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第八章

182 卑猥な言葉を所望される ※

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 ガラリと雰囲気が変わった勇者様は、その体勢のまま三回連続で俺を抱いた。

 凄まじい快楽に、涙と涎を垂れ流す無様な俺を組み敷いて、『可愛すぎて、生涯保護すべきだ』と呟くセオドアは、頭がいかれてしまったようだ。

 快楽に溺れる俺とは対照的に、まだ余力のあるセオドアの腕を掴む。

 「っ、テディー、休憩させてくれ……うあッ」
 「すみません。出来ません」
 
 ころりとうつ伏せにされて、腰を高く持ち上げられたと思ったら、萎えることのない陰茎をぶち込まれていた。

 「んぁあッ……や、やぁ……テディーッ! んくッ」
 「こっちも可愛がりますから」
 「いやっ……どっちも、いやっ……んんぅッ、イクッ、イクからッ! あっ、ああぁぁ──ッ!!」
 
 びゅくびゅくと射精して、震える俺の腰をガッチリと掴むセオドアが小さく唸る。

 背後から艶のある声が聞こえて、セオドアもまた酷く感じていることを知る。

 俺の呼吸が整うと、中で脈打つ陰茎がゆっくりと動き始めた。

 「んあっ……ああッ……はぁッ……」
 「っ、イヴ兄様……」

 どうにか快楽を逃そうと、シーツを握りしめる手を取られ、背後から引っ張られる。

 背が反り、奥に陰茎が突き刺さった。

 「ひああぁぁッ!」

 ぐぽっと亀頭に吸い付き、奥を突き上げられる度に、陰茎からは透明な蜜が噴射する。

 目の前に火花が散っている俺は、口を閉じることが出来なくなり、悲鳴にも似た甘ったるい声で喘ぐ。
 
 奥に大量の白濁をぶち撒かれて、ガタガタと震える体は、ゆっくりとシーツに沈んだ。

 必死に空気を取り込み、ぐったりとしていると、背後から唾を飲む音が聞こえてきた。

 「はぁ……テディー? ……ッ!」
 
 俺の穢らわしい部分に顔を寄せるセオドアが、後蕾から白濁が漏れる様をまじまじと見つめていた。

 「っ、嫌!」
 「待って下さい」
 「なにをっ!?」
 
 両手で尻を隠したが、俺の指の隙間から長い指が後蕾に侵入し、中をぐちゅぐちゅとかき混ぜられる。

 快感と心地の良い感覚に、抵抗することが出来なくなる俺は、艶かしい息を吐く。

 「やっぱり」
 「っ……ぁっ、なに、が? ンッ」
 「僕、イヴ兄様から癒しの力を分け与えてもらえたようです」
 「…………はあっ!?」
 
 ただ気持ち良くなっていただけで、俺はそんなことはしていないぞと背後を見れば、至極真面目な顔をしたセオドアが語り出す。

 初めて俺と交わった時に、癒しの力が自身の体を巡っていることを感じたらしい。

 ただ、一度では確証に至らなかったため、何度も俺を抱いて、確認作業をしていたそうだ。

 現に、勇者様の体力は微塵も減っていない。

 にわかに信じられない俺は、四度も射精したのに、今もそそり勃っている陰茎を視界の端に入れながら、無意識に喉を鳴らした。

 「ほんの微力ですが、間違いないです」

 冷静に告げたセオドアに、それは凄い発見だと、ゆっくりと頷く。

 だが、話しながら俺の中に指を出し入れする必要性があるのかと、むっとした顔をすると、真顔のセオドアの頬が赤くなる。

 「全力でイヴ兄様を保護しないと」
 「……さっきからなんの話だ?」
 「あっ。ぽっかりと空いていた穴が、塞がっていきます」
 「っ、恥ずかしいことを言うな!!」

 真っ赤な顔で憤慨する俺と、白濁塗れの後蕾を交互に眺めて、薄らと頬を染めるセオドアが口許を手で押さえる。

 可愛らしい顔をしているのだが、興奮しきった息が漏れている。

 純粋無垢な俺の可愛い義弟は、一体どこへ行ってしまったんだっ!

