World End

nao

文字の大きさ
上 下
25 / 273
第2章:魔物との遭遇

再出発

しおりを挟む
 再び森の中を歩き始めたジンはピッピに聞くことがあるのを思い出した。

「そういえばティファ様も何度か言ってたけど、森の主っていったいどんなやつなんだ?」

「あー、そっか、お前この森のこと全然知らないんだったな。さて、森の主はどんなやつか、まあ一言で言うと普通のやつよりでかいフォレストコングだな」

 フォレストコングとはその名の通り森の中に住むコングである。強靭なに筋肉に覆われたその肉体は木をやすやすと引っこ抜き投げ飛ばしたり、殴っただけでへし折ったりと、とにかく力任せの魔物であった。一般的なものは全長4メートルほどで大きくはあるが、フォレストファングよりも鈍重であるため、逃げるのはたやすい魔物でもあった。しかしその気性は穏やかで、こちらから干渉しない限り、危険性は低かった。マリアから教わった知識を反芻する。

「どれだけでかいの?」

「そうだな、多分普通のフォレストコングのより1.5倍はあるんじゃねえかな。何食ったらあんなでかくなるんだか。それにただでかいだけじゃなくて、めちゃくちゃ凶暴なんだ。体がでかいせいか普段はほとんど寝てんだけど、たまに起きた時とか、縄張りに誰か入ってきた時は起きて、あたりがめっちゃくっちゃになるまで暴れることがある。今あいつが住んでるとこなんてこの森で唯一の更地だしな」

それを聞いてジンはゾッとする。つまりあのままピッピに合わなかったら、知らないうちに森の主の縄張りに入っていたかもしれないからだ。もしそうなっていたら簡単に死んでいたかもしれない。心の中でピッピに感謝する。口に出したらピッピがしたり顔になってウザそうだから決して言わないが。

「それに、こいつの厄介なところはでっかいくせに動きも早いんだよ。多分ファングぐらいのスピード出せるんじゃないかな。まあでかいからそんだけスピードあってもすぐ逃げられるからな」

その言葉にジンの気分はより下がった。

「何言ってんだよピッピ。そんな早いやつからどうやって逃げるんだよ。俺はっきり言って、身体強化してもせいぜいファングぐらいのスピードしか出せないぞ。しかも長距離なんて絶対に無理だし」

 ジンの年齢で、身体強化だけでファングと同じスピードを出すことができるというのは、驚くべきことだった。しかしこの森にいる主にはそれは通用しないことが分かり、ジンの心により一層暗い影が落ちた。

「あ!そうか、お前は羽ないんだったな。忘れてた。そうかそうか、じゃあ絶対にテリトリーに入らねえようにしないとな」

しかも相棒のピッピはこの能天気さだ。

『本当に嫌になる』

そんなことをジンは考えながら歩を進めていった。

 それから2週間ほど過ぎた。道中ではピッピの先導をもとに、進みやすい道、敵が少ない道を選んで進んでいき、寝床を適度に探しつつ日中は歩けるだけ歩き、日が落ちてからは、寝床で静かに英気を養った。ピッピを連れていくことで生まれたメリットは何と言っても食糧問題が解決したことであった。

 ピッピが、どれが食べられて、どれが食べられないかを逐一教えてくれたのである。そのおかげでジンはもう空腹で困らなかった。他にも簡単に水源を確保できたこともありがたかった。ピッピの指示に従えばとりあえずなんとか行くことを理解し、心の中でピッピに感謝した。口に出すのは気恥ずかしいし、言ったらドヤ顔をしてきてうざいからというのも理由であった。 

 そんなこんなでこの2週間を過ごしていった。もちろん何度かゴブリンやコボルド、フォレストファングにコングといった魔物に遭遇することがあった。しかしたいていの場合が3匹から4匹であった。おかげで庇護の指輪を使ったり、地形を利用して、相手を分断して倒したりと、頭とティファニアからもらったアイテムを巧みに使いながら先へ先へと進んでいったのだ。

 そんな感じでピッピに教えられた比較的安全な道を歩いていると、ゴブリンの一軍をその先に発見した。遠目から見ても10匹はいそうだ。さすがにこんな数を相手にすることは今のジンにも無理だろう。そう考えた彼は回れ右をして、別の道を行くことにした。

「なあピッピ、他の道に行きたいんだけど。海まで早くつけて、歩きやすい道ってないかな?」

ジンが贅沢な質問をすると、

「ん?あるよ?他にも三つ道があるんだけど、でも多分この道が一番安全だよ?」

「なんで?」

「ひとつはフォレストファングの群れがたむろってる所で、あそこにいるゴブリン達の少なくとも倍以上入るだろうな。もうひとつはキラービーの巣があってこの時期は産卵の時期だから、50メートル以内に近づいたら速攻で襲われるはず。」

