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3.はいはい見た目見た目
しおりを挟む私は標準よりも太めである。“かなり”ってわけではないと思うが、決して“やや”ってわけでもない。
これは俗に言うコンプレックスだ。男に相手にされないのも全部私が太っているからだ。
そんな私の承認欲求の満たし方はSNS。
私が加工した自撮りを投稿したら、すぐ反応がくる。皆んなが私を可愛いと言ってくれる。嘘とか騙しているなんて罪悪感は全くない。だって、この人達が本当の私を見ることなんてないんだし。
ダイレクトメッセージもよく来る。かっこいい人だけに返してるの。結局は見た目だもん。
私にはレンという彼氏がいる。ネット恋愛だけどね。レンはかっこいいし、優しい。見た目も中身も素敵な人って存在するんだな。
レンには、私が本当は太っていることを言ってある。そしたら、レンは「俺、痩せてる女より肉つきがいい女の方が好きなんだよ!もっと好きになった!」って言ってくれたの。レンは私のことが好き。
付き合ってもう1週間以上経った。私はレンに会いたい。レンならこの見た目の私を受け入れてくれる。
『レン、付き合ってるんだしさ、もうそろそろ会えない?』
『会えるよ!俺も会いたいって思ってた!』
レンも私に会いたいんだって。嬉しい。
来週の日曜日に会う約束をした。こんな見た目だから不安な気持ちはあるけど、私はレンを信じてる。
当日、待ち合わせ場所にはレンのアイコンと同じ顔の男の子がいた。かっこいい。
私が話しかけると、レンは「会いたかったよ。」とハグしてくれた。
この日のデートは私の人生の中で一番幸せだったと思う。私みたいな太ってる女の子もかっこいい男の子と付き合えるんだ!全国のおデブ女子諦めないで!
でも、幸せはそう長くは続かなかった。デートした日から数日で私は振られた。初恋の人が忘れられないらしい。
レンはお互いのためを思ってSNSで繋がるのをやめようと言った。レンは私のフォローを外したし、私も外した。
振られたのは悲しかったけど、初恋の人が忘れられないなんて可愛い理由だね。
お互いが辛くならないように繋がりを断つのも、男らしくてかっこいいよ。
レンのことは忘れようとしていた。でも、忘れることができず、次の日レンのアカウントを覗いてしまった。
レンは私と別れた数分後に
『可愛い彼女募集中!』
『好きな人ほしい!可愛い女の子がタイプ!』
と呟いていた。
はいはい見た目見た目。
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