6 / 273
第1章:物語の始まり
異変の始まり
しおりを挟む
夕食後眠くなってきたジンはさっさと床についた。そしてしばらくすると、ぐっすりと深い眠りについた。しかし数時間ほどして突然ガバリと勢い良く起き上がった。恐ろしい夢を見たのだ。隣で横になっていたナギはその音で目を覚ましたらしく、眠たげな声で、
「どうしたの?」
「すごく怖い夢を見たんだ」
ナギが手招きしてきたので彼女の毛布に入り込んだ。ナギの体に抱きつきながら、頭を撫でてもらう。怖い夢を見た時はいつもそうしてもらうのだ。そしてこれがザックたちからシスコンと呼ばれる原因の一つでもあった。しばらくすると、だんだんと気分が落ち着いてきたのでポツポツと自分が見た夢をナギに話し始めた。
「家に帰ってきたら、みんなが怪物に食べられてたんだ。俺はそれを見て逃げ出したんだけど、怪物はものすごく早くて、すぐに追いつかれた。それで俺も捕まっちゃうんだけど、そのまま食べられないで、みんなが食べられていた場所に引きずられて連れて行かれて、目玉のない4人の頭がこっちを見てるんだ。それで気が付いたら俺もその中にいて、下から怪物を見上げていると、ゆっくりと目玉を刺したフォークを顔に近づけてようとするんだ。それを嫌がったら今度はスプーンを近づけて目玉をくり抜こうと顔を近づけて来るんだ。それでようやく怪物の顔をしっかりと見たんだけど、それが姉ちゃんだった」
「そっか。怖い夢だったね。でもお姉ちゃんはジンたちが大好きだから食べたりしないよ。そんな怪物がきたらお姉ちゃんがやっつけちゃうから!それにジンたちが私を守って戦ってくれるんでしょ?きっとどんな奴が来ても大丈夫だよ。でも…そんな怖い話を聞いちゃったら、今日はあたしも寝られなくなりそうだから、ジン、一緒に寝てくれる?」
と聞いてきた。
「しかたないなー」
と答えながら、より一層、平らな姉の胸に頭を埋めた。それから他愛のない話をしているうちにだんだん不安が薄れていき、いつの間にか眠ってしまっていた。朝気がつくとナギがジンの頬っぺたをグニグニしたりして遊んでいた。気恥ずかしさを覚えるも彼は姉が楽しそうな様子を見て、寝たふりをすることに決めた。いつもみんなに平等に接して、しっかりしている姉がたまにこんな風に年相応にじゃれてくることが、特別視されていることを感じて彼にとってはとても嬉しかったからだ。
次の日ジンが目を覚ますと、既にナギはいなくなっていた。彼女が寝ていたそこには綺麗に畳まれた布が置かれていた。昨日見た夢の手前、少し不安になったジンは急いで一階に降りた。するとナギが診察室で治療しているのを発見した。それを見てホッとしたジンに気がついた。
「あ、ジン。やっと起きたの?もうお昼近いよ~。あんまり寝ていると牛さんになっちゃうんだからね」
「よう、ジン坊。悪いな、姉ちゃん借りちまって」
そう声をかけられて、治療してもらっている男の近くに、このスラムの元締めであるマティスがいることに気がついた。2mに届くのではないかという巨体と、筋骨隆々な体格、禿げた頭にダークブルーの瞳と、唇の上に生やした、同じくダークブルーの髭が印象的な男である。
彼はよく血塗れの男や女を連れてくるのである。その気っ風のいい性格から、スラムの多くの人々に慕われていた。噂ではどこぞの騎士であったという。確かによく見れば身体中に切り傷が刻まれている。そのためか、たまにジン達に稽古をつけてくれることもあった。また娼婦でありナギと同じく治癒師でもあったナギやジンの母親に惚れていたらしく、ジンたちにとりわけ目をかけてくれていた。この廃墟も彼が用意してくれた物である。
「しっかし、嬢ちゃんもアカリさんに似てきたなぁ。今いくつぐらいだっけか?」
「今年で16歳になります、おじさん」
「すると、ジン坊は7歳か?ガキが育つのは早いなぁ。歳はとりたくないぜ」
「ふふ…マティスおじさんはまだまだ若いですよ?」
「よせやい、そんなお世辞は。それにしても相変わらず嬢ちゃんの治癒の力はすげぇな」
法術を向けられている男に目を向けてそう呟く。
「まだまだお母さんには敵いませんけどね。そう言ってもらえると嬉しいです」