 キラービーとは体長30センチほど、その尾の付け根にある極太の針を加えると70センチはある巨大な蜂である。一匹一匹が少し刺されただけで即死するような猛毒の針を持ち、ウィルとマリアから、場合によってはファングやゴブリン以上に気をつけなければいけないと注意されている魔物であった。

「…じゃあ最後の道は?」

「うん。森の主のフォレストコングの縄張りにかかってる。だからたまにそこに出没していることもある」

 どの道もジンにとって危険すぎる道であった。ファングの住処なら、駆け抜けようにも追いつかれるだろう。むしろ獲物を追いかけ続ける習性上、ジンの体力が先に尽きるかもしれない。そうなったら最後死ぬだけだ。

 ではもうひとつの道はどうか。繁殖期のキラービーは神術が使えたとしてもなかなかの脅威だとウィルとマリアは言っていた。ならばティファからもらった庇護の指輪で、結界を張ってみるか。それも難しいかもしれない。なんと言っても結界を張っていられるのは3分間だけだ。それが過ぎるまでに確実に抜けきれないだろう。

 最後の道は言うまでもない。化け物みたいな森の主に会敵したら確実に殺されるだろう。それならばやはりゴブリン達のいるこの獣道を行くほうがいい気がする。

「じゃあピッピ、近くなくていいから、遠回りでいいから安全な道ってないの?」

「んー、ジンが飛べるならあるんだけどなー。でも無理だろ?そうすっとやっぱりこの4本の道しかないと思うぞ」

「………わかった」

そうしてジンは覚悟を決めた。

「それじゃあこのまましばらく待って、ゴブリン達がいなくなりそうになかったら真っ直ぐ行くぞ」

 茂みに腹ばいになって隠れ、見張ることにした。しかしゴブリン達はいつまでも動こうとしなかった。それもそのはず、ジンが知る由もないが、彼らは先日、寝起きで暴走した森の主に住処を追い出されていたのだ。そのため彼らはこの獣道の近くに新たな住処を作ろうとしていたのである。だから彼らは何かが来た時に備えて周囲を警戒していたのだ。

 一向に動こうとしないゴブリン達にしびれを切らして、辺りが暗くなったことを確認して、いよいよジンは動き出すことにした。そっと草の根がなるべく立たないように立ち上がる。

「ピッピ、いくぞ」

「おうとも」

 匍匐前進でゆっくりと進む。獣道を迂回して、森の中を歩くために、少しガサガサとなることに肝を冷やしながら、進んでいった。ようやくゴブリン達の前を通過できそうなところで、想定外のことが起こった。暗い中で草むらを進んでいたために目の前にあった草に思いっきり顔を突っ込んだのだ。そしてそれが紙縒りのように鼻に入り、ジンは一つくしゃみをした。その音を聞いて10匹のゴブリンが一斉にこちらを向いた。

「なんであんなところでくしゃみなんかしたんだよ!?」

「仕方ねえだろ!鼻に草が入るとか不可抗力だ!」

「馬鹿じゃねえの?こんなとこで意味わかんない理由で死ぬ気かよ!?」

「ええ、ええ悪かったです。ごめんなさい。つーかお前もちゃんと先導しろよ!なんのためにお前を連れてきたと思ってんだ!?」

「知るかよバーカ、バーカ!おいらにどうしろって言うんだよ?逐一進む先に草むらありますよーって言わせるのか?」

「ああ!」

「甘えんな!」

 体の全身に闘気を充実させてスピードを上げる。彼の本気の走りはファングのスピードに匹敵するものがある。どんどんゴブリンを引き離していくことができた。そして彼は走りながら小さく『発動』と唱えて、庇護の指輪で自分の体の周りに結界を生成した。

 ジンにとって幸だったのはゴブリンの集団の横を通っている最中だったことだ。ゴブリンとの距離が近かったこともあり、全員が武器を構え終わらないタイミングで突っ切ることができた。そして遠ざかっている途中に槍や弓やらが飛んできたが、それは結界に弾かれ、ジンの体を傷つけることはなかった。

