51 / 273
第3章:魔人襲来
降臨
しおりを挟む
ミリエルは自分の目を疑っていた。最後に会ってからジンがどれほど成長したのかというのは気になっていた。だが彼の成長は想像以上だった。考えてみれば当然のことかもしれない。なぜならウィルとマリアという二人の使徒にまだ幼い頃から戦いの英才教育を施されているのだから。
確かに神術を扱えばまだ圧倒的に彼女が有利だろう。だが体術、こと闘気の扱いに関しては、ジンの方が数段上である。何せハリマが認めたほどの体術の使い手であるウィルに肉薄する勢いだったからだ。まだチグハグなところもあるが、その動きには目を見張るものがあった。
右拳に力を込めて高速の突きを放つ。当然ウィルはそれを容易く躱す。だがジンもそれを読んでいる。すぐさま右手を引き戻しつつ伸びてきたウィルの右手を左腕で弾く。ここで掴まれるとすぐに投げ飛ばされてしまう。そうされないように注意しつつ足に力を込めて後ろに飛び、距離を取ろうとした。
だがウィルはそれを読んでいた。その『逃げ』を見てすぐさまタックル攻撃に切り替える。ジンは後ろに飛んでいる状態のために逃げ場がない。そのまま胴体にしがみ付かれ押し倒される。マウントポジションを取られたが、すぐさまそこから脱出を試みる。
以前ウィルから教わった動きを真似て、彼の拘束から何とか抜け出すことに成功した。だが一気に体力を奪われた感じがするのは否めない。再び距離をとってウィルの出方を待つ。
「何だ、こねえのか。そんじゃあ行くぞ!」
そう言った瞬間にすでにウィルはジンの目の前にいた。殴られそうになるのを慌てて右に避けつつ、その流れでウィルの顔に蹴りを放つ。それをウィルは容易く掴むと、ジンを木の枝のように軽々と片手で持ち上げて振り回す。
「わっ、ちょっと、それ、やめて吐くから吐いちゃうからー」
その言葉を聞いてウィルは笑いながらジンを投げ飛ばす。
空中で体を回転させて何とか着地しようとするも、ぐるぐると目が回ったせいで彼は足がもつれて倒れこんだ。
「情けねえなぁ。それにまたいつもの癖が出てたぜ?いつまでたっても治んねえなその癖」
「うえっ、な、なんか慌てるとつい右に行っちゃうんだよね。うっぷ…そ、それよりもう今のやつはやらないって前に言ってたじゃん!」
口から出そうになる物を飲み込みながらジンが睨む。
「がはは、そんなこと言ったか?まあこれも修行だ修行!」
「む~」
ジンが不満気な顔をするのをニヤニヤ笑いながら言うウィルに別の意味でもムカムカしてくる。そんな彼らを眺めていたミリエルのところにマリアが歩み寄ってきた。どうやらひとしきり家事が終わったらしい。
「どうだい、ジンの様子は?」
「…なんて言うか…凄まじいわね。まだ10歳ほどなんでしょ?それなのにあの力は、末恐ろしいわ。体術ならもう完全に私より上でしょうね」
「そうでしょそうでしょ、あの子には体術ならもうあたしも勝てないからね!それにあの子はなんて言っても…」
自慢気に語り続けるマリアを尻目に、組手を再開した彼らを眺めながら、唐突に空を見上げた。雨の降りそうな気配がしてきたからだ。そして彼女は『それ』を見つけた。
「う…嘘でしょ」
「ん?ミリエルどうしたんだい?」
ワナワナと震える指先でミリエルは『それ』を指差した。
ウィルの前蹴りを両腕を交差して防ぐ。弾き飛ばされそうになるのを踏ん張って堪える。蹴りを放ってできたわずかな隙をついて懐に潜り込み殴りかかろうとする。だが紙一重の差でウィルが後方に体を倒しそのままバク転の要領で後ろに倒れこみながら蹴りを放ってくる。
その予想外の動きにジンは慌てて回避しようとするも避けられず、顎下を蹴られそうになる。何とか片手を入れて防ぐことに成功したが、勢いを殺しきることができずに尻餅をついた。そして上を向いて『それ』に気がついた。
「何だ、あれ?」
「あん、何がだ?」
「ほらあれだよ」
そう言ってジンが『それ』を指差した。
今にも雨が降り始めそうな曇天の中で黒い影が漂う。『それ』はバサッバサッと羽音を立てながら眼下を伺っていた。目的の獲物を探して、『それ』は道程で死を撒き散らしながら、ようやくそこにたどり着いたのだ。その手に持った『おやつ』を一飲みするとゆっくりと降りてきた。