「いやいや、謙遜するなよ。もうアカリさんと同じぐらいじゃねえか?十分すごいぜ。それにあの人に似て別嬪だしなぁ。嬢ちゃんの旦那になる男が羨ましいぜ。まぁ少~し、アカリさんとは違うところがあるがな。」
そう言ってニンマリと笑いながら、ナギの胸を見やる。
「ちょっ!いい加減にしてください!あんまりそんなこと言うなら、治療の時おじさんだけお金をもらいますよ!」
ナギの顔が一瞬にして真っ赤になり、両腕を胸の前で交差させる。そう、ジン達の母親は、その美貌とともにスタイルも抜群であったのだ。なぜかわからないが、娘のナギはその性質を受け継がなかったらしい。ジンは姉がスラムにいる娼婦達を見ては深い溜息をついているのをよく見かけている。最近では、ミシェルの胸を凝視していることもあった。胸の話はナギの前ではタブーであると言うのがジン達の共通認識である。
「ガハハハ、悪い悪い」
全く悪びれもせずにそう言うマティスを睨みつけながら、「まったくもう」と小さく呟いて、負傷している男に向き直り治療を再開した。
「この人、どうして怪我しているの?」
ジンはその光景を眺めながらマティスに尋ねた。先日会った男の言っていたことを思い出したからだ。この辺りで何かよくないことが起こるという。彼が言っていたのはこのことなのかもしれない。
「いや何、本当に数日前からなんだけどな。ヤバい奴がここらに住み着いたらしくてよ。そいつに喰い殺された奴が何人もいるんだよ。こいつは偶然その場から逃げ出せたみたいでよぉ。ただ俺が見っけた時には意識がなかったから犯人がどんな奴か、まだ詳しい話は聞けてないんだ」
「喰われた?野犬か何かじゃないの?」
「それがどうも違うらしい。死体を見て見たらよ、全部人間の歯型だったんだ」
それを聞いてジンはゾッとした。この辺りに人を喰う人間がいるのだ。しかもそれが自分たちを襲う可能性もあるのだ。
「気味が悪いね」
「ああ。だから坊主達もあんまり外に出るなよ。少なくとも夜にはな。こいつは深夜に現れるみたいだからな。まあしばらくの辛抱だ。今俺と仲間達で犯人を探している最中だからよ」
「わかりました。絶対出ません。だからおじさんもあんまり無理しちゃダメですよ?」
2人の話にナギが入ってきた。
「終わったのか、嬢ちゃん」
「はい。かなり危ないところでしたがなんとか傷は塞がりました。それで、今の話は本当なんですか?」
「ああ、治療した嬢ちゃんならわかるだろう?あとこいつはいつ頃目覚めるか分かるかい?」
「確かに人の歯型でしたね。いつ目が覚めるかはちょっとわからないです。どうします、このままうちで面倒を見ましょうか?」
「いや、それには及ばねぇ。こいつを今度こそ殺そうとしにくるかもしれねぇからな。とにかく嬢ちゃん達はあんまり不用意に外にはでんなよ。外に出る時は最低二人以上で行動するように。分かったか?」
「はい」「うん」
二人の返事を聞いて満足げに頷くと、マティスは立ち上がり、ボロボロの寝台の上に寝ている男を担ぎ上げる。
「それじゃあな。また様子見に来るぜ」
そう言ってドアに向かって行った。
ジンがマティスの後に続いて行ったので、ナギはそれを見送ると治療のために使っていた道具を片付け始めた。
ドアの前でマティスは振り返ってジンを見下ろして、何故ついてきたのかすぐに理解した。そしてジンの頭に雑に手を乗せる。
「また今度稽古してやるからな。少し待ってろジン坊」
ニンマリと笑ってそう言うマティスを真似してジンも笑う。
「分かった、待ってる」
「おぅ、じゃあな。姉ちゃんのことしっかり守ってやれよ」
そしてマティスは空いた片手を軽く上にあげて、歩き去って行った。
それを見ながら、ジンは先ほど聞いた話を反芻していた。少し不安になったがマティスならいつものようにあっという間に解決してくれるだろうと思い、その気持ちを打ち消すように頭を左右に振った。
しかし、犯人は一向に捕まらず、犯行もぱったりと止んでしまった。マティス達がしばらく探し回ったが、結局誰の仕業だったかもわからなかった。回復した男も恐怖からか、記憶がおぼろげで具体的な情報を聞き出すことができなかった。そしてその事件は徐々にスラムの住人達の記憶から薄れていった。ジンも騎士の男から聞いた話をいつの間にか忘れていた。
