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第五十章 辺境諸侯領始末記

09 お手製のカレーが食べたい!

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 負け組五人男と話していると、シルビアさんがやってきました。

「大きい耳でしたね、そういうことです、私の南部の処置は、ご不満ですか。」
「ではなぜ、私に馬鹿の始末を、命ぜられたのですか?」
「貴女を試したかったのです、私は用心深くてね。」
「いつからこの計画を?」

「貴女を見てからです、最初はこのまま国境を封鎖、海上封鎖をジャバに命じるつもりでした。」
「こうすれば一兵も損なわず、南部は二三年後には、食糧危機と塩不足で自滅するはずです。」
「地獄のような惨状になるでしょうね。」

「その時に恩着せがましく、出ていけば一件落着。」
「食糧を私の名で放出すれば、禍根は残らず、南部は私になびくでしょう。」

 シルビアさん、真っ青になります、想像したのでしょうね。

「楽勝なのを、わざわざこうして、おいしい餌になりにきたのは、貴女ならなんとか南部を束ねて、賢く行動してくれると思い、賭けてみようかなと思ったからです。」
「まぁ、そのおいしそうなお尻を、なでなでしようかなとも、思ったからかもしれませんね。」

「お嬢様、この悪い口と悪い手を縛りましょうか、お尻なら私を触ってくださいな。」
「そうですよ、胸ならこの自慢のジジの胸をどうぞ。」

「じゃあ、私は大事な所を、このミレーヌは巫女様のお・こ・の・み・の女ですから。」
「私はどこでも差し出すぞ。」
 と、ビクトリアさんはとんでもないことをいいます。

「そういう危ない会話は、殿方の前でしないの、そろそろ昼にしましょう。」
「私が食事当番をしますから、なにが良いですか?」

 サリーさんが、
「久しぶりにお嬢様お手製の、カレーが食べたいです、お手製ですよ!」
 どうやらレトルト食品ではいけないみたいです、でもご飯はOKでしょうね。

 源兵衛さんにお鍋を借ります。
「マスター、えらく便利使いしてくれますね、そのカレーというものを私も食したい、それが条件。」
「どうすれば?」

「簡単です、私が何かに変異しますので、それに食べさせてください。」
 なにに変異するのか、期待半分、怖いもの半分……
 まぁいいでしょう、とにかく大きなお鍋と材料が必要です。

 目の前に大鍋を始め、カレーの調理道具一式とカレーの材料一式の上、飯盒からお米、無洗米ですか、まぁ至れり尽くせり、簡易の竈まで出てきます、ここで料理屋でも始めるのですか?

「えらく気合いがはいっていますね。」
 と、頭の中で源兵衛さんに聞きますと、
「私も食するのですから、万全を期すのです、ほらマスター働いて、ほらほら、手がお留守ですよ。」

 私は可哀想な、飯炊き女になりました。
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