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27 いじめっ子侍従 ※
しおりを挟むたっぷりと口付けをしていると、いつのまにかリュカに押し倒されていた。
侍従の仕事を完璧にこなす美青年は、俺の服をあっという間に脱がせていく。
俺の専属侍従は、恐ろしい程手際が良い。
毎日のように俺の着替えを手伝ってくれているのだから、当たり前か。
なんて思いながら、目をとろんとさせて見ていると、リュカの目は細くなる。
ぺろりと舌舐めずりをした綺麗なお顔は、ゆっくりと俺の胸元に下りていく。
「ひゃっ!」
胸の飾りに、ざらりとした舌の感触。
舐められたことに気が付いて、カッと体が熱くなった。
咄嗟にリュカの肩に手を置いたが、すぐに手首を握られて、シーツに押し付けられた。
「な、なにするのっ」
「美味しそうだったので、つい」
「ええ!? あっ、ぁっ……ぁっ……んっ……ぁんっ……はぁっ……やぁ……っ」
胸の飾りをチロチロと舌で舐められて、喘ぐ声を止められない。
昨日も抜いてもらったのに、俺の陰茎は硬くなっていく。
じゅじゅっと音を立てて吸いつかれて、勝手に腰が浮いてしまう。
「ああッ! りゅかっ、だめっ」
舐められる度にぴくぴくと体が震えると、舌の動きが激しさを増す。
胸の飾りに歯を立てられて、ビクンと大きく体が揺れて、自分の声とは思えない艶かしい声が出た。
「舐めるより、甘噛みした方が気持ち良さそうですね?」
「ンッ……し、知らないっ」
「ふふっ。痛くされた方が感じますか?」
「っ、嫌っ! 痛いのは、イヤッ」
怯えながらぶんぶんと首を振ると、小さく笑ったリュカは、優しく舐め始めた。
時折甘噛みされて、一層大きな声で喘いでしまう俺は、リュカに言われた通り、痛くされた方が感じてしまう体だったみたいだ。
その事が恥ずかしすぎて、じわりと涙が溢れる。
「ぅぅっ……やだぁ……んぁっ……なんでっ……はぁっ、りゅかぁ……あっ、ぁあんッ!」
名前を呼ぶと甘噛みをされて、硬くなる陰茎をリュカの体に押し付ける。
淫らな犬に成り下がる俺は、早く触って欲しいかのように、腰を振っていた。
リュカはその事に気付いているはずなのに、ひたすら胸の飾りだけを弄ぶ。
我慢出来なくてぽろぽろと涙が溢れると、手首を離したリュカの手は、俺の涙を優しく拭った。
「痛かったですか?」
「っ…………ぅぅん」
小さく首を横に振ると、ふっと柔らかく笑う声がする。
薄らと目を開けると、意地悪そうな表情で見下ろされていた。
「では、気持ち良くて泣いてしまわれたのですか?」
「っ、知らないっ、泣いてないっ」
「ふふっ、そうですか。では、続きをしても?」
そう言って胸の飾りを優しく撫でられて、ぴくんと体が跳ねる。
もう胸の飾りは放置してくれて良いのに、リュカはまだ可愛がるつもりだ。
本当に意地悪な侍従である。
不満げに口を尖らせて、泣くのを我慢していると、楽しそうにしていたリュカの顔が歪む。
ぱくりと唇を食べられて、舌を差し込まれた。
迎え入れた温かな舌を舐めて、離れていかないように吸い付く。
リュカとのキスは、すごく気持ちが良い。
「んっ……りゅか……」
唇が離れて、名残惜しくて名前を呼ぶと、大きな手ですりすりと頬を撫でられた。
「気持ち良いですね?」
「……ぅん」
素直に認めると、リュカは嬉しそうに頬を緩めた。
普段は無表情のリュカの微笑みは、すごく可愛くて、胸がキュンとする。
俺より四つも歳上の人に失礼かもしれないけど、いつまでも見ていられる可愛さなんだ。
「「可愛い」」
声が重なって、二人で顔を見合わせて、同じように目を瞬かせる。
「ぷっ」
「ふふっ」
くすくすと笑い合う俺達は、暫く笑いが止まらなかった。
一頻り笑い終えると、自然と唇が重なっていた。
リュカの首に腕を回して抱きつき、舌を絡ませ合う。
目元を和らげたリュカの手は、俺の陰茎を優しく撫でた。
「ンッ……」
「触って欲しいですか?」
「っ……」
「リオン殿下?」
「…………ぅん」
恥ずかしいけど小さな声で答えたのに、リュカは聞こえていないふりをしてくる。
優しいのか意地悪なのか、全然わからない。
頬を膨らませると、くすりと笑われる。
「すみません。もう一度お願いできますか?」
「っ、さ、……って」
「もう一度」
「っ…………さ、さわっ、て」
ぼふっと顔から火が出そうになる。
わざわざ言葉にして言わせようとしてくる俺の侍従は、顔は可愛いけど性悪だ。
「よく出来ました」
「っ、りゅか! あっ、あンッ!」
笑顔で俺を褒めたリュカは、待ちきれないようにひくひくと動く俺の陰茎を握り、ゆっくりと扱く。
気持ち良いけど焦ったくて、リュカの手で自慰をするように腰を動かしていた。
「ふふっ、いやらしく腰を振って……。上手ですね?」
「んっ……ぁっ……あぁっ……はぁっ……でるッ」
「どうぞ、お好きなタイミングで」
「つっ、」
完全に手の動きを止めたリュカに、にやりと笑われて、涙腺が崩壊しそうになる。
「ぅぅっ……」
「いかせてくださいと、可愛らしくお願いして下さい」
「っ、そんなの、無理だよぉ……」
「では、頑張って腰を振りましょうね? 発情期の犬みたいに」
その言葉にぶわっと涙が溢れる。
泣かないように必死に瞬きをする俺は、ギラギラと光る新緑色の瞳を見上げる。
「い……、いかせて、くだ、さいっ」
喉が震えてなんとも情けない声が出て、たまらず涙が零れる。
カッと目を見開いたリュカは、俺の陰茎を激しく扱いた。
「あァッ、あっ、でるっ、りゅかっ、んあっ、ああぁぁ──ッ!」
ビュッと白濁が飛び、綺麗な手を汚す。
少し扱かれただけで射精した俺は、いじめっ子侍従に辱められたことに興奮してしまったらしい。
泣きながらガクガクと震えていると、リュカが褒めるように俺の顔中にキスを落とす。
ぼーっとしている俺の体を、リュカは丁寧に清め始めた。
飴と鞭を巧みに使う俺の侍従に揶揄われることが嫌で、寝たふりをする。
結局、またしてもリュカを気持ち良くすることを忘れていた俺は、そのまま快眠するのだった。
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