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第4章:学園編
対決
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「—————————————————!!!」
ついに目の前の檻が崩壊した。中から鎌のように鋭い蜘蛛の黒い爪が伸びてくる。
「ふっ」
それをシオンは難なく躱し、反対に『風刃』を飛ばす。それは蜘蛛の足の表面にわずかな傷をつけるだけだった。
【相手は大きい分小回りがきかないはず、それなら!】
シオンはフットワークで相手を翻弄し背後を取る作戦に出る。
「取った、『烈風爪』!」
背後に回り込んだ彼女は練り上げた力で巨大な風の爪を放つ。しかし化け物はそれを横にわずかに動いて躱す。完全に彼女の動きを見切っていた。
「なんで!?」
反撃とばかりに腹部の出糸菅から粘性のある糸を音を立てて飛ばしてくる。それを後方に飛び下がりながら『炎球』を放って燃やし尽くす。炎は勢いを伴って蜘蛛の腹部を焼く。
「はあ…はあ…、そうか…眼か」
先ほどは閉じていた眼が一斉に見開かれ、シオンを観察している。
「まったく嫌になるね」
汗をぬぐいながら、シオンは状況を冷静に整理する。前方からは鎌が、後方からは糸が、その上彼女の動きは全て観察されてしまう。
「それじゃあ!」
シオンはギリギリまで蜘蛛に近寄り、跳躍して上からの攻撃を仕掛ける。咄嗟の動きに蜘蛛の反応が遅れる。ジン曰く素体が人間であるため、脳の処理能力が視覚の多さについてこられていないのかもしれない。
しかしシオンが抜きはなった剣は突如背中から生えた手に掴み取られる。
「きゃっ」
そのまま剣を奪われ、隙ができた瞬間にもう一本生えてきた腕に殴り飛ばされ、木に叩きつけられた。
「かはっ!」
痛みに顔が歪むがその視線は決して蜘蛛からは離さない。今や化け物の身体中の眼は見開かれ、その隙間を縫うように無数の人の腕と蜘蛛の足のような鎌が生えていた。
「こ…れが合成獣か」
徐々に凶悪さを増して行くその姿に、シオンは恐怖で震える体を奮い立たせる。可能な限り時間を稼がなければならない。たとえ自分が死ぬとしても。
「———————————————————!!!」
またあのノコギリをすり合わせたような不快な咆哮を目の前の蜘蛛があげる。
「…普通蜘蛛って声帯ないはずなのに一体どこから声出しているんだろう」
軽めの現実逃避をしつつ、すぐに頭を切り替える。蜘蛛が爪と手を器用に使って接近してきた。それをシオンは闘気で強化した足で木を駆け上って躱す。蜘蛛はそのまま木に直撃するかと思われたが爪から分裂するように突如生えた鎌が前方にある木を切り倒す。
「わっ」
その勢いで木は倒れ、登っていたシオンもバランスを崩し地面に落下しそうになるが、その直前で別の木へと飛び移る。だがそれも蜘蛛は把握していた。複数ある目から熱線が放たれたのだ。
「すっ『水龍』!」
猛烈な勢いで迫るそれを回避する術はない。咄嗟に彼女は水でできた龍を放つ。熱線がそれとぶつかり、水蒸気が周囲に広がる。そのせいで両者は完全に相手を見失った。その直後先ほどの、糸が飛ばされる音が何度も聞こえてくるが、それらを音がなるのとは違う方向に動くことで躱し、今のうちに距離をとって態勢を立て直すことにする。だが後方に下がるといつのまにか背後の木々の間に張られていた粘性の糸が彼女の衣服を絡め取った。
シオンは知らないことであったが、その合成獣の素体の1つであるマグヌスアラネアという大蜘蛛は3種類の糸を吐き出す。1つは音が出て、なおかつ鋼鉄の糸。1つは音を出しながら放つ粘性の糸。そして最後は無音のまま発射される粘性の糸。音はカモフラージュであり、獲物は気がつかないうちに罠に嵌っている。大蜘蛛はシオンを具に観察し、その糸を戦闘中に彼女の視線が蜘蛛から切れるたびに周囲の木に飛ばしていたのだ。
「いつのまにっ」
ブンッという風を切る音とともに水蒸気が吹き飛ばされて、視界が晴れ渡る。目の前にいる蜘蛛は凶悪な顎をカチカチと鳴らし、毒の唾液を地面に垂らしながらシオンに走り寄ってくる。
「くそっ、『竜巻』!」