 「でも、この力のおかげで、イヴ兄様の初めてをコンプリートすることが出来ます」
 「…………それは良かったな?」

 不思議な力の使い方が間違っているだろうと言いたかったが、翡翠色の瞳に薄らと膜が張っていることに気付いて、俺は枕に顔を埋めた。

 ……俺のこと、めちゃくちゃ好きじゃん。

 やっぱり可愛いとにまにましていると、俺の手を掴んだセオドアは、くぱっと尻を開かせる。

 「っ、なにやってんだよ」
 「イヴ兄様が広げて見せてください。それで、僕に挿れて欲しいと懇願してください」
 「ばっ、馬鹿じゃないのか!?」

 こてりと首を傾げるセオドアは、それは勿体無いと呟いた。

 「だって、僕が力を与えられたってことは、もしかしたらイヴ兄様も勇者の力を手にしている可能性だってあるんですよ?」
 「っ、なんだとッ!?」
 「つまり。僕や第一騎士団の団員たちに背を任せて、共に戦うことが出来るかもしれないんですよ? その可能性を捨てても良いんですか?」
 
 目を見開く俺は、二人の団長と背を合わせて、魔物を討伐する姿を想像して、胸が高鳴る。

 酷く魅力的な話だが、意識がある中で自ら強請るなんて、恥でしかない。

 顔を顰める俺に、「勇者になりたくないんですか?」と甘い囁きが耳を擽る。

 勇者になることはとうの昔に諦めてはいたが、もしなれるのなら今すぐにでもなりたい。

 口許に薄らと微笑を浮かべるセオドアに気付かない俺は、意を決して口を動かす。

 「…………テディー、たのむ」
 「ふふっ。イヴ兄様らしい……。でも、そんな言い方じゃ、欲情しません」
 「なっ……」
 
 懇願したにも関わらず、それではダメだと切り捨てられて、絶句して背後を見る。

 ……バリバリ勃起してんだろうがっ!!

 恨めしい視線を送るが、いつまでも待つと告げるセオドアは、俺の中に指を入れて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を鳴らしてくる。

 忍耐勝負にあっさりと負ける俺の体は、セオドアの指にぎゅうぎゅうと吸い付いていた。

 「我慢は良くないですよ?」
 「っ……ンッ、挿れて、くれ」
 「もう。テディーのペニスで中をめちゃくちゃに突いて、気持ち良くしてくださいでしょう?」
 「ブッ……、馬鹿だろッ! んぁあッ!」

 中をかき混ぜられながら陰茎を扱かれて、蕩けた顔で腰を揺らしてしまう。

 そんな俺に目を細めるセオドアが、ゆっくりと近づいてくる。

 腰に来る声で「早く」と耳元で囁かれた俺は、ゾクゾクとしながらギラつく瞳を見上げる。

 「……きもちよく、してっ」

 思いの外、小さすぎる声に涙が溢れそうになったが、目の前にある薄い唇は満足そうに弧を描いた。

 「僕は、イヴ兄様のお願いは断れません。天国を見せてあげますね」
 
 うっとりと告げたセオドアは、俺の背に口付けを落としながら下りていく。

 無理やり言わされたのにと、羞恥でぷるぷると震えていたが、もっと手で広げて後蕾を見せろと追い討ちをかけられる。

 可愛い顔した鬼畜野郎だと心の中で吐き捨てる俺は、枕に顔を埋めておずおずと尻を掴んで広げる。

 背後から盛大に喉を鳴らす音が聞こえてきて、本気で死にたくなった。

 だが、すぐにガッチリと腰を掴まれ、陰茎がぶち込まれる。

 「ンンンッ! んっ、んっ、んんぅッ!」

 俺に求められて興奮するセオドアが、無言で腰を振りたくる。

 しこりの部分をゴリゴリと抉られ、気持ち良すぎて頭のネジがぶっ飛んだ。

 こんな気持ち良いことをするだけで、勇者になれるかもしれないなら、セオドアの言う通り天国だと、変態な思考を巡らせながら喘ぐ。

 「んっ、あッ、あぁッ、テディー、もっと……、ああぁあぁッ!」

 無意識に強請ると、俺の奥で熱が爆ぜる。

 すぐさまころりと仰向けにされ、右足を肩に担がれ、律動が始まった。

 同時に陰茎も可愛がられてしまう俺は、雄々しい姿で義兄を快感の底に堕とす義弟に見惚れる。

 休憩を頼む度に、何度も甘い言葉を囁かれる俺は、一晩中セオドアに言われるがまま卑猥な言葉を吐いて、強請り続けた。
 







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