「どうしたの?」
「すごく怖い夢を見たんだ」
ナギが手招きしてきたので彼女の毛布に入り込んだ。ナギの体に抱きつきながら、頭を撫でてもらう。怖い夢を見た時はいつもそうしてもらうのだ。そしてこれがザックたちからシスコンと呼ばれる原因の一つでもあった。しばらくすると、だんだんと気分が落ち着いてきたのでポツポツと自分が見た夢をナギに話し始めた。
「家に帰ってきたら、みんなが怪物に食べられてたんだ。俺はそれを見て逃げ出したんだけど、怪物はものすごく早くて、すぐに追いつかれた。それで俺も捕まっちゃうんだけど、そのまま食べられないで、みんなが食べられていた場所に引きずられて連れて行かれて、目玉のない4人の頭がこっちを見てるんだ。それで気が付いたら俺もその中にいて、下から怪物を見上げていると、ゆっくりと目玉を刺したフォークを顔に近づけてようとするんだ。それを嫌がったら今度はスプーンを近づけて目玉をくり抜こうと顔を近づけて来るんだ。それでようやく怪物の顔をしっかりと見たんだけど、それが姉ちゃんだった」
「そっか。怖い夢だったね。でもお姉ちゃんはジンたちが大好きだから食べたりしないよ。そんな怪物がきたらお姉ちゃんがやっつけちゃうから!それにジンたちが私を守って戦ってくれるんでしょ?きっとどんな奴が来ても大丈夫だよ。でも…そんな怖い話を聞いちゃったら、今日はあたしも寝られなくなりそうだから、ジン、一緒に寝てくれる?」
と聞いてきた。
「しかたないなー」
と答えながら、より一層、平らな姉の胸に頭を埋めた。それから他愛のない話をしているうちにだんだん不安が薄れていき、いつの間にか眠ってしまっていた。朝気がつくとナギがジンの頬っぺたをグニグニしたりして遊んでいた。気恥ずかしさを覚えるも彼は姉が楽しそうな様子を見て、寝たふりをすることに決めた。いつもみんなに平等に接して、しっかりしている姉がたまにこんな風に年相応にじゃれてくることが、特別視されていることを感じて彼にとってはとても嬉しかったからだ。
次の日ジンが目を覚ますと、既にナギはいなくなっていた。彼女が寝ていたそこには綺麗に畳まれた布が置かれていた。昨日見た夢の手前、少し不安になったジンは急いで一階に降りた。するとナギが診察室で治療しているのを発見した。それを見てホッとしたジンに気がついた。
「あ、ジン。やっと起きたの?もうお昼近いよ~。あんまり寝ていると牛さんになっちゃうんだからね」
「よう、ジン坊。悪いな、姉ちゃん借りちまって」
そう声をかけられて、治療してもらっている男の近くに、このスラムの元締めであるマティスがいることに気がついた。2mに届くのではないかという巨体と、筋骨隆々な体格、禿げた頭にダークブルーの瞳と、唇の上に生やした、同じくダークブルーの髭が印象的な男である。
彼はよく血塗れの男や女を連れてくるのである。その気っ風のいい性格から、スラムの多くの人々に慕われていた。噂ではどこぞの騎士であったという。確かによく見れば身体中に切り傷が刻まれている。そのためか、たまにジン達に稽古をつけてくれることもあった。また娼婦でありナギと同じく治癒師でもあったナギやジンの母親に惚れていたらしく、ジンたちにとりわけ目をかけてくれていた。この廃墟も彼が用意してくれた物である。
「しっかし、嬢ちゃんもアカリさんに似てきたなぁ。今いくつぐらいだっけか?」
「今年で16歳になります、おじさん」
「すると、ジン坊は7歳か?ガキが育つのは早いなぁ。歳はとりたくないぜ」
「ふふ…マティスおじさんはまだまだ若いですよ?」
「よせやい、そんなお世辞は。それにしても相変わらず嬢ちゃんの治癒の力はすげぇな」
法術を向けられている男に目を向けてそう呟く。
「まだまだお母さんには敵いませんけどね。そう言ってもらえると嬉しいです」
「いやいや、謙遜するなよ。もうアカリさんと同じぐらいじゃねえか?十分すごいぜ。それにあの人に似て別嬪だしなぁ。嬢ちゃんの旦那になる男が羨ましいぜ。まぁ少~し、アカリさんとは違うところがあるがな。」
そう言ってニンマリと笑いながら、ナギの胸を見やる。
「ちょっ!いい加減にしてください!あんまりそんなこと言うなら、治療の時おじさんだけお金をもらいますよ!」
ナギの顔が一瞬にして真っ赤になり、両腕を胸の前で交差させる。そう、ジン達の母親は、その美貌とともにスタイルも抜群であったのだ。なぜかわからないが、娘のナギはその性質を受け継がなかったらしい。ジンは姉がスラムにいる娼婦達を見ては深い溜息をついているのをよく見かけている。最近では、ミシェルの胸を凝視していることもあった。胸の話はナギの前ではタブーであると言うのがジン達の共通認識である。
「ガハハハ、悪い悪い」
全く悪びれもせずにそう言うマティスを睨みつけながら、「まったくもう」と小さく呟いて、負傷している男に向き直り治療を再開した。
「この人、どうして怪我しているの?」
ジンはその光景を眺めながらマティスに尋ねた。先日会った男の言っていたことを思い出したからだ。この辺りで何かよくないことが起こるという。彼が言っていたのはこのことなのかもしれない。
「いや何、本当に数日前からなんだけどな。ヤバい奴がここらに住み着いたらしくてよ。そいつに喰い殺された奴が何人もいるんだよ。こいつは偶然その場から逃げ出せたみたいでよぉ。ただ俺が見っけた時には意識がなかったから犯人がどんな奴か、まだ詳しい話は聞けてないんだ」
「喰われた?野犬か何かじゃないの?」
「それがどうも違うらしい。死体を見て見たらよ、全部人間の歯型だったんだ」
それを聞いてジンはゾッとした。この辺りに人を喰う人間がいるのだ。しかもそれが自分たちを襲う可能性もあるのだ。
「気味が悪いね」
「ああ。だから坊主達もあんまり外に出るなよ。少なくとも夜にはな。こいつは深夜に現れるみたいだからな。まあしばらくの辛抱だ。今俺と仲間達で犯人を探している最中だからよ」
「わかりました。絶対出ません。だからおじさんもあんまり無理しちゃダメですよ?」
2人の話にナギが入ってきた。
「終わったのか、嬢ちゃん」
「はい。かなり危ないところでしたがなんとか傷は塞がりました。それで、今の話は本当なんですか?」
「ああ、治療した嬢ちゃんならわかるだろう?あとこいつはいつ頃目覚めるか分かるかい?」
「確かに人の歯型でしたね。いつ目が覚めるかはちょっとわからないです。どうします、このままうちで面倒を見ましょうか?」
「いや、それには及ばねぇ。こいつを今度こそ殺そうとしにくるかもしれねぇからな。とにかく嬢ちゃん達はあんまり不用意に外にはでんなよ。外に出る時は最低二人以上で行動するように。分かったか?」
「はい」「うん」
二人の返事を聞いて満足げに頷くと、マティスは立ち上がり、ボロボロの寝台の上に寝ている男を担ぎ上げる。
「それじゃあな。また様子見に来るぜ」
そう言ってドアに向かって行った。
ジンがマティスの後に続いて行ったので、ナギはそれを見送ると治療のために使っていた道具を片付け始めた。
ドアの前でマティスは振り返ってジンを見下ろして、何故ついてきたのかすぐに理解した。そしてジンの頭に雑に手を乗せる。
「また今度稽古してやるからな。少し待ってろジン坊」
ニンマリと笑ってそう言うマティスを真似してジンも笑う。
「分かった、待ってる」
「おぅ、じゃあな。姉ちゃんのことしっかり守ってやれよ」
そしてマティスは空いた片手を軽く上にあげて、歩き去って行った。
それを見ながら、ジンは先ほど聞いた話を反芻していた。少し不安になったがマティスならいつものようにあっという間に解決してくれるだろうと思い、その気持ちを打ち消すように頭を左右に振った。
しかし、犯人は一向に捕まらず、犯行もぱったりと止んでしまった。マティス達がしばらく探し回ったが、結局誰の仕業だったかもわからなかった。回復した男も恐怖からか、記憶がおぼろげで具体的な情報を聞き出すことができなかった。そしてその事件は徐々にスラムの住人達の記憶から薄れていった。ジンも騎士の男から聞いた話をいつの間にか忘れていた。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる