106 / 273
第5章:ファレス武闘祭
シオンの予選最終試合1
しおりを挟む
「嘘だろ、グラン負けたのかよ」
「ああ、あいつまたエミリー嬢に気を取られたらしい。そんで隙だらけのところに……」
「またかよ!あいつあの子の前でなきゃ、脱ぎグセ除けば実力も、人望も完璧なのにな。まあ確かにエミリーさんは美人だけどさ」
「全くだ。それよりも今年はなかなか凄えことになってるな」
「一年のことか?確かにやべえな」
対戦表の前で二人の男子生徒が話していた。彼らの視線の先にはベスト16を決める面々の名前が書き上げられている。片方の男子生徒の言う通り、今年は32人中一年生が10人もここまで勝ち進んでいる。そのうちなんと2人はEクラスだ。
「たまにあるらしいんだけどな。突然化け物みたいな奴らが同学年に集まるっていうのが」
「ふぅん。まあSクラスのシオンとかは当然残るとは思ってたけど、まさかEクラスから2人も勝ち上がるとはな」
「しかもそのうちの片方は男でグランを倒したやつだ。もう片方は女で闇法術を無詠唱で発動するらしいぜ」
「マジかよ、男の方はともかく女の方なんかEクラスの実力じゃねえだろそれ」
二人の話は遠く離れた場所で休んでいたジンとシオン、応援にきたテレサにも聞こえてきた。
「うちのクラスの女ってことはアルのやつ勝ったんだな」
手にはテレサが差し入れてくれたサンドウィッチをつまんでいる。
「なんとなくだけどあの子は勝ってるんじゃないかと思ってた。やる気ないだけで結構強いよねアルるんて」
「……お前もそう呼んでるのか?」
「え、なにが?」
「いや別になんでもない」
「それよりも二人ともさっさと食べちゃわないと。もうすぐ試合始まるんでしょ?二人とも次の相手が誰か知ってるの?」
「僕はスルアって先輩だったと思う」
「俺は確かナルキスって先輩だったはず」
「えぇ、二人ともあの人たちが相手なの?」
「テレサは知ってるのか?」
「ええ、二人とも私と同じ学年だし」
「じゃあ、スルア先輩ってどんな人なの?」
「スルアさんかぁ、一言で言えば『飛ぶ』ね。風法術と闘気を巧みに使って空中から攻撃してくる機動力に特化したスタイルで戦うタイプね」
「ふぅん、強いの?」
「まあここまで勝ち残るぐらいだし強いわよ」
「へへ、じゃあ楽しみだね!」
シオンはパチンと拳を手のひらに打つける。先ほどの不完全燃焼がまだ尾を引いているのだろう。やる気は十分だ。
「ならナルキスって人はどんなやつなんだ?強いのか?」
「うぅん、ナルキス君はそうね、強いけど『うざい』人よ。自分が大好きでいつも上からものを言ってくるの」
「あ、そいつってもしかして前にテレサに付き合うように命令してきたやつ?」
「そうそうその人」
どうやらかつてテレサに告白し、玉砕した有象無象の中の一人らしい。その時の告白の仕方があまりにも高圧的でしかも執拗であったため、シオンにではなくテレサ本人に制裁を加えられたらしい。
「だって『君に僕と付き合う権利を与えてあげる』よ?」
「うわぁ、そんなやつ本当にいるんだな」
「僕もテレサが先にひっぱたかなきゃ握り潰してたよ」
思い出しただけでも苦々しい顔を浮かべている二人の様子から、よっぽど嫌だったのだろうことが推察された。
「っと、そろそろ時間だな。行こうぜシオン。テレサ、差し入れありがとう」
「うん、じゃあ行ってくるね」
「二人とも頑張ってね」
小さな拳を作って二人にエールを送る。それを背にジンとシオンはそれぞれのリングへと走って行った。
~~~~~~~~~~~
「あなたがシオン・フィル・ルグレねぇ。聞いてた通りなかなか可愛いじゃないぃ」
シオンが今対峙しているスルアは変わった風体をしている。ショッキングピンクのボサボサな髪はわざわざ染めたものらしい。身長はシオンよりも大きく、そのくせ針金のように細い。服装をだらしなく着こなし、今にも胸元が見えそうだ。その上なぜかゆらゆらと揺れており、目が据わっている。その目元は数日は寝ていないのではないかというほどに深い隈で覆われており、疲れた様子がありありと伺える。
