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第4章:学園編
人殺し
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宿営地に着いたルースたちはすぐさま教師たちの元に向かう。サールとともに状況を説明すると、教師たちの中でもとりわけ戦闘に秀でた者が現場に急行することになった。
「先生、アイザックは見ませんでしたか?あの野郎、俺を!」
ルース達は教師陣が慌ただしく動く中、ベインを発見して駆け寄った。
「ああ?アイザックって確かAクラスのやつか?見てねえ、つうより多分来てえねえぞ。何かあったのか?」
ルースは何があったのかをベインに説明する。最初は面倒臭そうな顔をしていた彼も徐々に険しい表情へと変えていった。
「…あぶねえやつだとは思ったけどそこまでとはな。とりあえず来ているかどうか他の奴らにも確認してみろ。俺が気付かなかっただけかも知れねえからな」
ルース達は頷くと周囲にいた他の教員たちに聞きに回った。さらにその場にいた生徒たちにもアイザックを見かけたかどうか尋ねてみた。だが誰に聞いても何の答えも得られなかった。
「一体あいつはどこにいったんだ?」
~~~~~~~~~~~~~
『どうか…私を殺して…』
目の前にいる少女の呟きが耳に届く。涙を流しながら、殺して欲しいと乞うその姿がナギと重なる。
【また…またなのか…なんで、なんで俺だけが…】
思わず唇を血が溢れるほど強く噛みしめる。こんな状況ばかりだ。自分には相手を救う術がない。ナギの時も、マリアの時も、そして…
まるで自分が舞台の登場人物として弄ばれているのではないかと疑ってしまいたくなる。ラグナの言ったことを信じるならば、確かにこれは偶然のはずだ。だがなぜ自分ばかりがと思ってしまう。人を殺す訓練すらエデンで積んできた。もうこの手は血に塗れている。だが割切れる事と、慣れることは別問題だ。しかも今度は自分の友人の大切な存在だ。簡単に許容できることではない。
何処までいっても覚悟を容易く決められない不甲斐ない自分に嫌気がさす。どんなに鍛えても目の前にいる人を救うことのできない自分を憎く思う。どれだけ後悔すると分かっていても相手を救うには殺すことしかできない自分が惨めに思える。そして、いくら悩んでも結局目の前の少女を殺すという選択肢しか持たない自分の偽善者ぶりを忌々しく思う。
泣きそうな顔を浮かべかけ、それをなんとか引っ込めたジンの顔からは表情が抜け落ちた。覚悟は決まった。相手が再生し始める前に殺す。
「…分かりました。死んでください」
『…あり…がと』
弱々しく笑みを浮かべる少女に胸が締め付けられ、思わず胸を強く握る。
「何か…何かエルマーに伝えて欲しいことはありますか?」
逡巡の末ジンはサラに尋ねる。彼女のために、エルマーのために彼ができる唯一のことだった。
『君は…優し…いね。あの…子に、愛してる…て』
「…分かりました。伝えておきます」
その言葉を深く胸に刻み込むように目を閉じて反芻する。やがてゆっくり目を開くと持っていた短剣を振り上げた。自嘲した笑みを浮かべながら狙いを定める。破壊する場所は額と胸に浮かび上がっている2つの魔核だ。
『ふふ…ごめんね…エル…マー』
気がつけば蜘蛛の足が再生し始めていた。それを横目に、振り上げた剣をジンは下ろした。
「…ごめんなさい」
~~~~~~~~~~~
「も、もうすぐです!」
息も絶え絶えに必死になって先頭を走るエルマーに促されて進むアルトたちの目の前は徐々に開けていった。そしてついに戦場へと到着する。逆光に奪われた視界が戻ると、アルトは瞬時に状況を把握した。激戦が繰り広げられたであろう戦場には少年が一人、化物の上に立っている。遠くには少女が一人横たわり生きているかどうかはわからない。あたり一面は嵐に襲われ、炎に包まれたようだ。
化物からは少女が剥き出しになっており、道すがらガバルから聞いたように、恐らくあれが合成獣の素体になった少女だろう。少年はその少女と何か言葉を交わしている。つまり彼女は意識を取り戻したのだろう。だがもはや手遅れであることは一目瞭然だった。突然、エルマーが半狂乱になって、少年に向かって走り出す。アルトはその手を掴もうとしてガバルに肩を掴まれた。彼の様子を見て彼女は伸ばした手を下ろした。
~~~~~~~~~~~
エルマーが空き地になったそこにたどり着くと、今にも短剣を振り下ろそうとするジンとその下で、むき出しになった合成獣の内臓と結合し、化物の一部になった姉の姿があった。だが彼の目には口元に笑みを浮かべた少年が『姉』を殺そうとしているようにしか見えなかった。
「待って、待って!やだ、やめろ!やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
エルマーは必死になって駆け寄りながら叫ぶ。ここに来るまでに体力は使い切っていたはずだ。だが彼は肉体があげる悲鳴を無視して走る。何度も躓きながら、倒れそうになりながら、必死になってジンに呼びかけた。
しかしジンはそんな彼を一瞥もしない。ただただ無情に、口元を笑っているかのように歪めたまま短剣を振り上げて、下ろした。一度、二度、サラの命が完全に潰えるまで剣を突き刺し続ける。核となっている頭に、心臓部に短剣を突き立てる。パリンッ、パリンッと2回音がなり、再生を始めていた化け物は完全に停止した。
~~~~~~~~~~~
よろよろと立ち上がるとジンは下で呆然としているエルマーを見つける。少年は力なくその場にへたり込み、顔から涙を流し続けていた。その顔を見て胸が締め付けられる。ジンはエルマーから逃げるように目をそらし、手元を見つめる。その手に持つ短剣は血で真っ赤に染まり、彼の目元には返り血が跳ね、それが滴り落ちて、まるで血の涙を流しているかのようだった。それを無造作に拭った彼は地面に飛び降りる。
身体中からくる痛みでバランスが取れずによろめくがなんとか踏みとどまって、意を決してエルマーにゆっくりと近寄った。何を彼に言えばいいのか、どんな表情で接すればいいのかわからない。だから一言だけ…
「……悪いな」
ジンは無表情でそう呟く。呆然としていたエルマーがゆっくりと顔を上げた。何も映していない虚ろな目に怒りの火が灯った。
「許さない…許さない!この人殺しが…殺してやる、絶対に殺してやる!」
エルマーよろよろと立ち上がってジンに掴み、殴りかかる。疲れ切った弱々しい拳だ。今のジンでも容易く振り払うことはができる。だがそうはしなかった。エルマーの憎しみをその身に受けることしか、ジンが彼に対してできることはなかったからだ。
ポロポロと涙を流しながら何度も何度も殴ってくるその拳からは徐々に力が抜けていく。
「…どうして君が…どうしてぇ」
ジンはその問いに答えることはできない。ただゆっくりと空を見上げた。ポツポツと彼の心情を代弁するかのように雨が降り始めた。
~~~~~~~~~~~
疲労のためかエルマーはやがて倒れるように気を失った。それをジンは支える。
「今回は済まないことをさせてしまったな」
そんな彼の元にアルトが歩み寄って来る。今まで状況を静観していたらしい。ガバルはいつのまにかシオンの元まで行き、様子を確認しているようだった。
「いえ…」
「彼は私が支えよう。今は休め」
優しげに、そして少し悲しげに笑うとジンの代わりにエルマーを支える。ジンはその言葉に頷いて、どさりとその場に腰を落とした。
それからガバルが合成獣の様子を確認し始める。傷口の様子、少女の様子、砕け散った魔核などなど様々なことを調べているようだった。しばらくしてアルトの元まで戻って来ると何かを耳打ちする。その声は小さすぎてジンの耳には届かなかった。ジンは二人の話す姿を見ながら、意識を手放した。
~~~~~~~~~~~~
ルースたちの救援要請で集められた教員が現場を検証した結果、合成獣によって死亡した生徒は23名に及び、うち15名は喰い散らかされていたため、誰かすら判別することができなかった。また8名が行方不明となり未だに発見するには至らなかった。
暴れた合成獣は、その特殊な成り立ちから、世間の混乱を防ぐために機密事項とされ、民衆には凶悪な魔物の暴走により引き起こされた悲劇として発表された。この事実は学校側と国に秘匿され、関係者以外知る者はいなくなった。
「先生、アイザックは見ませんでしたか?あの野郎、俺を!」
ルース達は教師陣が慌ただしく動く中、ベインを発見して駆け寄った。
「ああ?アイザックって確かAクラスのやつか?見てねえ、つうより多分来てえねえぞ。何かあったのか?」
ルースは何があったのかをベインに説明する。最初は面倒臭そうな顔をしていた彼も徐々に険しい表情へと変えていった。
「…あぶねえやつだとは思ったけどそこまでとはな。とりあえず来ているかどうか他の奴らにも確認してみろ。俺が気付かなかっただけかも知れねえからな」
ルース達は頷くと周囲にいた他の教員たちに聞きに回った。さらにその場にいた生徒たちにもアイザックを見かけたかどうか尋ねてみた。だが誰に聞いても何の答えも得られなかった。
「一体あいつはどこにいったんだ?」
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『どうか…私を殺して…』
目の前にいる少女の呟きが耳に届く。涙を流しながら、殺して欲しいと乞うその姿がナギと重なる。
【また…またなのか…なんで、なんで俺だけが…】
思わず唇を血が溢れるほど強く噛みしめる。こんな状況ばかりだ。自分には相手を救う術がない。ナギの時も、マリアの時も、そして…
まるで自分が舞台の登場人物として弄ばれているのではないかと疑ってしまいたくなる。ラグナの言ったことを信じるならば、確かにこれは偶然のはずだ。だがなぜ自分ばかりがと思ってしまう。人を殺す訓練すらエデンで積んできた。もうこの手は血に塗れている。だが割切れる事と、慣れることは別問題だ。しかも今度は自分の友人の大切な存在だ。簡単に許容できることではない。
何処までいっても覚悟を容易く決められない不甲斐ない自分に嫌気がさす。どんなに鍛えても目の前にいる人を救うことのできない自分を憎く思う。どれだけ後悔すると分かっていても相手を救うには殺すことしかできない自分が惨めに思える。そして、いくら悩んでも結局目の前の少女を殺すという選択肢しか持たない自分の偽善者ぶりを忌々しく思う。
泣きそうな顔を浮かべかけ、それをなんとか引っ込めたジンの顔からは表情が抜け落ちた。覚悟は決まった。相手が再生し始める前に殺す。
「…分かりました。死んでください」
『…あり…がと』
弱々しく笑みを浮かべる少女に胸が締め付けられ、思わず胸を強く握る。
「何か…何かエルマーに伝えて欲しいことはありますか?」
逡巡の末ジンはサラに尋ねる。彼女のために、エルマーのために彼ができる唯一のことだった。
『君は…優し…いね。あの…子に、愛してる…て』
「…分かりました。伝えておきます」
その言葉を深く胸に刻み込むように目を閉じて反芻する。やがてゆっくり目を開くと持っていた短剣を振り上げた。自嘲した笑みを浮かべながら狙いを定める。破壊する場所は額と胸に浮かび上がっている2つの魔核だ。
『ふふ…ごめんね…エル…マー』
気がつけば蜘蛛の足が再生し始めていた。それを横目に、振り上げた剣をジンは下ろした。
「…ごめんなさい」
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「も、もうすぐです!」
息も絶え絶えに必死になって先頭を走るエルマーに促されて進むアルトたちの目の前は徐々に開けていった。そしてついに戦場へと到着する。逆光に奪われた視界が戻ると、アルトは瞬時に状況を把握した。激戦が繰り広げられたであろう戦場には少年が一人、化物の上に立っている。遠くには少女が一人横たわり生きているかどうかはわからない。あたり一面は嵐に襲われ、炎に包まれたようだ。
化物からは少女が剥き出しになっており、道すがらガバルから聞いたように、恐らくあれが合成獣の素体になった少女だろう。少年はその少女と何か言葉を交わしている。つまり彼女は意識を取り戻したのだろう。だがもはや手遅れであることは一目瞭然だった。突然、エルマーが半狂乱になって、少年に向かって走り出す。アルトはその手を掴もうとしてガバルに肩を掴まれた。彼の様子を見て彼女は伸ばした手を下ろした。
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エルマーが空き地になったそこにたどり着くと、今にも短剣を振り下ろそうとするジンとその下で、むき出しになった合成獣の内臓と結合し、化物の一部になった姉の姿があった。だが彼の目には口元に笑みを浮かべた少年が『姉』を殺そうとしているようにしか見えなかった。
