愛のない結婚だと知ってしまった僕は、

ぽんちゃん

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7 ※ 気付いてる?

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「フレイの肌は、もちもちしていて気持ちがいいね。いつまでも触っていたくなるよ……」

「ひぅッ!!」

 羽でくすぐるような優しい手つきで、全身を撫で回される。
 恥ずかしくて逃げようとするも、体をくねらせることしかできないフレイを見下ろすヴァレリオが、ふっと笑い、今度は唇で触れ始めた。

「ぁあッ! や、やぁっ、ヴァレリオ、さまっ」

 腹部に口付けを送っていたヴァレリオが、ゆっくりと味わうように胸部まで上がってくる。
 じりじりと攻められるフレイは、甘い声で泣いていた。

「ぅぅぅうッ、だ、だめですっ、そこは……っ」

「…………嫌?」

 フレイの小さな胸の飾りに口付けようとしていたヴァレリオが、不思議そうに首を傾げた。
 胸の飾りが、期待しているかのようにピンと尖ってしまっていることが恥ずかしすぎる。
 だが、今ならやめるよ、とでも言われてしまうのかと怯えるフレイは、首を横に振っていた。

「っ、ち、ちがっ……は、恥ずかしい、だけっ、です…………」

 最初の勢いはどこへやら。
 フレイは震える声で告げていた。
 じわっと涙目になったフレイの目尻に、ヴァレリオが優しい口付けを落とし、微笑んだ。

「――素直でかわいいね、フレイは……。じゃあ、続けるね?」

「ッ、あ、ひぁあッ!!!!」

 ピンと尖った胸の飾りが、ヴァレリオの柔らかな唇に喰まれる。
 その気持ちよさに、フレイはあられもない声を上げていた。
 自分で触れても何も感じない部分が、ヴァレリオに触れられると快感を得てしまうのは、一体どうしてなのか。

「あッ! ああァッ!」

 さらに刺激が強い、ざらりとした感触。
 ヴァレリオがフレイの胸の飾りを、飴玉でも転がすかのように、美味しそうに舐めているのだ。
 恥ずかしいはずなのに、色気が爆発しているヴァレリオから目が離せない。
 その最中、夜空色の瞳と目が合う。

「~~~~ッ、ぅぅうう、んぅッ!」

 舌でちろちろと舐めている姿を見せつけられ、ドキリと胸が波打つ。
 イヤイヤと首を振っても、ヴァレリオが止める気配はなく、むしろ喜んでいるかのように舌の動きは激しくなる。
 初めての快感に、フレイは羞恥も忘れて甘い声で喘いでいた。

「気付いてる? すごく濡れてるね」

 息も絶え絶えになるフレイに、ヴァレリオがうっとりと笑みを浮かべる。
 色っぽくて美しいお顔だが、とても意地悪だ。
 なにせ胸の飾りが濡れているのは、ヴァレリオにたっぷりと舐められてしまったからだ。
 恥ずかしくて何も言えなくなるフレイが、ぎゅっと目をつぶっていれば、赤く染まった胸の飾りを摘まれる。

「あッ、ああッ!」

「こんなに濡らして……。風邪を引く前に、着替――」

「っ、ううぅ~っ、ヴァレリオ様のせいっ、なのにぃ……っ!」

 わざとムッとして表情を誤魔化すフレイが、恨めしげに告げれば、切れ長の目が丸くなる。
 そして、どういうわけか、機嫌の良さそうなヴァレリオに抱きしめられ、何度も口付けをされた。

「これだけ濡れていれば、香油は必要なさそうだね」

「えっ、~~~~っ、」

 ヴァレリオの視線の先を追えば、今にも爆発しそうなフレイの陰茎が、夜着を押し上げてシミを作っていた。
 その卑猥ひわいな光景に、フレイは悲鳴を上げかけた。

「このままだと辛い? 一度出しておこうか」

「っ、んぁあッ!!」

 びっちょりと濡れてしまっている夜着の上からそっと陰茎を撫でられ、あまりの気持ちよさに、フレイはガクガクと腰を揺らした。

「っ……すごく敏感で、可愛い。……フレイが可愛すぎて、そろそろ私も辛くなってきたから、次に進んでもいいかな?」

 なにがなんだかわからないが、フレイは頷いた。
 ぼーっとする頭でも、ヴァレリオに『可愛い』と言われたことだけはしっかりと聞こえていたのだ。
 たくさん口付けをしてもらいながら、夜着を脱がされる。
 だが、裸を見せるのは恥ずかしくて、フレイは素肌を隠すようにヴァレリオにしがみついていた。

「――……フレイ、あまりあおらないで」

「……ぇ? ふ、ぅぅ……ッ」

 何かを堪えるように告げたヴァレリオに掻き抱かれ、後蕾に触れた指がじわじわと中に入ってくる。
 傷つけないように、とても優しく。
 ヴァレリオの気遣いを感じたものの、しこりのような部分に触れられ、弾けるような快感を味わった後は、もう何も考えられなくなっていた。



「んっ……んんぅっ、ヴァレリオ、さま……っ、もう、むりぃ……見ないでっ、あァッ!」

 じわじわと出し入れされる指が増えていき、フレイ自身も知らない良いところを探し出したヴァレリオに、さらなる快感を与えられる。
 汗と自身が放った白濁にまみれたみだらな姿を、好きな人に直視されて恥ずかしいことこの上ない。
 だが、フレイは強請っていた。

「指はもう、いいですっ……早く、ヴァレリオさまに、抱いてほしい……」

「っ、」

 既にぐずぐずになっているにもかかわらず、淫らに強請るフレイは、未だにガウンすら脱いでいないヴァレリオに手を伸ばした。

























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