分からない。
遠くで誰かの悲鳴が聞こえる。また実験が始まったのだろう。ふと切断されたはずの腕を見る。そこには細く、醜い腕が新しく生えてきていた。脚も同じだ。実験の一環だと言って、あの狂った研究者は手足を持っていった。その後部屋の中に入ってきた、いつも自分のあらゆる世話をする、人形のような少女たちとそっくりな綺麗な女性が法術をかけてきた。すると、小さな腕と脚が切断された箇所から盛り上がり、徐々に元の長さと大きさになった。その光景に吐き気を催し、思い出すたびに何度も吐いた。その女性が不思議そうな顔を浮かべながらも部屋を出ていこうとした時、狂ったように泣き叫んだのを今でも覚えている。
それから、あの研究者は何度もこの部屋に訪れては、肉体を削り取っていった。それは腕や脚に始まり、皮膚や、肺や目などの臓器、生殖器など、体にメスが入っていない場所が無いのではないかと思うほどだ。最悪なことにその摘出手術は、麻酔はかけられているものの、いつも意識が覚醒している状態で行われた。なぜそんなことをするのかと問うと、恐怖やストレスが肉体に与える影響を確認するためだそうだ。そしてまた、失った肉体はあの女性によって復元された。
そうして俺は、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、切り刻まれた。
ある日、実験の際に注射を打たれた。いつもとは異なり、酩酊し、万能感を味わうことができた。おそらく麻薬のようなものだろう。それから数日後、肉体に異変が起こった。腕が醜く変化し始めたのだ。今まで付いていた肉は腐り落ち、その下から新たな、とても人間の皮膚の色とは思えないものが出てきた。体が腐っていく恐怖と痛みに何度も泣き喚き、意識を失った。その度にあの女性の力によって強引に精神を覚醒させられた。後から話を聞いたところ、彼女は俺の精神が崩壊するたびに、元に戻していたのだそうだ。
そんな絶望的な状況で、ある日俺の元に一人の少女がやってきた。彼女は髪で右顔を隠していた。俺は彼女と意思疎通を図った。とにかくまともな誰かと話したかったのだ。彼女の名はアイラといった。アイラは俺と同じで、あの気狂いの研究者に誘拐され、被験者にされていたのだそうだ。だが上手くあの男に取り入り、ある程度の自由を保障されたのだという。ちなみに俺の部屋にきたのはあの男の命令だそうだ。
それから俺たちはいろんなことを話した。この狂った空間で、アイラは俺にとって唯一の癒しであり、現実から目を背けさせてくれる存在だった。彼女が顔を隠しているのは、俺と同じく、ある実験で顔の半分が別のものへと変化したからだそうだ。そんなところも俺と似ていた。だから俺は彼女に親近感と、依存にも近い、恋心のようなものを抱いていたのかもしれない。
だがそれも長くは続かなかった。彼女と話している時、あの男がやってきて、彼女を俺の前から連れ去った。それっきり彼女は俺の所に来ることは無くなった。俺を治しに来る女性に彼女のことを聞くと、彼女は次の実験の材料になったのだそうだ。
あの男が来た時、俺はなぜこんなことをするのか、怯えながらも勇気を振り絞って聞いた。なぜ俺を切り刻み、なぜこんな実験をするのか、なぜ俺から彼女を奪ったのか。その答えに俺はさらなる恐怖を覚えた。
『人間が魔物になる条件が、一体何なのかが知りたいんだよね。魂で定められているのか、それとも何かしらの外的要因が働いているのかね。量的な実験はいくらでも出来たんだけどね。しかし質的な実験データは未だに少ないんだよね。だからこうして君に手伝ってもらっているんだ。君には極度のストレス環境と恐怖による影響に関しての実験をしているんだよね。君のおかげで大分データが集まった。本当に感謝しているよ。ありがとう』
この研究者は自分のことを本当に実験動物としてしか見ていないことを理解した。そしてこのまま行けば、自分は確実に魔物になるか、死ぬのだということも知った。
それからまたしばらく経った。今度の実験は交配実験だという。そうして目の前に連れてこられたのは、1匹の醜い雌のオーガだった。檻に入れられ、鎖で身体中を縛られ、猿履を噛ませられていた。だが不思議なことに、俺を見ても襲いかかろうとはしなかった。
俺はそのオーガの檻に入れられ、強引に抱かされた。いつ殺されるかも分からない恐怖に包まれながら、俺は必死だった。
『魔獣と人間との交配は失敗する事が既に分かっている。それならば魔物と、魔物化しつつある人間が交配した結果、どのようになるのか。その実験データがまだあまり無くてね。本当なら魔人と人間、魔人と魔物の交配がどうなるのかも知りたいんだけどね。それは欲張りというものだよね』
それから俺は何度もそのオーガを抱かされた。もはや俺には人間としての尊厳は残っていなかった。なぜこんな目に自分が会うのか。自分の何が悪かったのか。こんな目に会うほど自分は罪深かったのか。日がな一日、そればかりを考えていた。
ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん。何度も頭に垂れてくる水滴に辟易しながらも、いつの間にかこの環境に慣れてきている自分に気がつき、その度に吐き気を催すほどに自分自身を嫌悪した。
