7 / 11
ピンク
しおりを挟むビルの1階にはバー専用の階段が奥にあり、階段を降りたらすぐ扉がある。開けて入ると、マスターが「いらっしゃいませ」と笑顔を向けた。お客さんは少なく、1人の女性と男女2人がいる程度だ。結構静かめな雰囲気だ。
私はなんとなくマスターの目の前に座る。
「あの、フルーツカクテルって使ってる果物はなんですか?」
「季節のフルーツを使っております。今ですと林檎か柑橘類ですね。フルーツカクテルは女性の方に人気がありますよ。」
「そうなんだ…じゃあ、それでお願いします。」
「かしこまりました。」
マスターがカクテルを手際良く作る。バーテンダーって職業かっこいいなあと思う。だって、もはやパフォーマンスだもん。
「どうぞ。」
静かにコトッと置かれたカクテルに目線を落とす。オレンジ色の綺麗なグラデーションとグラスにオレンジが飾られていて可愛い。やっぱりカクテルは見た目も大事。
一口飲んでみると、ほろ苦い甘さにオレンジのフレッシュな味わいが口の中を覆った。
季節のフルーツだっけ…どのくらいの頻度で変わるんだろう。是非、全種飲みたい。
私にはバーで経験してみたいことが一つある。それは「あちらのお客様からです。」というシチュエーションだ。
あちらを見ると紳士的な男性と目が合い、私のところに近づいてくる。そして、なんだかんだあってイケナイ展開に…!!
なんちゃって。久しぶりのこういう空間だったから変な妄想をしてしまった。
少し時間が経つと、何人かお店に入り、客が増えてきた。仕事終わりの時間帯だからかな。客が増えると同時に奥から女性のバーテンダーが出てきた。
周りを見渡すと、結構1人で来る女性が多い。私もここ通ってみようかな。月1くらいなら行ってもいいかも。
私の隣にも人が座った。「マスターいつものお願いします。」頼み方的に常連さんなのかな。
マスターが用意したモノは美しいルビー色のカクテルだった。私が興味深々にそのカクテルを見ていたので、隣の人が「これはキールですよ。」と教えてくれた。
へぇーと思うと同時に、ふと気になることがあった。聞いたことある声だ…。あまりにも聞き馴染みのある声だったので、隣に顔を向けてしまった。
そこには、白く透き通った肌と澄んだ瞳を持つ男性がいた。こちらに気づくと、笑顔を見せた。どこか悲しげな笑顔を。
ああ、大野さんだ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
愛娘(JS5)とのエッチな習慣に俺の我慢は限界
レディX
恋愛
娘の美奈は(JS5)本当に可愛い。そしてファザコンだと思う。
毎朝毎晩のトイレに一緒に入り、
お風呂の後には乾燥肌の娘の体に保湿クリームを塗ってあげる。特にお尻とお股には念入りに。ここ最近はバックからお尻の肉を鷲掴みにしてお尻の穴もオマンコの穴もオシッコ穴も丸見えにして閉じたり開いたり。
そうしてたらお股からクチュクチュ水音がするようになってきた。
お風呂上がりのいい匂いと共にさっきしたばかりのオシッコの匂い、そこに別の濃厚な匂いが漂うようになってきている。
でも俺は娘にイタズラしまくってるくせに最後の一線だけは超えない事を自分に誓っていた。
でも大丈夫かなぁ。頑張れ、俺の理性。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる