嫌われ王子様の成長 〜改心後、暴君の過去が役に立つこともある〜

ぽんちゃん

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46 マッサージ ※

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 ファーガス兄様が顔面から倒れる寸前に、側近のお方が体を支えている。

 そんな兄様にそろそろと近寄った俺は、きめ細やかな頬に、おやすみのキスをした。
 思っていたよりも頬が熱くて、俺も熱がうつった気がした。

 「お、おやすみなさいっ!!」

 兄様の顔が見れない俺は、真っ赤な顔で厨房から逃げ出す。
 その後、なにやら叫び声が聞こえたが、ファーガス兄様ではないはずだから大丈夫だろう。
 


 自室に戻って、熱い顔を手でパタパタと仰いでいると、リュカが戻ってくる。

 皿に乗せたコロッケパンを手にして……。

 若干、リュカの目が怖い気がするのは、俺の気のせいだ。

 「ジルベルト様の分は、手紙と一緒に送りましたので」
 「あ、ああ、ありがとうございました」
 
 直角に頭を下げると、リュカがくすりと笑う。
 
 空気が華やぐリュカの手を引き、一緒にソファーに腰掛けて、コロッケパンにかぶりついた。
 俺の隣でうっとりとした息が吐き出され、無心で食べ続けるリュカは、すごく可愛い。
 あっという間に食べ終わり、お腹を摩った。

 紅茶を用意しようとするリュカを制した俺は、眉を下げる。

 「ごめんな?」
 「……なんの謝罪ですか?」
 「リュカも夕飯がまだだっただろ? 次からは、俺のことは気にせずに、先に食べて良いからな?」

 目を丸くしたリュカだったが、すごく嬉しそうに頬を緩める。

 「お気遣いいただき、ありがとうございます」
 「当たり前だろ? リュカは俺の専属侍従なんだから。大切な存在なのっ」

 にっこりと笑うと、俺の顔を見つめるリュカの頬が、ほんのりと赤らんだ。

 今日はよく眠れるように、特別なマッサージをしてくれるらしい。
 俺が抜け出さないように、監視するためではないと思いたい。
 コロッケパンのお礼だろうと察し、楽しみだと立ち上がった俺は、リュカと共に浴室に向かった。



 丁寧に体を洗ってもらった俺は、寝不足だからか息子が反応してしまったが、全集中しておさえ込んだ。

 ふかふかの寝台に大きなタオルを敷き、その上にゴロンとうつ伏せで寝転ぶと、お尻を隠すようにタオルをかけてくれた。
 とぷとぷと甘い香りのする液体を手に馴染ませたリュカは、綺麗な手で俺の足をマッサージしてくれる。

 「ああ……、そこ、いいっ、気持ちいい~っ」

 脹脛を絶妙な力加減で押されて、たまらずうっとりとした声を上げる。
 案外、体が疲れていたらしく、すぐにうとうとし始めた。
 
 「ふふっ、相当お疲れのようですね。このまま寝てくださって構いませんよ」
 「うん、ありがと、りゅか」

 太腿を撫でるように触れられて、気持ち良くて目を伏せた。
 微睡む中、お尻の際どい部分に触れられて、ぴくんと体が跳ねる。
 マッサージをしてもらっているのに、俺の息子が反応し始める。
 ダメだと悶えていると、リュカは俺の背をマッサージし始めて、ほっと胸を撫で下ろした。

 


 「ぁっ……んっ……は、ぁっ……ぁ、ッ……」

 甘ったるい声が口から出ていることに気付いて、薄らと目を開けると、天井が見えた。

 うつ伏せで寝ていた俺は、いつのまにか仰向けになっており、胸の飾りをマッサージされていた。
 全身がとろとろの液体塗れになっており、淫らな気分になる。
 カリカリと胸の飾りを弾かれて、ぴくんと大きく反応する。

 「はぁっ……だ、めっ……ぁっ、んぁッ!」
 
 リュカの手の動きが止まるが、俺は自然と腰を揺らしていた。
 ぴちゃぴちゃと音を立てて耳を舐められる。
 耳までマッサージするなんて、徹底していると思う。
 
 「んっ……りゅか……」

 とろんとした顔で名前を呼ぶと、優しく口付けられた。
 唇を啄むと、リュカは嬉しそうに頬を緩める。
 差し込まれた舌を吸っていると、胸の飾りをくにくにと弄られる。

 「ぁっ……んんぅ……りゅかぁ、下も……」
 「ふふっ、マッサージですか?」
 「ん……。してっ」

 寝ぼけているからか、俺は恥ずかしげもなくおねだりしていた。
 だが、意地悪な侍従の手は、ひたすら胸の飾りをマッサージし続ける。
 陰茎から透明な蜜がとぷとぷと漏れて、射精が近くなる。
 扱こうと手を伸ばすと、指を絡めて握られた。

 「りゅか、やだ、だしたい……ンッ」
 「はい。乳首で達することが出来るように、頑張りましょうね」
 「ええ……むり、だよぉ……んぁあッ」
 
 無理だと言いながらも腰を揺らす俺は、じわじわとした快感の波に飲まれていた。
 
 「ぁっ、あっ、でるぅ……」
 「可愛いですよ」
 「ンッ」

 耳元で甘く囁かれて、ぶるりと震える。
 リュカの美声にダメ押しされて、陰茎からはぴゅくぴゅくと白濁が漏れた。
 はあっと艶かしい息を吐くと、褒めるかのように顔中にキスを送られる。
 
 「よく出来ましたね」
 「ん……」

 優秀な侍従の手によって、淫らな体にされてしまった気分だ。
 それでもリュカの優しい声にうっとりとする俺は、頬を緩ませる。

 「つぎは、おれが、りゅかの……」

 手を伸ばし、すべすべの頬を撫でる。
 眠るようにと目元に口付けを送られ、頭上からはめちゃくちゃ上手い子守唄が聞こえてきた。

 ……意地悪なリュカは、誰よりも俺に甘かった。





















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