焼き切っても逃げる時間がないと判断したシオンは、彼女が扱える風法術の中でも広範囲のものを、自分を中心に発動する。そうすることで糸から逃れるための時間を作り、かつ蜘蛛を吹き飛ばして離れるためである。それは周囲の木々ごと蜘蛛を巻き込んで空へと飛ばし、彼女の望み通りとなった。だがそれは同時に諸刃の剣でもあった。シオンに絡みついた糸は想像以上の粘着力を持ち、彼女は折れた木とともに中空に吹き飛ばされたのだ。
「『炎鎧』!」
シオンは急いで空中で炎の鎧を纏い、身体を包む糸を焼き尽くす。そのまま器用に風法術を用いて安全に着地するとその直後に蜘蛛が空から落ちてきた。ズンッという音とともにバランスを崩して倒れこむがすぐさま起き上がると、その眼が一斉にシオンの方へと向かれた。大したダメージは与えられていないようだった。
「…勘弁してよ」
思わず彼女は独り言ちる。幸運なことに今の技で半径100メートル近くに生えていた全ての木が吹き飛ばされた。おかげで視界が広がり、立体的な動きは不可能になったが糸による攻撃を警戒する必要性は低くなった。だがそれは相手にとっても有利に働いていた。先ほどまでとは段違いの移動速度で接近してきた。それまでは木々が蜘蛛の行動を制限していたがそれから解放されためだ。
「くっ」
シオンはその突進を躱す。さらに躱し様に伸びてきた腕を纏っていた炎を手のひらに集め、放って燃やす。なんとか距離を離すも着地した瞬間に熱線が飛んできた。それをしゃがんで回避すると今度は鋼鉄の糸が音を立てながら接近してくる。瞬時に地面を隆起させてそれにぶつける。勢いは止まらず、岩の壁にえぐりこむがギリギリのところで完全に停止した。
それにホッとする前に蜘蛛が口から毒液をシオンに向かって吐き出してきた。毒の塊は隆起した岩にぶつかり、飛び散ってその一部が彼女の右腕に付着した。猛烈な痛みが体に響き渡る。
「あ、がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
炎の鎧を失い、無防備になっていた彼女をその服ごと溶かしながら毒がじわじわとその体に侵食していく。患部は黒ずみ、その部分から徐々に麻痺し始めた。
「『岩檻』!」
涙を両眼に浮かべながら、蜘蛛を覆うと急いで左手と口で衣服を破り、それで器用に患部の上をきつく縛る。そうこうしているうちに蜘蛛が檻を突き破ってシオンに向かってカチカチと顎を鳴らした。
痛みに耐えながら彼女は、自身の放てる最強の術に全てを賭ける。それは風と炎の龍。嵐のような風で炎が強化され、周囲を燃やし尽くす。森の中で扱うには延焼のために危険すぎる術ではあるが目の前の化け物を倒すにはこれしかない。
「『嵐炎龍』!」
その龍は周囲に倒れていた木々も巻き込み、さらなる威力を得て蜘蛛に巻きつく。
「———————————————————————!!!」
蜘蛛の悲鳴が周囲に響き渡り、地面を転げ回る。シオンはそれを見ながらどさりと尻餅をついた。もう動けるほどの気力は残っていない。いつのまにか自分を包んでいたはずの闘気も消え失せていた。
「行かなきゃ…」
痛みと毒で朦朧としながらなんとか立ち上がりよろよろと歩き出そうとした彼女を、蜘蛛の右前腕が殴り飛ばした。無抵抗の体はそのまま吹き飛ばされ、地面を何度も何度もバウンドして止まった。
「…み、んな…にげ…られたか…な…」
意識を失う直前、彼女が最後に見たのはその薬指に巻かれた濃赤色の花の意匠を凝らした、ヘアゴムのようなものだった。
~~~~~~~~~~~~
体を燃やす炎をなんとか消火した蜘蛛は、身体中から煙を立ち上げながらシオンにゆっくりと近いていく。無数の眼が彼女を見下ろし、顎をカチカチと鳴らしてから爪を持ち上げて、彼女に向かって振り下ろす。
その鎌が少女に突き刺さろうとした瞬間、倒れた彼女を影がさらった。蜘蛛はその影にジロリと眼を向ける。そこには少女を抱える一人の少年が立っていた。鎌が当たっていたのか背中から大量の血を流している。だがその少年はなんの痛痒もないように彼女を抱えたままゆっくりと振り返る。その眼には深い怒りが込められていた。
「ぶっ殺す…」
怨嗟の篭った言葉を蜘蛛に向かって放つ少年を、カチカチと顎で音を鳴らしながら蜘蛛はその無機質の多眼で眺めていた。
ついに目の前の檻が崩壊した。中から鎌のように鋭い蜘蛛の黒い爪が伸びてくる。
「ふっ」
それをシオンは難なく躱し、反対に『風刃』を飛ばす。それは蜘蛛の足の表面にわずかな傷をつけるだけだった。
【相手は大きい分小回りがきかないはず、それなら!】
シオンはフットワークで相手を翻弄し背後を取る作戦に出る。
「取った、『烈風爪』!」
背後に回り込んだ彼女は練り上げた力で巨大な風の爪を放つ。しかし化け物はそれを横にわずかに動いて躱す。完全に彼女の動きを見切っていた。
「なんで!?」
反撃とばかりに腹部の出糸菅から粘性のある糸を音を立てて飛ばしてくる。それを後方に飛び下がりながら『炎球』を放って燃やし尽くす。炎は勢いを伴って蜘蛛の腹部を焼く。
「はあ…はあ…、そうか…眼か」
先ほどは閉じていた眼が一斉に見開かれ、シオンを観察している。
「まったく嫌になるね」
汗をぬぐいながら、シオンは状況を冷静に整理する。前方からは鎌が、後方からは糸が、その上彼女の動きは全て観察されてしまう。
「それじゃあ!」
シオンはギリギリまで蜘蛛に近寄り、跳躍して上からの攻撃を仕掛ける。咄嗟の動きに蜘蛛の反応が遅れる。ジン曰く素体が人間であるため、脳の処理能力が視覚の多さについてこられていないのかもしれない。
しかしシオンが抜きはなった剣は突如背中から生えた手に掴み取られる。
「きゃっ」
そのまま剣を奪われ、隙ができた瞬間にもう一本生えてきた腕に殴り飛ばされ、木に叩きつけられた。
「かはっ!」
痛みに顔が歪むがその視線は決して蜘蛛からは離さない。今や化け物の身体中の眼は見開かれ、その隙間を縫うように無数の人の腕と蜘蛛の足のような鎌が生えていた。
「こ…れが合成獣か」
徐々に凶悪さを増して行くその姿に、シオンは恐怖で震える体を奮い立たせる。可能な限り時間を稼がなければならない。たとえ自分が死ぬとしても。
「———————————————————!!!」
またあのノコギリをすり合わせたような不快な咆哮を目の前の蜘蛛があげる。
「…普通蜘蛛って声帯ないはずなのに一体どこから声出しているんだろう」
軽めの現実逃避をしつつ、すぐに頭を切り替える。蜘蛛が爪と手を器用に使って接近してきた。それをシオンは闘気で強化した足で木を駆け上って躱す。蜘蛛はそのまま木に直撃するかと思われたが爪から分裂するように突如生えた鎌が前方にある木を切り倒す。
「わっ」
その勢いで木は倒れ、登っていたシオンもバランスを崩し地面に落下しそうになるが、その直前で別の木へと飛び移る。だがそれも蜘蛛は把握していた。複数ある目から熱線が放たれたのだ。
「すっ『水龍』!」
猛烈な勢いで迫るそれを回避する術はない。咄嗟に彼女は水でできた龍を放つ。熱線がそれとぶつかり、水蒸気が周囲に広がる。そのせいで両者は完全に相手を見失った。その直後先ほどの、糸が飛ばされる音が何度も聞こえてくるが、それらを音がなるのとは違う方向に動くことで躱し、今のうちに距離をとって態勢を立て直すことにする。だが後方に下がるといつのまにか背後の木々の間に張られていた粘性の糸が彼女の衣服を絡め取った。
シオンは知らないことであったが、その合成獣の素体の1つであるマグヌスアラネアという大蜘蛛は3種類の糸を吐き出す。1つは音が出て、なおかつ鋼鉄の糸。1つは音を出しながら放つ粘性の糸。そして最後は無音のまま発射される粘性の糸。音はカモフラージュであり、獲物は気がつかないうちに罠に嵌っている。大蜘蛛はシオンを具に観察し、その糸を戦闘中に彼女の視線が蜘蛛から切れるたびに周囲の木に飛ばしていたのだ。
「いつのまにっ」
ブンッという風を切る音とともに水蒸気が吹き飛ばされて、視界が晴れ渡る。目の前にいる蜘蛛は凶悪な顎をカチカチと鳴らし、毒の唾液を地面に垂らしながらシオンに走り寄ってくる。
「くそっ、『竜巻』!」
焼き切っても逃げる時間がないと判断したシオンは、彼女が扱える風法術の中でも広範囲のものを、自分を中心に発動する。そうすることで糸から逃れるための時間を作り、かつ蜘蛛を吹き飛ばして離れるためである。それは周囲の木々ごと蜘蛛を巻き込んで空へと飛ばし、彼女の望み通りとなった。だがそれは同時に諸刃の剣でもあった。シオンに絡みついた糸は想像以上の粘着力を持ち、彼女は折れた木とともに中空に吹き飛ばされたのだ。
「『炎鎧』!」
シオンは急いで空中で炎の鎧を纏い、身体を包む糸を焼き尽くす。そのまま器用に風法術を用いて安全に着地するとその直後に蜘蛛が空から落ちてきた。ズンッという音とともにバランスを崩して倒れこむがすぐさま起き上がると、その眼が一斉にシオンの方へと向かれた。大したダメージは与えられていないようだった。
「…勘弁してよ」
思わず彼女は独り言ちる。幸運なことに今の技で半径100メートル近くに生えていた全ての木が吹き飛ばされた。おかげで視界が広がり、立体的な動きは不可能になったが糸による攻撃を警戒する必要性は低くなった。だがそれは相手にとっても有利に働いていた。先ほどまでとは段違いの移動速度で接近してきた。それまでは木々が蜘蛛の行動を制限していたがそれから解放されためだ。
「くっ」
シオンはその突進を躱す。さらに躱し様に伸びてきた腕を纏っていた炎を手のひらに集め、放って燃やす。なんとか距離を離すも着地した瞬間に熱線が飛んできた。それをしゃがんで回避すると今度は鋼鉄の糸が音を立てながら接近してくる。瞬時に地面を隆起させてそれにぶつける。勢いは止まらず、岩の壁にえぐりこむがギリギリのところで完全に停止した。
それにホッとする前に蜘蛛が口から毒液をシオンに向かって吐き出してきた。毒の塊は隆起した岩にぶつかり、飛び散ってその一部が彼女の右腕に付着した。猛烈な痛みが体に響き渡る。
「あ、がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
炎の鎧を失い、無防備になっていた彼女をその服ごと溶かしながら毒がじわじわとその体に侵食していく。患部は黒ずみ、その部分から徐々に麻痺し始めた。
「『岩檻』!」
涙を両眼に浮かべながら、蜘蛛を覆うと急いで左手と口で衣服を破り、それで器用に患部の上をきつく縛る。そうこうしているうちに蜘蛛が檻を突き破ってシオンに向かってカチカチと顎を鳴らした。
痛みに耐えながら彼女は、自身の放てる最強の術に全てを賭ける。それは風と炎の龍。嵐のような風で炎が強化され、周囲を燃やし尽くす。森の中で扱うには延焼のために危険すぎる術ではあるが目の前の化け物を倒すにはこれしかない。
「『嵐炎龍』!」
その龍は周囲に倒れていた木々も巻き込み、さらなる威力を得て蜘蛛に巻きつく。
「———————————————————————!!!」
蜘蛛の悲鳴が周囲に響き渡り、地面を転げ回る。シオンはそれを見ながらどさりと尻餅をついた。もう動けるほどの気力は残っていない。いつのまにか自分を包んでいたはずの闘気も消え失せていた。
「行かなきゃ…」
痛みと毒で朦朧としながらなんとか立ち上がりよろよろと歩き出そうとした彼女を、蜘蛛の右前腕が殴り飛ばした。無抵抗の体はそのまま吹き飛ばされ、地面を何度も何度もバウンドして止まった。
「…み、んな…にげ…られたか…な…」
意識を失う直前、彼女が最後に見たのはその薬指に巻かれた濃赤色の花の意匠を凝らした、ヘアゴムのようなものだった。
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体を燃やす炎をなんとか消火した蜘蛛は、身体中から煙を立ち上げながらシオンにゆっくりと近いていく。無数の眼が彼女を見下ろし、顎をカチカチと鳴らしてから爪を持ち上げて、彼女に向かって振り下ろす。
その鎌が少女に突き刺さろうとした瞬間、倒れた彼女を影がさらった。蜘蛛はその影にジロリと眼を向ける。そこには少女を抱える一人の少年が立っていた。鎌が当たっていたのか背中から大量の血を流している。だがその少年はなんの痛痒もないように彼女を抱えたままゆっくりと振り返る。その眼には深い怒りが込められていた。
「ぶっ殺す…」
怨嗟の篭った言葉を蜘蛛に向かって放つ少年を、カチカチと顎で音を鳴らしながら蜘蛛はその無機質の多眼で眺めていた。
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