「はぁぁぁ、やばかった。死ぬかと思った。つーかティファ様に指輪もらってなかったら確実に死んでた」

「本当に勘弁してくれよ。お前がポカやったらおいらの命だって危ないだぜ?おいら嫌だよ。死因がくしゃみのせいだなんて。そんなんで死んだら死んでも死にきれないよ」

「俺だってやだよ!鼻に草が入って死にましたって、どんな顔して姉ちゃん達に会えばいいんだよ!」

しばしジンとピッピはにらみ合う。やがてピッピは深くため息をついて

「はぁぁぁ、お前もう絶対に匍匐前進禁止な?これ命令だからな」

「ああ。俺も、もう二度としたくない…」

 非常に疲れたような表情を見せる二人は一旦落ち着けそうな空間を見つけて、腰を下ろした。

「あ!寝床探してない!」

結局その日は、ジンは眠ることができなかった。ピッピと交代で不寝番をしようにも、ピッピが逃亡する可能性は否めなかったからだ。なにせ彼の行動で死にかけた前科があったのだから。

 さらに5日ほど経過した。彼らは今近くにあった小川で骨休めしていた。

「ここらから主の縄張り近くを通るぞ。細心の注意をしておけよ。縄張りに少しでも入ったら、速攻でばれて襲われるからな。それと周辺にフォレストコングがいたら逃げるか隠れるかするぞ」

「なんでだ?」

「この森にいるフォレシトコングのほとんどは、主の配下にいるんだけど、特に主の縄張りの近くにいるやつは、ほとんどが、主に縄張りに入ることを許された、いわば幹部みたいなもんなんだ。見つかったら最後チクられて終わりだ」

「わかった。じゃあ逃げきれなそうだったら?」

「死ぬしかない!でも安心しろ、供養はちゃんと俺がしてやる!」

サムズアップしながら、満面の笑みでそう言ってくるピッピに腹が立ち、ジンはその羽を引っ張ることにした。

 慎重に森の中を進んでいく二人は、コングを遠目に見かければ隠れ、他の魔獣を見かけたら、戦闘音を出さないために隠れ、と思うように進むことができず、すでに縄張りの近くに入ってから3日ほどの時間が経過していた。今は大岩がゴロゴロと転がった場所を慎重に歩いていた。大岩の中にはジンの慎重を優に超えるものが多くあり、とても見通しが悪く、より一層集中して進むことを余儀なくされていた。

「なああとどれぐらいで縄張りから抜けるんだ?」

「そうだなぁ、このペースだと何もなかったらあと3日くらいかな。途中でなにかに会いそうになったらもっと伸びるけど。」

「3日!?そんなに主の縄張りって広いのかよ」

「それもあるけど所々にファングとかゴブリンの縄張りとかあってそれを避けていかないといけないから大変なんだよ」

「はぁぁ、さっさとこのピリピリした空気から抜け出したい」

「そういうなよ。おいらだってこんなところからさっさと抜け出したいんだからさ」

「むぅ、あれ?そういえばなんでゴブリン達は主のすぐ近くに住処を作ってんだ?普通なら主が暴れたら困るから、主の縄張りから遠くに作るだろ?」

「あー、ゴブリンの中にもいろんなのがいてな。簡単に言うと主の縄張りの近くに住処を作ってる奴らは、取り巻きみたいなもんなんだよ。虎の威を借る狐ってやつだな。主に忠誠を誓う代わりに、他の部族争いに巻き込まれないようにしてもらうとか、ファングの餌にならないようにとか色々恩恵があるんだよ」

「なるほど」

 そんな風に話していて彼らはわずかな時間だが警戒を怠っていた。3日ほど警戒し続けて精神的に疲れが溜まっていたのだ。遠くの岩の陰から一匹のゴブリンが彼らを発見し、それを主に報告しに行ったのだった。

 その音は遠くからまるで雷鳴のように轟いた。それを聞いた瞬間ジンはサバイバルナイフを抜き放ち、精神を集中して闘気を体に充実させ、戦闘態勢をとる。そして周囲を警戒する。

「ピッピ、今のはなんだ?」

「わかんねえ。でもおいらなんだかすごく嫌な予感がする。今すぐここから離れたほうがいいと思う」

いつものお調子者の一面は形を潜め、ピッピは恐怖に歪んだ顔をして、顔を震わせている。

「賛成だな。どうする、どこに行く?」

その様子にジンも一層不安になってくる。

「ここからだと、確かこの岩場の先にゴブリンぐらいしか入れない洞穴があったはず…」

「中には何もいないのか?」

「うん。おいらが一ヶ月ぐらい前に見っけた時は何もいなかった」

「じゃあとりあえずそこに行ってみるか」

 そう言って急いで岩の群を抜け出して、主の縄張りなど関係なく駆け抜ける。

「あとどんぐらいなの?」

かけながらジンが聞くと

「このスピードならあと5分ぐらい!」

後ろから何か巨大なものバキバキっという音とともに動く音が聞こえてきた。

「わかった!急ごう!しっかり掴まってろ!」

 ジンはさらに加速する。木々の合間を抜けただ前に前にと進んでいたところでジンの頭上を黒い陰が通り過ぎた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...