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特別編 イヴ×アデルバート

4 もっとな? ※ アデルバート

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 ※ イヴが攻めになります。
   苦手な方はブラウザバックを(>人<;)








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 好きな人にお姫様抱っこをされて、緊張で死にかけている私は、成人男性を軽々と抱き上げる騎士様に見惚れていた。

 イヴは自分のことを、騎士としては平凡以下だと思っているけど、剣を握る姿は瞬きをするのを忘れるくらい美しい。

 学園時代はクラスが違っていたから、いつも遠くから見ているだけだったけど、目標に向かって努力する姿は、本当に本当にかっこいい。

 魔物の王を倒した時は、みんなが力を貸してくれたから俺だけの力じゃない、ってイヴは話していたけど、きっと日頃の努力が報われたんだと思った。



 「そんな顔で見つめるなよ」

 優しく寝台の上に下ろしてくれたイヴが、私を見下ろして小さく笑う。

 私の顔にかかった髪を、梳かすように指に絡める仕草が、いつもより数段色気がある。

 今の言葉をそっくりそのまま返してやりたかったのだけど、なにも言えずに髪を愛でられていた。

 期待と緊張で固まる私の隣にイヴが寝転び、横から抱きしめられる。

 「アデル……」
 「ひゃッ!」

 腰に来る声で名前を呼ばれて、大袈裟なくらいに体がビクンと飛び跳ねた。

 両手で口を押さえると、少しだけ悪い顔をしたイヴが私の顔を覗き込む。

 顔が真っ赤だと呟かれて、今更だよっ! と思っていると、耳に吐息がかかる。

 「ククッ、悪い。リラックスさせようと思ったんだけど、逆効果だったな?」
 「っ、ん……っふ……ん、んぅぅっ……」

 わざと私の耳に流し込むように囁かれて、耳朶を喰まれる。

 まだお互い衣服を着ている状態なのに、既に私は限界を迎えていた……。

 「っイヴ……」
 「……なに? もっと?」
 「っ、」

 いつもキスのおねだりばかりをしていたからか、イヴが誤解している。

 鈍感なのか、わざとなのかはわからないけど、舌で耳の中まで愛撫されて、くちゅりといやらしい水音に鼓膜が震えた。

 「今日は意地悪なしで、アデルのして欲しいことだけをするから。耳、もっとな?」
 「っ……ち、ちが、ぅ、ぅう~~ッ! ぁぅッ」
 
 私が本気で恥ずかしがると、ある程度揶揄って意地悪をやめてくれるイヴが、今日は止まらない。

 でも、やめて欲しいのに、もっと触れて欲しい……。

 そんな感情が私の声をうわずらせ、普段より少しだけ強気なイヴに、ぞくぞくとしてしまう。

 気付けば服を脱がされていて、上半身に余すところなく口付けを受けていた。

 「ふぅンッ!」
 
 胸の飾りに温かな熱を感じて視線を送れば、私の胸元に顔を寄せるイヴと目が合う。

 薄い唇から赤い舌が見えて、飴を転がすように、胸の飾りを優しく口に含まれていた。

 「んく……っ……ぁッ……あぁっん……」

 イヴに与えられる刺激、全てが気持ち良い。

 必死に口を押さえていた手は、いつのまにか外れていて、私を宝物を扱うように触れる手にしがみついていた。

 イヴの手が徐々に下がっていき、蜜でとろとろになっている陰茎が顔を出す。

 恥ずかしくて仕方がないのに、気にした様子のないイヴは、私の腰をするすると撫でていた。

 「少し力を入れたら、骨が折れそうだ」
 「……そんなこと、ない、よ? 太ったもん、すこしだけ……」

 そう言って、さりげなく平らな腹部を隠した。

 騎士はみんな鍛えていて逞しい身体をしているから、私みたいな筋肉のない身体には、興奮できないのかも……。

 急に不安になってイヴの顔色を窺うと、すべすべしていて気持ちいいと、笑みを浮かべていた。

 つられて笑顔になると、優しく口を塞がれる。
 やっぱり可愛い、って言いながら……。

 「ッ、んんっ!」
 
 口付けに夢中になっていると、優しく陰茎を包まれて、ゆっくりと擦られる。

 指の腹で鈴口を撫でられただけで、蜜が止めどなく流れて、じゅくじゅくといやらしい水音に耳を犯される。

 「んっ、んんっ、んんんぅ──ッ!!」

 物凄く優しくされているのに、好きな人の手が私に触れていると思うだけで身体がすぐに昂まって、吐精していた。

 あまりに早くて、恥ずかしくてたまらなくなっていると、私の目尻に口付けた唇の隙間から、深い溜息が吐き出された。

 「ごめん……。ゆっくりするつもりだったけど、無理かも」

 可愛すぎだろっ、と吐き捨てたイヴの、普段は穏やかな黄金色の瞳が、ギラギラと熱を帯びていた。

 目を逸らしたいのに、吸い込まれるように見つめてしまう。

 「いいか?」
 
 優しい声色で問いかけられて、頷いた。

 だって、イエス以外の言葉は受け付けないと言わんばかりの、熱い眼差しを送られたから……。

 それでも恥ずかしい気持ちは抑えきれなくて、どうにか火照る素肌を見られないように、腕で身体を隠してみるけど、可愛いと愛でられ、逆に我慢しているイヴを煽ってしまっているようだった。



 指に甘い香りのする香油を絡め、私に口付けるイヴの手に、後蕾をゆっくりと撫でられる。

 ビクンと体が飛び跳ねてしまうけど、大丈夫だと何度も口付けを送られて、緊張がほぐれていく。

 すぐに食べられてしまいそうだと思っていたのに、イヴは私の反応を見つつ、ただ円を描くように撫で続ける。

 「ふ、ぅ……んっ……んぁ、イヴ……っ」

 もう、早く来て欲しいと願うような目で見つめると、イヴの目が愛おしいものを見るように、すっと細くなった。

 ひどくゆっくりと指が中に入ってきて、ぞわぞわと肌が粟立つ。

 私を愛撫するイヴの手がすごく熱くて、違和感はすぐに消え去り、素直に快感を得る。

 少しだけ怖いと思っていたはずなのに、私は喜びで胸がいっぱいになっていた。









 
 
 
 

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