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第2章:魔物との遭遇
ティターニアにて2
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ジンがこのティターニアに来て3日ほど経った。その間彼が何をしていたかというと。初日は死んだように眠り続けた。久々の布団は、人をダメにするような柔らかさで体を包んできたのだ。今まで精神的にも肉体的にも溜まっていた疲れを取るかのように、一日中、食事の時以外は寝こけていた。
次の日は1階の物色をした。商店には見たこともない品々が並んでいた。
例えばマンドラゴラ。顔のついた根っこのようなもので、土から抜くと泣き叫ぶ薬草らしい。興味本位で試しに引っ張って抜いてみようとして店主に慌てて止められた。どうやらその泣き声には殺傷能力があるらしい。
例えばドラゴンの鱗。眉唾もので一見ただの蛇の鱗のようにも見えるが、確かにその大きさは規格外で、ジンの胸あたりまであった。1メートル以上はありそうだ。
例えば神術武器。剣や槍、鎖や弓、大剣や細剣、杖や斧、籠手にハンマーなどの武具から、重装鎧、軽装鎧、ローブなどの防具もあった。中には4属性の術が込められており、戦闘に応じて戦略の幅を広げられるようにサブウェポンとして国に住む兵隊や、外界で魔物や魔獣を狩る冒険者などが買い集めるようだ。
またここでは手数料は少しかかるが、神術を再装填するサービスも行っており自分の属性とは違う武具を買っても、ここで力を注入できるらしい。もちろん自分でも込められるが、その場合は自分の持つ属性の術を注入することになるので、使用者はたいていの場合ここに来て、神術を再度封入するそうだ。
他にも気になる店にフラフラと寄っていった。ティファニアに街で欲しいものがあったら買えるようにと、いくらかお小遣いをもらったのでせっかくだから何かを買おうとジンは考えた。そしていい匂いがする店に立ち止まった。中では美味しそうな焼き菓子が陳列されており、早速買おうと考えた。
ティファニアからもらったお金は、かなりの金額だったようで、せっかくなので高いものも買うことにした。初めての買物に気が高揚し、いつの間にか一人では食べきれるかわからない量のお菓子や串焼き、まんじゅうなどを買っていた。仕方がないので後でみんなにあげようと考えた。そんなこんなで2日目を過ごした。
そして3日目、さすがにそろそろ出発しようと思い、ジンはティファニアの元を訪れた。どんなに過ごしやすくてもさすがにそろそろおいとましなければ3ヶ月以内に森を踏破できないだろう。そうすればウィルもマリアも不安に思うだろう。
「ティファ様、そろそろ出発しようと思います」
「分かりました。そうですよね。そろそろ出発しないとウィルたちも不安に思うでしょうから。それで十分に休めましたか?これからおそらく2ヶ月以上の困難な旅路になりますので」
「はい!バッチリ休めました。おかげで体も軽くって今ならゴブリンだって何匹でも倒せそうです!」
右腕の長袖をまくり、力こぶを作ってみせる。
「ふふ、それはよかった。それじゃあ出発する小さな使徒くんに、同じ使徒としてプレゼントをあげましょう。トルフィン、持ってきて」
「へい!」
そう言ってトルフィンは玉座の裏にあったらしい小さな箱とジンの腰ほどの高さまである木箱を持ってきた。
「このティターニアの武器庫にある2つの宝具をあなたに授けましょう。まずは庇護の指輪」
小さな箱をトルフィンが開けると中には、なんの装飾もない質素な造りの銀色の指輪が入っていた。
「その指輪は身に付けるものの術者の闘気を吸って、どんな攻撃にも耐えられる結界を張ってくれます。その発動時間はあなたが込める気によって変わるけど、最長で3分間、守ってくれます。あなたがそれに闘気を流し込み、『発動』といえば、それであなたの周りに結界が生成されます。」
ジンはそれを右手の人差し指に嵌めて、「凄え」と呟く。
「でもその指輪には3つだけ注意点があります。一つ目は効果範囲。どれほど気を込めようともその範囲はあなた一人が入れるほどしかありません。つまりその指輪ではあなた以外の人は守れません。二つ目はクールダウンの時間。一度発動すると効果が切れた後は1時間待たないと使うことができません。だからこそあなたはタイミングを見計らっていつ使うかを考えなければいけません。そして三つ目はその指輪が作る結界には、受けられる攻撃に許容量があるということです。そこらの魔物や魔獣の攻撃は何度やられても簡単に弾くことができます。しかしおそらくフィリアの使徒が全力で攻撃してきた場合は、その限りではないでしょう。下手したら一度しか耐えられないかもしれません。これらのことをしっかりと覚えておいてください。その指輪が使える場面を見極める訓練が必要ですよ?」
