嫌われ王子様の成長 〜改心後、暴君の過去が役に立つこともある〜

ぽんちゃん

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81 歌より心音を ※

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 優しい暖色のランプが灯る部屋には、ラベンダーの良い香りが漂っている。

 寝心地の良いふかふかな寝台の上に、二人の男が横になって、親子のように寄り添っていた。

 「ゆ~りかごの歌を~、カ~ナリヤが歌うよ~、ね~んねこぉ、ね~んねぇこぉ、ね~んね~こ~よぉ~……。よし、これで眠っただろう」

 随分とサラサラになった金色の髪を撫でる俺は、添い寝するジルベルト坊やに子守唄を歌っていた。

 リュカほど上手くはないが、この歌を聞けば誰だって眠くなるはずだ。
 歌唱力は関係なく、歌の力というやつだ。

 そう思って、ちらりと胸元に視線を送れば、空色の瞳とバッチリ目が合った。

 「…………なんなんですか、その歌」
 「っ、効いていない、だと!?」
 「むしろ目が冴えましたね」
 「くっ、強敵すぎる……。一体、あと何曲歌ったら良いんだ!?」

 他の子守唄を歌おうとすると、ジルベルトはもうやめてくれとばかりに、げっそりとした顔をする。

 「歌より、心音を聞かせてもらえた方が、まだ眠れそうなんですけどね?」
 「うっ、そうか……」

 ジルベルトの耳が俺の胸元に来るように、そうっと抱き寄せた。

 目を伏せたジルベルトは、息をしているのかと、確認したくなるほど、お人形のように美しい顔をしている。
 腹一杯に食べているから、体に肉もついてきた。
 でも、もう少し太らせたいと思いながら、適度に暖かい部屋で、俺も眠気に襲われる。

 「リオン? 寝たの? 自分の部屋で寝ないと……」
 「ンッ……」

 ゆさゆさと体が揺れる。

 僅かに胸の飾りがガウンに擦れておかしな声が出てしまうが、隣からひゅっと息を呑む音がした。
 
 「……リオン」
 「ぁっ……ん……ジ、ル……ぁッ」

 俺を起こそうと、優しく触れる手が心地よい。

 だが、リュカのせいで成長してしまった胸の飾りが、細長い指の間に挟まっている。
 ジルベルトに悪気はないのだが、勝手に感じてしまう俺は、優しい刺激に悶えた。

 薄らと目を開けると、空色の瞳と視線が交わり、ジルベルトが俺の顔を凝視していた。

 ゆっくりと瞬きをすると、気付けば端正なお顔が目の前に迫っていた。
 ジルベルトの瞳が激しく揺れている。
 そう思った時には、優しく口を塞がれていた。

 「っ……んぅ……ゃ、ぁっ……ンッ……」

 温かな舌を迎え入れ、胸元を優しく撫でられる。
 
 きっと俺を寝かせようとしてくれているのだろうが、ジルベルトの指が胸の飾りを通過する度に、ぴくんと体が反応してしまう。

 恥ずかしいのに気持ち良くて、泣きそうになる。
 舌を絡ませて口付けながら、ぎゅっと腕にしがみついた。
 
 「嫌がらせ、するね」
 「っ、ぅ、ぅん……」

 なんで今、言ったんだ?
 もうすでに口付けているのに……。

 不思議に思いながら頷くと、ジルベルトの指先は、俺のガウンの中に差し込まれた。
 胸元が涼しくなったと思った瞬間、ざらりとした熱いものが、胸の飾りを通過する。

 「あッ、ぁあンッ!」
 「っ…………」

 大きな声が出て、慌てて両手で口を塞ぐ。

 ふぅふぅと呼吸が乱れる俺を見下ろすジルベルトの瞳は、明らかに熱を帯びていた。
 ゆっくりと味わうように胸の飾りを舐められて、大袈裟なくらい体が飛び跳ねてしまう。

 ジルベルトの動きが止まって、胸元を見れば、ふるふると首を振っていた。
 なんだか様子がおかしい気がする。
 そっと髪を撫でると、ジルベルトが顔を上げた。

 俺と目が合うと、透き通るような空色の瞳は、ギラギラとした色に変化する。

 「ひぁッ……やっ、だめっ……んんぅッ……」

 気付けば素早い身のこなしで体に跨られ、胸の飾りを吸われていた。
 子犬がミルクを飲むように、チロチロと舐められて、たまらず腰が揺れてしまうのを止められない。

 ジルベルトの体に、硬くなる陰茎を押しつけていると、きゅっと握られる。

 「やッ、」
 「……嫌がらせなのに、興奮してる?」
 「っ、ぁ……ち、ちがっ……」

 必死に違うと口にするが、ジルベルトの手がゆっくりと動く。
 気持ち良くて、口をはくはくとさせてしまう俺は、涙が溢れた。
 ジルベルトが目を見開き、まじまじと俺を見つめてくる。
 だが、射精に導くように、手の動きが加速していく。
 
 「あっ、ぁッ……だ、めっ……んんぅ……」
 「リオン? 気持ち良いの?」
 「っ……ご、めん、なさぃっ……」

 ゆっくりと速度が遅くなる。
 溢れた蜜でくちゅりと水音がして、顔に熱が集まった。

 「なんで謝るの?」
 「ぇ……だ、だって、嫌がらせなのにっ……」
 「うん」
 「っ……き、きもちよくなって……ごめん、なさぃ……」

 恐る恐る謝罪すると、俺を見下ろすジルベルトの眉間に、ぐっと皺が寄る。

 ひくっと俺の喉が鳴ると、噛み付くように口付けられていた。
 口内を舌で犯され、くちゅくちゅと激しく陰茎を扱かれて、すぐに限界を迎えた。

 「ふぅぅ、んっ、んんんんぅ────ッ!!」

 ジルベルトの手の中に射精し、ゆっくりと扱かれて、ぴくんぴくんと体が跳ねる。
 ぼんやりと見上げると、愛おしそうに目を細くしていたジルベルト。
 だが、カッと目が見開かれて、すぐに俺から離れた。

 「綺麗にするから待ってて」

 そう言い残したジルベルトは、早足で部屋から去って行った。










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