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第八章

181 酷く優しい ※

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 体を起こしたセオドアがガウンの紐を解き、鍛え上げられた肉体に目が釘付けになる。

 そして腹筋に触れるほど勃ち上がっているご立派なものに、息を呑む。

 「もう少し指でした方が良いと思いますけど……イヴ兄様が早くして欲しそうなので、もう挿れますね?」
 「っ、ま、待ってくれ! そこも成長しているなんて、聞いてないっ!」
 
 元々小柄なのに大きいとは思っていたが、今は体格に見合った大きさに成長を遂げている。

 さらに太さも増していて、冷や汗を掻く。

 受け入れられるのかと不安になる俺に、笑顔のセオドアは、『大丈夫です、イヴ兄様』といつもの励ましの言葉をかけてくれる。

 今言われても、全然大丈夫だとは思わないのだが……。

 腰が引ける俺を眺めながら、自身の陰茎に甘い香りの液体を垂らす、妖艶な姿のセオドア。

 見惚れている場合ではないのだが、容姿も随分と魅力的な大人に成長を遂げたものだ。

 背後に肘をついて、羨ましい限りだと視線を彷徨わせていると、優しく唇を啄まれた。

 「イヴ兄様のいやらしい顔を見ていたからか、普段より大きくなってるかも」
 「っ……」
 「激しかったらごめんね? イヴ兄様」
 
 柔らかな口調だが、雄の顔をしているセオドアに、唇が震える。

 口付けながら押し倒されて、後蕾に亀頭を押し当てられる。

 中に熱いものがみちみちと侵入し、肌が粟立つ。

 「ンッ…………ぁっ、ああぁぁッ!」
 「っ、」

 ゆっくりと亀頭を飲み込み、しこりの部分を抉られて、強い快感にだらしない顔を曝け出す。

 険しい表情になるセオドアに顔を凝視され、恥ずかしすぎて涙目になった。

 小さく唸って動きを止めるセオドアは、激しくすると言っていたくせに、全力で俺を気遣っていた。

 「はぁっ、テディー……」
 「っ……イヴ兄様は、ホント狡いっ」
 「ひぁッ!」

 名前を呼んだだけなのに、胸の飾りを強く摘まれて、背を反らす。

 馴染ませるように少しずつ陰茎が中を行き来し、ぐちゅぐちゅと卑猥な音がゆっくりと鳴る。

 いっそ一思いにやってくれと告げたくなるほど焦ったい動きは、逆に俺を追い詰めていた。

 「ンンッ……ぁっ、いやっ……、やぁッ……」
 「……今更嫌がっても、やめませんから」
 「っ、ちがっ、んんぅッ……」

 俺の両手首を押さえつけ、額に汗を滲ませるセオドアは、俺の良いところばかりを抉ってくる。

 嫌だなんて思っていないと言いたいのに、俺の口からは甘ったるい声が出続ける。

 「嫌がってるくせに、体は貪欲に僕を求めてる」
 「ッ、ンンンンぅ──ッ!!」

 妖艶に笑うセオドアが腰を引き、ぐっと突き上げられる。

 ぐぷりと半分飲み込んだだけで、達していた。

 目がチカチカとしながら中の凶器を締め付けて、俺の陰茎からは蜜が溢れて腹を汚した。

 「つっ、まだ全部挿れてないのに……」
 「はぁっ……ぁ、ぁぁあッ……テ、ディー……」
 
 荒い息を吐く俺を気遣うように動きを止めてくれているにも関わらず、中の陰茎が脈打ち、甘い痺れを感じ続ける。

 俺の濡れた髪を優しく撫でるセオドアは、うっとりとした息を吐いた。

 「奥まで突いたらどうなっちゃうんだろう……。その時は、僕しか見えなくなるのかな?」

 ぼんやりと見上げれば、愛おしそうに目を細めていたが、なんだか悲しんでいるようにも見えた。

 自由になった右手を持ち上げて頬に触れ、親指ですりすりと撫でる。

 「さっきから……ずっと、テディーしか見えてないよ」