「はい、わかりました!」
「ふふ、それでもう一つですけど、こちらの封術武具を差し上げましょう。トルフィン?」
そう言われてトルフィンが箱を置けると中には精緻な文様が刻まれたナイフと黒い皮の鞘が入れられていた。
「こちらは回復の木神術が込められています。これを患部にあてて、こちらも『発動』と唱えると木神術が発動して傷を治してくれます。でもあんまりにも重い怪我をした場合は治せない場合もあるので気をつけてくださいね」
そう言ってナイフを渡してきた。昔オリジンで見た騎士の姿を真似て、ジンは片膝をついてこうべを垂れて、恭しくそれを受け取った。
「ありがとうございます、ティファ様」
そういうとティファニアは優しく微笑んだ。
「それではラグナの使徒ジンよ、そなたの進む先に幸あらんことを。いってらっしゃい。また訪ねに来てね?」
「はい!3日間本当にお世話になりました。トルフィンさんも!あとサリオンさんも!」
「おう、元気でな!しっかり修行を終えて強くなれよ!そん時は手合わせでもしようや。それと暇があったら変人のドワーフのじいさんの家があるから探してみな。いいやつだから多分泊めてくれるぜ。ただちょっち危ないところに住んでるけどな。場所はピッピが知ってるから行きたかったら聞いてみな。」
「はい!」
「道中には森の主がいる。ゆめゆめ警戒を怠るなよ。達者でな」
「はい!サリオンさんも頑張ってください!でも変態なのはほどほどに!」
「なっ!」
「?何を頑張るのですか、サリオン?」
「い、いえ、なんでもありません」
「そうですか?それならいいのですが」
「は、はい、それでいいのです」
そんな姿を見てトルフィンとジン、ピッピは笑いあった。
「それじゃあピッピも、いろいろと大変な目に遭わされもしたけど、怪我のこととかありがとう!」
「ん?おいらも付いて行くぞ?」
すっとぼけたように言うピッピにジンは驚く。
「え?なんで?」
「なんでって、おいらとお前の中じゃないか。遠慮なんかするなよ」
そんな男前なことをいうピッピに不信感を持つ。
「本当の理由は?」
「ローズちゃんが冒険する男がかっこいいと言ってたからだ」
「誰だよローズちゃんて!フィズちゃんはどうした?」
「今はフィズちゃんよりもローズちゃんだ。ローズちゃんは綺麗な羽に、綺麗な目、真っ赤なほっぺが可愛い…」
また女の子の話が始まったので、ジンはピッピを置いてさっさと去ることにした。
「それじゃあみなさん、お世話になりました!この恩はいつかきっとお返しします。それじゃあ失礼します!」
「いってらっしゃい!」
「元気でな!」
「道中気をつけなさい」
ジンは部屋から出ると門番のレギンとメネディルにも挨拶をして、下に降りていった。
「は!あれ、ジンはどこに行った?行きましたか?」
「もうそこの門を出て行きましたよ」
「マジかよ。それじゃあみなさん、おいらもジン一緒に行きますんでここで失礼します!」
「はいはい。ピッピ、ひとつだけ約束!どんなに怖いことがあっても絶対にジンを見捨てて逃げちゃダメよ。それができないならここにいなさい」
ティファニアが真剣な眼差しで行ってきた。その冗談は許さない視線に、
「わかりました、女王陛下。おいら、じゃね…えっと、私はここにどんな困難があっても、ジンを絶対に見捨てて逃げないことを誓います」
さすがのピッピも真面目に返答した。
「よろしい。それでは行ってらっしゃい。あとピッピ、最近森で何か起こっているみたいです。多分森の主が変わったみたい。だから縄張りにはくれぐれも近寄らないようにね。ジンくんにも伝えておいてね」
「はい!わっかりました!」
「どうか無事で帰ってきてね?そのローズちゃんのためにもね」
そう言っていたずらっ子のような表情を浮かべてウィンクをしたティファニアを見て悶絶しているサリオンを尻目に、
「行ってきます!」
と言ってピッピは部屋から飛び出た。
大通りを抜けてはじめに入ってきた、階段の前にジンがついたところでピッピが追いついてきた。ゼーゼーと肩で息をしながら、ピッピが肩に乗ってきた。
「まったく、なんで置いてくんだよな。マナーってもんがなってねえぞジン!」
「いや、話が長そうだったから」
「うぉい、お前もしかしてローズちゃんの説明ちゃんと聞いてなかったのか!?」
「うん、興味ないから」