『それ』の視線の先には筋骨隆々の緑髮の男と黒髪の少年が組手をし、懐かしい匂いのする赤い髪の女と銀色の髪に褐色の肌の女がそれを眺めていた。その様を見て『それ』は鼻で笑う。なんの力も感じられないその少年は、『それ』が息を吹きかければ一瞬で燃え尽きてしまうだろう。そして、そんな少年と組手している男に強い不快感を感じる。その程度の相手に押されているとは、こんな男が、自分が探していた者なのか。あの時の力はどうしたのかと。
だが心の内から湧き出る興奮がそんな気持ちを隅に追いやる。何年も何年も何年も捜し求めてきた。大切な獲物をようやく見つけることができたのだ。この喜びを、この憎しみを、この怒りを、この気持ちを早く相手にぶつけたい、受けてめて欲しい、そして喰いたい。喰べたい。泣き叫ぶ様を見たい。真っ赤な血で喉を潤したい。筋肉質で筋張ってそうな肉に、柔らかそうな肉に齧り付きたい。あの女の前で男を喰い殺したい。あの男の前で女を喰い殺したい。二人の前でまた、あの子供を喰い散らかしてあげたい。そんな気持ちが『それ』の心を埋め尽くした。
ふと、忘れられていないだろうかと言う不安がよぎる。それはダメだ。それは許せない。自分にあんなことまでした男が、自分にあんなことまでされた女が、自分のことを忘れるべきではない。それならば、彼らの笑顔は一体全体どう言うことだろうか。もしかして彼らは自分のことを本当に忘れてしまっているのではないか。
それでも、もう覚悟を決めるしかない。それよりも、最初にかけるべき言葉は何だろうか。何を言うのが適切だろうか。そんなことを考えていると彼らの視線を感じた。
それに気づくと同時に『それ』は空中で体を変化させていった。せっかく彼らに会うのだ。それにふさわしい姿を取るべきだろう。久しぶりの再会に胸が躍る。自分の姿を見て彼らは何と言ってくれるだろうか。どんな顔を浮かべてくれるだろうか。そしてどんな哀れな姿を晒してくれるだろうか。そう考えながらようやく最初に何を言うかを決めた。
やがて12歳ほどの赤髪の黒い服を着た少年になった『それ』は、彼らの前にふわりと着地した。
「こんなところにいたんだ。やっと見つけたよ父さん、母さん」
柔和な笑みを浮かべて、赤くて黒い、悪魔がそう言った。
確かに神術を扱えばまだ圧倒的に彼女が有利だろう。だが体術、こと闘気の扱いに関しては、ジンの方が数段上である。何せハリマが認めたほどの体術の使い手であるウィルに肉薄する勢いだったからだ。まだチグハグなところもあるが、その動きには目を見張るものがあった。
右拳に力を込めて高速の突きを放つ。当然ウィルはそれを容易く躱す。だがジンもそれを読んでいる。すぐさま右手を引き戻しつつ伸びてきたウィルの右手を左腕で弾く。ここで掴まれるとすぐに投げ飛ばされてしまう。そうされないように注意しつつ足に力を込めて後ろに飛び、距離を取ろうとした。
だがウィルはそれを読んでいた。その『逃げ』を見てすぐさまタックル攻撃に切り替える。ジンは後ろに飛んでいる状態のために逃げ場がない。そのまま胴体にしがみ付かれ押し倒される。マウントポジションを取られたが、すぐさまそこから脱出を試みる。
以前ウィルから教わった動きを真似て、彼の拘束から何とか抜け出すことに成功した。だが一気に体力を奪われた感じがするのは否めない。再び距離をとってウィルの出方を待つ。
「何だ、こねえのか。そんじゃあ行くぞ!」
そう言った瞬間にすでにウィルはジンの目の前にいた。殴られそうになるのを慌てて右に避けつつ、その流れでウィルの顔に蹴りを放つ。それをウィルは容易く掴むと、ジンを木の枝のように軽々と片手で持ち上げて振り回す。
「わっ、ちょっと、それ、やめて吐くから吐いちゃうからー」
その言葉を聞いてウィルは笑いながらジンを投げ飛ばす。
空中で体を回転させて何とか着地しようとするも、ぐるぐると目が回ったせいで彼は足がもつれて倒れこんだ。
「情けねえなぁ。それにまたいつもの癖が出てたぜ?いつまでたっても治んねえなその癖」
「うえっ、な、なんか慌てるとつい右に行っちゃうんだよね。うっぷ…そ、それよりもう今のやつはやらないって前に言ってたじゃん!」
口から出そうになる物を飲み込みながらジンが睨む。
「がはは、そんなこと言ったか?まあこれも修行だ修行!」