 可愛い義弟に微笑むと、中の陰茎が質量を増す。

 目を見開いたセオドアが、ふわふわとした金色の髪を雑に掻き上げる。

 背ろで髪を一纏めにし、再度俺の顔の横に手を置いた。

 「ここで無自覚で煽ってくるとか、もはや性悪。悪手なことに気付いていますか? それとも、本気の僕に犯されたいの?」

 矢継ぎ早に話されて、目を瞬かせる。

 きょとん顔になる俺に溜め息を吐くセオドアに、もういいですとそっぽを向かれてしまった。

 「お、犯されたいとは思っていないぞ? 合意の上での行為だろ?」
 
 ちらりと視線だけを動かして、俺を睨むセオドアにぶるっと体を震わせる。

 美形の怒った顔はすこぶる怖いが、美しいので目が惹きつけられる。

 「っ、テディーがいけないんだろ? じわじわと追い詰めるようなこと、するから……。兄様は、テディーの全部……、欲しいのにっ」

 義弟に続きを強請って、自ら恥ずかしい発言をする俺は、唇を噛み締める。
 
 硬直したセオドアが顔を赤らめて、俺も同じように真っ赤な顔で顎を引く。

 力を入れて、きゅっと中の陰茎を締め付けると、大きな目が見開いた。

 「か、勝手に嫌がってるって、勘違いするなよな……」
 
 今度は俺がそっぽを向くと、痛いくらいに俺の横顔に視線を送ってくるセオドアが、息を呑んだ。

 直後、ぐぐっと奥に向かって存在感のある陰茎が進み、甘ったるい声が出る。

 咄嗟に手で口を押さえると、すぐさま外されて、指を絡めて痛いくらいに強く握られた。

 「あッ……んんんっ……くるしっ……ひ、ぁッ……あ、んぅっ……ぁぁああッ!」
 
 ずぷずぷと侵入する陰茎を咥え込み、トンと奥を突かれる。

 下腹部がぴったりと密着したと思ったら、ゆるゆると腰を振られて、待っていた快感に喘ぐ声を止められない。

 蕩けた顔で見上げると、無言になっていたセオドアが、俺を観察するようにじっくりと眺めていた。

 「ぁっ……ぁっ……はぁ、ッ……んぁッ……テディーっ……あ、ンッ!」

 ギラリと瞳が光り、奪うように激しく口付けられる。

 舌を絡ませると、ゆっくりとした動きが段々と大胆なものになっていく。

 ぱちゅんぱちゅんと肌の打ち付ける音が鳴り出して、より一層淫らに喘いだ。

 「っ、イヴ兄様……っ、中に出しますね?」
 「んっ、ひあっ、あっ、ああッ……」

 相性が良いのか、驚くほど気持ち良すぎて、脳が溶けきっている俺は、碌に返事が出来ずに喘ぐ。

 早く射精したいとばかりに奥をぐりぐりと突き上げられて、セオドアの体に足を巻きつける。

 しっとりと汗に濡れた彫刻のような体がぶるりと震えて、動きがゆったりとしたものに変わる。

 どうしたのかと見上げると、翡翠色の瞳は激しく揺れていた。

 「は、ぁっ……テディー……キス、してっ……」
 「くっ……、可愛すぎるんだよっ」
 「んぅッ」
 「っ、一生大切にしますね、イヴ兄様……」

 唇を啄みながら、うっとりと告げたセオドアは、俺を掻き抱いた。

 舌を絡ませたまま、激しく突き上げられて、高みに昇っていく。

 「ふぅッ、んっ、んっ、んぅっ、ンンンンンン────ッ!!」

 奥に大量の白濁が吐き出されて、体が燃え上がるように熱くなる。

 ぴゅっと白濁を飛ばして、目眩がするほどの強い快感に体がガタガタと震える。

 長い絶頂の余韻に耐えながら、逞しい体にしがみつく。

 あんなに嫌いだと連呼していたのに、セオドアは酷く優しく抱いてくれた。

 自然と頬が緩んでいると、俺の肩から顔を上げたセオドアは、獣のように瞳をギラつかせて、激しく息を荒げていた。







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