「なんてこと言うんだお前。よしそこに直れ!ローズちゃんの魅力を一からしっかり教えてやる!」
そんなことを言いながらジンの肩に乗ったピッピが再びきゃんきゃん騒ぎ出した。それを適度な相槌を打ちつつ、聞き流しながら長い階段を上っていった。
次の日は1階の物色をした。商店には見たこともない品々が並んでいた。
例えばマンドラゴラ。顔のついた根っこのようなもので、土から抜くと泣き叫ぶ薬草らしい。興味本位で試しに引っ張って抜いてみようとして店主に慌てて止められた。どうやらその泣き声には殺傷能力があるらしい。
例えばドラゴンの鱗。眉唾もので一見ただの蛇の鱗のようにも見えるが、確かにその大きさは規格外で、ジンの胸あたりまであった。1メートル以上はありそうだ。
例えば神術武器。剣や槍、鎖や弓、大剣や細剣、杖や斧、籠手にハンマーなどの武具から、重装鎧、軽装鎧、ローブなどの防具もあった。中には4属性の術が込められており、戦闘に応じて戦略の幅を広げられるようにサブウェポンとして国に住む兵隊や、外界で魔物や魔獣を狩る冒険者などが買い集めるようだ。
またここでは手数料は少しかかるが、神術を再装填するサービスも行っており自分の属性とは違う武具を買っても、ここで力を注入できるらしい。もちろん自分でも込められるが、その場合は自分の持つ属性の術を注入することになるので、使用者はたいていの場合ここに来て、神術を再度封入するそうだ。
他にも気になる店にフラフラと寄っていった。ティファニアに街で欲しいものがあったら買えるようにと、いくらかお小遣いをもらったのでせっかくだから何かを買おうとジンは考えた。そしていい匂いがする店に立ち止まった。中では美味しそうな焼き菓子が陳列されており、早速買おうと考えた。
ティファニアからもらったお金は、かなりの金額だったようで、せっかくなので高いものも買うことにした。初めての買物に気が高揚し、いつの間にか一人では食べきれるかわからない量のお菓子や串焼き、まんじゅうなどを買っていた。仕方がないので後でみんなにあげようと考えた。そんなこんなで2日目を過ごした。
そして3日目、さすがにそろそろ出発しようと思い、ジンはティファニアの元を訪れた。どんなに過ごしやすくてもさすがにそろそろおいとましなければ3ヶ月以内に森を踏破できないだろう。そうすればウィルもマリアも不安に思うだろう。
「ティファ様、そろそろ出発しようと思います」
「分かりました。そうですよね。そろそろ出発しないとウィルたちも不安に思うでしょうから。それで十分に休めましたか?これからおそらく2ヶ月以上の困難な旅路になりますので」
「はい!バッチリ休めました。おかげで体も軽くって今ならゴブリンだって何匹でも倒せそうです!」
右腕の長袖をまくり、力こぶを作ってみせる。
「ふふ、それはよかった。それじゃあ出発する小さな使徒くんに、同じ使徒としてプレゼントをあげましょう。トルフィン、持ってきて」
「へい!」
そう言ってトルフィンは玉座の裏にあったらしい小さな箱とジンの腰ほどの高さまである木箱を持ってきた。
「このティターニアの武器庫にある2つの宝具をあなたに授けましょう。まずは庇護の指輪」
小さな箱をトルフィンが開けると中には、なんの装飾もない質素な造りの銀色の指輪が入っていた。
「その指輪は身に付けるものの術者の闘気を吸って、どんな攻撃にも耐えられる結界を張ってくれます。その発動時間はあなたが込める気によって変わるけど、最長で3分間、守ってくれます。あなたがそれに闘気を流し込み、『発動』といえば、それであなたの周りに結界が生成されます。」
ジンはそれを右手の人差し指に嵌めて、「凄え」と呟く。
「でもその指輪には3つだけ注意点があります。一つ目は効果範囲。どれほど気を込めようともその範囲はあなた一人が入れるほどしかありません。つまりその指輪ではあなた以外の人は守れません。二つ目はクールダウンの時間。一度発動すると効果が切れた後は1時間待たないと使うことができません。だからこそあなたはタイミングを見計らっていつ使うかを考えなければいけません。そして三つ目はその指輪が作る結界には、受けられる攻撃に許容量があるということです。そこらの魔物や魔獣の攻撃は何度やられても簡単に弾くことができます。しかしおそらくフィリアの使徒が全力で攻撃してきた場合は、その限りではないでしょう。下手したら一度しか耐えられないかもしれません。これらのことをしっかりと覚えておいてください。その指輪が使える場面を見極める訓練が必要ですよ?」
「はい、わかりました!」
「ふふ、それでもう一つですけど、こちらの封術武具を差し上げましょう。トルフィン?」