「あの、大丈夫ですか?」
思わず心配になってくる。こんな状態でまともに戦うことができるのだろうか。
「……え?なんか言ったぁ?」
あらぬ方向を見つめていたスルアはシオンの言葉にグルンと首を動かして、彼女をジロリと見つめてくる。
「…………いえ、大丈夫です」
「そう、それならいいのぉ」
それからボソボソと独り言ち始めた彼女にシオンは言い知れない恐怖を覚える。ただただ薄気味悪い。
「それでは第9ブロック予選最終試合、始め!」
試合前、シオンは一気に勝負を決めようと考えていた。だが相手の様子があまりにも不気味であったため、近寄ることを躊躇する。
「あれぇ、もう始まりぃ?」
ゆらゆらと体を揺らしながら、スルアが審判の方へと無防備に顔を向ける。その隙をシオンは見落とさない。
「『炎刃』!」
「ふああ、『風壁』」
全てを焼き切る炎の刃がスルアへと放たれる。しかしそれは欠伸をしているスルアに届く前に風の壁に阻まれて掻き消えた。
「な!?」
「あー、びっくりしたぁ。もうシオンちゃんいきなりはひどいよぉ。でもそっちがその気ならぁ『風纏』」
眠そうな目を見開いて呟いた言葉とともに、風がスルアの体を包み込んだ。
「それじゃあ行くよぉ」
ゆらゆら動く体のせいで、動きの起こりが読み辛いと内心舌打ちをしていると、スルアが突如動いた。それも縦に。それは空中に飛び上がったというよりも浮かび上がったという表現の方が正しいだろう。
「たあああああ」
気の抜けるような掛け声ではあるが、スルアがまるで空を飛ぶかのように高速で上空から接近してくる。だがそれはシオンからすればあまりにも遅い。簡単に回避行動が取れる。
彼女の攻撃をギリギリまで見極めてカウンターを決めようとしたところで、すぐにその危険性に気がつく。考えを変えて一気に距離をとった。そのまま彼女が避けたところにスルアの拳が直撃する。風を纏ったそれはリングの床を深く抉りとった。そしてそのまま彼女は再度空中に浮かび上がった。
「あらら、避けられちゃったぁ」
「…………なかなかに嫌らしい攻撃ですね」
可愛らしく言ってはいるがその攻撃を一度でも受ければ確実に大ダメージを受けるだろう。その上相手は空中にいるのだ。攻撃しようにも手段が狭まってしまう。炎で攻撃しても恐らく先ほどのように風で掻き消されるだろう。水も同様だ。彼女の体を渦のように囲っている風が水を分散させてしまうはずだ。直接攻撃などもってのほかだ。そんなことをすれば目の前の床のように自分もボロ雑巾みたいになってしまう。
「嫌らしいだなんてひどいこと言うなぁ。そんなこと言う子にはこうだぞぉ」
そう言って彼女は攻撃は再開する。先ほどのような突撃をしたかと思えば、纏っている風を刃に変えて飛ばしてくる。それを回避すれば、今度は風の弾を飛ばしてくる。さらに避ければ今度は風を鞭のようにしならせてシオンに攻撃してくる。緩急をつけた攻撃はシオンに息つく暇も与えない。だがそんな中で、シオンは最適解を求めて頭を回転させ続ける。気がつけば試合が開始してからすでに10分が経過していた。
「ああ、あいつまたエミリー嬢に気を取られたらしい。そんで隙だらけのところに……」
「またかよ!あいつあの子の前でなきゃ、脱ぎグセ除けば実力も、人望も完璧なのにな。まあ確かにエミリーさんは美人だけどさ」
「全くだ。それよりも今年はなかなか凄えことになってるな」
「一年のことか?確かにやべえな」
対戦表の前で二人の男子生徒が話していた。彼らの視線の先にはベスト16を決める面々の名前が書き上げられている。片方の男子生徒の言う通り、今年は32人中一年生が10人もここまで勝ち進んでいる。そのうちなんと2人はEクラスだ。
