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その後
39 子犬のように
しおりを挟む「あっ……ぁぁっ、……んっ、ふぅっ……あっ、ぁあっ……ぁんっ、……ゆーりぃ……ひぁあっ!」
僕の胸の飾りを、子犬がミルクを飲むようにチロチロと舐めていたと思ったら、ちゅうっと吸いつかれて、たまらず背を反らす。
少し触れられるだけでも感じすぎて、喘ぐ声が止められない。
もう恥ずかしすぎてやめて欲しいのに、僕はもっとして欲しいとばかりに胸を突き出していた。
「ヴィーの可愛い乳首、美味しい」
「んんっ…………そんなわけ、ないじゃんっ、あぅっ」
優しく甘噛みされた僕は、気持ち良すぎてガクガクと体を震わせる。
幼い頃に胸の飾りを悪戯されていたせいか、自分でも驚くほど感じてしまっていた。
胸の飾りを甘噛みされるだけで、イキそうになっている僕はやっぱり変態だ。
そのことをユーリにバレたくないのに、膝の上に跨ったまま腰をゆるゆると動かしてしまう。
「ぁあんっ、ゆーりぃ……」
「っは……そんなに厭らしい顔して……俺を誘ってるの?」
無意識のうちに、ユーリの膝に勃ち上がる陰茎を擦り付けていた僕は、かぁっと全身が熱くなる。
快楽に溺れる顔を大好きな恋人に間近で見られて、羞恥でたまらず涙が込み上げてくる。
それに、もう射精しそうだから下も触って欲しいのに、そんな浅ましいことを決して口には出せない僕は、疼く身体の熱をどうすることもできずに、ただただ震えていた。
「ヴィー、ごめん。怖かったよね、暴走した」
目尻の涙を指先で拭ってくれたユーリは、申し訳なさそうに眉が下がっている。
違う、恥ずかしかったけど、すごく気持ち良くてイキそうだった。
……なんて言って、ユーリに幻滅されたくない僕は、目を伏せて口を噤む。
するとユーリは僕の肌けたシャツを整えて、ボタンを止めていく。
ここまできておあずけを食らった僕は、間抜けな顔で目を瞬かせる。
「怖がらせて本当にごめん。嫌いにならないで……」
そうっと僕の頬に手を伸ばすユーリは、僕に拒絶されたと勘違いしているらしい。
唇を噛んで、捨てられた子犬のような可愛い顔をするユーリが愛おしくて、頬に添えられた大きな手にすりっと頬ずりをする。
「ユーリ……。それを言うなら僕の方。甘噛みされただけで、い、イキそう、だったの……」
「っ、」
「ユーリに、僕が変態だって、思われたくなくて……言えなかった。…………嫌いになった?」
大きな手に自分の手を重ねて、潤む瞳のまま見つめると、大きく目を見開くユーリの頬がどんどん赤くなっていく。
「っ……嫌いになんてなるわけない。むしろ、すっごく嬉しいよ、ヴィー。それからエロい」
「え。エロい?」
「うん、果てしなくエロい……。ヴィーの顔見てるだけで射精しそう」
「っ、お、おかしなこと言わないでっ!」
ユーリの手を借りて顔を隠す僕は、嬉しいような恥ずかしいような、とにかく頭が茹っている。
「ごめん、ヴィー。まじで我慢できないわ」
はぁ、と艶っぽい吐息を吐いたユーリは、スラックスの前を寛げてご立派な陰茎を曝け出した。
反り勃つ陰茎は、僕のより断然大きくて長い。
食い入るように見つめていると、そんな僕の顔に熱視線を送るユーリは、自身の陰茎をゆっくりと扱き始めた。
僕の前でユーリが一人で始めたことに驚きすぎて、顔が真っ赤に染まる。
……でも目が離せない。
ごくりと唾を飲む僕は、無意識のうちにユーリのガチガチに硬くなっている陰茎に手を伸ばす。
「っ、はぁ……、ヴィー……」
低くて甘い声が普段より更に色っぽくて、僕はゾクゾクしながらユーリの扱く手に指を絡めて、大きな陰茎を握って一緒に扱いた。
「っ……、やっぱり、ヴィーの手、柔らかくて、気持ちいい……」
「本当? 気持ち良い?」
ああ、と微笑むユーリが色っぽくて、僕はたまらず薄い唇に口付ける。
「んっ……もう出そう。ヴィー、俺手放すから、ヴィーが扱いてくれない?」
「えっ、で、でも、やり方わかんない……」
「自分でするときと同じで良いよ? ヴィーが気持ち良いと思うところ触って……」
パチパチと瞬きをした僕は、早くユーリを気持ち良くさせてあげたいのに、自分で触って気持ち良いところがわからなくて、困惑していた。
「ゆ、ユーリ……、ごめんね、僕……一人で、したことないっ……。この前、ユーリにしてもらったのが、初めてだったから……」
ぼふっと顔から火が出そなほど恥ずかしいことを宣った僕は、握っていた陰茎に力を入れてしまう。
ピクピクっと生き物のように反応した大きな陰茎は、更に膨れ上がって、先走りが滲む。
あぁ、どうしよう。舐めてみたい。
ぺろりと舌舐めずりをしてしまう僕は、ユーリの膝の上から下りて、透明な汁に濡れる亀頭をチロッと舐める。
ちょっと苦い。でも、これがユーリの味。
そう思うとすごく興奮して、ユーリが僕の胸の飾りを舐めてくれたように、チロチロと舐めてみた。
「ぐ…………出るっ」
ユーリが射精しそうになっても、犬のようにそのままぺろぺろと舐め続けていた僕は、気づけばユーリの出した白濁を顔面で受け止めていた。
大好きなユーリを気持ち良くさせてあげることができて、気分が一気に高揚した。
そして顔面にユーリの熱いものをかけられて興奮してしまった僕は、ただ舐めていただけなのに射精してしまうのだった。
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