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第四章 ローズマリー・ロッシチルドの物語 狩猟
ディエゴガルシア島
しおりを挟むディエゴガルシア島に住むことになった女たち……
男どもがかき集め、遊んでいた女たち、それも生き残っていたという事は、おしい女たちという事、かなりの美形揃い。
アグネス率いる奉仕の魔女団はエラムへ戻り、今ではこの美女たちだけが住んでいる。
「この方たちをどうしたものか……」
ローズマリーは途方に暮れていましたが、女たちを集めて、今後の考えを聞いてみる事にした。
「皆さんのお身体は完治しました、この島に住まう事も認められましたが、生きる糧を、何とするお考えですか?」
一人の聡明そうな女が、
「私たちは何の技術も技能も持ち合わせていません、本来ならば、助けていただいた兵隊さんたちにお仕えすべきでしょうが、私たちは殿方が怖くて……」
「こうして助けていただきましたが、何をすればよいのか途方に暮れています、私たちはどうすればよいのでしょう」
「確かにそうですね……」
その時、ローズマリーの頭に、声が聞こえてきた。
……ディエゴガルシア島に、技芸学校の上級校を作りなさい、エラムのように各種の実業学校も良いでしょう。
管理官特別推薦以外の者でも、優秀な者はいるでしょう、テラの三級市民領域の復興には、そのような女たちも必要なはず。
ディエゴガルシア島に幾つかの学校ができれば、その教員も必要、教職員や学生の為の、下働きの方も必要でしょう……
……ミコ様……
「皆さん、ミコ様がこの地に設立される各種の女学校に勤めないかとおっしゃっています、雑役婦ではありますが、生きる糧も得られるでしょう」
と言う事で、各地のナーキッド領域にある、技芸学校の上級校が忍によって設立された。
その運営は、各地の管理官の合議により運営されることとなり、管理官の組織をパープル・ウィドウ・クラブと命名、上杉忍が名誉会長に就任、実質上の責任者は先任管理官のセレスティア・デヴィッドソンが任命された。
ディエゴガルシア島はそのままナーキッドの直轄領となり、パープル・ウィドウ・クラブに運営が一任されることとなる。
設立されたのはディエゴガルシア高級技芸学校、ここは三級市民地域であるナーキッド領域を運営する、高級事務幹部養成校となり三年制。
さらにはディエゴガルシア医療保健高級技芸学校、ディエゴガルシア建設技芸実業学校、ディエゴガルシア工芸技芸実業学校、ディエゴガルシア農業技芸実業学校、ディエゴガルシア水産技芸実業学校などなど。
技芸実業学校も三年制、これらはいずれも入学資格は女給が必要になります。
技芸実業学校卒業生は上級女給、高級技芸学校卒業生はその上の、高級女給の資格を与える事となる。
それとともに上級女給さんには、グリーンシルバーのアームレット、高級女給にはイエローシルバーのアームレット、その上に最高女給を設置し、実質的に管理官府の最高幹部となる資格を設置、ピンクシルバーのアームレットとなった。
給料は基本は女給の年収金貨三枚、450万円で末女と同じ、位が上がるごとに金貨が三分の一、50万円分が加算され、最高女給は金貨四枚、600万円。
ちなみに女給さんの下、雑役するご婦人は金貨二枚、年収300万円で低いが、その代わり衣食住が支給されますので、生活には困らなくなっている。
こうして最低限の管理官府の組織が、この時作られた。
ディエゴガルシア島には、パープル・ウィドウ・クラブの事務所も設立され、三級市民領域の実質的に政務庁舎ともなった。
この時、一級市民地域、二級市民地域、三級市民地域となる、テラ独特の統治体制が成立したといってよい。
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