「む~」
ジンが不満気な顔をするのをニヤニヤ笑いながら言うウィルに別の意味でもムカムカしてくる。そんな彼らを眺めていたミリエルのところにマリアが歩み寄ってきた。どうやらひとしきり家事が終わったらしい。
「どうだい、ジンの様子は?」
「…なんて言うか…凄まじいわね。まだ10歳ほどなんでしょ?それなのにあの力は、末恐ろしいわ。体術ならもう完全に私より上でしょうね」
「そうでしょそうでしょ、あの子には体術ならもうあたしも勝てないからね!それにあの子はなんて言っても…」
自慢気に語り続けるマリアを尻目に、組手を再開した彼らを眺めながら、唐突に空を見上げた。雨の降りそうな気配がしてきたからだ。そして彼女は『それ』を見つけた。
「う…嘘でしょ」
「ん?ミリエルどうしたんだい?」
ワナワナと震える指先でミリエルは『それ』を指差した。
ウィルの前蹴りを両腕を交差して防ぐ。弾き飛ばされそうになるのを踏ん張って堪える。蹴りを放ってできたわずかな隙をついて懐に潜り込み殴りかかろうとする。だが紙一重の差でウィルが後方に体を倒しそのままバク転の要領で後ろに倒れこみながら蹴りを放ってくる。
その予想外の動きにジンは慌てて回避しようとするも避けられず、顎下を蹴られそうになる。何とか片手を入れて防ぐことに成功したが、勢いを殺しきることができずに尻餅をついた。そして上を向いて『それ』に気がついた。
「何だ、あれ?」
「あん、何がだ?」
「ほらあれだよ」
そう言ってジンが『それ』を指差した。
今にも雨が降り始めそうな曇天の中で黒い影が漂う。『それ』はバサッバサッと羽音を立てながら眼下を伺っていた。目的の獲物を探して、『それ』は道程で死を撒き散らしながら、ようやくそこにたどり着いたのだ。その手に持った『おやつ』を一飲みするとゆっくりと降りてきた。
『それ』の視線の先には筋骨隆々の緑髮の男と黒髪の少年が組手をし、懐かしい匂いのする赤い髪の女と銀色の髪に褐色の肌の女がそれを眺めていた。その様を見て『それ』は鼻で笑う。なんの力も感じられないその少年は、『それ』が息を吹きかければ一瞬で燃え尽きてしまうだろう。そして、そんな少年と組手している男に強い不快感を感じる。その程度の相手に押されているとは、こんな男が、自分が探していた者なのか。あの時の力はどうしたのかと。
だが心の内から湧き出る興奮がそんな気持ちを隅に追いやる。何年も何年も何年も捜し求めてきた。大切な獲物をようやく見つけることができたのだ。この喜びを、この憎しみを、この怒りを、この気持ちを早く相手にぶつけたい、受けてめて欲しい、そして喰いたい。喰べたい。泣き叫ぶ様を見たい。真っ赤な血で喉を潤したい。筋肉質で筋張ってそうな肉に、柔らかそうな肉に齧り付きたい。あの女の前で男を喰い殺したい。あの男の前で女を喰い殺したい。二人の前でまた、あの子供を喰い散らかしてあげたい。そんな気持ちが『それ』の心を埋め尽くした。
ふと、忘れられていないだろうかと言う不安がよぎる。それはダメだ。それは許せない。自分にあんなことまでした男が、自分にあんなことまでされた女が、自分のことを忘れるべきではない。それならば、彼らの笑顔は一体全体どう言うことだろうか。もしかして彼らは自分のことを本当に忘れてしまっているのではないか。
それでも、もう覚悟を決めるしかない。それよりも、最初にかけるべき言葉は何だろうか。何を言うのが適切だろうか。そんなことを考えていると彼らの視線を感じた。
それに気づくと同時に『それ』は空中で体を変化させていった。せっかく彼らに会うのだ。それにふさわしい姿を取るべきだろう。久しぶりの再会に胸が躍る。自分の姿を見て彼らは何と言ってくれるだろうか。どんな顔を浮かべてくれるだろうか。そしてどんな哀れな姿を晒してくれるだろうか。そう考えながらようやく最初に何を言うかを決めた。
やがて12歳ほどの赤髪の黒い服を着た少年になった『それ』は、彼らの前にふわりと着地した。
「こんなところにいたんだ。やっと見つけたよ父さん、母さん」
柔和な笑みを浮かべて、赤くて黒い、悪魔がそう言った。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる