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第一章 グレモリイの物語 試験航海
アルダト・リリーの戦闘報告
しおりを挟む「アルダト・リリーのボディを持ってきたわ♪有機体アンドロイドよ、それとこのカプセルも作っていただいたわ、ここに記憶装置を設置して、ここについているマイクで話せるわ、声はこちらについているスピーカーから出るようよ♪」
「マレーネ様はカプセルについては、『やっつけ仕事で不出来』とおっしゃっていたけどね♪」
「さっそく、話をしてみましょう♪」
嬉しそうなイザナミさん、いそいそと、カプセルにアルダト・リリーの記憶装置を設置しています。
「貴女はアスラ女性体の構成員、アルダト・リリーで間違いありませんか?」
すると……
「申し訳ありませんが、貴方は誰ですか?」
「私はイザナミ、アルダト・リリーの製造者、貴女の起動パスワードをいえば信じて貰えるかしら?」
「お願いします……」
「起動パスワードは、『あがみはなりなりて、なりあはざるところ、ひとところあり』」
「確認いたしました……イザナミ様……お元気でいらっしゃるようで……」
「アルダト・リリーさん、我らの主様のお許しにより、貴女の有機体の体を用意している、構わないか?」
「イザナミ様のご命令ならば、拒否はありません」
「そうか、ありがとう、では始めますよ」
カプセルについていたボタンを押したイザナミさん、すると……
輝き始めたカプセルの中で記憶装置が分解、フォトンの粒子になります。
アルダト・リリーのボディはすぐそばに置かれています。
カプセル自体も崩壊をはじめ、フォトンの渦に、イザナミさんが、
「アルダト・リリーよ、このボディに収まれ、四万年ぶりに私のもとに戻れ!」
エールさんの時のように、アルダト・リリーのフォトンの渦が、ボディに吸い込まれていきます。
「イザナミ様のご尊顔が見える……」
「アルダト……四万年ぶりね……お帰り」
イザナミさん、アルダト・リリーさんを抱きしめて……
「とにかく今は、『御使い』どもを叩きのめさなくては!アルダト、復活して悪いけど、リリスや他の眷属はどうなったの?」
アルダト・リリーさんの話によれば、リリスさん一行は突然、男性体に襲われたそうです。
テラで仲良く男性体と暮らしていたので、敵対しているとは考えなくて、油断している隙に搭乗艦に、大質量物質の直撃を受けて大破。
「艦には戦闘艇二隻と脱出艇が一隻ありましたので、私とイドルが戦闘艇にのり、リリス様を逃したのです」
「キスキル=リラは、近接戦闘のアンドロイド、最後まで付き従ってもらい、二人で男性体と戦ったのです」
「イドルの戦闘艇はここから三光年のところで撃破され、私も撃破されました」
「リリスは逃げきれたの?」
「分かりません、ただここから、この銀河の天頂方向へ向かわれたのを確認しております」
「グレモリイさん、悪いけど1個防衛戦隊でイドルの戦闘艇の残骸を回収してくれない……」
「もしかすれば、保存用の記憶領域が生きているかもしれませんし……」
アルダト・リリーさんを撃破した男性体は、救援に来るかもしれない女性体の艦艇を撃破するため、ここに浮遊機雷を敷設して、リリスさんの脱出艇を追いかけた様です。
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