「たまにあるらしいんだけどな。突然化け物みたいな奴らが同学年に集まるっていうのが」
「ふぅん。まあSクラスのシオンとかは当然残るとは思ってたけど、まさかEクラスから2人も勝ち上がるとはな」
「しかもそのうちの片方は男でグランを倒したやつだ。もう片方は女で闇法術を無詠唱で発動するらしいぜ」
「マジかよ、男の方はともかく女の方なんかEクラスの実力じゃねえだろそれ」
二人の話は遠く離れた場所で休んでいたジンとシオン、応援にきたテレサにも聞こえてきた。
「うちのクラスの女ってことはアルのやつ勝ったんだな」
手にはテレサが差し入れてくれたサンドウィッチをつまんでいる。
「なんとなくだけどあの子は勝ってるんじゃないかと思ってた。やる気ないだけで結構強いよねアルるんて」
「……お前もそう呼んでるのか?」
「え、なにが?」
「いや別になんでもない」
「それよりも二人ともさっさと食べちゃわないと。もうすぐ試合始まるんでしょ?二人とも次の相手が誰か知ってるの?」
「僕はスルアって先輩だったと思う」
「俺は確かナルキスって先輩だったはず」
「えぇ、二人ともあの人たちが相手なの?」
「テレサは知ってるのか?」
「ええ、二人とも私と同じ学年だし」
「じゃあ、スルア先輩ってどんな人なの?」
「スルアさんかぁ、一言で言えば『飛ぶ』ね。風法術と闘気を巧みに使って空中から攻撃してくる機動力に特化したスタイルで戦うタイプね」
「ふぅん、強いの?」
「まあここまで勝ち残るぐらいだし強いわよ」
「へへ、じゃあ楽しみだね!」
シオンはパチンと拳を手のひらに打つける。先ほどの不完全燃焼がまだ尾を引いているのだろう。やる気は十分だ。
「ならナルキスって人はどんなやつなんだ?強いのか?」
「うぅん、ナルキス君はそうね、強いけど『うざい』人よ。自分が大好きでいつも上からものを言ってくるの」
「あ、そいつってもしかして前にテレサに付き合うように命令してきたやつ?」
「そうそうその人」
どうやらかつてテレサに告白し、玉砕した有象無象の中の一人らしい。その時の告白の仕方があまりにも高圧的でしかも執拗であったため、シオンにではなくテレサ本人に制裁を加えられたらしい。
「だって『君に僕と付き合う権利を与えてあげる』よ?」
「うわぁ、そんなやつ本当にいるんだな」
「僕もテレサが先にひっぱたかなきゃ握り潰してたよ」
思い出しただけでも苦々しい顔を浮かべている二人の様子から、よっぽど嫌だったのだろうことが推察された。
「っと、そろそろ時間だな。行こうぜシオン。テレサ、差し入れありがとう」
「うん、じゃあ行ってくるね」
「二人とも頑張ってね」
小さな拳を作って二人にエールを送る。それを背にジンとシオンはそれぞれのリングへと走って行った。
~~~~~~~~~~~
「あなたがシオン・フィル・ルグレねぇ。聞いてた通りなかなか可愛いじゃないぃ」
シオンが今対峙しているスルアは変わった風体をしている。ショッキングピンクのボサボサな髪はわざわざ染めたものらしい。身長はシオンよりも大きく、そのくせ針金のように細い。服装をだらしなく着こなし、今にも胸元が見えそうだ。その上なぜかゆらゆらと揺れており、目が据わっている。その目元は数日は寝ていないのではないかというほどに深い隈で覆われており、疲れた様子がありありと伺える。
「あの、大丈夫ですか?」
思わず心配になってくる。こんな状態でまともに戦うことができるのだろうか。
「……え?なんか言ったぁ?」
あらぬ方向を見つめていたスルアはシオンの言葉にグルンと首を動かして、彼女をジロリと見つめてくる。
「…………いえ、大丈夫です」
「そう、それならいいのぉ」
それからボソボソと独り言ち始めた彼女にシオンは言い知れない恐怖を覚える。ただただ薄気味悪い。
「それでは第9ブロック予選最終試合、始め!」
試合前、シオンは一気に勝負を決めようと考えていた。だが相手の様子があまりにも不気味であったため、近寄ることを躊躇する。
「あれぇ、もう始まりぃ?」
ゆらゆらと体を揺らしながら、スルアが審判の方へと無防備に顔を向ける。その隙をシオンは見落とさない。
「『炎刃』!」
「ふああ、『風壁』」
全てを焼き切る炎の刃がスルアへと放たれる。しかしそれは欠伸をしているスルアに届く前に風の壁に阻まれて掻き消えた。
「な!?」
「あー、びっくりしたぁ。もうシオンちゃんいきなりはひどいよぉ。でもそっちがその気ならぁ『風纏』」
眠そうな目を見開いて呟いた言葉とともに、風がスルアの体を包み込んだ。
「それじゃあ行くよぉ」
ゆらゆら動く体のせいで、動きの起こりが読み辛いと内心舌打ちをしていると、スルアが突如動いた。それも縦に。それは空中に飛び上がったというよりも浮かび上がったという表現の方が正しいだろう。
「たあああああ」
気の抜けるような掛け声ではあるが、スルアがまるで空を飛ぶかのように高速で上空から接近してくる。だがそれはシオンからすればあまりにも遅い。簡単に回避行動が取れる。
彼女の攻撃をギリギリまで見極めてカウンターを決めようとしたところで、すぐにその危険性に気がつく。考えを変えて一気に距離をとった。そのまま彼女が避けたところにスルアの拳が直撃する。風を纏ったそれはリングの床を深く抉りとった。そしてそのまま彼女は再度空中に浮かび上がった。
「あらら、避けられちゃったぁ」
「…………なかなかに嫌らしい攻撃ですね」
可愛らしく言ってはいるがその攻撃を一度でも受ければ確実に大ダメージを受けるだろう。その上相手は空中にいるのだ。攻撃しようにも手段が狭まってしまう。炎で攻撃しても恐らく先ほどのように風で掻き消されるだろう。水も同様だ。彼女の体を渦のように囲っている風が水を分散させてしまうはずだ。直接攻撃などもってのほかだ。そんなことをすれば目の前の床のように自分もボロ雑巾みたいになってしまう。
「嫌らしいだなんてひどいこと言うなぁ。そんなこと言う子にはこうだぞぉ」
そう言って彼女は攻撃は再開する。先ほどのような突撃をしたかと思えば、纏っている風を刃に変えて飛ばしてくる。それを回避すれば、今度は風の弾を飛ばしてくる。さらに避ければ今度は風を鞭のようにしならせてシオンに攻撃してくる。緩急をつけた攻撃はシオンに息つく暇も与えない。だがそんな中で、シオンは最適解を求めて頭を回転させ続ける。気がつけば試合が開始してからすでに10分が経過していた。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
異世界で俺はチーター
田中 歩
ファンタジー
とある高校に通う普通の高校生だが、クラスメイトからはバイトなどもせずゲームやアニメばかり見て学校以外ではあまり家から出ないため「ヒキニート」呼ばわりされている。
そんな彼が子供のころ入ったことがあるはずなのに思い出せない祖父の家の蔵に友達に話したのを機にもう一度入ってみることを決意する。
蔵に入って気がつくとそこは異世界だった?!
しかも、おじさんや爺ちゃんも異世界に行ったことがあるらしい?
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
主人公を助ける実力者を目指して、
漆黒 光(ダークネス ライト)
ファンタジー
主人公でもなく、ラスボスでもなく、影に潜み実力を見せつけるものでもない、表に出でて、主人公を助ける実力者を目指すものの物語の異世界転生です。舞台は中世の世界観で主人公がブランド王国の第三王子に転生する、転生した世界では魔力があり理不尽で殺されることがなくなる、自分自身の考えで自分自身のエゴで正義を語る、僕は主人公を助ける実力者を目指してーー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる