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21.俺の名前が書いてある
しおりを挟むみんなはおまじないって信じる?きっと、大半の人が遊び半分でやっていると思う。このおまじないは知っているだろうか。
“消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切ると結ばれる”
俺が中学生の頃に流行ったおまじないだ。女子だけではなく、男子もそのおまじないをしていたそうだ。
中学2年生の冬。誰もいない放課後の教室、なぜか教卓の上に筆箱が置いてあった。薄いピンクの綺麗な筆箱から、シャーペンと消しゴム、色ペンが乱雑に出ていた。
どう考えても女子のもの。許可なく触るのは申し訳ないが、せめて筆箱の中にしまってあげようと片付け始める。
最後に消しゴムを入れようとすると、手が止まった。
消しゴムに誰かの名前が書いてあるのでは。
俺の頭に過ぎったのは、中学生の自制心をぶち壊すほどの好奇心だった。
消しゴムのカバーを外した。
俺の名前が書いてある。
翌日、学校に行くだけなのに心臓がずっとドクドクと鳴っている。誰かが俺のことを好きで、その誰かが今日わかってしまう。
俺は教室に入ると、女子の筆箱をじろじろ見た。
そして、ついに筆箱の持ち主を見つけた。肩上までの黒髪と、白い肌にうっすらとピンクに染まる頬。名前は立花さん。
決して目立つタイプではなく、大人しめの子だから意識して見たことなかったけど、なんて可愛い子なんだ。
こんな可愛い子が俺のこと好きなのか。俺の初めての彼女が立花さんになるかもしれない。
それからというもの、俺は立花さんを意識し出し、毎日立花さんのことを考えていた。
どんな告白をされるんだろう。
初デートはどこに行こう。
立花さんの私服はどんな感じなのかな。
女の子にはどんなプレゼントがいいのかな。
俺の検索履歴は、『初デート おすすめ どこ』『女性 プレゼント おすすめ』『かっこいい 服装 男性』などで溢れかえった。
結局、立花さんからは告白されず、何事もないまま卒業した。
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