「待って、待って!やだ、やめろ!やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
エルマーは必死になって駆け寄りながら叫ぶ。ここに来るまでに体力は使い切っていたはずだ。だが彼は肉体があげる悲鳴を無視して走る。何度も躓きながら、倒れそうになりながら、必死になってジンに呼びかけた。
しかしジンはそんな彼を一瞥もしない。ただただ無情に、口元を笑っているかのように歪めたまま短剣を振り上げて、下ろした。一度、二度、サラの命が完全に潰えるまで剣を突き刺し続ける。核となっている頭に、心臓部に短剣を突き立てる。パリンッ、パリンッと2回音がなり、再生を始めていた化け物は完全に停止した。
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よろよろと立ち上がるとジンは下で呆然としているエルマーを見つける。少年は力なくその場にへたり込み、顔から涙を流し続けていた。その顔を見て胸が締め付けられる。ジンはエルマーから逃げるように目をそらし、手元を見つめる。その手に持つ短剣は血で真っ赤に染まり、彼の目元には返り血が跳ね、それが滴り落ちて、まるで血の涙を流しているかのようだった。それを無造作に拭った彼は地面に飛び降りる。
身体中からくる痛みでバランスが取れずによろめくがなんとか踏みとどまって、意を決してエルマーにゆっくりと近寄った。何を彼に言えばいいのか、どんな表情で接すればいいのかわからない。だから一言だけ…
「……悪いな」
ジンは無表情でそう呟く。呆然としていたエルマーがゆっくりと顔を上げた。何も映していない虚ろな目に怒りの火が灯った。
「許さない…許さない!この人殺しが…殺してやる、絶対に殺してやる!」
エルマーよろよろと立ち上がってジンに掴み、殴りかかる。疲れ切った弱々しい拳だ。今のジンでも容易く振り払うことはができる。だがそうはしなかった。エルマーの憎しみをその身に受けることしか、ジンが彼に対してできることはなかったからだ。
ポロポロと涙を流しながら何度も何度も殴ってくるその拳からは徐々に力が抜けていく。
「…どうして君が…どうしてぇ」
ジンはその問いに答えることはできない。ただゆっくりと空を見上げた。ポツポツと彼の心情を代弁するかのように雨が降り始めた。
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疲労のためかエルマーはやがて倒れるように気を失った。それをジンは支える。
「今回は済まないことをさせてしまったな」
そんな彼の元にアルトが歩み寄って来る。今まで状況を静観していたらしい。ガバルはいつのまにかシオンの元まで行き、様子を確認しているようだった。
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「彼は私が支えよう。今は休め」
優しげに、そして少し悲しげに笑うとジンの代わりにエルマーを支える。ジンはその言葉に頷いて、どさりとその場に腰を落とした。
それからガバルが合成獣の様子を確認し始める。傷口の様子、少女の様子、砕け散った魔核などなど様々なことを調べているようだった。しばらくしてアルトの元まで戻って来ると何かを耳打ちする。その声は小さすぎてジンの耳には届かなかった。ジンは二人の話す姿を見ながら、意識を手放した。
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ルースたちの救援要請で集められた教員が現場を検証した結果、合成獣によって死亡した生徒は23名に及び、うち15名は喰い散らかされていたため、誰かすら判別することができなかった。また8名が行方不明となり未だに発見するには至らなかった。
暴れた合成獣は、その特殊な成り立ちから、世間の混乱を防ぐために機密事項とされ、民衆には凶悪な魔物の暴走により引き起こされた悲劇として発表された。この事実は学校側と国に秘匿され、関係者以外知る者はいなくなった。
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