死にたくないと思っていた気持ちはいつしかなくなり、ただ早く死にたいという願いだけを抱き続けた。毎朝目が覚めるたびに絶望した。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、女神様に救いを求めた。だが結局、いつも死ぬ直前に体を直された。癒されるのではなく、文字通り、道具を修理するかのように直された。
もはや肉体の半分以上が魔物へと転じていた。いつも注射を打たれていた右半身の手足は伸び、爪は鋭く分厚くなり、牙が生えて、朦朧とする時間が増えた。気づけば辺りに暴れ回った跡が残っている事も増えた。
体が侵食されていき、自分が自分じゃなくなっていく。それなのにあの女性のせいで気が狂うことすら許されない。そんな毎日が一体どれほど続いただろうか。体の侵食は4分の3ほどになっていた。しかしこの絶望が唐突に始まったのと同様に、それは唐突に終わりを告げた。
部屋にかけられていた。鍵が解除された音がしたのだ。俺は残った意識を振り絞り、部屋の外へと出た。いくつもの部屋が並び、その一つ一つにネームプレートが貼られていた。ふと自分の隣の部屋も錠が開けられていることに気がついた。中にいたのはあのオーガだった。俺はネームプレートを確認して、さらに絶望した。
『No.0921 アイラ』
そう書かれていた。それが彼女の名前であることは、どれだけ意識が混濁していても、すぐに理解できた。忘れるはずがない。忘れられるはずがない。俺の意識は、その現実に霧散しそうになった。だがそれをなんとか手繰り寄せる。なぜ彼女が人間であるはずの俺に、一切襲いかからなかったのか。それはきっと彼女に人間性と記憶が僅かばかり残っていたからだろう。そんな彼女のために、俺はこんなところで意識を失うわけにはいかなかった。
扉を勢いよく開けると、俺は彼女の腕を掴んだ。幸いなことにオーガの肉体は、突然の激しい運動にも耐えてくれるようだった。おかげで実験場から逃げ出した俺たちは、森を長時間駆け抜けて、相手の追跡を逃れる事ができた。
俺はやがて全てを忘れた。自分が誰だったのか、もはや俺には分からなかった。残っていたのは暗闇への恐怖と、底知れないほどの憎しみと絶望、そして彼女への愛だけだった。そこにいたのはもう人間であったことすら忘れてしまった、哀れな二人の魔物だった。
もう何も考えられない。考えたくない。そう思ってもこの水滴が意識を覚醒させる。あれから一体何日が経ったのだろうか。薄暗い部屋の中では、今が朝なのか夜なのか、それすら分からない。
遠くで誰かの悲鳴が聞こえる。また実験が始まったのだろう。ふと切断されたはずの腕を見る。そこには細く、醜い腕が新しく生えてきていた。脚も同じだ。実験の一環だと言って、あの狂った研究者は手足を持っていった。その後部屋の中に入ってきた、いつも自分のあらゆる世話をする、人形のような少女たちとそっくりな綺麗な女性が法術をかけてきた。すると、小さな腕と脚が切断された箇所から盛り上がり、徐々に元の長さと大きさになった。その光景に吐き気を催し、思い出すたびに何度も吐いた。その女性が不思議そうな顔を浮かべながらも部屋を出ていこうとした時、狂ったように泣き叫んだのを今でも覚えている。
それから、あの研究者は何度もこの部屋に訪れては、肉体を削り取っていった。それは腕や脚に始まり、皮膚や、肺や目などの臓器、生殖器など、体にメスが入っていない場所が無いのではないかと思うほどだ。最悪なことにその摘出手術は、麻酔はかけられているものの、いつも意識が覚醒している状態で行われた。なぜそんなことをするのかと問うと、恐怖やストレスが肉体に与える影響を確認するためだそうだ。そしてまた、失った肉体はあの女性によって復元された。
そうして俺は、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、切り刻まれた。
ある日、実験の際に注射を打たれた。いつもとは異なり、酩酊し、万能感を味わうことができた。おそらく麻薬のようなものだろう。それから数日後、肉体に異変が起こった。腕が醜く変化し始めたのだ。今まで付いていた肉は腐り落ち、その下から新たな、とても人間の皮膚の色とは思えないものが出てきた。体が腐っていく恐怖と痛みに何度も泣き喚き、意識を失った。その度にあの女性の力によって強引に精神を覚醒させられた。後から話を聞いたところ、彼女は俺の精神が崩壊するたびに、元に戻していたのだそうだ。
そんな絶望的な状況で、ある日俺の元に一人の少女がやってきた。彼女は髪で右顔を隠していた。俺は彼女と意思疎通を図った。とにかくまともな誰かと話したかったのだ。彼女の名はアイラといった。アイラは俺と同じで、あの気狂いの研究者に誘拐され、被験者にされていたのだそうだ。だが上手くあの男に取り入り、ある程度の自由を保障されたのだという。ちなみに俺の部屋にきたのはあの男の命令だそうだ。
