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7.明るい女の子だった
しおりを挟む私の親友紗奈はとても明るい女の子だった。でも本当は、裏垢で愚痴を吐いたり本音を漏らす子だった。
その裏垢は私しか知らない。紗奈のことを一番わかっているのは私だけだ。
紗奈は海を越えた遠い県の大学に進学した。紗奈が大学でどんなキャラを演じているのかはわからないけど、裏垢の紗奈のことを私はいつも見ているよ。
ある日、紗奈に彼氏ができた。裏垢に愚痴だけではなく、惚気が混じるようになった。
紗奈を奪われたような気持ちになったけど、紗奈を幸せにできるなら別にいいやって思えた。
付き合って1ヶ月も経たないうちに紗奈の惚気はなくなった。
「あいつまた他の女といるムカつく」
「私と一緒にいるのに他の女と連絡取り合ってるウザい」
「デートに誘ってくれない死ね」
彼氏に対する苛立ちが紗奈の裏垢を埋め尽くした。
だけど、だんだん紗奈は自分を責めるようになり
「私がこんなんだからいけないんだ」
「全部私が悪いんだ」
「好きって言ってくれない死にたい」
気がつくと紗奈の裏垢は完全な病み垢と化し、自分の悪口ばかりになっていた。
「死ねって言われた」
紗奈の裏垢はもう動いていない。
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