そう言われてトルフィンが箱を置けると中には精緻な文様が刻まれたナイフと黒い皮の鞘が入れられていた。
「こちらは回復の木神術が込められています。これを患部にあてて、こちらも『発動』と唱えると木神術が発動して傷を治してくれます。でもあんまりにも重い怪我をした場合は治せない場合もあるので気をつけてくださいね」
そう言ってナイフを渡してきた。昔オリジンで見た騎士の姿を真似て、ジンは片膝をついてこうべを垂れて、恭しくそれを受け取った。
「ありがとうございます、ティファ様」
そういうとティファニアは優しく微笑んだ。
「それではラグナの使徒ジンよ、そなたの進む先に幸あらんことを。いってらっしゃい。また訪ねに来てね?」
「はい!3日間本当にお世話になりました。トルフィンさんも!あとサリオンさんも!」
「おう、元気でな!しっかり修行を終えて強くなれよ!そん時は手合わせでもしようや。それと暇があったら変人のドワーフのじいさんの家があるから探してみな。いいやつだから多分泊めてくれるぜ。ただちょっち危ないところに住んでるけどな。場所はピッピが知ってるから行きたかったら聞いてみな。」
「はい!」
「道中には森の主がいる。ゆめゆめ警戒を怠るなよ。達者でな」
「はい!サリオンさんも頑張ってください!でも変態なのはほどほどに!」
「なっ!」
「?何を頑張るのですか、サリオン?」
「い、いえ、なんでもありません」
「そうですか?それならいいのですが」
「は、はい、それでいいのです」
そんな姿を見てトルフィンとジン、ピッピは笑いあった。
「それじゃあピッピも、いろいろと大変な目に遭わされもしたけど、怪我のこととかありがとう!」
「ん?おいらも付いて行くぞ?」
すっとぼけたように言うピッピにジンは驚く。
「え?なんで?」
「なんでって、おいらとお前の中じゃないか。遠慮なんかするなよ」
そんな男前なことをいうピッピに不信感を持つ。
「本当の理由は?」
「ローズちゃんが冒険する男がかっこいいと言ってたからだ」
「誰だよローズちゃんて!フィズちゃんはどうした?」
「今はフィズちゃんよりもローズちゃんだ。ローズちゃんは綺麗な羽に、綺麗な目、真っ赤なほっぺが可愛い…」
また女の子の話が始まったので、ジンはピッピを置いてさっさと去ることにした。
「それじゃあみなさん、お世話になりました!この恩はいつかきっとお返しします。それじゃあ失礼します!」
「いってらっしゃい!」
「元気でな!」
「道中気をつけなさい」
ジンは部屋から出ると門番のレギンとメネディルにも挨拶をして、下に降りていった。
「は!あれ、ジンはどこに行った?行きましたか?」
「もうそこの門を出て行きましたよ」
「マジかよ。それじゃあみなさん、おいらもジン一緒に行きますんでここで失礼します!」
「はいはい。ピッピ、ひとつだけ約束!どんなに怖いことがあっても絶対にジンを見捨てて逃げちゃダメよ。それができないならここにいなさい」
ティファニアが真剣な眼差しで行ってきた。その冗談は許さない視線に、
「わかりました、女王陛下。おいら、じゃね…えっと、私はここにどんな困難があっても、ジンを絶対に見捨てて逃げないことを誓います」
さすがのピッピも真面目に返答した。
「よろしい。それでは行ってらっしゃい。あとピッピ、最近森で何か起こっているみたいです。多分森の主が変わったみたい。だから縄張りにはくれぐれも近寄らないようにね。ジンくんにも伝えておいてね」
「はい!わっかりました!」
「どうか無事で帰ってきてね?そのローズちゃんのためにもね」
そう言っていたずらっ子のような表情を浮かべてウィンクをしたティファニアを見て悶絶しているサリオンを尻目に、
「行ってきます!」
と言ってピッピは部屋から飛び出た。
大通りを抜けてはじめに入ってきた、階段の前にジンがついたところでピッピが追いついてきた。ゼーゼーと肩で息をしながら、ピッピが肩に乗ってきた。
「まったく、なんで置いてくんだよな。マナーってもんがなってねえぞジン!」
「いや、話が長そうだったから」
「うぉい、お前もしかしてローズちゃんの説明ちゃんと聞いてなかったのか!?」
「うん、興味ないから」
「なんてこと言うんだお前。よしそこに直れ!ローズちゃんの魅力を一からしっかり教えてやる!」
そんなことを言いながらジンの肩に乗ったピッピが再びきゃんきゃん騒ぎ出した。それを適度な相槌を打ちつつ、聞き流しながら長い階段を上っていった。
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