それから俺たちはいろんなことを話した。この狂った空間で、アイラは俺にとって唯一の癒しであり、現実から目を背けさせてくれる存在だった。彼女が顔を隠しているのは、俺と同じく、ある実験で顔の半分が別のものへと変化したからだそうだ。そんなところも俺と似ていた。だから俺は彼女に親近感と、依存にも近い、恋心のようなものを抱いていたのかもしれない。
だがそれも長くは続かなかった。彼女と話している時、あの男がやってきて、彼女を俺の前から連れ去った。それっきり彼女は俺の所に来ることは無くなった。俺を治しに来る女性に彼女のことを聞くと、彼女は次の実験の材料になったのだそうだ。
あの男が来た時、俺はなぜこんなことをするのか、怯えながらも勇気を振り絞って聞いた。なぜ俺を切り刻み、なぜこんな実験をするのか、なぜ俺から彼女を奪ったのか。その答えに俺はさらなる恐怖を覚えた。
『人間が魔物になる条件が、一体何なのかが知りたいんだよね。魂で定められているのか、それとも何かしらの外的要因が働いているのかね。量的な実験はいくらでも出来たんだけどね。しかし質的な実験データは未だに少ないんだよね。だからこうして君に手伝ってもらっているんだ。君には極度のストレス環境と恐怖による影響に関しての実験をしているんだよね。君のおかげで大分データが集まった。本当に感謝しているよ。ありがとう』
この研究者は自分のことを本当に実験動物としてしか見ていないことを理解した。そしてこのまま行けば、自分は確実に魔物になるか、死ぬのだということも知った。
それからまたしばらく経った。今度の実験は交配実験だという。そうして目の前に連れてこられたのは、1匹の醜い雌のオーガだった。檻に入れられ、鎖で身体中を縛られ、猿履を噛ませられていた。だが不思議なことに、俺を見ても襲いかかろうとはしなかった。
俺はそのオーガの檻に入れられ、強引に抱かされた。いつ殺されるかも分からない恐怖に包まれながら、俺は必死だった。
『魔獣と人間との交配は失敗する事が既に分かっている。それならば魔物と、魔物化しつつある人間が交配した結果、どのようになるのか。その実験データがまだあまり無くてね。本当なら魔人と人間、魔人と魔物の交配がどうなるのかも知りたいんだけどね。それは欲張りというものだよね』
それから俺は何度もそのオーガを抱かされた。もはや俺には人間としての尊厳は残っていなかった。なぜこんな目に自分が会うのか。自分の何が悪かったのか。こんな目に会うほど自分は罪深かったのか。日がな一日、そればかりを考えていた。
ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん。何度も頭に垂れてくる水滴に辟易しながらも、いつの間にかこの環境に慣れてきている自分に気がつき、その度に吐き気を催すほどに自分自身を嫌悪した。
死にたくないと思っていた気持ちはいつしかなくなり、ただ早く死にたいという願いだけを抱き続けた。毎朝目が覚めるたびに絶望した。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、女神様に救いを求めた。だが結局、いつも死ぬ直前に体を直された。癒されるのではなく、文字通り、道具を修理するかのように直された。
もはや肉体の半分以上が魔物へと転じていた。いつも注射を打たれていた右半身の手足は伸び、爪は鋭く分厚くなり、牙が生えて、朦朧とする時間が増えた。気づけば辺りに暴れ回った跡が残っている事も増えた。
体が侵食されていき、自分が自分じゃなくなっていく。それなのにあの女性のせいで気が狂うことすら許されない。そんな毎日が一体どれほど続いただろうか。体の侵食は4分の3ほどになっていた。しかしこの絶望が唐突に始まったのと同様に、それは唐突に終わりを告げた。
部屋にかけられていた。鍵が解除された音がしたのだ。俺は残った意識を振り絞り、部屋の外へと出た。いくつもの部屋が並び、その一つ一つにネームプレートが貼られていた。ふと自分の隣の部屋も錠が開けられていることに気がついた。中にいたのはあのオーガだった。俺はネームプレートを確認して、さらに絶望した。
『No.0921 アイラ』
そう書かれていた。それが彼女の名前であることは、どれだけ意識が混濁していても、すぐに理解できた。忘れるはずがない。忘れられるはずがない。俺の意識は、その現実に霧散しそうになった。だがそれをなんとか手繰り寄せる。なぜ彼女が人間であるはずの俺に、一切襲いかからなかったのか。それはきっと彼女に人間性と記憶が僅かばかり残っていたからだろう。そんな彼女のために、俺はこんなところで意識を失うわけにはいかなかった。
扉を勢いよく開けると、俺は彼女の腕を掴んだ。幸いなことにオーガの肉体は、突然の激しい運動にも耐えてくれるようだった。おかげで実験場から逃げ出した俺たちは、森を長時間駆け抜けて、相手の追跡を逃れる事ができた。
俺はやがて全てを忘れた。自分が誰だったのか、もはや俺には分からなかった。残っていたのは暗闇への恐怖と、底知れないほどの憎しみと絶望、そして彼女への愛だけだった。そこにいたのはもう人間であったことすら忘れてしまった、哀れな二人の魔物だった。
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